(ネタバレあり)
フィリピンに逃亡していた凶悪犯たちをまとめて貨物船に乗せて韓国に送還するのだが、同じ船にフランケンシュタインのモンスターみたいな謎の怪力巨人も一緒に乗せられていてこれがなぜか暴れ出す。本当になぜかで、後で考えてみても原因がわからない。何か薬を注射したから暴れだしたのかと思うとおとなしくさせるための睡眠薬だと後でわかるといった調子。
初め犯罪者集団vs警察の限られた船内のバトルになるのかと思ったら(それにしては警察側が弛みすぎ)、モンスターが割り込んできてちょっと「プレデター」みたいに違うストーリーに脱線することになる。実際モンスターの主観で体温を色で表わすサーモグラフィみたいな画面がはさまったりする。
ただしストーリーの軸を移す手際が悪く、誰が主人公になるのか、少なくとも誰が話の軸になるのかブレまくるので、どう見ればいいのかだんだんわからなくなってくる。つまりノリにくくなる。
さらにある程度キャラクターが定着したところであっさり殺される肩透かしの連続で、全編ホラー映画そこのけの血みどろ描写もあまり繰り返されると退屈こそしないが飽きてきます。
また回想シーンの入れ方の手際が悪く、特に終盤無理やり話を捻じ曲げてあらぬところに持っていくのが、なんだか映画というよりシリーズものの第1話みたいで、どうにもすっきりしない。
日本で劇場公開されるレベルの韓国映画で、これだけストーリーラインとキャラクター配置と、つまり構成がガタガタなのは珍しい。
そしてモンスターの正体というのが第二次大戦中に日本軍が生体実験で作った兵器でしたというのには、またぁとうんざりした。
その生体実験シーンに出てくる日本軍人と医者たちの日本語がすげーいい加減で字幕がついてたのは失笑もの。
こういうのをエクスプロテーションというのです。
目を縫い合わせて口の中にウジが湧いているモンスターの姿、どこかで見たようと思ったら「サンゲリア」のサングね。