気ままに

大船での気ままな生活日誌

小田原城 初夏

2016-05-03 21:55:02 | Weblog

こんばんわ。

家内の故郷のシンボル、熊本城が今回の地震でみる影がなくなった。石垣が崩れ、屋根瓦が落ち、やぐらが倒壊するなど、甚大な被害を蒙った。復旧にどれほどの時間と費用がかかるか見当がつかないほどだという。その支援に、いち早く手を差し伸べたのが小田原城だ。耐震工事など平成の大改修を終え、5月1日にリニューアルオープンしたのだが、その初日入場料のすべてを熊本城に寄付したのだ。さらにその支援の輪は、姫路城など全国の城に拡大しているという(朝日新聞5月2日夕刊↓)。

そのお礼を兼ねて、今日(5月3日)、家内と小田原城に出掛けた。何はともあれ、まず、改装なったお城に馳せ参じた。さて、天守閣へと、辺りを見渡すと、な、なんと入城への長蛇の列。最後尾の係りの方に聞くと、50分待ちだという。若冲展並みではないか。

こ、これでは老夫婦にはきついですタイ。また、日を改めて、登城致しまする。今回は外からじっくり拝見だけさせていただいた。

そして、二つのお目当ての場所に向かった。城内の蓮池の前の”御感(ぎょかん)の藤”。樹齢200年と推定され、すでに壮年期を過ぎているとのこと。大正天皇が感じいった藤ということで、こう呼ばれている。

まずまずの見頃だった。

蓮池の向こうの石垣の躑躅も、まずまずの見頃だった。

実は、もうひとつのお目当てがあった。それは、明朝、報告致しまする。

。。。。。

原節子桜の残り花の報告です。まだ健在です!5月6日の最長記録更新も夢ではなくなった!ただ、今晩の風が心配。がんばって!

5月3日 原節子桜の残り花

では、おやすみなさい。


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川端康成コレクション/伝統とモダニズム

2016-05-03 08:55:51 | Weblog

おはようございます。夏目漱石のあとは川端康成で。

若冲展のあと、東京ステーションギャラリーで川端康成コレクション/伝統とモダニズム展をみてきた。康成のこの種の展覧会は何度かみていて、再見のものが多い。一方、初見のびっくりぽんのもあった。それは、康成の初恋の人とのラブレター11通。そのうち、10通は伊藤初代さんからのものだが、1通は康成からのラブレター。これらが、最近、鎌倉市の旧川端康成邸から発見され、そのすべて公開されているのだ。

初代さんからの手紙は当然として、何故、康成からの手紙が康成邸に残っていたか、それは投函されていなかったから。まず、この初恋物語を要約しておこう。

康成は幼くして父母をなくした天涯孤独の境遇にあったが、初代さんも母を亡くし、実家に戻されて、13歳頃から本郷のカフェで女給をしていた。そこで、東大生だった康成に見初められた。しかし、そのカフェはまもなく閉じられ、初代は岐阜のお寺に預けられ、離ればなれになる。そのときのラブレターだ。川端は求婚し、婚約までして、幸せの絶頂期にあったが、それは一か月と、もたなかった。彼女から婚約破棄の手紙をもらう。”突然、非常なこと起こり、あなたと一緒になれない”という内容だった。非常のこととは何か、それは現在も分からないらしい。

康成の未投函の手紙は、しばらく連絡が取れなくなった初代を心配する内容で、”毎日、毎日、心配で心配で寝られない”とか、”恋しくって恋しくって早く會わないと僕は何も手につかない”とかの、正直な気持ちがつづられている。つい引き込まれて、大部分の手紙を読んでしまった(汗)。こうした経験が、のちの文学作品に生かされているのは言うまでもない。

さて、本論に入らなければ、いつまでたっても終わらない。第1章川端コレクション/モダニズムへの憧憬でお馴染みの絵画が登場する。村上肥出夫からはじまり、草間弥生のまだ若いときの作品が二点ある。展覧会でピンときて買ったそうだ。そのうちのひとつ、”不知火”はまだ水玉模様ではなく、こんなふうな絵↓。先日、米誌タイムは、”世界で最も影響力のある100人”に、弥生さまを選んでいる。康成は半世紀以上も前に認めているのだからすごい(笑)。写真は以前のブログ記事から。

古賀春江はとくに気に入っていたようで、”煙火”等11点もある。そして、ルノワールの”女性像”、ピカソの”ヴェールの女”、ロダンの”女の手”と”ビクトルユゴー”とつづき、東山魁夷が14点も。魁夷も康成を尊敬し、病気見舞いやノーベル賞のときに贈った作品もある。さらに猪熊弦一朗、劉生、熊谷守とあり、かなり幅広い。

康成は、知識でも理屈でもなく、ただひきこまれるものを自分の手元におきたいだけ、みたいな意味のことを述べている。また、私は美術品は好きだが、観るだけで十分で、評論文みたいなものは書きたくないとも述べている。

北山初雪 (東山魁夷)

第2章 川端文学/文壇デビューで、冒頭のラブレターが出てくるのだが、横光利一や菊池寛等の書簡の展示もある。

第3章 川端コレクション/伝統美への憧憬 このコーナーでは、いかにも康成といった蒐集品で溢れている。土偶や埴輪からはじまり、仏頭、そして近代工芸の黒田辰秋の作品もたくさん。過去のすべての工芸品の中に置いても、少しもひけはとらないと最大級の賛辞を送っている。そして、二つの国宝もここに。作家風情でこんな名品を手に入られるとは幸せと語っている。

凍雲篩雪図(浦上玉堂)雪に埋もれた大自然の寂寥感を表現している。

十便図(池大雅)/十宣図(与謝蕪村) 画帖

第4章 川端文学/雪国以降では、ノーベル賞関連の品々、芹沢けい介、古径、魁夷らの装幀本、愛用の文具、灰皿(富本憲吉作)、食器、酒器(魯山人作)、三島由紀夫らの書簡が並ぶ。

川端康成の幅広く、かつ深淵な美意識の世界に、改めておどろいた展覧会だった。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

 

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