気ままに

大船での気ままな生活日誌

酒井抱一と江戸琳派の全貌

2011-10-20 09:49:58 | Weblog

今年は酒井抱一、生誕250年記念ということで、いくつもの展覧会が開かれた。ぼくも出光美術館の抱一展に行っている。その締めくくりになる記念展が千葉市美術館で開かれている。先日、遠路はるばる行ってきた。なななんと、その日は、ちょうど千葉市民の日で、市民のみならず全員入場無料という幸運に恵まれた。同じビルの区役所食堂のカツカレーもおいしかったし、幸福な気持ちで会場に入った(汗)。

あいさつ代わりに、”桜に小禽図・柿に小禽”の双幅が会場の玄関先に。いかにも抱一といった目にやさしい(?)絵。ぼくは抱一の絵で、この作品がとくに好き、というものがない。でもどれもほどほど好き。だから、今回の展覧会も、秋草や花々が生い茂る草原をハイキングに行くような気持ちでみに行った。期待を裏切らない展覧会であった。

第3章”光琳画風への傾倒”では、出家前後の初期作から晩年までの、”いかにも抱一”といった、なじみの(はじめてのものでもそう思わせる)作品が並ぶ。八橋図屏風そして青楓朱楓屏風の大作や秋草花花卉図、富士山と龍の絵など。また、たらしこみの墨絵のような桐図屏風もおもしろかった。そして、十二ヶ月花鳥図、麦穂菜花図、月に秋草図、州浜に松・鶴亀図、立葵図。

模写(に近いもの)も面白い。抱一の鳥獣戯画、はじめてみた。風神雷神図屏風は後期展示でみられなっかったが、ぼくは出光でみているからいいです。その代わり、風神さんだけの絵はありましたが。雪舟写金山寺図も。ちあきなおみがどの歌手の歌でもうまく歌うように、抱一も何でもこなします。

さて、今回の展示出品総数は300点以上で、うち抱一作品は約160点という大回顧展だから、いろんなものがみられる。抱一は吉原のお馴染みさんだから、関係の作品も多い。柳花帖は、55種の俳句と56図の俳画からなるが、これも乞われて妓楼で描いたものだ。”つたなき反故”と恥じ入りながら描いたという。吉原月次風俗シリーズもある。一方、がらりと仏画も。一応、お坊さんだから、あたりまえだけど。妙音天図、青面金剛図など等。そして若き日の浮世絵。そして尻焼狂人の号をもつ狂歌師のとしての作品。多芸多才、どんな顔をしてたのか、と誰もが思う。はい展示されています。若き日の抱一は、狂歌本の表紙に描かれている。晩年の抱一は、鈴木基一ら三名の抱一像があります。家康風から西行風までいろいろ取り混ぜてあります。出光のときは鏑木清方が描いていました。

そして鈴木其一作品も約60点もある。もともと基一作品は米国に多数、流出しているので、これだけの展示はなかなかないのではないだろうか。本来なら、酒井抱一・鈴木基一、江戸琳派展とすべきところだろうが、250年生誕記念ということで、影にかくれた。だから、ぼくの感想文もここで終わりとしよう。(本当のことをいうと、出掛ける時間が迫ってきているため;汗)

 

 

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