prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ノック 終末の訪問者」

2023年04月14日 | 映画
突然、他人の運命を縁もゆかりもないはずの人間が一方的に負わさせるのはリチャード・マシスンの「運命のボタン」をちょっと思わせ、それが世界の破滅にまで至っているのはタルコフスキーの「サクリファイス」のサスペンス版 アレンジという感じもある。 ラストの方で後者とよく似た絵も出てくる。 もっとも火はCG 製だが。

侵入者たちの言うことが本当なのか、ただの妄想に過ぎないのかはっきりしないのが強いサスペンスになっていて、本来だったら荒唐無稽としか思えない話がこのところのテレビで昔だったらフィクション映像でもありえなかったような出来事をぼんぼん伝えてくる現状が現実にあるからもっともらしく見えてしまう。
ただラストがはっきり割り切りすぎてる感じはある。

侵入される一家がゲイカップルと養子の東洋人の女の子というのは今風というか、破滅が待っているかもしれない未来を担うのは「伝統的」な家族=人びととは限らないということか。

登場人物はほとんど 7人だけ、舞台はほぼキャビン1つという ずいぶんコンパクトな作り。 これだったら 日本映画でもできるのではないかと思うくらいのスケールで、極端に言えば回想シーンを除けばテレビの「トワイライト・ゾーン」の1話でも収まるくらい。

知らない出演者ばかりだなと思っていたら、4人の侵入者のうち一番キレやすい男をやってたのがハリー・ポッターのロン役のルパート・グリントでした。