みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「スライム母と墓守娘」(上野千鶴子×信田さよ子)/福井「焚書坑儒」事件、その後の経過(菅井純子)

2008-12-16 09:00:21 | ジェンダー/上野千鶴子
これから、「『おひとりさまの老後』を読む会」に出かけます。

著者の上野さん関連の記事ということで、
『ユリイカ』(青土社)特集・母と娘の物語 母/娘という呪い に、
「スライム母と墓守娘 道なき道ゆく女たち」という
信田さよ子さん×上野千鶴子さんの対談が載ってるので紹介。
おもしろいですよ。
  
『婦人公論』11月号には、信田さんと藤原信也さんの対談、
「父親よ、あなたが代われば家族が救われる」も。

信田さんは、『母が重くてたまらない』で大ブレイク中。
こちらも、母から生まれたすべての娘、必見です。


『加害者は変われるか?-DVと虐待をみつめながら』
&『母が重くてたまらない』(信田さよ子)(2006.6.28)


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つづく、関連(かな?)の福井訴訟原告団の記事ということで、
『む・しの音通信』68号に寄稿してくださった原告の菅井純子さんの、
「福井『焚書坑儒』事件、その後の経過」も紹介します。
裁判のこと、10月7日の【東大ジェンダーコロキアム】のことなど、
臨場感あふれる報告です。

福井「焚書坑儒」事件、その後の経過
原告・菅井純子

◆「控訴審」敗訴~上告へ
 
 「音声記録情報非公開処分取消訴訟」の控訴審判決が、9月22日、名古屋高裁金沢支部で申し渡された。結果は一審に続く敗訴。  
判決理由は「会議録作成のため職員が備忘として録音、所持していたもので公文書ではない」というものだった。原告団は記者会見を行い、代理人の清水勉弁護士が判決についての解説と問題点を指摘。事務局の寺町みどりさんが、原告代表の上野千鶴子さんのコメント「…市民の知る権利という核心を避けた判決は、まことに遺憾である。よって、最高裁に上告して、争うほかない」を読み上げた。

◆10月7日【東大ジェンダーコロキアム】 
 次は最高裁ということで、上野さんの呼びかけにより、支援者の多い東京で「バックラッシュとジェンダー~福井『焚書坑儒』事件と情報公開訴訟」をテーマに集会が開かれた。
まず清水弁護士が今回の裁判の性格や判決の問題点を、非常にわかりやすく解説してくださった。この裁判は「公文書とは何か」が争点なのに、一、二審ともに裁判所は「管理のしかたによって公文書かどうかを判断する」という立場をとってしまった、と分析した。清水さんによると福井県の文書管理規程は全国的に見ても出来の悪いものらしい。その出来の悪い規程さえ守られていない、いい加減な管理の実態を追認する形で「公文書にあたらない」という判断を裁判所が下した。福井県民としては寂しい気分になってきたが、清水さんの「裁判官は時代の流れが読めない。また最高裁判例に盲従し行政の言うことを受け入れがちだが、最高裁は政治的判断をする。寺町知正さんが提起する問題は最高裁の琴線に触れるものがある」との言葉に元気が出る。話題は裁判官の人事異動にまで及び、ギョーカイの事情がちょっとだけ見えたような興味深いお話だった。最後は「裁判員制度が始まろうとしているが、こうした行政訴訟から市民参加が進められるべきだ」とかっこよく締めくくった。
次に寺町みどりさんが福井「焚書坑儒」事件の概要と裁判に至る経過を説明した。北海道やつくばみらい市の事件、堺市のBL本排除問題にも触れ、「行政に対する圧力という点で手法は似通っている。市民的手法を使ってどう対抗していくかノウハウを共有していきたい」と述べた。
上野さんが補足された後、寺町知正さんが「市民として直接民主主義の公的制度を使う」という観点から、情報公開請求や住民監査請求の持つ効力について具体的に解説した。岐阜県で監査請求によって公共事業の費用が大幅に下がった例が紹介され、制度を使うことで「ひとりから」でも出来ることがあると実感させられた。知正さんから「最高裁で勝てる」との言葉が出ると、すかさず上野さんが「シナリオ通りだったのね」。
続いて上野さんは、国分寺事件に始まる一連のジェンダーバッシングとその背後にあるものについて明快に語り、現在の政治状況に触れて「私たちが“モグラたたき”をするということにおいてすら、政権がどう変わるかということに一喜一憂しなければいけない。直接に末端に影響するようなところで闘っている」と話した。
その後、「原告からのメッセージ」。まず今大地晴美さんが「福井県職員が情報公開について無知なことに驚きあきれた。裁判の結果を聞いて『司法の情報公開制度に対するバックラッシュだ』と思った。なんとしても最高裁で勝ちたい」とピタリ1分で述べられると会場から思わず拍手。次に私が一県民として裁判に関わっての感想を述べた。編集者の立場から、星野智恵子さんが「福井の事件が起きた時、私が編集した上野さんの本が入っていなかったらどうしようかと思った(笑)」、藤本由香里さんは「一番最初に止めなければ次々と波及してしまうと危機感を持った。堺市の事件も波及が懸念される」と、それぞれ思いを語った。
会場からの質問は、情報公開請求などの手法をいかに使うかという点に関するものが多かった。初めて聴いた人には、超特急かつ盛り沢山の内容だったと思うが、50名以上の参加者が熱心に耳を傾け、カンパもたくさん集まって、大変心強く感じた。最高裁からの御招待が来たら、ぜひ皆さんもご一緒に!(『む・しの音通信』68号)


では、いってきまース。

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コメント (2)
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