みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

女たちの脱原発~WAN「原発いらない 福島の女たち」アクションレポート/原発事故:情報開示、さらに徹底を

2011-11-04 09:19:33 | 地震・原発・災害
福島の女性たちが、脱原発を訴えて、経済産業省前の前で3日間の座り込み集会をしている。
共鳴した全国の女性たちもこれに続いて7日間座り込み、10日間の座り込みが続いている。

一昨日の毎日新聞夕刊の特集ワイドには、座り込み集会ルポのことが大きく取り上げられた。

WANでは、VoicesWan(wanビデオ班)の熱田敬子さんが、
ビデオ映像とともに、レポートをアップしている。
これがとっても心を打つ内容。
座り込みは今日まで。
東京には駆けつけられないけれど、わたしはわたしができるの脱原発の意思表示をしていこう。

   

  特集ワイド:女たちの脱原発 座り込み集会ルポ  
毎日新聞 2011年11月2日

◇除染、除染というより、早く子どもの疎開を
 「早く子どもたちを避難させて」。東京電力福島第1原発事故から7カ月余り。政府の緩慢な動きに業を煮やした福島県の女性たちが上京し、座り込みによる訴えかけを始めた。それを知った全国の女性たちも後に続き、賛同人にはあの大女優の名前も。女たちの脱原発--その胸にあふれる思いを聞いた。【浦松丈二】

 ◇自然に近い健康野菜、一転「危ない」と…
 ◇住めない新築、加害者の賠償案なんて
 ◇被災地からの訴え 息長い支援が課題

 10月27日午前、東京都千代田区の経済産業省前に福島県の女性約70人が集まった。原発反対を意味する黄色い服装が目立つ。福島県の女性たちが3日間、さらに、それを支援する全国の環境団体などが5日までの7日間、連続10日間の座り込み集会の始まりだ。
 「子どもたちを7カ月以上も放射能の海の中に放置したまま。母として女として命を未来につないでいく母性が許さない。私たちはこの思いを3日間に込めて座り込みたいと思います」。企画した福島県の女性有志による「原発いらない福島の女たち」の世話人、佐藤幸子さん(53)があいさつに立った。
 佐藤さんは5児の母。福島県川俣町で被災し、すぐに転校できない中高生2人を残して山形県に避難した。農業を営む夫は、安全な農地を求めて岡山県へ。事故で一家離散の憂き目に遭っている。
 「福島の女性が主催し、経産省前で直接行動に出るのは初めて。しがらみの残る田舎から出てきて声を上げることが、女性にとってどれだけ大変か。政府は重く受け止めてほしい」と佐藤さん。
 この日、参加者らは、原発行政を管轄する経産省の担当者に要請書を手渡した。▽全原発の即時停止と廃炉▽原発を再稼働しないこと▽子どもたちの即時避難・疎開と完全補償▽地元を補助金漬けにして自立を妨げる電源3法の廃止--の4項目。11日までの文書回答を求めた。
 だが、担当者は「原発への依存度を、中長期的に可能な限り引き下げていくというのが政府見解。放射線量の高い場所では除染に努めたい」と繰り返すだけ。福島市の元養護教諭、佐藤早苗さんが「除染している時は周囲の放射線量が高くなるので、先に妊婦や子どもたちを避難させてから作業をしてほしい」と訴えたが、回答はなかった。
 「国は除染、除染というけれど……」。懸命に除染をしても、大雨で山から土砂が流れ出ると線量が元に戻ってしまう。まずは「子どもたちを疎開させてほしい」というのが参加者の総意だ。交渉の末、翌日、官邸に場所を移し首相補佐官に要請書を手渡した。
毎日新聞 2011年11月2日


[WAN的脱原発](21)v-wan 映像ニュース・「原発いらない 福島の女たち」アクションレポート
/VoicesWan(wanビデオ班) 熱田敬子


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福島原発事故は、「冷温停止」の希望的予想とはうらはらに、
2号機「臨界」という緊迫したニュースが流れた。

核燃料が溶け落ちて炉心がメルトスルーしているのに「冷温停止」はないだろう、
もう騙されないぞ、とおおかたの人は見ていたけれど、あーあやっぱり。

今朝になって、東電は臨界を否定して、散発的な核分裂と発表したけれど、
これって、福島原発はコントロール不能、ってこと。

東電や原発を推進する人たちにとって、原発事故は「想定外」だった。
そんな人たちが、事故後の今も福島原発の管理をしている。

被害は、だれの身にも降りかかってくるし、
これから何が起きるかは、だれにとってもきっと「想定不能」。
こんな時こそ、徹底した情報公開が不可欠だ。

後半は、その関連の記事を紹介します。

【社説】2号機「臨界」 情報開示さらに徹底を
2011年11月3 中日新聞  

 福島第一原発の2号機で核分裂が連続する「臨界」が起きた可能性が濃厚だ。東京電力や政府の見通しの甘さの証しといえる。今回の事態を軽く見ず、詳しい情報の開示をさらに徹底すべきである。
 メルトダウン(炉心溶融)した2号機の核燃料がどんな状態なのか、実は誰も分からない。溶け出した核燃料が、原子炉の圧力容器や格納容器の底に堆積しているとみられている。そこに大量の水を注ぎ込んでいるのは、核燃料を冷やし、安定させるためだ。
 ところが、格納容器内の気体の状態を調べる装置から、キセノン133と同135と推定される放射性物質が検出された。自然界に存在せず、核分裂に伴って生成される物質だ。
 しかも、半減期はキセノン135の場合だと、約九時間である。つまり核分裂反応が連鎖的に続く「臨界」が局所的に起きた可能性が高いとして、東電は核分裂を抑えるホウ酸水を注入したのだ。
 最悪のシナリオを描けば、冷却水が沸騰したり、核燃料が露出したりすると、破損した原子炉から外部に大量の放射性物質がばらまかれる恐れが出てくる。
 経済産業省原子力安全・保安院は「大規模な臨界が起きる可能性はほとんどない」「全体として安定した状態だ」とコメントしているが、本当に信用できるのか。実はキセノン131は八月中旬にも検出されていたが、「原発事故当時のものだ」と軽視していたのだ。今回の結果は、原子炉がいまだ極めて不安定な状態にあることを示すものだといってよい。
 まず取り組むべきことは、原発周辺に住んでいた人々に事態を丁寧に説明することだ。緊急時避難準備区域が解除されてから、自宅に帰還している住民たちがいる。原発に不安定な疑いが出た段階で、早めに手を打たないと、再び被ばくを広げる結果を招きかねない。日本のみならず、全世界が注視している問題でもある。
 原発の循環注水冷却システムが万全かどうか再点検も必要になる。水素爆発を起こした1号機や3号機でも「臨界」が起きている可能性も否定できず、さらに精緻な調査が求められよう。
 原子炉を年内に「冷温停止状態」にするという工程表は、もはや信頼性を失ったも同然である。「状態」というあいまいな用語で冷温停止を宣言しても、全国の原発再稼働ありきを前提にした“見切り発車”だと誰もが見破る。


原発事故:情報開示、私企業の壁に阻まれ NPO法人・三木由希子理事長の話  

◇早急に法整備が必要--NPO法人・情報公開クリアリングハウス、三木由希子理事長
 原子力発電はひとたび事故を起こせば今回のように長期にわたる大きな負担を周辺住民に強いるなど生命と財産に密接にかかわる事業だ。しかも、現在の仕組みでは国民はどの電力会社から電力を買うかの選択の余地は事実上なく電力会社は独占的な経営を保障されている。このような企業は形式的には私企業であったとしても、限りなく公的機関に近い存在だ。
 それにもかかわらず住民の安全にかかわる情報の公開が「顧客サービス」の域を出ていない現状は、法律で開示を求めることができるよう今回の福島第1原発事故をきっかけに早急に改める必要がある。「私企業」であることが壁となって国民が共有すべき情報の開示が損ねられている。
 特に放射性物質による汚染などに対しては、危険情報などを伝えるという意味で、どのような情報を収集し、それをどのように伝えるかを法律で義務付けるべきだ。万一、事故や原発に関する文書の紛失や隠蔽(いんぺい)行為があった場合には罰を与え、それらを適切に保存、管理することも定める必要がある。
 重大事故を起こせば、広く多くの人々の生活を脅かす原発の情報を公開するかどうかの判断が、一企業に委ねられているのはおかしい。
 一方、国や自治体など行政、東電が集めた情報を適切に広く、一般に公開する義務や制度ができていない。このため、クリアリングハウスは現在、福島原発の事故や放射性物質拡散などの市民生活に関わる情報公開を地方自治体や国へ請求し始めている。
 「福島第1原発事故情報公開プロジェクト」と名づけ、文書のネット上でのアーカイブ(資料庫)化を目指している。事故発生後、住民にとっていち早く手に入れたいのは、放射線の健康や環境への影響に関する情報だ。事故による放射性物質の拡散の度合いの情報などは市民が自分の行動をどうするかを判断する材料としてすぐにでもほしい。
 ところが、今回は政府から事故後すみやかに、生命や健康にかかわる情報が正確に伝わらないことが、市民の不安をさらに増大させてしまったのではないか。事故情報が適正にやりとりされていたかを、市民の立場から検証するのが狙いだ。世界中の人がアクセスできるようにしたい。(談)
毎日新聞 2011年10月29日 
 


 クローズアップ2011:原発ずさん検査 丸写し、揺らぐ安全 

 事故や不祥事のたびに強化の必要性が叫ばれてきた原子力関連施設の検査。原子力安全・保安院所管の独立行政法人「原子力安全基盤機構」が事業者に検査内容の原案を作成させ、それを丸写ししている問題は、安全規制の砦(とりで)を揺るがす深刻な事態だ。検査態勢が充実しているとされる米国と比較すれば改善すべき点は多い。【川辺康広、酒造唯】

 ◇米は抜き打ち当然
 「国の検査なのだから、骨身を惜しまず内容を自分で決めなければならない」。事業者作成の原案と、機構が検査に用いる「要領書」。うり二つの文書を前に、西脇由弘・東大大学院客員教授(原子力国際専攻)の口調は厳しい。
 西脇教授は旧通産省に勤務していた91年9月~93年6月、米原子力規制委員会(NRC)に出向。うち半年間はアトランタで原発検査を担当し、日本との手法や考え方の違いを目の当たりにした。
 NRCの検査官は、検査時期や対象を自ら選び、原則無通告で抜き打ち検査する。施設内のLAN(構内情報通信網)に自分のパソコンをつなぎ、社員が下請け会社と交わしたメールまで入手する。必要があれば検査機器を持ち込み、機器の劣化具合を調べることもある。事業者が都合のいい書類しか提出しない可能性があるためだ。西脇教授は「検査官が自分で資料の原本に当たり、施設の問題点や法令違反を見抜こうとする姿勢に驚かされた」と言う。
 検査報告書をまとめる前には、指摘した部分について事業者側と激論を戦わす。検査官の主張が通ることが多いが、そのやり取りは文書で公開され、報告書は平易な言葉で作成されるという。
 日本では事業者がまず検査を実施し、検査官はその検査が正しいかどうか、ほぼ同じ手法や手順でチェックする。「事業者が作成した原案通りに要領書を作成しても問題がない」と機構が主張するのはこのためだ。検査期間は事前に通知され、開始日には電力会社やプラントメーカーの作業員らが大挙して検査官を出迎える。
 03年からは「抜き打ち」と称する検査もしているが、検査期間中に予告外の分野の検査を実施するだけだ。
 米国は事業者との付き合いに厳格だ。検査では割り勘でも一緒の食事は許されず、コーヒーも1杯飲むたびに代金を払う。日本では検査前、事業所内で割り勘で食事をともにすることも珍しくない。
 西脇教授は通産省時代、原発検査で機器が作動しないトラブルを確認した。「メンテナンス記録を見せるよう求めると、作業員が『必ず動かします。それまで幹部とすしでもどうぞ』と持ちかけてきたが断った」と振り返る。
 西脇教授は「事業者の実施した検査をチェックするだけだから『検査官が来た時だけ、書類を整え機器をメンテナンスしておけばいい』という風潮になる」と指摘している。

 ◇問題見抜く余裕なく 人材不足で形式化
 検査が形式化する背景には、日本独特の検査制度と人材不足がある。
 欧米各国の検査は「いつでも、どこでも、どこまでも」行うことが常識とされるが、日本は、項目や時期、頻度が決まっている。記録は膨大で検査官が忙殺され、独自の視点で問題点を洗い出す余裕を持てない。機構の工藤雅春・検査業務部次長も「重要な部分に人を割きたいが、マンパワーが足りない」と明かす。
 保安院の原子力規制部門の職員は約330人。このうち、原子力関連企業からの中途採用者など専門知識を持つ職員は約100人。機構の検査部門の職員と合わせても約200人にとどまる。米国の原発は104基と日本(54基)のほぼ倍である点を考慮しても、約4000人を擁するNRCとの差は歴然だ。
 政府は来年4月、環境省の外局として新たな規制機関「原子力安全庁」(仮称)を発足させるが、機構が同庁の所管法人になるかどうかは決まっていない。城山英明・東大大学院教授(行政学)は「機構が独立行政法人のままなら、役所の下請けにならざるを得ない。安全庁に組み入れる形で改組し、国が検査を実施するのも一案だ」と話す。
 原子炉格納容器の設計に携わった元東芝社員で芝浦工業大非常勤講師の後藤政志さんは「真の規制には、批判的な視点で問題点を見抜こうとする姿勢と能力が必要。人材の確保と育成は容易ではないが、規制機関の再編を機に、海外からの人材登用など大胆な手も検討すべきだ」と提言する。
==============
 ◆原子力安全基盤機構の主な検査ミス◆
04年 九州電力玄海原発で実施済みと思い込み、一部検査せず
    中部電力浜岡原発で実施済みと思い込み、一部検査せず(~05年)
05年 日本原子力発電東海第2原発で実施済みと思い込み、一部検査せず
06年 九州電力川内原発で実施済みと思い込み、一部検査せず
08年 東京電力福島第1原発の安全弁を東電の誤った方法を踏襲し検査
    核燃料加工会社の燃料棒を会社側の誤った原案を丸写しした要領書を作成し検査=今回の問題
09年 日本原燃ウラン濃縮工場(青森県六ケ所村)ウラン貯蔵容器の試験未実施を見落としたまま合格させる
    関西電力大飯原発で関電の検査用資料の不備に気づかず検査漏れ(~10年)
毎日新聞 2011年11月2日 東京朝刊



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11月3日(木)のつぶやき

2011-11-04 02:48:57 | 花/美しいもの
20:32 from web
RT @ueno_wan: すんごい、WANオリジナル動画ニュースついに第1陣!@chibigaeru 行ってきました。撮ってきました。映像にまとめました![WAN的脱原発](21)「原発いらない 福島の女たち」 WAN:Women's Action Network ht ...
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