おはようございます。今朝は若冲展のこと。
GWのはじまった29日の午後1時半頃だったろうか。東京都美術館に到着してびっくり。ふたつ列があって、ひとつはチケットを買う人、そしてもう一つは入場の列。その最後尾に50分待ちのプラカード。こんな風景、都美に関しては、ぼくははじめてみたような気がする。チケットは上野駅構内で買っていたから、これで15分はもうけ、50分待ちも実際は40分ほどで入れたから、おんの字というもの。
わくわくどきどきの若冲展の会場に入ると、もちろん、ここもすごい人。全部、じっくりみようなんてしたら、一日中、いなければならない。初めの方の見所は、鹿苑寺(金閣寺)の襖絵だが、これは、2013年に相国寺・承天閣美術館の若冲展で、障壁画五十面全展示をみているから、この程度ではおどろかない(笑)。
さて、ぼくがみたかったのは、何といっても、動植綵絵(どうしょく さいえ)30幅一挙公開!2009年に東博で皇室名品展でみて以来となる。しかし、今回は釈迦三尊像と動植綵絵とが一堂に会して展示される。若冲が40歳で弟の家督をゆずって、絵画に専念し、10年かけて30幅を完成。それをお世話になっている相国寺に寄進し、自作の釈迦三尊像の周りに仏画のように置いてくれるようにお願いする。
実際、相国寺では、そのように配置し、年に一度は、一般にも公開していたとのことだ。昨晩、テレビでふたつの若冲番組があったが、どちらかが、それを教えてくれた。その後、動植綵絵30幅は皇室に献上され、釈迦三尊像だけがお寺に残った。先の皇室名品展でも釈迦三尊像は来ていないから、この両者の同時展示は、まさに、近年、はじめてのことではないだろうか。
だから、ぼくは釈迦三尊像と動植綵絵30幅を、相国寺で並んでいたようなかたちで拝観するのを楽しみにしていた。LBFの障壁画をみて、2Fに上ると、その部屋はあった。一目みて、ぼうぜん。二目みて、じしつ。素晴らしい夢の世界が拡がっていたのだ。中央に釈迦三尊像が三幅。そして、それを取り囲むようにして、様々な動植物が描かれた30幅がずらりと並ぶ。まるで、江戸時代の相国寺に迷い込んだみたい。
ぼくは個々の絵をみるよりも、この全体像を暫く眺めていた。もう、それだけで、うれしくて、うれしくて、涙がでそう(汗)。その全体像の写真はちらしにもなかったが、前述のテレビ番組で相国寺に飾られていたときの想定画面が出てきたので、写真に撮っておいた。これをここに残しておこうと思う。



これをみただけで大満足だから、個々の作品については、感想は述べない。でも、それでは、あまりにそっけないので、皇室名品展のときの感想文を下に貼りつけておいた。ほぼ、同じ感想だからね。
三十幅の中には、それこそ様々な動植物が登場する。とくに、ぼくの干支でもある鶏を中心とした鳥類が多いが、樹木、草花、魚や蛸まで顔を出してくれる。どの動物の眼差しもやさしく、どの花々も笑みを浮かべている。若仲が動植物を心から愛していたことがよくわかる。実際、自分の家に鶏を何十羽も飼っていたそうだ。それに、裏彩色という技法を随所に使ったり、西洋からきた濃青色のプルシアンブルーをはじめて使用するなど、技術的な工夫にも怠りなかったらしい。それも、人生50年の時代に、40歳で家督をゆずってから(定年退職してから)、絵画を始めたゆうのだからすごいことだ。


釈迦三尊像

動植綵絵(一部)

若冲展、最高!もう一度、行くぞ! 今日はこれから、ルノアールとかきつばた!
では、今日もみなさん、一日、お元気で!