気ままに

大船での気ままな生活日誌

西脇順三郎と仏像

2009-03-23 07:25:11 | Weblog
ボクの父が眠る、川崎北部にある古寺に、西脇順三郎の詩碑が建っている。

雲の水に映る頃
 影向寺の坂をのぼる
  薬師の巻毛数える秋
    (西脇順三郎)

詩集”旅人かえらず”の83番に詠まれているもので、自筆の碑文である。昭和15年10月に、当時大学院生だった、のちに慶大の美術史の教授となる相内武千雄と共にこの寺を訪れて、その様子は”あざみの衣”の中の”夏から冬へ”に詳しい。川崎の誇る文化財を世界的詩人がその作品の中に詠われたことを永遠に記念して建立した。概略、そのような意味の説明文が石碑の裏面に刻まれている。

もちろん、ボクの若き日に西脇順三郎の著作は何冊か詠んだことはあるが、それらは、すべて随筆集で、詩集を詠んだ記憶がない。これを機にもう一度、随筆と詩集ものぞいてみようと思う。

詩碑


西脇が詠んだ、薬師三尊像等が保管されている宝物館。お彼岸のときだけ開放する。


現在は重文だが、以前は国宝だったらしい、その復活運動の著名。ボクも署名した。西脇が拝観したころは国宝だったのだろう。




影向石(ようごうせき)。当寺のいわれとなった霊石。くぼみに常に霊水がたたえられている。この水に雲が映ったのだろうか。


影向寺に向かう坂道は結構きつい。その途中でみかけた花。ワイフが茶花でつかったばかりだという。ばいも(編み笠百合ともいう)という名だそうだ。

緋鯉がいっぱいの池。


ワイフとふたりでの御墓参り。いつも一緒の母が入院中で来られなかったのがさびしかった。
コメント
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