みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「こうのとり追って  晩産化時代の妊娠・出産」28日刊行/境界を生きる:同性愛のいま 当事者に聞く

2013-02-26 11:26:06 | ほん/新聞/ニュース
毎日新聞から二冊の本が刊行されると、友人の五味香織さん(生活報道部)から連絡がありました。

一冊目はぐうぜんこのブログでも紹介した「境界を生きる 性と生のはざまで」(2/26)。
二さつ目は「こうのとり追って 晩産化時代の妊娠・出産」(2/28)。
いずれも五味さんがシリーズにかかわった本です。
「境界を生きる」は今日ですね。

「境界を生きる」は、丹野恒一さんが中心になって、五味さんはサブ筆者、
「こうのとり追って」は、五味さんが企画を立ち上げて、中心になって取材班を組んだシリーズだそうです。

 「こうのとり追って 晩産化時代の妊娠・出産」毎日新聞取材班:著 
大反響の毎日新聞連載を単行本化。不妊、体外受精出生前診断-。晩婚化時代の、妊娠・出産の最前線を追う。当事者の声を丁寧にすくった渾身のドキュメンタリー。 <四六判/224頁>

「境界を生きる 性と生のはざまで」 毎日新聞「境界を生きる」取材班:著
わたしは男? それとも女? 「性分化疾患」と「性同一性障害」。
男と女、生まれたときに性別は決まっている――そう疑わない社会で、誰にも言えない苦しみを抱える当事者たち。苦悩する医療関係者、そして現実の壁。人間の根源に迫った新聞報道の金字塔が、ついに書籍化。石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞(草の根民主主義部門・2010年度)、第29回ファイザー医学記事賞優秀賞受賞。 <四六判/240頁>


こうのとり追って アーカイブ 

境界を生きる アーカイブ


境界を生きる:同性愛のいま/「境界を生きる 性と生のはざまで」26日刊行。(2013-02-22)

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毎日新聞紙面で連載の「境界を生きる:同性愛のいま」は昨日が最終回でした。

  境界を生きる:同性愛のいま 当事者に聞く 
毎日新聞 2013年02月25日 東京朝刊

 シリーズ「境界を生きる」は今回、同性愛者が直面する厳しい現実や新たな動きを4回にわたり紹介しました。どうしたら当事者たちが、もっと生きやすくなるのか。ゲイ(男性同性愛者)であることを公言している米国の大阪・神戸総領事、パトリック・J・リネハンさん(60)と、東京都豊島区議の石川大我さん(38)に聞きました。【丹野恒一】

 ◇「君は独りじゃない」 存在、発信し続けて−−大阪・神戸米国総領事、パトリック・J・リネハン
 −−同性愛を取り巻く日本の状況を、どのように感じていますか。
 ◆ 米国の30年前の状況に似ています。当時の米国では、ゲイはテレビのバラエティー番組で「オネエ言葉」をしゃべり、ばかにされながら笑いを取る役目でした。映画俳優や女優に、当事者にとって生き方のモデルになるようなゲイもレズビアンもいませんでした。でも、今は違います。

 −−なぜ変わったのですか。
 ◆ 例えば政治家では、映画にもなり有名なハーベイ・ミルク氏が77年にゲイとして初めてサンフランシスコ市議になり、10年後には連邦下院議員のバーニー・フランク氏がカミングアウト(告白)した。そうやって後に続く人が出てきた。かつて、バスの座席が白人と黒人で分けられていた時代、それに抵抗して逮捕された女性がいましたが、それと同じです。1番目になるのは難しいが誰かがその勇気を持たなくてはなりません。

 −−けれど、カミングアウトは難しい。
 ◆ 多くの日本の同性愛者が、自分を隠し、異性愛者だとうそをつきながら生きていることは知っています。地方ではサポートが少なく、より困難だということも理解しています。隠すのも、生きるための一つの方法であり、カミングアウトを「すべきだ」と言うつもりはありません。

 −−米国では若い同性愛者の自殺が後を絶たない。日本でも同じ指摘があります。
 ◆ とにかく「君は独りじゃない」と伝えたい。同性愛を理由に差別されたり、いじめられたりした時、助けてくれる教師、家族、隣人、親戚、どこかに誰かがいる。「助けて!」と手を伸ばす勇気だけは持ってほしい。

 −−子どもが同性愛者だと知った時、親はどうすべきでしょう。
 ◆ 決して言ってはならないのは「なぜ?」という言葉です。
 私には一卵性双生児の兄がいます。一緒に育ち、同じ服を着て、同じ大学で学んだ。しかし、兄が好きになったのは女性で、私は男性だった。つまり「なぜ?」には意味がない。「ただ、そうなのだ」としか言えない。それよりも親は、子どもが何を感じているのか、何を望んでいるのか、どんな将来を夢見ているのかに気を配ることが大切です。

−−日本は同性愛者が生きやすい社会になるでしょうか。
 ◆ 米国には宗教や信条を理由とした同性愛者への根強い差別がありますが、日本の場合はむしろ「存在が無視されている」という印象です。
 同性愛が法律で禁じられているウガンダで2年前、ゲイの人権活動家、デビッド・カト氏が殺害されました。生前のインタビューで彼は「隠し続ければ存在しないことになる。もし存在しないなら、権利も、社会で暮らす場所もないことになる」と語っていました。日本は、一度理解が進み始めれば、きっと変化は早い。そのためにも、同性愛の当事者が、自分たちの存在や権利を、外に向けて語り続けなくてはなりません。

 ◇若者が仲間に会える場を 教職員、正確な知識持って−−東京都豊島区議・石川大我
 −−生きづらさを抱える若い同性愛者がたくさんいます。
 ◆ 私は中学生の時に自分が同性愛者だと気付きましたが、初めて仲間に会えたのは25歳になってからでした。インターネットやソーシャルメディアが発達した今でも、特に10代の若者は、同性愛の仲間と出会うのは難しい。一つの学校に数人いても不思議はないのに、それぞれが誰にも言えずに苦しんでいるので、つながれないのです。

 −−10代、20代のゲイの友達づくりのイベントを開いていますね。
 ◆ (1)公共施設で(2)昼間に(3)アルコール抜きで−−のコンセプトで、10年以上前からほぼ2カ月に1回開いています。毎回50人前後が参加し、半数は初めて参加した人。「こんな時に君ならどうする?」というテーマで話し合ったり、ゲームを楽しんだり。2年前からはレズビアンの人たちなどに向けたイベントも始めました。ただ、そういう場に参加できる積極性が持てない子や、地方に住む子には、まだ十分に手が届いていません。

 −−学校ができることはありますか。
 ◆ まずは正確な知識を持つことです。教職員に限りませんが「男性が好きだということは、心は女性なのだろう」と性同一性障害と混同したり、同性愛を「選んだ」と誤解したりしている人があまりにも多い。社会は異性を愛する人だけで構成されているのではないことを意識して、同性愛を否定しない言動を心掛けてほしいです。
 昨年改定された国の自殺総合対策大綱は、性的マイノリティーについて、教職員の理解を促進することをうたっています。自分を肯定して思春期を過ごせるかどうかは、その後の人生を左右します。真剣に取り組んでもらいたいです。
       ◇
 09年秋から続けてきたシリーズ「境界を生きる」は、今回で終了します。長らくのご愛読ありがとうございました。これまで掲載した「性分化疾患」と「性同一性障害」の連載に大幅加筆した単行本「境界を生きる 性と生のはざまで」を26日、毎日新聞社から出版します。

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 ■人物略歴
 ◇パトリック・J・リネハン
初来日は88年。札幌総領事館と東京の大使館で勤務経験があり、11年8月から現職。パートナーはブラジル出身の男性。同性婚を認めるカナダで07年に結婚した。

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 ■人物略歴
 ◇石川大我
 明治学院大卒業後、ゲイとして講演活動や若者支援に力を入れる。11年に社民党公認で豊島区議選に立候補し初当選。
 


  



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2月25日(月)のつぶやき

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