おはようございます。
都美の若冲展の大行列につく前に、東博の常設展に寄ってきた。5月17日からはじまった、平成27年度新収品のひとつ、汝窯の青磁と、”新発見!天正遣欧少年使節・伊東マンショの肖像”をみたかったため。
北宋時代(11~12世紀)の汝窯の青磁は、我が国に現在2点しかないと言われているもので(東博ニュースより)、個人から寄贈されたものである。”雨過天青”、雨上がりの雲間の空の色と讃えられている。
青磁盤(北宋汝窯)

これは、2年前、川端康成旧蔵品として東洋館で展示されたもの。それが、今回、新所蔵品としてお披露目になった。ここの説明文をみると、日本で唯一の汝窯青磁とあるが、東博ニュースの説明文では二点あるとの記載である。ぼくが知っているのは、これのほか、旧安宅コレクションと岡田美術館のふたつ。そうすると、三つになるのだが。どれが正しいのだろうか。あるいは専門家の意見が分かれるのだろうか。いずれにしても、数少ない逸品であることには間違いない。

では、見返り美人で(笑)。

前述の2年前の東洋館展示のときは、本館特別5室では故宮博物院展の白菜姫(翡玉白菜)の展示が行われていて、その行列が200分待ちだった。現在の若冲展と並ぶ勢いだった。平成館の方では故宮博物院の汝窯青磁が4点も展示されていて、うれしかったことを覚えている。
さて、本館七室では特別公開で伊東マンショの肖像が展示されている。

これは、2016年の日伊国交樹立150周年を記念したもの。そういえば、日本とイタリアをむすぶ最初の架け橋が天正少年遣欧使節団だった。天正10年(1582年)に九州のキリシタン大名の名代として、4名の少年使節団が長崎を出航し、さぶちゃんの歌のように、はるばるきたぜイタリアへ、逆巻く波を乗り越えて。1585年にベネチア共和国を訪れたとき、元老院が4人の肖像画をティントレットに発注、息子が完成させた。それらの所在は不明であったが、そのひとつ、伊東マンショの肖像画が2014年、ミラノの寺院で発見されたのだ。そして、今回の特別公開となった。
伊東マンショの肖像画 派遣当時の年齢は13~14歳であったという。

天正遣欧少年使節団記

聖母像(親指のマリア) 1708年、キリスト教禁制下、イタリアの宣教師が携行していたマリア像。(重要文化財)

三聖人像 摸写(16~17世紀)(重要文化財)

貴重な作品と資料をみせてもらった。そのほか、いろいろ、面白い展示があったが、酒井抱一の作品を。抱一は若冲より半世紀あとに生まれている。若冲もいいけど、抱一の花鳥もいいですね。
酒井抱一の四季花鳥図巻。上巻に春夏の花鳥が、下巻には秋冬の花鳥。今回は上巻のみの展示。


本物の花鳥はもっといいですね(笑)。
サツキ

ゆりのきの花


では、みなさん、今日も一日、ゆりのきのように、お元気で!