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ロジェ・ヴァディム監督『輪舞』

2008-04-22 15:19:54 | ノンジャンル
 スカパーの720チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、ロジェ・ヴァディム監督の'64年作品「輪舞」を見ました。マックス・オフュルス監督の'50年に製作された同名の名作をリメイクしたものです。
 パンで様々な景色を撮り、シルエットで男女のキスが描かれるタイトルバック。1931年、パリ。娼婦(マリー・デュボア)は、なじみの客に似ている兵士に声をかけ、タダでやらせてあげると言います。馬屋でコトを済ませると、少しはお金を置いていってと言う娼婦を残して男は去ります。男はダンスホールで女と出会い、女の友人で内気な召使いのローズ(アンナ・カリーナ)を墓地に連れ込み、コトに及びます。愛してると言って、というローズを残し、浮気な男は次の女性を物色しにダンスホールに戻ります。ローズは日曜日に男にラブレターを書いていると、主人のアルフレッド(ジャン=クロード・ブリアリ)に呼ばれ、ぎこちなく口説かれ、コトに及びます。ローズは「抱くだけでなく愛してくださる?」と聞きますが、アルフレッドは今回限りにしようと言います。アルフレッドは貴婦人のソフィー(ジェーン・フォンダ)にラブレターを書き、花束を持って彼女を訪ねますが、ソフィーは不倫の関係を終わらせたいと言います。アルフレッドは強引にコトに及びます。2人は愛を語り、ソフィーは夫のアンリ(モーリス・ロネ)のもとに戻ります。ベッドで夫はソフィーに愛を語ります。ソフィーは夫が過去に関係した人妻のことを聞きたがり、不倫する女は早死にすると機器、ソフィーはアンリに抱きつきます。レストランでは給仕長が給仕たちに、知ってる客が来ても知らないふりをしろと言います。アンリは街頭でナンパした19才の女性とそのレストランに入り、個室でコトに及びます。その女性はその後街頭でまた作家の男にナンパされ、車で男の屋敷に行きます。男は大女優にしてあげると口説き、コトに及びますが、女性は本当に女優になります。作家はレストランで大物女優と食事をし、屋敷に誘われ、ベットと共にします。翌朝、若い兵士が現れ、大物女優と結ばれます。その兵士は安酒場で飲んだあげく、気付くと映画の冒頭に登場した娼婦とともにベッドに寝ていました。兵士はこれから戦争に行くと言い、娼婦は戦死しないでね、と言い、映画は終わります。

 ヌーヴェル・ヴァーグを代表するそうそうたる役者陣にもかかわらず、演出は冴えません。特にひどいのは、女優をきれいに撮っていない点で、トリュフォーの映画でおなじみの、私の大好きなマリー・デュボアなどは、そう言われてやっと気付くというひどい扱い。アンナ・カリーナもゴダールの映画で見せていた輝きなど少しもなく、ひどく哀れな女性の役を演じていました。まともに撮ってもらえていたのは、この映画の直後にヴァディムと結婚したジェーン・フォンダぐらいで、他の女優は惨澹たる有り様。映画自体もモーリス・ロネが出て来たあたりから冗長になり、後半は寝てしまいました。ロジェ・ヴァディムの最悪の映画と言ってもいいでしょう。色っぽいジェーン・フォンダを見たい方にはオススメです。