チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

昔の写真

2015年11月17日 | 日々のこと

曇り、24度、94%

 目の前に座って話していた人が,テーブルの上に一枚の写真を置きました。「40年ほど前の私。」その写真の彼女は,素晴らしいパンクファッションに身を包んでいます。まわりの風景からして場所はイギリスでしょうか。「若い頃イギリスで遊んでいたのよ。」とおっしゃいます。思わず写真と目の前の彼女を見比べます。普段でもにっこりともしない彼女は40年前も全くそのまま。細い体の線も変わっていません。ただ,目の前の彼女は普通の服装です。Gパンを履いているのを見た事はありませんが,髪は引っ詰め、化粧気無し,地味な色の服装です。写真のようなパンクはどこへ行ってしまったのやら。

 彼女と昔の写真の彼女,間違いなく同じ人です。どうも,不思議な感じが胸に残ります。ほぼ同じ年の彼女,同じような年代を歩いて来た訳です。話す事は生真面目過ぎる位な人です。そんな人のずっと奥にパンクを好きだった頃があったのだと知って,驚きよりも嬉しくなりました。お金の計算などすれば天下一品の人です。彼女の昔の写真に始まって,彼女が歩んで来た道を思います。そして,ひとつの事に気付きます。あのパンクがあるから今の彼女があるんだって。

 60年近く生きていると,いろんな時代を生きて来たんだと思います。辛かった頃,気分が落ち込んでいた頃,世間知らずで何ものも怖くなかった頃、その時代その時代が今の私を作ってくれています。あの辛さや人から頭ごなしに否定された時期がなかったら今の私はないと思います。そして,それはみんな同じなんだと彼女の昔の写真が教えてくれました。

 20代、30代、40代,みんな自分を作る道の途中です。自分が作る自分の道のその先にどんな自分がいるのか,私も,まだこの先の道を歩みます。最近昔の写真を見ていません。アルバムをくる事が無くなりました。目の前には25年ほど前の家族の写真が一枚。息子が主人の背丈に追いついた頃の写真です。私は,今よりふっくらしています。この頃何をどう考えて生きていたのか,その日その日が精一杯だったように思います。いえ、今でも一日一日しか見えていない私です。

 先が見えなくてもいい,やっぱり自分の道しか歩めません。みんなが歩んで来た道を背負っていると思うだけで,生きている事を愛おしく感じます。久しぶりに昔の写真をひも解いてみようと思います。

コメント
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