みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

『八ヶ岳南麓 猫の手くらぶ物語』/色川大吉さんの最新刊(山梨日日新聞)

2008-06-13 20:12:01 | ほん/新聞/ニュース

思いがけなく、色川大吉さんから本が届きました。

初版日は6月10日、できたてのホヤホヤです。
うれしくて天にも上るような気持ちでページをめくり始めたら、
おもしくて、やめられない止まらない、一気に読んでしまいました。



新天地での第二の人生。
新しく自由に生きるために、どのような助け合いをしたらよいか、
これは、そういう世代を越えた人たちがつくりあげたネットワークの、
小さな成功の物語です。


「八ヶ岳南麓 猫の手くらぶ物語」
色川大吉著/山梨日日新聞/2008.6.10

療養のために移り住んだ八ヶ岳南麓で、
民衆史・自分史の提唱者が出会った
新しいコミュニティのありかた。
セカンドライフや森での暮らしを豊かにするための
経験・思索が詰まったフルカラーエッセイ集。
定価1,890円(税込)

 
しなやかでリズム感があり、簡潔でうつくしい文章。
八ヶ岳の懐に抱かれて、静かでかけがえのない日々の暮らし、
人と人とのつながり、自然とのかかわりがつづられていて、
心にあたたかい希望の灯がともるような本です。

目次

『猫の手くらぶ』物語
ともに楽しい会を作ろう--助け合いの会発足
第二の人生を求めて
多芸多才な仲間たち
ソーメン流し
急病には無償の友情
何かと集まっては楽しむ
立場の違いを尊重し、風のように生きよう
東アフリカの子どもたちに目を
途方に暮れる料理の奥深さ
持ち寄って一緒に食べる
秩父事件と『草の乱』
厳しい冬を最高の季節に
『犬の手クラブ』も生まれる

「森のくらし」
木漏れ日の庭で
森暮らしの先輩
薪ストーブのある暮らし
地球君、人類を笑う
森は荒れている
ブナの森と『冬の旅』
サーカス好き
八嶽党の足跡にひかれて
山梨と秩父困民党
別荘の人へ--自然との共生というけれど
病気や老化に抗して
あとがき



第一部「猫の手くらぶ」物語は、
色川さんが厳しい自然の中で、すてきな仲間たちと
助け合いながらくらす様子が、目に浮かぶようです。

厳しい冬を最高の季節に
 


第2部「森のくらし」

カラーページも写真も美しくて、
ページを繰りながら、まるで八ヶ岳の森の中で、
読んでいるみたいな不思議な感じがしました。

森暮らしの先輩

『森暮らしの家 全スタイル』 (田渕義雄/小学館 /2002 )
 
薪ストーブのある暮らし
 

凛とした冬景色、薪ストーブの炎の暖かさ、
春の芽ぶきのうつくしさや、森を歩く足音が聞こえてきそうなエッセイに、
なつかしさを覚え、胸が熱くなりました。

   

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色川さんの本は、今までも折に触れて読んでいるのですが、
いらだちの「思想(ナショナリズム)」時代/色川大吉さんの記事で、
『若者が主役だったころ わが60年代』を紹介したように、
わたしは、弱者に向けるまなざしのあたたかい『雲表の国』や、
自由で、率直な思いあふれる、色川さんのほん(ことば)が好きです。

  
『民衆史 その100年』(講談社/1991)
『フーテン老人世界遊び歩記』(岩波書店/1994)

  
『わが聖地放浪 カイラスに死なず』(小学館/1994)
『日の沈む国へ 歴史に学ばない者たちよ』(小学館/2001)
 

この『八ヶ岳南麓 猫の手くらぶ物語』は、大好きな本に仲間入り(笑)。
ぜったいお勧めなので、ぜひお手にとってお読みください。
(ご注文は書店または山梨日日新聞へ)


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コメント (3)
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