三越日本橋本店で”東山魁夷展”が開催されている。些細なことからの感想から入るが、魁夷の大フアンにかかわらず、こんなことも知らなかった、ああそうだったのかということがいくつかあった。あるいは、”宵越しの情報はもたねえ”の年代に入っためかもしれないが(汗)、一応、書きとめておこうと思う。
ひとつは、横浜の海岸通りの生まれだったということ、そして数年後には神戸に移った。幼少年期は港町で育っているのだ。そして、ドイツに留学したことは覚えていたが、留学先がベルリン大学とは知らなかった。これは最近、ぼくがベルリンを訪れたからへーと思っただけの話だが。三つ目はホドラーに惹かれ、作品の摸写までしていること。これも、ぼくが最近ホドラー展を観ているから、今回はじめて気付いたのだろう。日本の画家では、村上華岳、安井曾太郎らの他、鏑木清方があこがれの人だった。これは、何となく、覚えているから、”宵越し情報”の可能性が高い(汗)。
はじめ、宗達、光悦、乾山ら琳派の作品が並ぶが、わけがある。留学先の美術史の先生が、日本独自の美術として、桃山時代の琳派を最も高く評価し、魁夷自身も、このような日本人しか表現出来ない、日本的絵画を目指そうと決心したから。
こうして、第1章では、魁夷の旅のスケッチとして、ベルリンに向かう船旅での”スエズ紀行”シリーズが並ぶ。戦後の作品としては、偶然みた川の流れを描いた”郷愁”。そして、名作”道”を生む試作等の作品が続く。さらに、1962年の三カ月の北欧四か国の旅で生まれた、森や湖の作品。そして、皇居宮殿の障壁画を終えたあと、唐招提寺障壁画制作に移る。その時代の小下絵やスケッチ、素描など。そうそう、京都シリーズも。
そして、もうひとつのテーマ、第2章、わが愛しのコレクション。これがまた面白い。前述の琳派の作品のほか、エジプト、ギリシャ、ガンダーラ、中国などの旅先で集めた小さな置物、板絵とか、パキスタンの仏像や、青色が光るシリアの細瓶など。若い時に初めて買ったという長谷川利行の作品2点も。ルドン、ルオー、ロダンも。これらの展示品は2年半ほど前、金沢21世紀美術館でも観たことがある。
第三章は魁夷の絵具箱。
特別展示
二つの月(東山魁夷)
お正月早々、楽しい展覧会をみせてもらった。
京都からの投稿です。京都第1日目は、お昼頃、到着。荷物を預けて、はじめての伏見稲荷に「初もうで」してきました。りっぱなお稲荷さんにびっくり。
千本鳥居