「ポスター費水増し 再捜査求める」とのニュースが流れた。
昨日、岐阜岐阜検察審査会が「不起訴不当」の議決をしたことを受けたもの。
朝刊各紙の記事によると、岐阜地検は昨日、
「審査会の議決を踏まえ、慎重に捜査を進めたい」
とのコメントを発表したらしい。
ポスター費水増し 再捜査求める(08.6.17NHK)
当時の市議7人 4年前の選挙でポスターの製作費
水増しした詐欺の疑いで書類送検
岐阜地検 去年12月7人全員を起訴猶予
岐阜検察審査会
”公金意識薄く起訴猶予では不十分” 捜査のやり直し求める
と、記事を書いているうちに、岐阜検察審査会から
「議決書の要旨について(通知)」という内容の封書が届いた。
同100144号)につき,平成19年12月20目上記検察官がした不起訴処
分の当否に関し,当検察審査会は,上記申立人らの申立てにより審査を行い,次
のとおり議決する。
議 決 の 趣 旨
本件不起訴処分は不当である。
議 決 の 理 由
1 被疑事実の要旨
被疑者横山善道は,平成16年4月18日に敏行された岐阜県山県市議会議員
選挙の候補者であるが,「山県市議会議員及び山県市長の選挙における自動車の
使用及びポスターの作成の公営に関する条例」に基づく選挙公営制度により,山
県市から選挙運動用ポスター費用が支給されることを利用して,選挙運動用ポス
ター費用名下に金員を詐取することを企て,平成16年4月20日及び21日こ
ろ,岐阜県山県市洞田523番地所在の被疑者方及び金忍寺庫裏内において,選
挙運動用ポスター作成請負契約を交わしたヨツハシ株式会社代表取締役四橋英児
名の請求書に,同社社員武藤垂樹及び同人の妻積山季子をして,選挙運動用ポス
ターの請求金額84,000円であるにもかかわらず,請求金額欄に「368,
550円」等と冒書させた上,同月22日,山県市高木1000番地1所在の山
県市役所総務課において,同課職員に対し,上記不正に水増しした金額を記載し
た請求書を提出し,同人をして,請求書に記載の請求金額が正規の請求金額であ
ると誤信させ,よって,同年5月13日,十六銀行西野町支店のヨツハシ株式会
社名義の当座預金口座に368,550円を振込入金させ,もって人を欺いて財
物を交付させたものである。
被碇者宮田軍作は,平成16年4月18日に執行された岐阜県山県市議会議員
選挙の候補者,同宮甲充秋は,同選挙の際の,上記宮田軍作の後援会会計責任者
であるが,被疑者両名は共謀の上,「山県市議会議員及び山県市長の選挙におけ
る自動車の使用及びポスターの作成の公営に関する条例」に基づく選挙公営制度
により,山県市から選挙運動用ポスター費用が支給されることを利用して,選挙
運動用ポスター費用名下に金員を詐取することを企て,平成16年4月下旬ころ,
山県市平井69番地所在の岐阜北保険事務所内において,上記宮田充秋が,選挙
運動用ポスターの請求金額は106,312.5円であるにもかかわらず,選挙
運動用金ポスターの使用にかかる請求書の請求金額欄に「368,550円」等
と冒書して作成し,上記宮田軍作が,同月27日,山県市高木1000番地1所
在の山県市役所総務課において,同課職員山田和哉に対し,上記不正に水増しし
た金額を記載した請求書を提出し,同人をして,請求書に記載の請求金額が正規
の請求金額であると誤信させ,よって,同年5月13日,岐阜銀行長良支店の浅
野収司名義の普通預金口座に368,550円を振込入金させ,もって人を欺い
て財物を交付させたものである。
2 検察審査会の判断
本件不起訴記録並びに審査申立書,審査申立人が提出した審査申立証拠説明書
等を精査し,慎重に審査した結果,不起訴処分を不当とする理由は,次のとおり
である。
本件被疑事実によれば,被疑者らは,山県市に対して被害額を全額弁償済みで
はあるが,議員という自治体の代表者として,自治体の健全な財政運営に努めな
ければならない立場にありながら,公金を騙し取るといった犯行を敢行したこと
は,甚だ公金意識が希薄で,その犯情は,極めて自己中心的で,その動機にも何
ら酌量の余地のない計画的かつ悪質であると思われる。また,反省の情及び社会
的制裁についても,取調べに対して率直に事実を認め,公に謝罪しているものの,
議員を辞職をしていないことを加味すると,不十分ではないかと思われる。また,
刑事事件においては著しい不均衡は許されないものである。かつ,県民,市民の
信頼を回復するためにも,検察官の不起訴処分(起訴猶予)の裁定には納得でき
ないので,再考を求めるため,上記趣旨のとおり議決する。
平成20年6月13日
岐阜検察審査会
ぜひ、不起訴処分を見直し、起訴立件して欲しい。
来年から「裁判員制度」がはじまるけれど、
市民の意見とも言える「検察審査会」の「不起訴不当」の議決が無視されれば、
せっかくの「検察審査会」も「裁判員制度」も、絵に描いた餅になってしまう。
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以下は、関連の朝刊各紙の記事です。
山県市議選をめぐるポスター代水増し 2議員の不起訴不当 検察審査会議決「社会的制裁が不十分」 (2008.6.17岐阜新聞) 2004(平成16)年の山県市議選をめぐるポスター代水増し請求事件で、同市議選の候補者だった元市議の横山善道県議(54)と宮田軍作市議(66)を起訴猶予とした岐阜地検の処分について、岐阜検察審査会が不起訴不当の議決をしていたことが16日、分かった。議決は13日付。 同審査会は理由について、「自治体の健全な財政運営に努めなければならない立場にありながら公金をだまし取る犯行は公金意識が希薄」と指摘し、社会的制裁についても「議員を辞職していないことを加味すると不十分ではないかと思われる」とした。 同地検などによると、横山県議と宮田市議は印刷業者と共謀し、04年4月ごろ、市に対して実際の4倍程度のポスター代を岐阜市の印刷業者に請求させ、現金をだまし取ったとされている。 県警は昨年7月、横山県議と宮田市議を含む当時の当選市議7人を詐欺容疑で書類送検したが、同地検は同12月、「被害金を返済し、反省している」などとして、選対幹部や印刷業者を含む計12人を起訴猶予とした。当選市議7人のうち、横山県議と宮田市議を除く5人は昨年までに辞職。08年4月の市議選では宮田市議に加え、辞職した市議1人が無投票で再び当選した。 2人を詐欺容疑で同地検に告発した寺町知正市議ら3人は今年1月、「辞職した5人と辞職していない2人との不均衡は著しい」として同審査会に審査を申し立てていた。 同地検の石崎功二次席検事は「審査会の議決を踏まえ、慎重に捜査を進めたい」としている。 同地検は不起訴不当の議決を受け、起訴するかどうかを再検討するが、同審査会の議決に法的拘束力はない。 「議決は妥当」審査申し立ての市議 岐阜検察審査会が不起訴不当の議決をしたことについて、審査を申し立てた寺町知正山県市議は「審査会の判断は妥当であり当然。岐阜地検の判断は常識的な世論とかい離している」とし、横山善道県議と宮田軍作市議の起訴の必要性を訴えた。 寺町市議は「二人はポスター代の水増し事実を認めて謝罪もしている。本来ならば議員を辞職していなくてはならない立場」と辞職しなかった点をあらためて指摘。「辞職した元市議らと同じ一律不起訴では不公平だという世論や市民の期待に、地検は応えていない」と批判した。 今回の議決について横山県議は「コメントする立場にない」とし、宮田市議は「必要があれば粛々と対応する。答えることはない」と話した。 |
「市議辞職せず不十分」 ポスター水増し不起訴不当議決 発覚1年再捜査に (2008.6.17朝日新聞) 公に謝罪しても、議員辞職していなければ社会的制裁は不十分――。当時の市議ら14人全員を岐阜地検が不起訴処分にした山県市議選のポスター代水増し請求事件で、16日公表された岐阜検察審査会の議決は、県警が立件後も辞職しなかった宮田軍作市議(66)と元市議の横山善道県議(54)の不起訴処分を不当と断じた。問題が明るみに出て1年、岐阜地検は当初の判断を覆され、再捜査を迫られることになった。 審査会は、両議員について「はなはだ公金意識が希薄で計画的かつ悪質。取り調べに率直に事実を認めたものの、辞職していないのは反省の情や社会的制裁も不十分ではないか」と指摘。「県民、市民の信頼を回復するためにも、裁定には納得できない」と岐阜地検に再考を求めた。 議決について、宮田市議は「何も聞いていないので答えようがない。審査会の判断がどのような効力を持つかもわからず、進退を考える材料もない」。横山県義は「コメントすることはない。決定があれば従うだけ。県議はそのまま続ける」と話した。 04年の市議選でポスター代を水増し請求したとして、県警は昨年7月、宮田市議ら当時の市議7人と横山県議、ポスター作製業者ら計14人を詐欺容凝で書類送検。選挙公営 制度に基づく公費負担をめぐる全国初の立件だった。地検が12月、議員にとどまった2人を、辞職した5人と同じ不起訴処分(起訴猶予)にしたため、寺町知正市議らが審査会に申し立てていた。 寺町市議は「検察審査会が常識的な判断をしたことで、地検だけが市民感覚からかけ離れていることが浮き彫りになった」と指摘。「議員を辞めてすむ問題ではないが辞めない2人はより悪質」と話した。 (岡本洋太郎、上田真由実) ----------------------------------------------------------------- 市議ら不起訴は不当 岐阜検察審査会 山県市ポスター費詐欺 (2008.6.17中日新聞) 岐阜県山県市の選挙公営ポスター製作費水増し請求にからみ宮田軍作同市議(66)と元同市議の横山善道県議(54)の二人を不起訴(起訴猶予)とした岐阜地検の処分で岐阜検察審査会は、不起訴不当と議決した。 岐早地検の石崎功二次席検事は「議決を踏まえ、慎重に捜査を進めたい」とした。 議決は「議員として、健全な財政運営に努めなげればならない立場にありながら、公金をだまし取り、公金意識が希薄」と指摘。その上で社会的制裁について「議員辞職しておらず不十分」とし「市民の信槙を回復するためにも不起訴処分の裁定に納得できない」としている。 宮田市議は「事実関係を確認してからコメントしたい」と語り、横山県議は「(地検の判断に)従っていきたい」と話した。 県警は、二〇〇四年の市義還で、市費でポスター製作費を負担する公営制度を悪用して市に水増し請求し、それぞれ三十七万円をだまし取ったとして詐欺容疑で二人を含めた元市議や印刷業者らを書類送検。 岐阜地検は昨年12月、「被嘗弁償が済み、罪を認めて反省している」などとして計12人を起訴猶予処分とした。 審査を申し立てた寺町知正同市議は「検察は市民の視点に立ってほしい」と話した。 --------------------------------------------------- 山県市議らの処分 不起訴不当を議決 岐阜検察審査会 (2008.6.17読売新聞) 2004年の山県市議選で当選した市議らがポスター制作費を水増し請求していた事件で、詐欺容疑で書類送検された元市議と県議の計2人を不起訴とした岐阜地検の処分について、岐阜検察審査会は不起訴不当を議決した。 同地検は07年12月、市議や印刷業者ら14人を起訴猶予など不起訴処分とした。これに対し、寺町知正市議らが今年1月、不起訴不当の議決を求め不服を申し立てていた。同審査会は「自治体の代表として公金をだまし取る犯行は悪質。議員を辞職しておらず、反省も不十分だ」としている。 同地検は「今後、慎重に捜査を進めたい」としている。 ----------------------------------------------------------------- ポスター費水増し:岐阜県議ら2人の起訴猶予は不当 (2008.6.17毎日新聞) 04年4月の岐阜県山県市議選を巡る選挙ポスター製作費水増し請求事件で、岐阜検察審査会は16日までに、詐欺容疑で書類送検された横山善道県議と宮田軍作市議を岐阜地検が起訴猶予(不起訴)処分としたのは不当と議決した。 この事件では7議員が書類送検、全員が07年12月に起訴猶予処分となった。このうち議員辞職しなかった横山県議と宮田市議について今年1月、山県市議の一人が「辞職しなかった2人も不起訴とするのは妥当ではない」と審査会に申し立てていた。 岐阜地検の石崎功二次席検事は16日、「議決を踏まえ、慎重に捜査を進めたい」とのコメントを出した。【鈴木敬子】 |
住民監査請求で市民団体が陳述 日進の選挙公営費 中日新聞 08年6月4日 昨年の日進市議選と市長選の選挙公営費をめぐる住民監査請求で、請求人の市民団体「明るい選挙を願う市民の会」は3日、市監査委員に意見陳述をした。 同会は、ポスター作成費と選挙カーのレンタル代で水増し請求などがあったとして、約160万円をしに変換するように求めている。 意見陳述では、同会の後藤尚子前市議が、公費負担の対象外の室内用ポスターを請求していたケースがあると指摘。両選挙前の一昨年12月に選挙公営制度を適切に運用するよう要望していたことに触れ「市選管の候補者への指導も不十分だった」と訴えた。 |
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