チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

小石原焼き

2015年11月04日 | 身の回りのもの

曇り,23度、81%

 九州の福岡は,西に向かえば唐津に有田、有名な焼き物の町がすぐです。その上福岡の山間には民陶の窯も点在しています。大分県に向かう途中にあるのが,小石原です。私が小学生,この小石原がさほど名前が売れていなかった頃、夏になると1週間ほどこの小石原に泊まりに出かけました。父母の趣味が作陶だったからです。私も小さなろくろを貸してもらい粘土遊びをしていました。宿屋なんかなかった小石原,懇意の窯元に泊めて頂いていました。

 この数年福岡には2月に一度は戻ります。折にふれ目にする新しい小石原焼き,民陶の泥臭さは仕方ありませんが、なんだか雑な作りに思えます。実家にあった食器の類いはほんの一握りしか残しませんでしたが、飛び鉋の模様も昔はもっと手が込んで細かなものでした。かと思えば斬新な小石原の焼き物も目にしますが,素朴で実直な温もりのある陶器とはかけ離れて来ているように思います。

 先月家に戻ったとき、朝ご飯のヨーグルトを入れた大きめのミルクピッチャーです。小さい時から家にありました。緑の色が小石原の色です。手に持ってゆっくりと見ていると,土もののよさが伝わって来ます。この形、当時にしてはあか抜けたものでした。今見ても,決して古びれては見えない存在感があります。

 もう何十年も小石原に足を向けたことがありません。観光化されて高速も通って、便利になったと聞きます。水車の力で土を細かく碾いていました。窯場の前には泥を精製する水溜めが幾つもありました。山道にはとぐろを巻いた蛇が昼寝をしていました。そんな村の姿はもうないでしょう。

 窯元の人が、焼き損じ,気泡が出来たとか色むらが出ている器を帰り際に車のトランクに一杯入れてくれました。考えてみれば実家の食器はそういう意味では玉石混淆だった訳です。もしかしたらこのピッチャーもそんな焼き損じのひとつかもしれません。

 

コメント
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