旧映画シリーズのせわしない移動撮影とかバックの人物の全員に動きをつけたりといったバタバタした演出は影をひそめて、場所がお台場から秋田に移ったせいもあってかずいぶん静かで回顧的になったなあと思わせる。
もっとも回顧的になったのはいいのだが、肝腎な青島(織田裕二)とすみれさん(深津絵里)の出番が回想シーンだけで、今何をやってるのかよくわからない。続きで見られる可能性も、まあない。
火事とかいわくありげな男が釈放されたりといった大きな出来事が全部終わり近くにまとめられて続きはお楽しみにという感じだが、もうちっと見せ場を作ってもいいのではないか。
室井が田舎にひっこんで畑を耕して過ごしているというのも、見ようによっては結構な身分ではあります。
無職とはいっても元エリート警察官僚だし、退職金はかなりもらっているのではないか。
「踊る大捜査線」シリーズの劇場版がメガヒットを続けてテレビシリーズの劇場版へ道筋をつけ、いまや各種のテレビシリーズの劇場版が猖獗をきわめている代わり本家が正直しぼんだ感はある。