気ままに

大船での気ままな生活日誌

ホイッスラーのピーコックルーム

2015-01-20 18:33:49 | Weblog

昨日、横浜美術館のホイッスラー展を観に行ったが、その感想文の前に、ホイッスラーのピーコックルームのことを書いておこうと思う。何故かというと、ぼくは2年ほど前に、ワシントンDCのフリーア美術館を訪れていて、そこで、この”孔雀の間”を見学しているのだ。実はそのことをすっかり忘れていたが、先日のこの展覧会を紹介するNHKの日曜美術館で、ピーコックルームが大きく取り上げられていて、ハタと思い出したのだ。

当時のブログ記事をみると、ワシントンナショナルギャラリー見学のあと、多少、時間があったので、ちょっと寄ってみたという感じで訪問している。その記事にホイッスラーの”孔雀の間”の記載もあるが、その部屋だけ撮影禁止だったようで、写真はつけていない。また、当時、ホイッスラーのことをよく知らなかったので、注意深くは観ていなかったようだ。それで、おわびのしるしに(笑)、おくればせながら、NHKの画像を使わせてもらいながら、そのときの記事”フリーア美術館”の補完をしておこうと思ったわけなのデアル。

テレビ画像でみると、素晴らしいピーコックルーム。実際はもっと薄暗い部屋で、こんなに華やかな感じではなかったような気がする。それでも、やっぱり、二羽の金色の大孔雀が印象的だった。

このルームはもともと、イギリスの富豪、フレデリック・レイランドの食堂だった。それがデトロイトのフリーア邸に移築され、さらに、現在地に移された。このように数奇な運命を辿ったが、スタート時点からヘンだった(笑)。何故なら、この食堂は、鎧戸だけの装飾をパトロンのレイランドから頼まれたホイッスラーが、主人の留守中に、自分の思いのままに、部屋の装飾を全面改修してしまったのだ。激怒したレイランドは彼を首にしてしまうが、その後、変更することなく、部屋を使い続けた。きっと、気に入ったのだろう。

この作品は、専門家に言わせると、ロシア、パリ、イギリスと渡り歩いて、その間、ジャポニズムの影響も受けたホイッスラーの様々な面が表現された、傑作だという。それも、部屋全体がホイッスラー作品なのだから、かけがえのない、貴重なものになっている

屏風の前に立つ和装の女性。”陶器の国の姫君”と呼ばれている。

顔は西洋人。

陶磁器もたくさん飾られている

天井は、日本の青海波模様を孔雀の羽根風に。

孔雀の絵は、広重の”牡丹に孔雀”を参考にしているらしい。

展覧会場でも、”ピーコックルーム”があり、三面の壁に、孔雀や”陶器の国の姫君”などが映像で映し出され、その雰囲気を味わえる。また、広重の”牡丹に孔雀”や制作前のスケッチなども展示されている。

ワシントンDCのスミソニアン協会附属フリーア美術館


ついでながら、歌麿の”深川の雪”(岡田美術館蔵)など大型浮世絵、雪月花三部作のひとつ、”品川の月”はここの所蔵だそうです。門外不出がこの美術館のきまりとのことで、来日は無理でしょうね。

次回は、”ホイッスラー展”の感想文とする予定です。

 

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