気ままに

大船での気ままな生活日誌

”おくりびと” を観て

2009-03-03 11:14:19 | Weblog


ボクは昨日、由比ヶ浜海岸を歩いていて、こんな石をみつけました。あっ、あの石にそっくりだと思いました。そういえば、あの映画”おくりびと”では、あの石はどの俳優さんにも負けない名脇役だったなと思いました。

小津安二郎さんは、脚本が出来上がれば、もう、その映画は7,8割出来上がったようなもんだと、よく言っていたそうです。この映画も、すばらしい脚本でした。あちこちに伏線が仕込まれていて、途中でそれが突如おもてに現れ、観客をあっと驚かし、あるいは、クスクス笑わし、そして涙腺をゆるませ、感動的なラストシーンにもってゆきます。放送作家、小山薫堂さん、初の映画脚本なのだそうです。

そして物語の舞台背景がまたすばらしいです。庄内地方のうつくしい四季。名山、月山もときどき顔をのぞかせます。加えて、宮崎駿さんとの名コンビで著名な映画音楽家、久石譲さんによる、バッグミュージック。あるときは悲しげに、あるときはうるわしく、またあるときは激しく、奏でられるチェロの音色が、観客の心を揺り動かします。

もちろん、俳優陣もすばらしいです。元チェロリストで故郷に帰り、納棺師になる本木雅弘さん。さすが、自分で是非にと願った役というだけあって、まさに適役でした。遺体の衣装を整えたり、化粧をする手さばきは本職のようでしたし、なによりも死を真摯にみつめる気持ちがよく顔の表情に現われていたと思います。そして、本木の上司、山崎務さん。さすが存在感のある名脇役でした。フグの焼き白子をおいしそうに食べる場面、印象に残っています。彼の、”これだってお遺体さまなんだ、みんな生き物は生き物をいただいて生きてるんだ”という言葉にはボクもうなづきました。ついでながら、ボクが何も知らない、若い時に下関の居酒屋で白子を頼み、目の玉が飛び出るほどのお金をとられたことを思い出しました(汗)。

”禅”にも出演していた笹野高史さんも名脇役ですね、ここでも、重要な役で出演していました。本木さんの妻役の広末涼子さんも良かったですよ。この映画をきっかけに運が向いてくるでしょう。ついでながら、広末さんは、毎年、高知のよさこい祭りの帯屋町チームに参加するそうです。バスのガイドさんが、涼子さんの妹さんは、お姉さんより美人ですよ、と余計なことまで教えてくれました(笑)。

良い脚本、すばらしい音楽、上手な俳優さん、撮影陣、そしてそれらを指揮する監督がいて、はじめて感動的な映画になるんだなと、ということがよくわかる映画でした。監督は、”コミック雑誌なんかいらない;病院へ行こう;お受験;壬生義士伝”等の滝田洋二郎さん。

あの石はどんな役割だったの?って。それを知りたい方は映画館に足を運んでください。教えると感動が半減してしまうので教えません(笑)。



主演の本木雅弘さん (NHKクローズアップ現代の画像より)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする