曇り、23度、94%
手のひらにのる小さな兜、博多人形を作る人の作品、焼き物です。
20数年前、香港に引っ越ししてくるおり、まさかこんなに永くこの地にいることになるとは考えていませんでした。我家には一人だけ、もう30をこす息子がいます。彼が、10歳前に香港にやってきました。男の子ですから、初節句には、大きな兜を家人の実家より贈られました。一畳の床の間に映えるほどの大きいものです。
先に香港に入った家人から、まず、犬はつれて来れない、次に、住宅スペースがあまり広くないので荷物を考えるようにとの連絡です。息子のための本や生活道具が優先して、大きな兜は私の実家においてきました。それでも節句は祝いたいと思い、兜はこの小さいもの、おひな様は貝の合わせ雛を荷物に入れました。
子供の成長を願う節句に、この小さな兜は、小さいのにしっかりと存在感を持って我家に収まっています。きっと今は東京にいる我が息子、この小さな兜も、実家にある大きな兜もあまり記憶にないのではないでしょうか。それでも、母親の私は、元気でいますようにと、毎年兜をかざります。