気ままに

大船での気ままな生活日誌

覚園寺コース 初秋

2006-09-12 21:08:56 | Weblog
今日の散歩コースは、まず鎌倉宮を目指します。鎌倉駅東口を降り、段葛の若宮大路を上がり、八幡さまの境内に入ります。源氏池のほとりを歩き、流鏑馬の人馬が走る道に出てその道を右に行くと、東口の鳥居に出ます。国大付属小学校を横にみながら遊歩道を進むと、清泉小学校の横に出ます。さらに進むと、お宮通りと呼ばれている、豪邸の建ち並ぶ道に出ます。そこを左に上ると、鎌倉宮の前に出ます。ここまでの道は、私達はよく利用します。どの季節でも楽しめる、静かなコースです。ここ鎌倉宮を拠点に、いくつかの散歩コースがありますが、今日は、めったに行かない覚園寺(かくおんじ)コースにします。

右に上ると、瑞泉寺方面ですが、反対側の左の谷戸に上ります。人通りも少ない、脇に小川が流れる、静かな住宅街の道を10分ほど歩きます。途中で、右側に天園コース昇り口の案内板(写真)がひっそりと建っています。天園ハイキングコースは何度も歩きましたが、いつも瑞泉寺横からで、ここに降りてきたことは一度もありません。

山門前のピンクの秋海棠の花と、咲き始めの白萩が迎えてくれました。石段を上り、山門をくぐると大きな鉢植えの蓮がずらりと並んでいましたが、大きな白い花がひとつだけ咲いていました。ここの境内の入場は、1時間ごとに見学者をまとめて、お寺の方が案内してくれるというシステムです。約50分のツアーで、カメラは使用禁止です。

11時組が集合し、ツアーが始まります。10人ほど集まりました。まず、真新しい茅葺きがまぶしい薬師堂の見学です。皆さんのご寄付により、ようやく茅葺きの葺き替えが先月終わりました、3500万円かかりました、茅(かや)は、すすきを使います、腕利きの奈良の職人さんによるものです、という説明がありました。

お堂の中は土間になっています。向かいの三つの仏像さんがこちらを見ています。真ん中の薬師如来と左隣の月光菩薩は、私の目に視線を合わせてくれていましたが、日光菩薩は、そっぽを向いています。見学者の若い、きれいな女性に目を向けているようです。円覚寺の仏殿の天井の龍の目は、たしか、どこから見ても、にらんでくれたはずですので、念のため、実験してみました。位置を変えてみると、日光菩薩の視線と出会う位置がありました。その位置では、逆に月光菩薩はそっぽを向いていました。両脇には、2時間ごと災難を守る役の12神将(12支の動物が頭についています)がずらりと並んでいます。真上を見上げると(これで、首の骨を折ったひとがいると冗談をいわれます)、天井の、板の銘に、何とかの源朝臣尊氏謹書の文字がはっきりと見えます。この薬師堂は、鎌倉時代に一度焼けていますが、尊氏が再建したのです。それをさらに江戸時代に、古い建材を生かし、8割程度の大きさにして建て直したのがこれだそうです。尊氏の銘はちゃんと残してくれたようです。

歴史のことを、少し付け加えますと、まず二代目の執権、北条義時が創建しています(実朝暗殺のとき義時が難を逃れたことが理由です)。そして、時宗の子、貞時が元寇のあと、覚園寺としてたそうです。その後、尊氏が再興したのです。明治以降、尊氏は逆賊とされ、そのゆかりの寺ということで、冷遇され、戦時中は石を投げられたりしたそうです。そのような歴史があるので、歴代の住職さんが、観光優先という時流に乗らず、今でも凛としているのでしょう。

朱色の愛染明王や鉄造の不動明が安置されている、愛染堂と、今修理中で不在でしたが、人気もので、安産や病気治癒の御利益のある黒地蔵のいる、地蔵堂も見学させてもらいました。加えて、築300年の、手広から移築したという古い民家に入ったり、やぐらの中のいくつものお墓でろうそくをあげたりしました。

お堂の横の樹齢700年という槇の木を見上げながら、この木が生まれた頃と、ほとんど変わらない雰囲気が、ここには残っているなと思いました。しーんとして、なにか、霊気を感じるような(案内の方は不気味な、という表現を使って、笑わせていましたが)、そういう雰囲気でした。

とても充実したツアーでした。300円の入場料では済まない気持ちでしたので、お賽銭で加えておきました。仏像が好きな方や、静かな雰囲気に浸りたい方、霊気を感じたい方などには、おすすめのお寺です。カエデの木がたくさん目につきましたので、今度は、紅葉の頃に伺おうかと思っています。

遅いランチは、小町通りの横道を少し入った、「まちええる」でスパゲテーをいただきました。サラダがたっぷりついて、味も量も満足したお料理でした。



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