シングル・レコードのB面に入っていた曲のほうがA面の曲よりもヒットすることは時たま起きるが、そんなレコードのことを。
見つかった古いドーナツ盤レコードのなかに、ズー・ニー・ブーの「涙のオルガン」というのがあった(日本コロンビア、LL-10090-J、1969年4月か? 400円。上の写真)。
ズー・ニー・ブーのこんな曲には全く覚えがない。おかしいと思って見ると、B面が「白いサンゴ礁」だった。それなら好きな曲だったから、買った覚えがある。ビニール袋から出してみると、ジャケットは両面開きになっていて、右側がA面の「涙のオルガン」、左側が「白いサンゴ礁」になっていた。
ズー・ニー・ブーのボーカリストは、後に尾崎紀世彦で大ヒットした「また逢う日まで」を最初に歌ったけれどヒットしなかったと聞いた。「白いサンゴ礁」も危うくB面に埋もれるところだった。
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もう一曲、「B面問題」について。
古いレコードの中に、A面に「夫婦 主題歌 涙のカノン」(キングレコード、HIT-1636マルS、©1969年、400円。上の写真)が入ったのがあった。
この映画も、見たこともサントラ盤を買ったことも全く記憶にない。
ジャケットの裏面の解説によれば、「『幸福』『男と女』などにつづいて、再びフランス映画が新鮮な感覚と手法で、現代生活のモラルと夫婦の愛情についてのテーマに取組んだ、新人監督ベルナール・ポールの意欲的な秀作」だという(原題 “Le temps de vivre”)。
主題歌「涙のカノン」は好きな曲だが、映画のほうは記憶にない。
おかしいと思って見ると、B面が「白い恋人たち」だった(演奏はレーモン・ルフェーブル・オーケストラ)。
それなら覚えがある。「白い恋人たち」は1976年のインスブルック冬季オリンピックの記録映画の主題歌である。ただし、サントラ盤の演奏はフランシス・レイだった。
この映画は、女房と渋谷の東急文化会館4階か5階にあった映画館でロードショーで見た。「白い恋人たち」は、あの頃の深夜放送でも頻繁に流れていた。ぼくは滝良子の深夜放送で聞いた覚えがある。
2022年2月25日 記