みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

上野千鶴子さん関連。「ケアの社会学」論文、エッセイ、「おひとりさまの老後」書評+イベント。

2007-08-06 10:01:26 | ジェンダー/上野千鶴子
昨日の中日新聞の「読書」欄に、
『おひとりさまの老後』の書評が載っていました。
評者は森清さん。「男はひそかに本書を読もう」と書く。

『おひとりさまの老後』は、現在、アマゾンで143位。
中日新聞のシェアは高いから、たくさんの人に読まれるといいな。
ということで、以下に紹介します。
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 おひとりさまの老後
上野千鶴子著(法研・1470円)

<個>を基本に、知恵と力で
 

 老後、独り身になる確立の高い女性たちといい老後を楽しもうと書いた({はじめに」)。来年は60歳になる「おひとりさま」の著者は、男のことなぞ「知ったこっちゃない。せいぜい女に愛されるよう、かわいげのある男になることね」と「あとがき」で突き放す。ところがそんな男でも近づける老後の暮らしへのヒント集でもある。男はひそかに本書を読もう。
 著者は「せっかく歳をとったのだもの、男だ女だというジェンダーは脱いでしまったらいい」と書く。74歳の評者は同感だ。それにはどうしたらいいかと考えて読むと役に立つ。
 ひとりで生きるのが基本。これが難しいのだが。暮らしの基本は「個室」。健常者も要介護者も。時には出会おう。そのためにいっしょにいてもキモチがよい人になれ。友人、家族にメンテナンスする。暮らすにも逝くにもお金はいるから工夫せよ。介護される知恵と力が必要。孤独死はこわくない。などのメッセージが全6章に詰まっている。
 著者は高齢社会で重要なのは在宅介護支援体制が地域に整っていることと指摘し、その主張とまだ少ない具体例を書中にちりばめる。読者は居住地の実情を知って声を上げよう。また、現行の介護保険は家族が前提の制度設計でつくられているから、これを「ひとり」が基本の変えるべしと主張する。これにも賛成だ。
 小気味いい伝法な語り口で「当世老人気質」を語って余りある。文献目録なぞ付けていないけれども、30数点が書中に短く紹介されていて参考になる。また、知友へのインタビューや数多くの調査データがふんだんに使われていて肉づきをよくしている。これまでの著者の家族論を基盤にした「高齢社会家族論」とも読める。
 人は「生老病死」を生きる。本書は「病」にあまり触れていない。読み終えて思ったのは、著者のように暮らせば病みにくいし、病んでも克服しやすいだろうということ。老後への、老後での「健康本」にもなる幅の広さがいい。

<評者>森清(労働研究家)
うえの・ちづこ
1948年生まれ。東京大教授・女性学専攻。著書に『老いる準備』『近代家族の成立と終焉』など。
(『おひとりさまの老後』書評 中日新聞2007.8.5)
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ところで、
上野さんから7月下旬に、最近書かれたエッセイや論文のコピー、
本、などなど見つくろって、どさっと届きました。
田舎に住んでては、なかなか入手できないものばかりなので有り難く、
こうして送ってくださる栄養補給で、なんとか生き延びています(笑)。

まずは『atあっと』8号。
連載中の「ケアの社会学」は、第7章「生協福祉の展開1」。
  
2~30代で生協と深くかかわったのだけど飽き足らず、早々と見切りをつけて、
80年代に神奈川のワーカーズコレクティブを見に行ったわたしとしては、
とても興味深く、共感するところの多い章です。
『atあっと』8号の特集は「フェアトレードの現在」。
「ケアの社会学」だけでなく、この特集も読みたかったので、
探し回って、5軒目の本屋さんで見つけました。

『ビッグイシュー』75号リレーインタビュー《私の分岐点》は、
「その日暮らしの時代があったから、貧乏も平気、
何をやっても食べていけることがわかった」。

 

上野さんからはコピーが届いたのですが、
るなさんが本を購入して、送ってくださいました。
で、カラーで『ビッグイシュー』ごと紹介です。


前に第3回を紹介した、『日経ウーマン』の『妹たちへ」。
2007年6,7,8月号の3回連続エッセイです。

 
 


『ビッグイシュー』の《私の分岐点》にもつながる内容で、
全部が通しで読めてうれしいです。

おまけは、上野さん関連のイベントふたつ。
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トークセッション「おひとりさまの老後 - 上野千鶴子・酒井順子」
ジュンク堂書店池袋本店 
9月5日(水)18時半~
上野 千鶴子(東京大学大学院教授)、酒井 順子(コラムニスト)
☆お申し込みは池袋本店1Fサービスカウンターで承ります。
(電話:03-5956-6111 )
☆入場料はドリンク付きで1000円です。
当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。
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「上野さんの、情報を得たい方々がたくさん寺町さんのページには
訪れているかと思いますので、ぜひ、ご紹介ください」と、
読者から届いた、上野さんの講演会「私の自立」も紹介しますね。

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 上野千鶴子講演会「私の自立」
それぞれの居場所で探す「私の自立」
自立・・・生き延びるために大切なこと

講演:9月7日(金)18:30~20:30
会場:男女共同参画センター横浜北
     (アートフォーラムあざみ野)
参加費:1000円
定員:150人
申し込み:往復はがき
あて先など詳細はこちらのリンクを参照のこと
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どちらも、おもしろそうです。 
ウーンあと一日ずれてたら、泊まりで聞きに行くのに・・・・。

「む・しネット」も、12月2日の「上野さん基調講演のフォーラム」シフトに突入。
早く中身をつめて、チラシを作って呼びかけないと、とあせります。


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