特に警察の難癖にむかつきながらステージに上がり、客席のノリとともにエスカレートして警察を罵倒し挑発するのは爽快。あんな真似したら実際にはどれくらい陰険ないやがらせされるかと思うが、そのあたりは娯楽映画らしくぱっと記者会見でのやりとりの正々堂々とした主張ににつないでいる。
いかにラップに無知でもはさすがにアイス・キューブは知っていてバカに似ていると思ったら実の息子と知って納得。他全員キャスティングが厚い。
成功したあとの本物のワルが金の匂いを嗅ぎつけて仕切ってきたり、ユダヤ人のマネージャー(おお、ポール・ジアマッティ)のえげつなく金を中抜きする上に堂々と恩着せがましいあたりの業界的な描写も面白い。
日本と違ってアーティストが独立して自前でマネージメントするのが当然なのだなとも思う。
ひとつのグループのキャラクターたちが一斉に平行しながら、しかし微妙にばらけて動くのをさばく脚本と演出の厚みは大したもので、アメフトのゲームのような自由な統一感とスピードと重量感がある。
LPをプレスしているあたりで凄い昔のような話かと思うとシドニー・キング事件とロス暴動の実写がぬうっとせり上がってくるあたりで、これ自体は一応昔の話なのに現代ともろに直結する。
(☆☆☆★★★)
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映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』 - シネマトゥデイ