邦題はライトノベルみたいに妙に凝っているけれど、原題はシンプルにHorizon Line。
「元カレと」墜落するのがイヤなのではなくて、単に墜落するのがイヤなのであって元カレとは協力しあう仲。
それも別に危機にあたって仲直りするわけではなくて、その前から焼け木杭に火がついていたのだし、考えてみると初めから本当に喧嘩していたわけではなくて、仕事に対する価値観の違いや住みたい場所が違うのですれ違っていただけで、いちゃいちゃしている方がずっと長い。
このあたりドラマ的におよそ凝ろうとしていないのが潔く、一緒に乗った小型飛行機のパイロットが心臓発作で死んでしまい後はとにかく二人協力してなんとか不時着してでも助かろうとする一点で押しきっている。
アメリカ映画得意の(なぜかスウェーデンと合作だが)シンプルにして線の太い展開。
上映時間も92分と最近では最も短い。
空の上を飛んでいるシーンが大半を占めていて、翼の上を這っていくところなど本当に撮れるわけがないのだが、作り物くささ、合成くささがまったくない。
登場人物はほとんど二人だけの小品といっていい作りなのだが、疑似体験ものとしてほぼ申し分のない出来。
主演の二人、アリソン⋅ウィリアムズとアレクサンダー⋅ドレイマンともにごく分かりやすい美女美男。