気ままに

大船での気ままな生活日誌

柳宗悦さんと博士の愛した数式

2006-09-08 21:11:28 | Weblog
日本民芸館の柳宗悦さんと、最近話題の映画「博士の愛した数式」と、ある関係があるのです。私の好きな連想ゲームでつながっているわけではありません。

私は、このブログで映画「博士の愛した数式」の感想文を書いたことがあります。そのとき、感想文の末尾に、この映画の最後の画面に、とてもいい詩が出てきたのですが、メモできませんでした、なんとか知りたいものです、と言った趣旨のことを書き添えておきました。そうしましたら、数日後、「おせっかいママさん」さんから、その詩人はウィリアム・ブレイクで、詩はこうである、というコメントをいただきました(この場を借りて厚くお礼申し上げます)。

一方、民芸館のホームページの柳宗悦さんの著作一覧をみますと、1914年(大正3年)、 25才のときに、ウィリアム・ブレイクについて書いています。内容はみていませんが、若い時に、この詩人に強い関心を抱いていたことは確かでしょう。バーナードリーチさんもこの詩人を尊敬していたようです。

「博士の愛した数式」の原作者の小川さんは、この詩については触れていませんので、映画にしたときに、小泉監督(脚本も兼務)が、付け加えたようです。

柳宗悦さんと映画「博士の愛した数式」(小泉監督)が、ウイリアム・ブレイクを仲立ちにして手をつないだと言うわけです。 とても、含蓄のある、いい詩ですので、末尾に載せておきます。

ーーーーーーーーー

ウイリアム・ブレイク

一粒の砂の中に宇宙を
一輪の花の中に天国をみいだす
この手の中に無限を
この今の中に永遠をとらえる


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日本民芸館を訪ねて

2006-09-08 19:37:26 | Weblog
駒場の日本民芸館に隣接している、民芸館創立者の柳宗悦さんの旧居が40年振りに修復され、一般公開されていると聞きましたので、ワイフと見学に出かけました。

渋谷から井の頭線で2つ目の駅、駒場東大前で降ります。駅名通り、改札口と大学の正門が連結していました。そこから、10分程度、大学構内の緑を横にみながら、静かな道を歩くと、到着します。道をはさんで、右に民芸館、左が旧居です。小雨模様というのに、ずいぶん混んでいます。週1日だけ公開で、それも、9月いっぱいで終了ということで、仕方がないことです。でも待たずに入れました。

日光街道沿いの中山邸から移築したという、重厚な感じの長屋門をくぐり、邸内を見学します。どこをみても、柳さんの目を感じます。誰がみても素直に、美しいと思う、心から落ち着ける「柳民芸的」な美が溢れています。客間の欄間、襖の模様、戸袋上部の意匠、ひとつひとつが、一級の美術品です。書斎も気に入りました、こんな書斎をもってみたい(マンションに入ってしまったのでもう不可能ですが)と思いました。蔵書もそのまま書棚に並んでいました。ずいぶん、いろいろな分野に目を向けていたことが、分かります。その中で、二組もある武者小路実篤全集が目をひきます。そして、有島武郎全集もありますし、志賀直哉の単行本もみられます。

その時点での、私の頭の中では、柳宗悦さんというと、芹沢けい介さんや棟方志功さんらの民芸グループとの結びつきだけが、強く印象としてありました。書棚のこれらの本をみて、しばらくしてから、柳宗悦ご夫妻が、志賀さん、武者さん、バーナードリーチさんらと共に、白樺派を創設したことを思い出しました。白樺派と民芸運動という点が、ようやく、私の頭の中でつながりました。以前常磐沿線に住んでいましたので、我孫子の手賀沼周辺の、白樺派のみなさんがお住まいだった旧居もよく見学したものでした。また、学生時代は武者さんらの白樺派の作家の本を良く読んだものでした。

隣の民芸館もはじめての見学になります。創立70周年記念特別展「民芸運動の巨匠」を開催していました。これまで、棟方志功さんや、芹沢けい介さん、浜田庄司さんの作品は、美術館等で鑑賞していますが、バーナード・リーチさん、富本憲吉さん、河井次郎さんの作品は、あまり覚えがありませんでした。これらの巨匠の方々の作品が一堂に会して、同時に鑑賞できるのですから、ずいぶん得をした気がしました。みどころいっぱいで、ついつい、時間がたつのを忘れてしまいます。本当にどの作品も素直に美しいと思えるものばかりで、これが民芸調なのだなということが分かります。この中でもとくに、私にとって、これまであまり馴染みのなかった河井次郎さんの作品をすっかり気に入ってしまいした。

展示室だけではなく、廊下の壁にも巨匠たちの作品が惜しげもなく飾られており、あちこちにある、休むための椅子までが芸術品のようでした。町全体が美術館のようだという例えがありますが、民芸館の建物全体が美術品のようでした。居心地がいいのです。ついつい長居してしまいました。






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