製作が1961年ということは、主演のカーク・ダグラスと脚本のダルトン・トランボが組んだ「スパルタカス」の翌年ということになる。
トランボがそしてそれまで赤狩りで出せなかった名前を出したのはスパルタカス」とオットー・プレミンジャー監督の「栄光への脱出」からで、これは名前を堂々と出せるようになってすぐの仕事。
お尋ね者のカーク・ダグラスとそれを追う保安官のロック・ハドソンがダグラスが昔わけありだった女とその娘が仕切るロングドライブ(牛追い)に、呉越同舟の体で女たちを助けながら旅に出る。
牛の大群の移動や砂嵐の襲来といったスペクタクルも盛り込んでいるが、西部劇としては女性キャラクターの比重がかなり大きく、ダグラスと娘役のやたら可愛いキャロル・リンレーが一緒にいるとどうも危なくていけない。
ダグラスは完全な悪役、それも母親と娘両方を相手にする毒々しい悪役にもなりうる役で、ネヴィル・ブランドが盗賊役で出てきたりするが、いわゆる西部劇の定型が崩れてきている感じ。
トランボがそしてそれまで赤狩りで出せなかった名前を出したのはスパルタカス」とオットー・プレミンジャー監督の「栄光への脱出」からで、これは名前を堂々と出せるようになってすぐの仕事。
お尋ね者のカーク・ダグラスとそれを追う保安官のロック・ハドソンがダグラスが昔わけありだった女とその娘が仕切るロングドライブ(牛追い)に、呉越同舟の体で女たちを助けながら旅に出る。
牛の大群の移動や砂嵐の襲来といったスペクタクルも盛り込んでいるが、西部劇としては女性キャラクターの比重がかなり大きく、ダグラスと娘役のやたら可愛いキャロル・リンレーが一緒にいるとどうも危なくていけない。
ダグラスは完全な悪役、それも母親と娘両方を相手にする毒々しい悪役にもなりうる役で、ネヴィル・ブランドが盗賊役で出てきたりするが、いわゆる西部劇の定型が崩れてきている感じ。
監督がロバート・アルドリッチという男性的アクションものが得意という売りを一方で持っていて、「何がジェーンに起ったか?」のようなニューロティックな女性映画も作れる監督というのも微妙なスタッフ編成。
本格的に西部劇が崩れたのはベトナム戦争からだが、この頃はベトナムの南北対立が激化していて、アメリカ国内でもトランボの復権のように一方的な反動路線はほころびを見せていた時期ということになる。
クライマックスの対決はよくある背中会わせからだんだん遠ざかっていくのではなく、遠くからだんだん近づいていく趣向。様式よりリアル寄りとも言えるだろう。
本格的に西部劇が崩れたのはベトナム戦争からだが、この頃はベトナムの南北対立が激化していて、アメリカ国内でもトランボの復権のように一方的な反動路線はほころびを見せていた時期ということになる。
クライマックスの対決はよくある背中会わせからだんだん遠ざかっていくのではなく、遠くからだんだん近づいていく趣向。様式よりリアル寄りとも言えるだろう。