みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

子どもたち、時には外で伸び伸び遊ぼう 新型コロナに3・11の教訓/情報発信、学校間で格差 臨時休校、保護者に不安・不満

2020-03-16 23:10:58 | ほん/新聞/ニュース
今日は朝から、パートナーの温熱(マイクロ波)治療のために、
東京の東銀座タカハシクリニックに出かけて、
先ほど帰ってきました。
診察を含めた治療時間は実質二時間でしたが、
東京の日帰りは、やはり往復に時間がかかると実感。
ということで、
下書きに入れておいた、中日新聞生活面の
子どもたちの一斉休校関連の記事をふたつ紹介して、終わりにします。

東京のことはまた報告しますね。 

  子どもたち、時には外で伸び伸び遊ぼう 新型コロナに3・11の教訓 
2020年3月13日 中日新聞

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、多くの子どもたちが自宅待機を求められている。11日で発生から9年となった東日本大震災直後の被災地では、狭い仮設住宅などでの生活が長引く中、自由に遊べず荒れる子もいた。感染予防はもちろん大事だが、子どもたちの心と体の健康を保つためには、伸び伸び遊ぶ機会を大切にしたい。
 「エイ、ヤーッ」。青空の下、愛知県蟹江町の広場に小学生の明るい声が響く。丸めた新聞紙を刀にしたちゃんばらごっこの一場面だ。けんけんしながらお題をつなぐゲーム、じゃんけんゲーム、縄跳び…。「みんな元気すぎ」と息を切らしながら、遊びを支援するプレーワーカー、堀田奈都希(なつき)さん(29)が加わる。
 名付けて「遊び場」。自由に外遊びをしようと今月六日、午前と午後の二時間ずつ開催した。感染予防のため大勢に声を掛けることはせず、堀田さんの知り合いの子どもたち六人が集まった。その一人、小学五年の高阪知寿さん(10)は休校になってから、家の中でテレビを見たりゲームをしたりして過ごしてきたという。「思い切り遊べてすっきりした」と声を弾ませた。
 堀田さんは名古屋短大在学中の二〇一二年春から、学内のボランティア団体のメンバーとして宮城県石巻市へ。被災した子どもたちの支援に取り組んだ。卒業後の翌年四月には石巻のNPO法人に就職して移住。一八年三月までの五年間、現地の仮設住宅の集会場などでほぼ毎日、遊び場を開く活動などに携わった。
 仮設住宅を初めて訪れた時のことだ。四歳くらいの子に「おまえなんてよそ者だろ。消えろ」と怒鳴られた。「自分が知る子ども像とはあまりに違ってショックだった」と堀田さん。そんな子どもたちの遊びは、粘土を板にたたきつけたり新聞紙をチョップで破ったり。一見、暴力的だが、遊ぶうちに穏やかになり、甘えてくる子が多かった。「狭い空間で大人の顔色をうかがいながら過ごし、我慢をため込んでいたんだ」と気付いたという。
 「震災ごっこ」も目にした。段ボールで家を作っていたら、子どもが「震度6が来たぞ」と叫んで壊し始めた。積み上げた積み木を「津波が来たー。終わり」とたたき崩す子も。「不謹慎だ」と怒る保護者もいたが、堀田さんは「子どもたちは遊びを通して、今起きている状況や気持ちを表現し、整理する。それを止めると、より窮屈な思いをさせてしまう」と話す。
 新型コロナ騒動が子どもに与えるストレスは大きい。最近、他の地域で遊び場支援をする仲間から、こんな話を聞いた。閉じられた空間のイメージから思いついたのだろう。段ボールなどで囲って作った場所を、集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」と呼んで遊んでいた子がいたという。
 「不安やイライラが広がる今こそ、自由に遊べる時間と場所が必要」と堀田さん。「大人が心にゆとりを持って。もし『コロナごっこ』を見ても動じずに受けとめ見守ってほしい」と呼び掛ける。遊び場は、NPO法人にこにこママネットワークと協力し、三月中にあと七回ほど開く予定だ。

◆屋内でも体動かす工夫を
 屋内でできる遊びもたくさん。東京おもちゃ美術館などのサイト「遊びのレシピ集」では、紙コップや新聞紙など身近な物を使ったおもちゃ作りや遊びなど約30種類を紹介している。
 教育評論家の親野智可等(ちから)さん(61)=静岡県藤枝市=が勧めるのは、風船を使ったバレーボールやフラフープ、的を目がけて球を投げるストラックアウトなど親子で体を動かす遊びだ。「お互いにストレスを発散できる」。くすぐりっこや指相撲などは親子のスキンシップも図るのに効果的。「子どもの不安が和らぎ、その笑顔を見れば親も幸せな気分になれる」と話す。
 (平井一敏) 


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 情報発信、学校間で格差 臨時休校、保護者に不安・不満
2020年3月14日 中日新聞

 全国一斉の臨時休校から間もなく二週間。少しずつ慣れてはきたが、「学校からの情報が少ない」と保護者の間では不安や不満の声も漏れる。専門家は、こういう時だからこそ、学校側が積極的に発信し、寄り添う姿勢を示すことが重要と指摘する。
 「先生が来たって?」。息子が岐阜市内の小学校に通う会社員女性(36)は帰宅後、同居する母親(66)に聞いて驚いた。市は休校が始まって以降、市立の全六十八小中学校で家庭訪問の実施を決めた。子どもの健康状態や生活状況を知るのが目的だ。ただ、具体的な実施方法は各学校で異なる。
 学校からは事前に一斉メールで、家庭訪問を実施する旨の連絡はあった。しかし、日程には数日間の幅があり、訪問の正確な日時は分からずじまい。「一人で留守番をする子どもの中には、呼び鈴には出ないようにと言われている子もいるので困るのではないか」
 休校中にどんなことをするか、どういうふうに情報を発信するかは学校ごとに違う。家庭訪問の連絡一つ取っても明らかだ。岐阜市では、一斉メールで知らせた学校があれば、ホームページで、いつ、どこのエリアを回るかを公開した学校も。市教育委員会は「学校ごとに事情があり、統一するのは難しい」と話す。
 教育現場で参考にしてもらおうと、文部科学省は全国の学校や地域の取り組みをホームページで紹介している。家庭訪問に加え、教員による動画配信サイトを使った生徒向けの朝会、ホームページでの簡単な料理紹介、事前にテストを配布し、指定日に自宅で実施-など内容は多岐にわたる。
 保護者が不安になるのは、こうした「休校格差」とも言うべき学校ごとの差だ。名古屋市の市立小に娘が通う母親(40)は、子どもの様子を尋ねる連絡が一度もないことを「見放されたよう」と訴える。「担任が電話をくれた」「登校日がある」といった他の地域の例を聞くと、なおさらだ。
 実は教師も悩んでいる。滋賀県内の四十代の男性教諭は「子どもの様子は気になる」と話すが、学校には電話が四回線だけ。「職場から全校約六百人に電話するのは難しい」と明かす。
 そうした中、勤務校では「何かできることを」と学年だよりを更新し、ホームページに掲載。宿題は感染の危険がある対面を避け、全家庭の郵便受けに入れた。虐待の疑いなどがある家庭は、担任らが訪ねて様子を確認している。「こんな時こそ寄り添いたいのに、連絡手段が限られている」とジレンマを口にする。
 情報通信技術(ICT)が発達した今も、学校と保護者のやりとりは連絡帳が使われる例が多い。愛知工業大准教授の川口洋誉(ひろたか)さん(40)=教育行政学=は「学校のインターネット環境が整っていないことが、コミュニケーションが不足する原因の一つ」と話す。
 川口さんが特に心配するのは、貧困や虐待の危険がある子どもだ。これ以上、教師の負担を増やすことは難しい中、「ホームページの文章に『○年生のみんなへ』と添えるなど誰に向けた内容かが伝わるよう工夫して情報発信を」と注文。「それだけでも『気に掛けてくれている』と受け手は感じられる」と話す。
 (長田真由美、細川暁子) 


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