みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

ケアレストラン「えにし」でご馳走を食べましたの巻/尋常浅間学校in神宮寺

2006-07-17 22:08:21 | 市民運動/市民自治/政治
まずは
一期一会のクリックを

いやぁ、豪華メニューで満腹でした。
なにが?って、
昨日の松本のケアレストラン「えにし」



ケアレストラン「えにし」ってなに?って、
わたしも思ったんだけど、どうも観客は、
ひたすら空腹で過ごすシンポジウムのようです。
ところが、これが空腹どころか、
笑って泣いて、心もエネルギーも満たされた、
とってもおもしろくて、おいしい6時間でした。

空腹の6時間に備えて、昼は松本でおいしい蕎麦のはずでしたが、
高速で事故渋滞、コンビニのおにぎりだけで走ること4時間。
やっと会場の「浅間温泉、神宮寺」に到着。

1時半から開店したケアレストラン「えにし」の店長は、
元朝日新聞論説委員で大学教授の大熊由紀子さん。
料理長は神宮寺住職の高橋卓志さん。
どうもおふたりが仕掛け人のようです。
(なんと全編、文字通訳付きでした)

対談形式で始まったシンポのトップバッターは、
「辞めて花実が咲くものか」の
惣万佳代子さん(「このゆびとーまれ」代表)
×岩川徹さん(元秋田県鷹巣町長)。
惣万さんと岩川さんのケアの現場のお話、
とってもおもしろかったです。
話の中身はもちろん、惣万さんの富山弁もう最高。

つづいて「市長の仕事と市民力」は、
穂坂邦夫さん(前埼玉県志木市長)×加藤ひとみさん。
ナマ穂坂さんは初めてなので期待していたのですが、
加藤さんのツッコミ不足で話が展開していかず、
ちょっともったいなかったかな。
2時間目にして居眠り・・・・・この先どうなることやら。

お次は、「待ってました」の浅野史郎さん×大熊由紀子さん。
浅野さんの追っかけで、はるばる走ってきたんですもの、
「知事よりおもろい仕事って?」どんな話になるんだろう、
居眠りしないようにしよ、と思うまでもなく、
テンポのよいおふたりの話に引き込まれ、
あっという間に1時間がすぎました。

4時間目は、
「人間辞めるのも簡単じゃない・・・・・
いまPPKは?」というテーマをめぐり、
武藤香織さん(信州大学講師)と
川田龍平さん、高橋卓志さんが鼎談。
「PPK(ピンピンコロリ)」という長野モデルに疑問を持ち、
ピンピンコロリとは死ねない障がい者や難病患者、高齢者など、
役に立たない人間は生きている価値はないのか、という
武藤香織さんの問いは重い。
川田龍平さんと高橋卓志さんとのやり取りを聴きながら、
思わず、涙があふれてきました。

  
突然ですが、関連の高橋卓志さんの本2冊。。
立岩真也さんの最新刊『希望について』(青土社/2006) 
と『不動の身体と息する機械』(医学書院/2004)

『あ・な・た・た・ち 自我からの癒し』
(上野千鶴子=文・高畑早苗=絵/NHK出版/2005)から、
上野さんの心に残る一章を紹介します。

生きるのが仕事

 しっ、静かに。起こさないようにしてください。
 さっきから、たんが喉にひっかかってひとしきり発作に苦しんだせいで、いまは疲れてぐっすりおやすみです。介護の人が慣れていないせいで、流動食をのどに流し込むのがうまくいかなかったのです。そりゃ、苦しそうにせきこんでいらっしゃいました。さっきまで呼吸もあらく、息をするのさえ大儀そうにみえのですが、ほら、いまはかすかないびきをたてて、寝入っていらっしゃいます。たとえ意志表示はできなくても、意識はおありになるのですからね。さぞ、はがゆくお苦しいことでしょう。
 そう、こんなふうに寝たきりの不随状態になってから、もう三年経つでしょうか。最初は何を言っても反応なさらないので、お医者さまは見放すところでした。あのまんま、お医者さまにまかせておけば、とうに植物状態の放置されていたことでしょう。
 でも、あなたがあきらめずに話しかけつづけたおかげで、ほら、ほんの少しだけど、表情がもどってきたでしょう? あなたがいらっしゃると、お顔がうれしさで明るむのがわかります。あなたがおかえりになる時には、お顔が曇ります。また、来るわね、とおっしゃると、涙まで浮かべていらっしゃいます。うれしい、とか、かなしい、という人間の感情をこんにも無垢にあらわす方を、わたしはほかに知りません。
 こんなふうになっても、まだ、生きるねうちがあるものでしょうか、おたずねになるのですね?
 ええ、ありますとも。
 この方のそばにいると、生きるのが一仕事、と思えるのですよ。呼吸をしたり、食べたり、排泄したり、心臓を動かしたり、そのひとつひとつが、この方にとっては一仕事なのです。そして、そのひとつひとつをいっしょうけんめい、やっていらっしゃるのがわかります。ああ、こんなにいっしょうけんめい生きている方がいる。そう、思えるだけで、この方が生きているねうちはあります。この方のそばにいると、わたしがいっしょうけんめい生きていないのが、恥ずかしくなります。そして、わたしのような者でも、生きていていいんだと、励まされる気分になるのです。
 だから、この方にはできるだけ生きていてもらいたい。わたしはそう、思っています。

 
エンディングは、
全員が丸テーブルでバトル・ロイヤル。

のっけから、進行の浅野史郎さんに、
「TさんとMさんも4時間かけて参加されてます」とご指名(ドキッ)。
「Tさんも話に加わってください」と言われてTさんは壇上に。
つぎに、予想通り、大熊由紀子さんからは
「上野千鶴子さんも会場にいらっしゃいます」。
「みどりさんも一緒にあがろうよ」と上野さんに誘われて、
3人がバトルに加わってごった煮状態に(笑)。

もちろん、観客は上野さんが加わって大喜び。
「岩川さんどうして落選なさったんですか?」という鋭い突っ込みに、
思わず、岩川さんも椅子に座りなおして、本音を語りました。
3日後の長野県知事選をにらんであえて開催したケアレストランの
デザートは、必然的に苦味の利いたエスプレッソ「政治」でした。

最後にちょっぴりレストランの椅子に座らせてもらって、
わたしも、うれしい6時間でした。

終わった後に、岩川さんから、
「まえ会った時より10歳若がえってみちがえた」と言われました。
前はよほどひどかったのでしょうか?(笑)
心当たりは、珍しく髪をアップにしてたこと。

ということで、今日の締めは、
先日京都で見つけた、「十三や」のつげの櫛。

  

京つげぐし十三や

本つげぐしって、高値の花なんですが、
年に一度、祇園祭の数日だけ限定の値引き品。
昔、愛用していたのですが欠けてしまって、
欲しいと思っていたんです。
髪が長いので荒いのと本つげの2本を買いました。
帰ってスグ、教えてもらったとおりに、
椿油に漬けたつげ櫛で、梳かし初め。

使い勝手がいいので、アップにしてみたと言うわけです。

ほんと、たのしい一日でした。


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コメント (4)
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