お台場の風景や森の木のモノクロ写真にじかにペンライトを振って光の筋を焼きこんだり、風景のあちこちに多数の鏡を置いて反射させた光を配置したり、といった直接光そのものを合成するような処理を行っていて、結果、普通の風景の方に光を当てているというより、光があるから物の存在がわかるといった転倒が現れる。
スピリチュアル・ワールド 平成26年度東京都写真美術館コレクション展
昭和初めの浅草の店の風景から、禅寺のいかにも端然とした風景、出雲大社の屋根飾りから温泉の写真まで含んだ雑多なコレクション。その雑多ぶりが八百万の神々に見合っているということだろう。白黒が多いのが、雑多な一方で統一性をもたせている。
世界報道写真展2014
報道写真だから半ば仕方がないのだが、いかに世界が暴力にまみれているかを改めて見せる。ボストンマラソンの爆発直後といった生々しい写真だけでなく、汚染された海を大俯瞰で見せた抽象画のような写真、殺されて埋められた犠牲者の服だけの写真といった間接的なアプローチでも、暴力性は薄れない。
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