みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

シールズ解散:個人の連帯これからも/民が活動引き継ぎたい/若者の熱情どう受け止める/民主主義再生の新たな始まりに

2016-08-17 19:56:07 | ほん/新聞/ニュース
お盆が過ぎて、お供えのフルーツ類が安くなっていたので、
今年初めてのブドウ「巨峰」を買うことにしました。、

大きな房と小粒の房が入ってひと箱580円。
定価の半額以下です。

夕ご飯に果物を食べることは少ないのですが、巨峰を一皿。
あとは畑でとれたばかりの枝豆とトマト。
朝から炊いていた紅絞り豆の煮豆。

つれあいの主菜は、しめサバです。


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ところで、
学生や若い人たちの活動グループ「SEALDs(シールズ)」が
15日に解散するとのの記者発表をしました。

直接民主主義の手法で大きな役割を果たした「SEALDs(シールズ)」解散を受けて、
社説で取り上げている全国紙、地方紙をいくつか紹介します。

  社説:シールズ解散 個人の連帯これからも
2016年8月17日(水)付 朝日新聞

 安倍政権が成立させた安全保障関連法への反対や立憲主義の擁護などを訴えてきた学生団体「SEALDs(シールズ)」が15日に解散した。

 「自由と民主主義のための学生緊急行動」との日本語名の通り、昨年5月以来の緊急行動は終わり、参院選後には解散すると宣言していた。

 国会前での集会に代表されるシールズの活動は、選挙による代表制民主主義に限られない民意の表し方を、わかりやすく、スマートに示した。反発も受けたが、若者だけでなく、より上の世代の政治参加も後押ししたのは間違いない。

 それがうねりとなり、やがて政党を動かすまでにいたったことは、大きな功績だ。

 「一人ひとり違う個性をもった個人が一緒に生きていける社会にしていきたい」。シールズの著書にあるこうした社会のありようこそ、「立憲主義」の柱のひとつだ。

 メンバーの奥田愛基(あき)さんは昨年9月、安保法案を審議した参院特別委員会に出席し、「どうか政治家の先生たちも個人でいてください。自分の信じる正しさに向かい、勇気を出して孤独に思考し、判断し、行動してください」と訴えた。

 国会での採決は止められなかった。だが政党や組織にとらわれずに自ら考え、行動してほしいとの訴えは、国会の外の多くの人々の心に響いたはずだ。

 7月の参院選では、安保法に反対する学者やママの会などの有志とともに結成した市民連合を通じて野党共闘を働きかけ、32の1人区すべてで統一候補を擁立する原動力となった。改憲勢力の伸長は許したものの、11の1人区で野党に勝利をもたらしたことは特筆される。

 シールズの活動は野党各党の間を、また野党と市民との間をつなぐ懸け橋となった。

 一方、参院選で勝利した安倍政権は、秋以降、憲法改正を現実の政治日程に上げようとするだろう。政権の行き過ぎをチェックし、ブレーキをかけるためには、野党と市民の連帯はますます重要になってくる。

 解散ですべてが終わるわけではない。「終わったというのなら、また始めましょう」というのがシールズの姿勢であり、「シールズ琉球」はこれからも活動を続けるという。

 きのうの解散記者会見で、メンバーの一人が語った言葉を銘記したい。「友達から『解散するの?』『今後どうするの?』と聞かれるが、それを私たちに問いかける前に自分はどうしていきたいかを考えてほしい」 


  <社説>シールズ解散 市民が活動引き継ぎたい
2016年8月17日 琉球新報

 安全保障関連法への反対を訴え続けた若者グループ「SEALDs(シールズ)」が解散した。

 活動期間は1年余と短かった。だが充実した活動で、市民の積極的な政治参加の機運づくりに大きな足跡を残した。政治に無関心とされてきた人たちも、シールズの訴えに共鳴して立ち上がったことは特筆に値する。
 シールズは抗議活動のイメージを大きく変え、政治に対する抗議集会に若者が参加しやすい雰囲気を生み出した。打楽器に合わせて「民主主義って何だ」「勝手に決めるな」とリズミカルに訴えるスタイルは新鮮だった。メンバーの力強い訴えと行動力に大きな希望を見いだした人は多かろう。
 シールズの活動をきっかけに、政治を政治家だけに任せてはならないとの声が次第に広がったことも評価したい。
 政治的な集会やデモと縁がなかった母親や学者、高校生、中年世代、高齢層が次々と団体を結成し、安倍政権に抗議の声を上げた。シールズが政治を身近な問題として考え、意見を表明することの大切さを多くの国民に気付かせた結果だろう。
 安保法案審議中、シールズが主導した国会前での抗議集会には、幅広い世代の市民が参加した。組織的な動員ではなく、市民がそれぞれの意思で参加したのである。
 参加者が声をそろえて求めた「戦争法案今すぐ廃案」は安倍政権に踏みにじられた。だが参加者に挫折感はなかった。市民の政治的目覚めが大きな収穫だったことの表れと言えよう。それにもシールズは大きな役割を果たした。
 解散会見で、メンバーは「これからは個人で思考し、判断して政治に関わっていきたい」と話した。市民が政治に関心を持ち、行動していくことを当たり前とする社会づくりへ向けた決意表明と受け取りたい。
 シールズは主権者である国民の持つ力を自覚させるなど、市民の政治意識を高めることに大きな功績を残した。今後は、市民がその活動を引き継ぎたい。
 シールズ琉球は活動を継続する。米軍北部訓練場でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設や辺野古新基地建設が緊迫した状況にあるためだ。県民もシールズに学び、基地問題を真剣に考え、積極的に意見を表明したい。 


  社説:SEALDs解散/若者の熱情どう受け止める
2016年8月17日 河北新報

 安全保障関連法廃止などを訴えてきた学生たちの団体「SEALDs(シールズ)」が解散した。東北のグループも軌を同じくして、活動を停止した。
 「自由と民主主義のための学生緊急行動」という英訳の略称が示す通り、参院選後までと期間を区切った緩やかな枠組み。参加者それぞれが、次のステップにつなげていくための決断だろう。
 経験に乏しく力量不足を感じた面もあっただろうが、既存の硬直した政治に新風を送り込んだ、ある種の充実感を抱いての旅立ちではないか。
 「僕らは腐葉土になればいいんです。そこから何か新しいものが出るかもしれない」(『民主主義は止まらない SEALDs』)と、メンバーの一人は語っている。
 18歳選挙権が導入された今、若い世代の手によって耕された政治の土壌にどんな種がまかれ、成長していくのか。あるいは一過性のものとして枯死していくのか、これから注目していきたい。
 2015年5月に首都圏の大学生が集い、結成したとされる。その後、関西、東北、沖縄、東海などに飛び火してグループができた。
 市民の意思の可視化を重視した。これまでの安保闘争時の過激さと一線を画す、目新しいスタイルのデモだった。ラップやドラムで参加者の敷居を低くし、縛りをかけないのが特色だった。
 会員制交流サイト(SNS)を通じて、若年層に投票を呼び掛ける手法も積極的に活用した。若者の投票率アップに向けた選挙運動の可能性を引き出したのではないか。
 「アパシー」(政治的無関心)とみられてきた現代の若者の心に、火をつけたのは何だったのか。直接的には、巻き込まれるかもしれない戦争への不安があったろう。
 若者を取り巻く厳しい経済情勢もある。非正規雇用の増大など、将来に夢を描きにくい世の中になってきたこととも無関係であるまい。東日本大震災や福島第1原発の事故をきっかけに、日常を見直したという学生もいる。
 最終的には「違憲」と批判した安保関連法が成立した。「デモだけでは政治は変わらない」。次の段階として選挙に関与していったが、広がりには欠けた。参院選では改憲勢力が3分の2を占め、挫折感を味わっただろう。
 ただ、政党色がなかっただけに、いがみ合ってきた政党間の「接着剤」の役割を果たしたとの自負はあるはずだ。とりわけ東北では関わった野党共闘が成功し、秋田を除く5県で勝利を収めた。
 いい意味でのアマチュアリズムが、手あかにまみれたプロの政治に刺激を与えたことも否定できないだろう。
 結成してから1年余りという短い期間だったが、市民運動史に光芒(こうぼう)を残したシールズ。終戦記念日の15日に解散というのは象徴的である。
 「市民が立ち上げる政治は、ようやく始まったばかり」。ツイッターなどで最後のメッセージの動画を流した。「青くさい」という言葉で片付けるのは簡単である。若者の熱い叫びを、政治はどう受け止めるのか。


  社説:シールズ解散 民主主義再生の新たな始まりに 
2016年08月16日(火) 愛媛新聞

 安全保障関連法制の反対運動をけん引した若者らの団体SEALDs(シールズ)が昨日、解散した。「若者は政治に無関心だ」との固定観念を打ち破り自発的に国会前に集結して、個々が考えたことを「私の言葉」で訴えた。解散は決して終わりではない。国民一人一人が社会を担う主体となって政治に参加するための、新たな行動の始まりにしたい。
 シールズは、憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を容認した安倍政権に抗議する若者が2015年、期限付きの「緊急行動」として創設した。国家権力に憲法順守を求め、格差解消や社会保障などにも向き合う。既存の組織や思想にとらわれない柔軟で新鮮な行動は、これまで政治参加を特別視して尻込みしていた多くの人の背中を押し、世代や立場を超えた大きなうねりとなって全国に広がった。行き詰まった日本の民主主義の再生に向け、市民運動に新しい風を吹き込んだといえよう。
 憲法12条には「国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」とある。シールズは不断の努力を重荷として背負い込むのではなく、勉強やアルバイトと同じように日常生活の中で身近な問題として考え、できる範囲で行動した。意見が違っても、緩やかなつながりを大切にして討議し、学者らの話を聞いて考えを深めた。問題を可視化し、考える機会を広げた点に学びたい。
 安倍政権は特定秘密保護法も安保関連法も、国民の声に耳を傾けず、違憲の指摘や議論のプロセスを無視して強行成立させた。参院選では改憲について選挙運動中は全く触れず、改憲勢力が3分の2の議席を占めるやいなや強い意欲を示した。改憲発議は現実味を帯びている。首相が主権在民の精神を忘れ「自分が最高責任者」と公言する状況下、立憲主義と民主主義を壊す危険な動きには、諦めないで粘り強く「ノー」と言い続けなければならない。
 そのためには、誰もが傍観者でなく、普段から考え、行動するしかない。大人たちは、政治に無関心であったがゆえにこれほどの閉塞(へいそく)状態を生み出した責任を省みる必要がある。18歳選挙権を得た若者やこれから主権者となる子どもたちと、政治参加の力を育てることが大切だ。
 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故を経て、若者たちは「政治参加をサボっているとひどい目に遭う」と実感したという。物事が一気に変わらなくても、少しずつよりよい方向へ軌道を変える。何かあれば何度でもやり直せばいい―。しなやかなやり方は持続的な強さにつながる可能性を秘める。
 「民主主義って何だ」「これだ」。シールズの集会で繰り返されたコールである。「声を上げる私たち自身が民主主義の中心」との叫びを、誰もが今改めて胸に刻み、責任を果たす主権者へと一歩を踏み出したい。


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