画や彫刻のどこをもって完成とするのか、レオナルド・ダ・ビンチの素描などしばしば未完成のままだが(何しろ万能の天才だから他のことをやっているうちに忘れてしまったらしい)、だからといって手を加えるところは何もないという状態になっているわけで、芸術の「完成」とは何なのかといったテーマは作り手側とすると興味があるところなのだろうけれど、見ている側とすると今あるものがつまり完成品となってしまうギャップは感じる。
監督は俳優出身のスタンリー・トゥッチ。
話の幅をあえて狭くしているのでつきあいのあった日本人哲学者の矢内原伊作の出番はほんのちょっと。アトリエのセットの質感はよくできている。
彫刻家としてよりその前の段階のスケッチをしている作業の方が中心。
ジェフリー・ラッシュはこれまでもデイヴィッド・ヘルフゴット、マルキ・ド・サド、ピーター・セラーズ(!)など実在の人物を演じてきたわけだけれど外観はそれほどいじっていないのに見ているうちに似て見えてくる。
ジャコメッティ 最後の肖像 公式ホームページ
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