晴、28度、92%
外食でいただく鮎はほとんどが和食の塩焼きです。波打つように串を刺さし多めに塩を振って焼き上げられます。「鮎」は独特な匂いがあります。内臓から出る匂いらしく腹を落とさないで食されます。皮が少し浮いたぐらいの焼きたての鮎はその匂いとパリッとした皮に白身の淡白さが「美味しい!」と思わせられます。でもいつも「鮎」を食べる度に、ジュルジュルのバターで焼いたらいいなあとか、何か匂いを引き立てるソースはないかなあと考えていました。
鮎も春先の「稚鮎」に始まって旬が過ぎようとしています。ちょっと太った「鮎」が手に入りました。見た瞬間バターで焼こう!と思ったのですが、いざ台所に立つと自家製のバジルソース(ジェノバソース)が頭に浮かびました。我が家のジェノバソースは市販のものより松の実の量が多いので固形状に見えますが火にかけると緩くなります。バジルと松の実、オリーブオイル、にんにくだけで作った青臭いソースです。パスタに使われるのが一般的ですが、チャーハンにもお肉のソースにも使います。
ジェノバソースを使うとなるとバターで焼くのは香りがかぶるので止めました。やはりここはオリーブオイルで火を入れます。お腹を落としていませんのでじっくりと火を通します。和食の鮎をいただく時、「鮎」は脂の少ない魚だとばかり思っていたのですが、焼いているうちに「鮎」自体から油が出てきました。それを見てるだけでゴックン。
オイルソテーされた「鮎」はいい焼き色です。ジェノバソースとの相性はどうでしょう。「鮎」独特な匂いは薄れますが白身の魚の旨みを出してくれています。濃厚なソースに淡白な魚の組み合わせです。塩焼きでは見えなかった「鮎」の持つ強さのようなものが口の中に残りました。
お伺いをたてる人もいませんので私が食べてみたい物を作ります。時には大失敗で凹みますが、思いもかけない美味しさに出くわすこともしばしばです。この夏もバジルが庭で育っています。毎夏作り続けてきたジェノバソースは私の大事なお供です。
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