まずはっきり違うのは線。強弱や流し方など印刷用に掘られた線とは当然違っている。(逆に堀り線が制約のある中でどれだけニュアンスを出すよう腐心しているかも逆に照射できるかもしれない)
モチーフとしても遊女と禿(ハゲではなくカムロ=大夫,天神など上級の遊女に仕え将来遊女となるための修業をしていた少女・コトバンク)という組み合わせがいくつも見られる。それもずいぶん体格差があって、遊女がなよなよとした柳腰ではなくバカに大大としている。象や馬などの動物と一緒にいる図でもいささか大きすぎるくらい。
描いている背景に水墨画をちょろっと入れたりするのも印刷では無理だろう。
ふつうの紙ではなくおそろしく手の込んだ刺繍が入った布の上に貼られた紙の上に、さらに黒い着物に金色を含めて柄を描いているあたりいかにも贅沢。
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