気ままに

大船での気ままな生活日誌

海蔵寺の紫苑

2011-10-19 18:05:52 | Weblog

ぼくは海蔵寺の紫苑が大好きです。毎年、満開の頃には忘れずにみにいきます。なんせ、紫苑の花言葉が”君をわすれず”ですからね。紫苑という花の名もいいですね。名は体をあらわします。まさに紫色の苑です。ところが、別名が気に食わないです、鬼の醜草(おにのしこぐさ)。いったい、どこが醜いんや、カーネーションだんじりぶつけてやろか、と岸和田の人ならこう言って怒るでしょう。たしかに背が高くて、鬼のようにみえるのかもしれません。”むかし、オレが雑草だった頃”、セイタカアワダチソウのように駆除しずらく、嫌われたのかもしれませんね。

でも十五夜草という異称もあるらしい。これはどういうわけでしょうか。すすきと名月はよくお似合いですが、紫苑も意外と似合うかもしれませね。





薪も見頃でした。

柿もすすきも見頃になりました。

 

 紫苑が空に舞い上がったかのように、夕焼け空もきれいでした。

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御舟 ”炎舞”と”樹木”

2011-10-19 10:01:17 | Weblog

先日のNHK”極上の美の饗宴”をみて、さすが速水御舟はすごい目をもっているな、と思った。たとえてみれば、どんな球がきても瞬時に合わせられるイチローの目、あるいはボールが止まってみえると豪語した川上哲治の目。なにしろあの、シャッター速度1/8000でやっとわかる、焚火の炎の一瞬をとられて、あの名作”炎舞”を描いているのだ。炎だけではない、炎の上のみえない煙りの動きまで、流体力学に詳しい科学者もびっくりする正確さで、描いているのだ。炎の上に舞う蛾も形態は正確だと、昆虫分類学者はいう。しかし、わざと羽根の模様は変えているという。この絵は軽井沢で描かれたものだが、飛来する何十種の蛾を正確にスケッチしている。すべて写実ということにはしていない。

一方、この年、軽井沢で御舟は、もうひとつの絵を描いている。ぼくは実物をみたことがないが”樹木”という、蔓性の植物が大木にらせん状に巻きついている絵である。芸大の先生が、この絵のらせんが”炎舞”のみえない”らせん”になっている、と解説していた。”炎舞”は山種美術館で何度もみている好きな作品だが、”炎舞”の兄弟分かと思うと、この”樹木”も好きになってきた。細部も写し出されていたが、エロチックな感じさえ受ける、生き生きした絵であった。生命力を感じる絵といってもよい。炎舞には炎に飛び込む、生と死のはざまにいる蛾が描かれている。もしかしたら、御舟は昼の”樹木”で生の真っ盛りを描き、夜の”炎舞”で生から死へ移行する、最後の燃え盛る炎を、”らせん”で繋ぎ、連作として描いたのではないだろうか。

ふたつ並べた絵をテレビでみることが出来たが、今度、どこかの展覧会で、そういう配置で是非みてみたいものだ。

 

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