殺風景な牢獄に音楽が流れてミュージカル・シーンになるのだが、音楽と踊りで現実とは別の世界を作るのがミュージカルの王道的効用であって、それはあたまからの現実逃避とは似て非なるものだろう。
フレッド・アステアのミュージカルが現役の時が30年代の大不況時代で、夢見てる余裕などなかったのを知ってはいるが、やはりミュージカルというのは地上から5cm浮いているものだと思う。
レディ・ガガがなんで神出鬼没にジョーカーの独房に現れたり、外に出てしまったりするのだろうと不思議に思って、都合良すぎるな、妄想なのかなあと思っていたらおよそ「都合の悪い」オチがつく。
文字通りぶっとんだ展開もあるのだが、およそ爽快感はない。
所内のテレビがパナソニック製というのは今や古臭い型という意味合いになっていると思しい。