気ままに

大船での気ままな生活日誌

さようなら歌舞伎座

2010-04-27 07:38:58 | Weblog


昨日、ちょっと用があって、東京へ。帰りに根津のつつじでもと思っていたが、そうだ歌舞伎座が、そろそろ閉館だっけと、東銀座に向かった。歌舞伎座に到着した。通りを隔てて、もうすぐなくなる歌舞伎座をしばらく眺めていた。たくさんの人がカメラを向けていた。全体像を撮るのはこここが一番なのだ。

八幡さまの大銀杏じゃないけど、もう、亡くなってしまうのかと思うと、なんだかとてもさびしい気持ちになった。交差点を渡り、近づくと、”あと5日”の文字が点灯していた。余命5日なんだ、と思うと、ますますさびしくがつのった。”歌舞伎座さよなら公演”と銘打った公演は1年以上前から続いていたが、その間、ぼくも3回ぐらいは観に行っている。その、”さよなら公演”もいよいよ本当の”さよなら公演”の時期になってしまったのだ。



そしたら、急に最後の公演が観たくなってしまった。もちろん通常の席は最終日まで売り切れている。残るは4階の一幕見席だけだ。1400円で一幕だけみられる。野球の外野席みたいなもので、通はここで観ると言われている。その席を待つ人の列がすごい。係の人に聞いてみたら、2時間待ちで3時開演の2部がみられるという。2時間ぐらいなら阿修羅展で経験しているし、歌舞伎座最後の公演なんて、もう一生、観られないと思い、並んだ。”菅原伝授手習鑑/寺小屋”の一幕をみて、今生のお別れにしようと決心したのだ。ぼくの好きな玉三郎も千代役で出演する。2時間といっても本を読んだり、こんな粋なおねいさんも見られたし(汗)、飽きはしなかった。



一幕見席は入ったことがあるが、今回はその席にも座れず、立ち見だった。でも、一番上の真ん中から、館内全体を見下ろすことができ、”さよなら歌舞伎座”を観るには最適の場所だった。屋根から客席まで、忘れないように見まわしていた。花道のそばのいい席で観たこともあったな、とかいろんなこと思い出しながら、”寺小屋”をみた。”通”の席らしく、屋号の○○屋という掛け声がたびたびとんでいた。幸四郎、玉三郎、勘三郎と人気役者が出て、あっと言う間に、一幕が終わった。



聞くところによると、歌舞伎座の風情を一部残しながら、大きな貸ビルにするらしい。親会社は松竹だが、由緒ある、皆に愛された”重要文化財的”建物を壊してまでして、そんなに金儲けしたいのかと思う。オペラ座の怪人みたいな、”歌舞伎座の怪人”に睨まれて、貸しビルは、空室ばかりになり、大損することならなければいいが。 いろいろなことを考えさせる今回の”事件”である。



さようなら、歌舞伎座。

写真撮る人

スケッチする人
コメント
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