気ままに

大船での気ままな生活日誌

秋日和、彼岸花を

2006-09-25 10:58:45 | Weblog
秋日和の日でした。つい陽気に誘われて、ふらふらと、彼岸花見物に出かけました。突然、お彼岸の頃に現れ、アッというまに消えていく潔さは、春の桜にも似て、私は大好きです。

行き先は、浄光明寺と八幡宮東側の土手沿いです。どちらも、先週見に行ったときは、まだアスパラガス状態で、花茎が20cmくらい伸びている程度でした。でも、これらが咲きそろうと、見事だろうなという期待は抱かしてくれていました。

どちらも、期待した通り、見事なものでした。浄光明寺の境内の一画に円形に囲った、彼岸花園があります。そこの彼岸花が、一斉に真っ赤に、燃えるように咲き誇っていて、あまりのあでやかさに、しばし、見とれていました。まさに旬の彼岸花です。それに、これだけ、まとまった数の彼岸花を限られた広さの中で、見られるところは、めったにありません。大変満足しました。

八幡宮の東側の赤い鳥居を出てすぐ、右に連なる柴垣沿いの彼岸花も見事でした。こちらは直線上にずらりと赤い花が並び、後ろに咲きそろう萩の花の影を薄くしてしまうほど、炎の色を強く印象づけます。片道切符ではもったいなく、ついつい往復切符で見学してしまいます。

浄光明寺の円形彼岸花園と八幡宮の直線彼岸花園、対照的なので、ちょっと考察してみました。円は、まるく納める、ゼロにも通じ、無の境地です。仏教のお寺にぴったりです。一方、八幡宮は頼朝が源氏再興の旗上げをするための守り神でした。直線は、どこまでも突き進む力を表します、直線は数字の一、に通じます、ものごとの始めで、幕府の開始です。こういう意味が隠されているのではないでしょうか。・・・・こういうのを屁理屈といいます。

タイトルの秋日和と彼岸花。どこかで聞いたようですね。そうです、松竹大船の小津安二郎監督の映画の題名です。これらの作品はどちらも、小津監督がお好きな、里見(とん)さんの原作なのです。小津さんは北鎌倉の浄智寺の裏にお住まいでしたし、里見さんは、まさに、浄光明寺のすぐ近くに居を構えていました。きっと、お二人とも、今日のような秋日和の日に見た、お寺の彼岸花が強く印象に残っていて、自然と題名が頭に浮かんだのではないかと思います。

「彼岸花」は、1958年の作で、小津さんの最初のカラー映画作品だそうです。彼岸花の燃えるような赤い花が、映画の重要場面で、クローズアップされているに違いありません。ぜひ一度、みてみたいと思っています。





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