みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

首相の説明 不安を払拭できるのか/新型肺炎、自分が感染源にならないように 風邪の症状は自宅で安静に/情報を見極めるヘルスリテラシーが不可欠

2020-03-03 22:25:22 | ほん/新聞/ニュース
木偏に春と書いて椿(つばき)。
庭に咲くピンクの椿、三種です。

匂い椿「春の香」。
花はとてもよい香りがします。

優しい花色の椿「桃太郎」。

尾張侘助(おわりわびすけ)はそろそろ咲き終わりです。
一重咲きの侘助の花が好きで、何種類か植えています。

ここからは、新型コロナウイルスに関する記事を紹介します。
  社説:首相の説明 不安を払拭できるのか 
2020年3月3日 信濃毎日新聞

 これで国民の不安が払拭(ふっしょく)できるのか。
 新型コロナウイルスに関する安倍晋三首相の記者会見や国会答弁である。一つ一つの判断が国民の健康、経済活動に大きな影響を与える。
 それなのに感染拡大の防止対策や影響の抑止策などで、十分な説明責任を果たしていない。
 安倍首相は2月27日に突然、小中高校などの臨時休校を要請することを明らかにした。子どもたちだけでなく、仕事を休んだ保護者の所得減など、国民生活に支障が出る決定である。それなのに安倍首相は2日後の29日まで記者会見を開かなかった。
 根拠も不明確だ。専門家が「今後1、2週間が拡大か、収束できるかの背戸際」と指摘していると説明しただけだ。どこまで効果が期待できるのか、全国一斉の理由なども明らかにしなかった。
 きのうの参院予算委員会では首相は「専門家の意見を聞いていない」と述べた。効果も不確かなまま首相が独断で決めたのか。
 今後の施策も不透明だ。厚生労働省はきのう、保護者が仕事を休んだ場合の新たな助成金制度を発表した。独自の有給休暇を設け、取得させた企業に国が支給する。人手不足の中、希望通りに休暇を取れるのか疑問が残る。
 ウイルス検査能力については、首相は会見で、保健所を経由しない検査の態勢を整備し「全ての患者が検査を受けることができる検査能力を確保する」と述べた。
 政府は検査能力は1日最大約3800件と説明していたのに、検査は平均900件程度にとどまっていた。医師に感染を疑われても検査できない人がいるとされ、国民に感染拡大への疑心を生んだ。
 予算委で安倍首相は、今回の態勢強化で医師が必要とした検査が受けられるように「全力を傾ける」としただけで、確約しなかった。クルーズ船内での感染拡大防止策や、下船した乗客への対応なども疑問視されたままだ。
 いま小売店ではマスクだけでなく、トイレットペーパーなども入手しづらい。買い占めも一因だろう。先行きへの不安に加え、政府に対する信頼が低下していることも原因ではないか。
 必要なのは、現状を迅速、科学的、正確に説明し、今後の方針と具体的な施策を、根拠を示して国民に確約することだ。
 安倍首相は会見で質問の要請を無視し、36分で打ち切って帰宅した。国民の疑問に真摯(しんし)に向き合う姿勢ではない。説明責任を軽視すれば不安は高まるだけである。
(3月3日)  


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  新型肺炎、自分が感染源にならないように 風邪の症状は自宅で安静に 
2020年3月3日 中日新聞

 新型コロナウイルスの感染が拡大し、終息の気配が見えない。安倍晋三首相が全国の小中学校、高校などに春休みまでの臨時休校を要請するなど不安が募るばかりだが、専門家は「みんながパニックに陥れば、医療や社会が崩壊する」と警鐘を鳴らす。今こそ、健康に関する正しい情報を入手して活用する力「ヘルスリテラシー」を高め、冷静に行動することが重要だ。
 政府が二月末にまとめた基本方針は、風邪の症状がある場合は外出を控え、むやみに受診しないよう呼び掛ける。相談・受診の主な目安は、高齢者や基礎疾患がある人ら重症化のリスクが高い人は三七・五度以上の発熱など風邪の症状が二日程度、一般の人で四日以上だ=表。
 ただ、その間、自宅で様子を見るだけで大丈夫なのか。感染症専門医で、マイファミリークリニック蒲郡(愛知県蒲郡市)院長の中山久仁子さんは、七万人を超える症例を分析した中国の論文などを根拠に「感染者の八割は軽症で、特に治療をしなくても一週間ほどで治る」と説明する。
 進行も比較的緩やかだ。国の対策づくりに関わった沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩さんが作成した図によると、感染者がたどる経過は二つのパターンに分けられる。一つは、普通なら二~三日で終わる発熱やせきなどの風邪症状が一週間ほど続いて治るパターン。患者の大半はこれにあてはまる。もう一つは、風邪症状が一週間くらい続いて、強いだるさなどが出てくるパターンだ。
 中山さんは「初期は普通の風邪か、インフルエンザか、または新型コロナかを見分けることはできない」と指摘。その上で「インフルのような抗ウイルス薬もない中では、自宅安静が一番」と話す。市販の風邪薬を飲んでもいい。ただ朝夕二回の検温など症状を注視することは必要だ。急な高熱や体の痛みなどインフルを疑う場合は「医療機関に相談の上、受診して」と言う。特に子どもは要注意だ。
 風邪症状が受診の目安を満たすか、息苦しさや強いだるさがある時は、新型コロナ感染の可能性があるため、帰国者・接触者相談センターに連絡する。肺炎が疑われる場合は胸部画像診断や血液検査などが行われる。その結果、ウイルスが原因の可能性があり、入院が必要なほど重症と判断されて初めてウイルスを検出するためのPCR検査が実施される。この流れを踏まえれば、早い検査が治療や回復につながるものではないと分かるはずだ。
 検査態勢に限界があることに加え、新型コロナはインフルと比べて感染者のウイルス量が極度に少なく、検出や判定が難しいことも明らかになっている。検査はこれまで、陽性者を見つけて隔離するのが目的だったが、感染経路が追えない患者が出てきて封じ込めが難しくなりつつある現時点では、重症者を見つけることが重視され始めている。
 「重症例や死亡者を減らすには、地域で感染者を増やさないことが大切」と中山さん。感染力が強いのは発症から三~四日目といわれ、無症状の人からの感染を示唆する例も国外では報告されている。中山さんは「軽い風邪症状でも『自分が感染源になるかも』という危機意識を持って行動してほしい」と訴えている。 


 情報を見極めるヘルスリテラシーが不可欠 
2020年3月3日 中日新聞

 新型コロナのような未知の病気に直面した時こそ、正しい情報を入手して活用するヘルスリテラシーが不可欠だ。だが、聖路加国際大看護情報学分野の中山和弘教授は「日本人のヘルスリテラシーは他国より低い傾向にある」と指摘する。
 中山教授は二〇一四年、ドイツやオランダなど欧州八カ国の大学が作った四十七の質問項目を使い、二十~六十九歳の日本人千五十四人に調査を実施。「治療に関する情報を見つける」「医師の説明を理解する」などについて四段階で難易度を尋ねたところ、「やや難しい」「とても難しい」と答えた人の割合が全項目で欧州の平均を上回った。中でも、インターネットを含むメディアの情報が信頼できるかを判断することについては73・2%が「難しい」ととらえ、欧州平均の49・7%を大幅に上回った。
 日本人のヘルスリテラシーが低い理由として、中山教授は、欧州に比べて学校で体や健康について学ぶ機会が少ないことを挙げる。また、WHOをはじめ英語のサイトから情報を得ることが難しいことも一因という。
 新型肺炎を巡り、ネット上には、さまざまな情報があふれ、不安につけこむ詐欺も横行している。「マスクを無料送付。確認お願いします」「費用を肩代わりするので検査を受けるように」などの文章をメールやショートメッセージで送り付け、個人情報を盗み取ろうとする手口に対し、厚生労働省や各自治体が注意を呼び掛けている。
 中山教授が、情報の正しさを見極める上で提案するのが「か・ち(価値)・も・な・い」の合言葉だ。「か」は書いた人は誰か。「ち」は違う情報と比べたか。「も」は元ネタ(根拠)は何か。「な」は何のために書かれたか。「い」はいつの情報か-を意味する。「出典がない情報はあてにならないと心得て、誤った情報に飛び付いたり拡散したりしないことが重要」



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