長男の大森南朋がいったん一人だけ家出していたのが突然戻ってきたもので、長男であるにも関わらずよそもの感が強い。それが皮肉なことに住む場所も性格も父親と重なるところが大きいのが、現地の主そのものが他者というねじれを感じさせる。
女の子たちの扱いがまったく実質的に人身売買なのがすさまじく殺伐としていて、心胆を冷やす。
冒頭で子供たちがなぜ逃げているのか、また土に埋められたのは何なのか伏せておいて後でわからせていくことで埋められた物に一種の象徴性を与えている。
ビジランテ=自警団とはアメリカのものみたいな印象があったが、閉鎖的なコミュニティがよそものに対して警戒の棘を立てている姿、という点では日本でも同じように成立している感。
重厚なタッチは迫力あるけれど、終盤重すぎてややもたつくのは惜しい。
(☆☆☆★★)
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