prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「カポネ」

2021年08月10日 | 映画
晩年の梅毒が脳にまわって幻覚や妄想に悩まされるようになった頃のカポネを描くという着想は面白いけれど、そこどまりの印象が強い。

幻覚シーンで映像的にはあれこれ工夫を凝らしているのだけれど、基本的にカポネの頭の中だけで展開しているイメージだからどうしても単調になる。
ところどころに配置されたドンパチも敵をやっつけてスカッとするというわけにはいかない。

邸宅に住んではいても絶えずFBIに見張られていて財産もはりぼてみたいなものという現実的なあたりをもっと突っ込んで描くともう少しドラマとしての結構が整ったと思う。

トム・ハーディのメイクは大いに凝っているけれど、凝りすぎて表情が乏しくなった。