prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「KCIA 南山の部長たち」

2021年08月27日 | 映画

朴正煕たちが本気で一種の理想を持って「革命」を起こしたつもりらしいのが怖い。そしてこの暗殺がまた軍事独裁を呼ぶというのがやりきれない。


暗殺シーン、イ⋅ビョンホンが血糊で滑って派手に転ぶのがリアルだし、さりげなく身体能力の高さを見せる。

いかにもおべっかを使いまくる新顔の側近に対する男の嫉妬がリアル。権力者の世界というのがもろにホモソーシャルなのがわかる。

当然ながら、韓国の現代政治にアメリカの干渉なしにはありえないのをはっきり描き出している。告発もアメリカで行われたあたり、ロッキード事件を見てもわかるように日本だってそうなのだが、なかなかここまで描けない。

出てくる盗聴器はこの当時のことで当然のようにSONY製。