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日本でジェンダーというと男女差をなくす、また「同一性結婚」などが取り上げられますが、もっと奥の深いものがあるのを知りました。男の子に生まれながら「男性」であることを受け入れられない、そして「女性」であると信じて「性転換手術」で「性」を変えることがあるのは知識では知っていました。アメリカやタイではそうした「トランス」と呼ばれる人たちが多いそうです。一見、女性に見えても元は男性。男性に見えても元は女性。「性転換手術」は身体を作り変えます。女性に転換した場合は子供が産めないと言うだけの身体を作るそうです。
女性の身体になった「トランスジェンダー」の女の子が死体で見つかりその交際相手であった男の子が犯人として疑われる話です。殺されたとされる「トランス」のリリー、犯人と疑われるアッシャーの母の二人の追憶形式で話が進みます。「サスペンス」とこの本はカテゴリー分けされていますが、裁判シーンも多く最後に犯人が分かるまで一気にストーリーの展開の面白さを味わえました。
日本は社会体質から「性」のことは伏せてしましがちです。アメリカも自分から「トランス」だと言う人は少ないそうです。アメリカやタイでは数の多さは日本の比ではないはずです。実際に自分の「性」に悩んでも「性転換手術」にまで及ぶ人が少ないのかもしれません。今後日本も「トランス」と呼ばれる人が表立ってくるような気がします。
ジュディー・ピコーはずっと気になっていた作家です。彼女の最新作がこの「MAD HONEY 」です。かなりの数の著作があります。日本でも数冊翻訳が出ています。「MAD HONEY」は最新作、和訳が出るかどうかわかりません。昨日のランダムハウスのベストセラーでもこの本が紹介されていました。
国が違っても人間であることに変わりはありません。「ジェンダー」「トランス」のことが日本でも取り沙汰される日が近いように感じます。この物語、主人公のアッシャーもリリーもまだ10代です。その設定も「ジェンダー」の悩みを抱えてるからこそだとわかります。サスペンスとして読めば筋立ての良い話でした。
ジュディ・ピコーの旧作が届くのを待っているところです。
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