みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

上野さんの本はどこが危ないんだろう?/コメントの指摘を受けて

2006-07-28 08:54:42 | 「ジェンダー図書排除」事件
まずは
一期一会のクリックを

福井県のジェンダー関連図書排除リストについて、
情報非公開処分取消訴訟をすると朝日新聞にのったので、
昨日は、マスコミ各社から取材が相次ぎました。

気になりながら後回しにしていた7/20記事の続編です。

「生活学習館にあると判明している上野さんの本16冊」と書きましたが、
図書リストから、さらに上野さんの本が6冊見つかり、
図書名しか書いてないリストからも、8冊見つけました。
というわけで、先の16冊が特定できたというのは間違いで、
「生活学習館にあると分かっているのは30冊」です。

生活学習館の図書台帳には、著者名が書いてなくて、
書籍名だけ(副題なし)というリストもあるので捜すのに苦労します。
上野本のタイトルを全部知ってないと見つけられません。
これはこれで、台帳の記載方法として問題ありです

《最初の16冊》
△はリストにはないと指摘されたもの
------------------------------------------------------------
△『結婚帝国 女の岐れ道』上野千鶴子・信田さよ子/講談社/2004
△『女遊び』上野千鶴子/学陽書房/1988
○『女という快楽』上野千鶴子/勁草書房/1986
△『主婦論争を読む1』上野千鶴子編/勁草書房/1982
△『主婦論争を読む2』上野千鶴子編/勁草書房/1982
△『接近遭遇』上野千鶴子対談集/勁草書房/1988
△『あ・な・た・た・ち』上野千鶴子・高畑早苗/NHK出版/1995
△『近代家族の成立と終焉』上野千鶴子/岩波書店/1994
○『スカートの下の劇場』上野千鶴子/河出書房新社/1989
○『セクシュアリティの社会学(現代社会学10)』
  上野千鶴子他編/岩波書店/1996
○『〈私〉探しゲーム』上野千鶴子/筑摩書房/1987
△『資本制と家事労働』上野千鶴子/海鳴社/1986
△『ジェンダーフリーは止まらない』上野千鶴子・辛淑玉/松香堂書店/2002
△『爆談トーク』上野千鶴子・樋口恵子/松香堂書店/1990
○『売買春解体新書』上野千鶴子×宮台真司/つげ書房新書/1999
○『母性ファシズム』加納実紀代編/学陽書房/1995

《追加で見つかった本》(7/23記事より)
---------------------------------------------
○『きっと変えられる性差別語』三省堂
○『女は世界を救えるか』勁草書房
○『90年代のアダムとイブ』日本放送協会出版
○『恋愛テクロジー ニューフェミニストレビュー1』学陽書房
○『色と欲』小学館
○『リプロダクツヘルスと環境』工作社
-----------------------------------------------
《さらに追加》(7/24)8冊
○『キャンパス性差別事情ストップザアカハラ』
  上野千鶴子/三省堂 /1997
○『トンデレラ姫物語』
  バベット・コール著上野千鶴子訳/松香堂/1995
○『シンデレ王子の冒険』
  バベット・コール著上野千鶴子訳/松香堂/1995
○『マザコン少年の末路 増補版』
  上野千鶴子/河合文化研究所
○『日本社会 21世紀へのキーワード』
  上野千鶴子×中村雄二郎/岩波書店 /1999
○『女の子に贈るなりたい自分になれる本』
  上野千鶴子/学陽書房 /2003
○『当事者主権』
  上野千鶴子・中西正司/岩波書店/2003
○『老いる準備―介護することされること』
  上野千鶴子/学陽書房/2005
--------------------------------------------------------------------------
合計30冊ですから、「世界日報}記事によると、
このうちの十数冊を排除したことになる。

と思っていたら、

わたしの記事に対して、「近藤實」本人をなのる方から、
こんなコメントが届いていた。

--------------------------------------------------------
判明した45冊のジェンダー関連本の間違いについて (近藤實)
2006-07-23 22:13:17

福井市の近藤實です。
「判明した45冊のジェンダー関連本たち
福井県焚書坑儒事件」の間違いをお伝えします。
以下の本は撤去されていません。
 結婚帝国女の岐れ道
 ジェンダーを科学する
 シングル単位の社会論
 シングル単位の恋愛・家族論
 男女平等の本、ノルウェージェンダーフリーテキスト
 ジェンダーフリーは止まらない
 女遊び
 主婦論争を読む1、2
 あ・な・た・た・ち
 近代家族の成立と終焉
 セクシュアりティの社会学
 (私)探しゲーム
 資本制と家事労働
 爆笑トーク
投稿する以上はぜひ正確にお願いしたいと思います。推測で書くのはよろしくないですね。

最近よく使われている焚書坑儒事件と言う表現も過激ですね。禁書でも焚書でも坑儒でもありません。県は、3月、基本計画(第2次)に基づき撤去を行いました。勇気ある妥当な判断でしたが、皆さんの攻撃におそれをなして150冊すべてを戻しました。
国分寺市での上野千鶴子講演会中止のような断固たる対応が出来なかったことは残念です。
今回の件で、書籍の内容についての議論は全くされていません。ジェンダーフリーを目指す、家族の否定あるいは解体を目指す、男女混合騎馬戦の肯定、非婚・離婚・シングルマザーなどを積極的に肯定する、買売春を肯定するなど常識からかけ離れた書籍は国の男女共同参画行政の目指すものではないはずです。また、フェミニズム関連、ジェンダー関連の本が非常に多いのも不思議なことです。
仲間の推進員の人たちとも話をしていますけれど、みんな「おかしいね」と言っています。
-----------------------------------------------------------------------

>投稿する以上はぜひ正確にお願いしたいと思います。
推測で書くのはよろしくないですね。


ご親切にありがとうございます。

とはいえ、これを読むと温厚なわたしも、
コメント氏の無神経さに、さすが「むかっ」としますね。
これがガセネタでなくて、ほんとに本人が書いたものなら
あなたはどの本が150冊に該当するか知ってて当然じゃないですか。
排除本リスト作成者、つまり事件の当事者(張本人)なんですから。
わたしは「黒塗り」リストで、なにも見えないん(ゼロ)ですから、
「正確に書く」なんでできないし「推測で書く」しかないじゃないですか。
親切なのか、ひとの揚げ足をとりたいのか分からないけど、
言ってることが、アンフェアだってことがわからないんでしょうかね。

そもそも「男女共同参画推進員」は知事に委嘱されて公費をもらって
「男女共同参画」政策を推進する仕事をする人ですよ。
だからこそ、氏名は公開だし、仕事上の守秘義務も定められています。
「公的な仕事をするもの」としての最低限の自覚も、
ひとのブロクを訪問するときの礼儀もないんでしょうか。

>「福井県焚書坑儒事件」の間違いをお伝えします。
以下の本は撤去されていません。


記事を正確に読んでいただきたいのですが、
わたしは「世界日報」などで「排除されたと報道されている本」が、
生活学習館の「備品台帳にある」のかを検証したのであって、
45冊が「撤去された本だ」って書いてないですよ。
それに、「世界日報」記事だって二次情報(伝聞情報)で、
わたしの記事は、それ元にした三次情報です。
コメント氏もほんとに本人かは分からないですし、
つまり、必要な情報が公開されていないのですべては「やぶの中」。

『結婚帝国 女の岐れ道』は「世界日報」記事ではなく、
昨年10月の県議会でやり玉に上がった本ですし、
「世界日報」記事に出てくる『ジェンダーを科学する』は、
11~12月に近藤實氏が排除しろと個別に申し入れした本ではないか
と推測します(この5冊も黒塗りで確認はできない)。
今まであちこちで問題にされていた、
「ジェンダーフリーは止まらない」「女遊び」などの、
上野さんの本のいくつかも、この5冊に入ってるのではと思います。
とはいえ、ご指摘により「判明」という誤解を招く表現は削除しました。

・『シングル単位の社会論~ジェンダーフリーな社会へ』
・『シングル単位の恋愛・家族論~ジェンダーフリーな社会へ』
・『男女平等の本~ノルウェー・ジェンダーフリー教育用テキスト』
・「ジェンダーフリーは止まらない」

指摘の4冊はタイトルに「ジェンダーフリー」とあるので挙げましたが、
「副題」ならいいのでしょうか? よくわかりません。
「ジェンダーフリーは止まらない」は見逃したのでしょうか?
とすると、ほかに「ジェンダーフリーを掲げている本」は
図書台帳から見つけられなかったのですが???
「世界日報」の9冊というのが間違いなのでしょうか??

せっかくコメントを書いて下さったんですから、
リストに入っていないと指摘された本を除くと、
排除されたのは残り18冊のうちのどれか、ということです。

『女という快楽』上野千鶴子/勁草書房/1986
『接近遭遇』上野千鶴子対談集/勁草書房/1988
『スカートの下の劇場』上野千鶴子/河出書房新社/1989
『売買春解体新書』上野千鶴子×宮台真司/つげ書房新書/1999
『きっと変えられる性差別語―私たちのガイドライン 』三省堂/
上野千鶴子+メディアの中の性差別を考える会/1996
『女は世界を救えるか』上野千鶴子/勁草書房/1986
『90年代のアダムとイブ』上野千鶴子/日本放送出版/1991
『恋愛テクロジー ニューフェミニストレビュー1』/学陽書房/1990
『色と欲』上野千鶴子編/小学館/1996
『リプロダクツヘルスと環境』上野千鶴子・綿貫礼子/工作社/1996
『キャンパス性差別事情ストップザアカハラ』上野千鶴子編/三省堂 /1997
『マザコン少年の末路 増補版』上野千鶴子/河合文化研究所
『トンデレラ姫物語』バベット・コール著上野千鶴子訳/松香堂/1995
『シンデレ王子の冒険』バベット・コール著上野千鶴子訳/松香堂/1995
『女の子に贈るなりたい自分になれる本』学陽書房 /2003
『日本社会 21世紀へのキーワード』上野千鶴子×中村雄二郎/岩波書店 /1999
『当事者主権』野千鶴子・中西正司/岩波書店/2003
『老いる準備―介護することされること』上野千鶴子/学陽書房/2005


それにしても、上野さんの本30冊すべてを排除したんじゃないのなら、
どんな基準で、排除本とそうでない本を決めたんでしょう。
『ジェンダーフリーは止まらない』と『女遊び』はセーフなんですか?
いったい上野さんの本の、どこが危ないんだろう?
まさか、「近藤さんが危ないと思ったから」だけだったら、
それこそ、恣意的な選別ですよ。
国(内閣府)までが「排除はまずい」と動いたと聞いているのですが、
そんな個人的趣味の150冊のリストを元に県が本を排除したらのなら
「県民の意見に真摯に対応」では済まない話です。

近藤さんには、わたしか挙げた本が間違いだと言うのなら、
どんな根拠で2600冊の中から150冊の本を選んだのか、
「選定基準」をあきらかにしてもらいたいですね。

来月には情報非公開処分取消訴訟も提起することだし、
こうなったら、司法の場で争って県の違法を認めさせ、
晴れて、150冊のすべてを白日の元にさらしたい!

>投稿する以上はぜひ正確にお願いしたいと思います。
推測で書くのはよろしくないですね。


近藤實さんの指摘にはこうお答えしておきます。

わたしは排除本リストの情報非公開取消訴訟の選定当事者ですから、
「排除本リストを公開させたら正確に書きます」。

>今回の件で、書籍の内容についての議論は全くされていません。

中身の議論はそれからです。

  
ムクゲと黄ヘメロカリスが咲きました。
  


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コメント (23)
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