みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

観た!泣いた!「君のためなら千回でも(The Kite Runner)」

2008-06-21 07:41:18 | あそび/しゅみ
岐阜・柳ケ瀬のGシネマで上映された「女性のための映画祭」、
マーク・フォスター監督の「君のためなら千回でも」を友人ふたりと観に行きました。

題名を聞いたときは、ラブストーリーかと思ったのですが、
原題は「The Kite Runner」(ザ・カイト・ランナー)。
この映画の原作は、アフガニスタン出身作家カーレド・ホッセイニのデビュー作で、
世界中で数百万部売れたベストセラーです。



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国連難民支援 日本UNHCR協会
(関連情報)映画「君のためなら千回でも(原題:The Kite Runner)」が、
2008年2月9日(土)より、全国ロードショーが始まっています。
かつて難民であり、UNHCR親善特使であるカーレド・ホッセイ氏によって書かれた、
世界的なベストセラー小説「The Kite Runner」は、
時代に翻弄され生きる少年たちの友情を通して
真実のアフガニスタンを感じられる感動作です。
---------------------------------------------------



  「君のためなら1000回でも」
  「この誓いは今君に届くだろうか」


「もう一度やり直す道がある」。
ものがたりは、2000年夏の電話ではじまる。

主人公は、アフガニスタンの少年アミールと、召使いの子どもハッサン。
糸が切れた凧の落ちる先を読むことができるハッサンは、
アミールのために、相手のタコを拾いに行く。
凧合戦でふたりが揚げる凧が勝った日も、
「君のためなら1000回でも!」と言い残して、凧を追いかけていく・・・。

129分という長い映画だけど、ここからは涙、なみだ・・・・、
理不尽な暴力、差別、友情、愛、誠実、裏切り、償い、畏れ・・・
ソ連の侵攻とタリバーンの支配に翻弄される人々と平和への願い。
観ながらずっと泣き続けていました。

主人公はアミールのようだけど、少年時代のハッサンの演技が秀逸で、
息を呑むような展開に、あっという間の2時間でした。

「カイト・ランナー」は、落ちた凧をとりに走る少年ハッサンであり、
映画の最後の凧揚げの場面で、
ハッサンの息子のために走る成長したアミールだったのです。

「君のためなら1000回でも!」

このラストのせりふには、滂沱の涙。
映画が終わって明るくなるまで席を立てませんでした。

 

とはいえ、お腹も空いていたので、
「楮(こうぞ)」でおまかせランチを食べながら、
久しぶりに会った友人たちと、話はつきませんでした。


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スイカズラ・クレマチス・トケイソウ/初夏のつる植物たち

2008-06-20 19:55:50 | 花/美しいもの
チシオモミジの下に数年前に植えて、
昨年くらいから一気に花が増えたのがスイカズラ。
半つる性で、冬の間に切り詰めても寒さに強いので元気に育ちます。



ここ数年、何種類も植えても、モグラに根を切られてか、
花の種類が減っていくのが、お隣のクレマチス。
とうとう紫の一種だけになりました。

鶏舎を撤去したので、目隠しのためにツルを這わせたのですが、
その役割は果たしてくれているようです。

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スイカズラ&クレマチス
  



スイカズラ(吸い葛・別名ニンドウ(忍冬)  

スイカズラ(にんどう)は、冬にも葉が落ちないから忍冬。
花色は、咲きはじめは白色か淡い紅色ですが咲いているうちに、
だんだん黄色に変化していきます。
金銀花(きんぎんか)とも呼ばれ、
つぼみは生薬で抗菌作用や解熱作用があり漢方薬としても利用されます。

  

  



クレマチス(キンポウゲ科クレマチス属(センニンソウ属) 
  
 クレマチスのプロフィール
 クレマティス(Clematis)は、キンポウゲ科クレマチス属(センニンソウ属)のつる性の多年性の植物で、世界に約250種分布しています。
 クレマティスの名前は、ギリシャ語の「Klema(ブドウの蔓)」からきたと言われています。
一般にクレマティスの和名は「鉄線(テッセン)」だと思う方もいますが、テッセン(C.florida)はクレマティスの一種です。
 また、カザグルマ(C.patens)も同じ誤解をされ、またテッセンとも混同されることがありますが、やはりクレマティスの一種で、花弁がテッセンは6枚、カザグルマは8枚ということで区別できます。
 クレマティスの園芸種は、250種も原種のある中でテッセンとカザグルマがその交配親としているものが多く、混同されるのも無理はないでしょう。
我が国での栽培は、桃山時代には行われていたという記録があります。
 特に、江戸時代にはカザグルマの園芸品種が幾つも作られていました。
 一方、ヨーロッパではもともと、クレマティス属の植物は、森の中などで見られ、「休息と安らぎ」の象徴とされていましたが、花色が薄く園芸家の間ではあまり好まれませんでした。
 しかし、種間交雑を行ったのは19世紀のイギリスのフォーチューンで、テッセン、カザグルマなどから今日見られるような多くの変化に富んだ園芸品種が初めて作り出されました。
 ドイツの植物学者シーボルトも19世紀に我が国のカザグルマを初めてヨーロッパに紹介し、クレマティスブームが起こったほどです。
 そして、現在でもクレマティスの園芸品種は我が国とイギリスで作られたものがほとんどで、その品種数は約120~130といわれています。


数年前に、庭の西角に植えたまま忘れていた時計草が
知らないうちに楠の枯れ木に巻きついて、今年は花をたくさんつけています。
昨年は花を見た覚えがないのですが・・・・・??



トケイソウ(時計草/トケイソウ科)
 花の形が時計の文字盤に見えるのでトケイソウと呼ばれます。
英名ではパッションフラワー。
植物性鎮静剤などの薬に使われます。

  



文字盤には長針も短針もちゃんとついていて、
なんとも不思議で、魅力的な時計草の花です。


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『反貧困─「すべり台社会」からの脱出』湯浅誠著/『ルポ貧困大国アメリカ』堤未果著(岩波新書)

2008-06-19 21:05:22 | ほん/新聞/ニュース
前から紹介したいと思っていた2冊の本。

『反貧困─「すべり台社会」からの脱出』(湯浅誠著)と、
『ルポ貧困大国アメリカ』(堤未果著)。
ともに岩波新書。

  

『反貧困─「すべり台社会」からの脱出』(湯浅誠著/岩波書店/2008/04)
 
『ルポ貧困大国アメリカ』(堤未果著/岩波書店/2008/1)

湯浅誠さんの前著、『貧困襲来』(伊吹書店)を読んだときは、
見えない貧困が社会に広がっていることに衝撃を受けた。

『反貧困』は、─「すべり台社会」からの脱出、とあるように、
「見えない貧困」を、見えるようにし、
「一つ一つ行動し、仲間を集め、場所をつくり、声をあげ」
わたしたちの社会を変えよう、という呼びかけである。

この本は、こう結んでいる。
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・・・・私たち市民には、お金もなければ権力もない。団体を作り、組織に所属している場合でも、その力は大企業・大政党にかなうものではない。しかし私たちは、日々の生活と活動を通じて、貧困が今ここに「ある」ことを知っている。貧困問題に関しては、それこそが最大の強みである。貧困は自己責任ではない。貧困は、社会と政治に対する問いかけである。その問いを正面から受け止め、逃げずに立ち向かう強さをもった社会を作りたい。
 過ちを正すのに、遅すぎるということはない。私たちは、この社会に生きている。この社会を変えていく以外に、「すべり台社会」から脱出する方途はない。
『反貧困』P220より)
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本の帯には「いまのニッポンも”貧困大国”だ
誰もが人間らしく生きられる社会を!」とある。
問われているのは、わたしたち自身です。


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湯浅誠さん 貧困大国・ニッポンの現実と変化の兆し
これは社会への危険信号(2008.6.6毎日新聞)
  

日刊新書レビュー「自分で何とかしなければ」そんな人ほど落ちていく
~『反貧困』湯浅誠著(評:澁川祐子)

日経BP 2008年6月13日 

『反貧困──「すべり台社会」からの脱出』湯浅誠著、岩波新書、740円(税別)

 「ネットカフェ難民」という言葉が初めて使われたのは、2007年1月に放映された「NNNドキュメント」(日本テレビ)だった。たまたま深夜にこの番組を観た私は、暗澹たる気持ちを抱えたまま、布団にもぐりこんだことを鮮明に覚えている。
 番組では、10代、20代の男女が昼は日雇い派遣で働き、夜はネットカフェの椅子で眠りながら、100円200円を必死で切り詰めて生活している姿が映し出されていた。ある18歳の女の子の手帳には、「強くなる」「責任感を持つ」の言葉の後に「夜ご飯食べない」という文字が書かれていた。
 どうしてそういう生活に陥ってしまったのか。誰も頼る人はいなかったのか。這い上がるチャンスはどこにもないのか──「夜ご飯食べない」という言葉が放つ切実さに衝撃を受け、疑問が次から次へとわいた。以降気がつけば、私は貧困やワーキングプアを取り上げたドキュメンタリーをチェックするようになっていた。
 この手の話になると、必ず登場するのが「努力が足りないから、貧困に陥った」という「自己責任論」である。むろん、楽して保護を受けようというフリーライダー(ただ乗り)や、仕事を選り好みして夢を追い続けるフリーターもいるだろう。だが、はたしてすべてを「努力不足」の一言で片付けてしまっていいのだろうか。
 家族との離別や死、自身の病気、リストラといった思いがけぬ事態に直面し、それらが引き金となって貧困へと転落していく人々。ひとたび落ちてしまえば、必死で働いても這い上がることは容易ではない。
 「他にやりようがあるんじゃないか」と問われれば、確かに抜け出す道が一つもないとは言い切れないだろう。だが最大の問題は、その日暮らしの不安定な生活によって考える余裕や行動を起こす意欲が徐々に奪われていき、思考停止状態に陥ってしまうことなのではないだろうか。
 そんな私のモヤモヤとした考えを、より明確に言語化してくれたのが本書だ。
 著者の湯浅誠氏は、反貧困ネットワークの事務局長であり、NPO法人自立生活センター「もやい」の事務局長を務めている。貧困が起きている現場での活動を続け、早くからこの問題に声を上げてきた、いわば貧困問題のリーダー的存在である。
 なるほどと思ったのは、貧困の定義を「“溜め”のない状態」と言い表したことだ。

努力する「だけ」だって、必要な条件はある

 “溜め”とは貯金など、金銭的な余剰分だけを指すのではない。頼れる家族や友人などがいるのも人間関係の“溜め”であり、自尊心や自信などを持っていることも精神的な“溜め”となる。貧困とは、単に「お金に困っている」だけでなく、あらゆる“溜め”が失われた状態だというのだ。
 〈三層(雇用・社会保険・公的扶助)のセーフティネットに支えられて生活が安定しているとき、あるいは自らの生活は不安定でも家族のセーフティネットに支えられているとき、その人たちには“溜め”がある。逆に、それらから排除されていけば、“溜め”は失われ、最後の砦である自信や自尊心をも失うに至る。“溜め”を失う過程は、さまざまな可能性から排除され、選択肢を失っていく過程でもある〉
 こうした個々人の“溜め”は、傍からは見えにくい。自己責任論を持ち出す人は、多くの場合、自分の努力や大変さだけにスポットを当て、偶然にも自らに備わっていた“溜め”の存在に気づいていないのだと著者は指摘する。そして、誰だって〈がんばるためには、条件(“溜め”)が要る〉、と。
 “溜め”のない人間にいくら「がんばれ」とハッパをかけても、事態はなんら好転しない。それどころか、〈貧困当事者本人を呪縛し、問題解決から遠ざける〉という。

〈ほとんどの人が自己責任論を内面化してしまっているので、生活が厳しくても「人の世話にはなってはいけない。なんとか自分でがんばらなければいけない」と思い込み、相談メールにあるような状態(※)になるまでSOSを発信してこない〉

※「このままでは、自殺を考えるしかありません」「お金もなく野宿も限界です」「マンガ喫茶で朝の数時間の暖をとるのも最後です」「今の所全財産が七円しかありません」「もう死ぬ事ばかりを考えています」といったメール(本書より評者抜粋)

 というのが現状だ。つまり、「自助努力が足りない」のではなく、「自助努力にしがみつきすぎ」たために、落ちるところまで落ちていってしまう人が後を絶たないというのである。
 また、貧困問題を「自己責任論」で放置することは、普通に暮らしている人々、ひいては社会全体の首を絞めることにもつながると警鐘を鳴らす。

 非正規雇用を容認することは、「いつクビを切られるかわからない」という不安を抱えることとセットだ。結果、厳しい成果を求められ、長時間労働を強いられても文句は言えない。しかも現在の日本経済は停滞していて、税金の負担額は増える一方だ。そうなると、「俺だって大変なんだから甘えるな」と他人にも厳しくなる。
 一方のアルバイトや派遣社員は、「正社員というだけで、同じ仕事をしているのに給料が高すぎる」と不満を噴出させ、自分たちが「不当な扱いを受けている」と声高に叫ぶ。
 こうした状況を、著者は〈手近に悪者を仕立て上げて、末端で割を食った者同士が対立し、結果的にはどちらの利益にもならない「底辺への競争」〉と呼び、「もうこうした現象はたくさんだ」と憤りを隠さない。
 じゃあどうすればいいのか。個人の“溜め”を増やすと同時に、社会全体の“溜め”をも増やそう、というのが著者の主張だ。
 そのための具体的な取り組みとして、当事者を直接支援する連帯保証人の提供やネットワーク作りはもちろん、個人加盟労働組合である「派遣ユニオン」や、弁護士や司法書士が集まってできた「生活保護問題対策全国会議」との連携運動、メディアを通じて世論や政治への訴えかけまで、著者のこれまでの活動が幅広く紹介されている。

 そして終盤には、
〈貧困が大量に生み出される社会は弱い。(中略)そのような社会では、人間が人間らしく再生産されていかないからである。誰も、弱い者イジメをする子どもを「強い子」とは思わないだろう。/人間を再生産できない社会に「持続可能性」はない。私たちは、誰に対しても人間らしい労働と生活を保障できる、「強い社会」を目指すべきである〉
 との力のこもったメッセージが発せられている。文中では明確に述べられていないが、ここで言う「人間を再生産できる社会」とは、人が人らしく生きられない状態に陥ったとき、新たに生き直すための手を差し伸べてあげられる社会のことを指すのだろう。

そもそも、弱者を救えない社会は弱い
 本書には、貧困問題を研究している学者たちが試算した、日本の補足率がいくつか記されている。補足率とは、実際に生活保護基準(年齢や居住地域、世帯構成によって異なる)以下で暮らす人たちのうち、どれだけの人たちが生活保護を受けているのかを示す指標である。
 これらの調査を総合するに、現在の日本の補足率は概ね15~20%だという(ちなみにイギリスは90%)。2006年に生活保護を受けたのは、107万世帯151万人。補足率を仮に20%だとすると、実に約400万世帯600万人が生活保護の網から漏れている。
 だが、これはあくまで「学者」によるデータであり、「政府」による公的な数字ではない。他の先進国では政府自らがなんらかの実態調査に乗り出しているのに対し、日本政府は調査を行うことに消極的であるという。
 真面目に働いていれば、いいことがあるさ──そんなささやかな希望さえ、描くことが難しい社会。それがはたして生きやすいかといえば、誰もそうは思わないだろう。お互いの足を引っ張りあい、転落への不安に怯えながら生きていくことは、社会全体にとってなんのプラスにもならない。
 いったいこの社会で何が現在進行中なのか。まずは現状を把握してみないことには始まらない。それすら調査しないで、社会保障費削減云々などと議論すべきではないと思うのだが、どうだろうか。
(文/澁川祐子、企画・編集/須藤輝&連結社)



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オバマとクリントンを語った贅沢なコンビ~上野千鶴子×姜尚中『婦人公論』/クリントン氏の敗因は?

2008-06-18 18:41:25 | ジェンダー/上野千鶴子
「む・しネット」スタッフ会から帰ってきて、
午前中の記事の続きです。

上野千鶴子さんの名古屋での講演会の予定/
7月27日「向老学学会」と8月1日「性教協」全国夏期セミナー
 

『婦人公論』6月22日号  には、
「オバマとクリントン、なんて贅沢な彼の国のトップ選び」
上野千鶴子×姜尚中の緊急対談が載っています。

この本が出たころには、もう「オバマ勝利」の結果が出ていたのですが、
政治学者の姜さんに、上野さんがするどく切り込んで、
とってもおもしろい対談です。



『婦人公論』ブログ  
 オバマとクリントンを語った贅沢なコンビ(6/11)
6月7日に発売した『婦人公論』6月22日号で、ヒラリー・クリントンVSバラック・オバマ=アメリカ民主党の大統領候補指名争いをテーマに対談にご登場くださったのは『おひとりさまの老後』がベストセラーとなっている東京大学教授の上野千鶴子さん。同じく東京大学教授であり、女性に絶大な人気を誇る政治学者、姜尚中さんです。ともに「マイノリティ」を自認しつつ第一線で活躍されるお二人が、「アメリカ史上初のマイノリティ同士の選挙」を実況分析してくださいました ヒラリー支持の上野さんと、“ややオバマ寄り”の姜さんの知的でウイットに富んだ攻防戦は、日本の政治にさえ疎い私にもわかりやすくて面白く、選挙戦のニュースが昨日までと違って見えてくるほど。発売日(日本時間では8日)にはヒラリーの撤退宣言が出されたものの、お二人が予測された、アメリカの未来を握る最強のマイノリティ・タッグの実現可能性もあり、必読です。誌上での「第二回戦」をぜひとも実現したいものです。
・・・・・・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・・・・



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わたしも、アメリカの大統領選には関心があって記事などを集めているのですが、
決まったときに面白かったのは岐阜新聞(6/5共同発)のこの連載。

オバマの軌跡~挑戦、黒人大統領①
「オバマ氏、多様性象徴 父母のDNAが武器に
クリントン氏「女性」生かせず 「強さ」前面、裏目に」




オバマ氏とクリントン氏の勝因・敗因を探る、
以下のふたつのインタビューも興味深いですね。

 【国際】クリントン氏の元選対幹部 ジェラルディン・フェラーロ氏 
米民主党予備選とメディア
 
東京新聞 2008年6月18日 朝刊

 米国初の女性大統領を目指した民主党のヒラリー・クリントン氏(60)が、激戦の末、黒人のオバマ氏(46)に敗北した。かつて女性初の副大統領候補となり、三月までクリントン選対の幹部を務めたジェラルディン・フェラーロ氏(72)は、今回の選挙戦に「女性差別が影響した」と主張している。(ニューヨーク・加藤美喜)

   ◇  ◇
 -民主党予備選は史上まれな接戦だった。

 「彼女の敗因のすべてが女性差別だとは言わない。でもヒラリー氏は女性であるがゆえに、不公平な扱いを受けたのは確かだ。特にメディアの女性差別は大きく影響した」

 -具体的には。

 「ジャーナリストや学者たちが参加する『ウィメンズ・メディア・センター』が動画サイトのユーチューブで多くの事例を紹介している。『彼女が何か言うと、男たちは、ごみを出すよう指図された気分になる』『彼女が上院議員になれたのは、夫の不倫で同情されたからだ』といった発言が著名な番組や新聞で横行した。私とヒラリー氏を『売春婦』と呼んだラジオの司会者もいる」
 「メディアは、ヒラリー氏の集会で『おれのシャツにアイロンをかけろ』と叫んだ男たちのことは、あまり批判しなかった。もしオバマ氏の集会で『おれの靴を磨け』と叫んだ人々がいたら、もっと大騒ぎになっているはずだ」

 -人々が女性差別に無関心だと思うか。

 「無関心な人ばかりだとは思わない。でも指摘しないと、それが差別だと気付かない人たちがいる。人種差別も、指摘するから認識される。でも『女性差別だ』と言うと『また文句か』『負け犬が』とうんざりしたような反応をする人たちがいる。いかに啓発をしていくかが大切だ。メディアがいかに女性差別的か示すため、研究機関に今回の選挙報道の検証を依頼した」

 -あなたもオバマ氏への「人種差別」発言で批判されたが。

 「文脈がきちんと報道されなかった。私が副大統領候補だった時、『自分の名前がジェラルド(男性名)だったら候補になれなかっただろう』と発言した。当時はもっと社会の男女差は大きかった。女性に新たな門戸を開いた選挙戦だった。今回のスーパーチューズデーで、オバマ氏はかつてなかった数の黒人票を獲得した。黒人コミュニティーが達成したことの意義を言おうとした」

 -この国が女性大統領を受け入れるのはまだ先か。

 「ヒラリー氏に投票した千八百万人はそうは思っていない。実現は遠くないと思っている。でも、大統領候補に名が挙がるのは上院議員ばかりだ。もっといろいろなグループから候補が出てきてほしいが、メディアによるひどい扱いが続けば、次に続く人たちが萎縮(いしゅく)してしまう。前に出る人を支援するためにも、この問題を指摘し続ける必要がある」

 <フェラーロ発言> 同氏がヒラリー・クリントン陣営の財政担当を務めていた3月、米紙とのインタビューで「オバマ氏が白人男性だったら、また(肌の色は何であれ)女性だったら、今の地位にはいなかっただろう。彼は(黒人で)非常にラッキーだ。そして今は国中が(黒人を大統領にするという)このコンセプトに夢中になっている」と発言。オバマ陣営は「人種差別的」だと反発。フェラーロ氏は発言を撤回せず、数日後にクリントン選対を辞任した。
 ジェラルディン・フェラーロ氏 1935年、米ニューヨーク州生まれ。米下院議員を経て、84年の大統領選で民主党のモンデール候補と組み女性初の副大統領候補に。血液がんとの闘病を続けるかたわら政治家、弁護士として活動。現在はニューヨーク市内の法律事務所勤務。


週刊ダイヤモンド編集部 特集レポート【第23回】
「米国統合の象徴 オバマ大統領誕生へ」 国際政治学者・藤原帰一に聞く

2008年05月26日

バラク・オバマ大統領は誕生するのか。ヒラリー・クリントン上院議員の副大統領候補指名の可能性は? 国際政治学の第一人者に、米大統領選の行方とオバマ優勢の背景を聞いた。(「週刊ダイヤモンド」副編集長 遠藤典子)

藤原帰一(ふじわら きいち)
東京大学法学部法学政治学研究科教授。1956年生まれ。専門は国際政治、東南アジア政治。東京大学法学部卒業後、同大学院単位取得中退。その間に、フルブライト奨学生として、米国イェール大学大学院に留学。東京大学社会科学研究所助教授などを経て、99年より現職。著書に『平和のリアリズム』(岩波書店、2005年石橋湛山賞受賞)など。

――オバマ氏の勝利は確定したか。

 オバマ氏が獲得した代議員数は、特別代議員と一般代議員を合わせて、2025の過半数に届かなかった。しかも、有効得票数では、予備選の前倒し実施で代議員ゼロの制裁を受けたフロリダ、ミシガン両州までを含めれば、クリントン氏のほうがわずかに上回っている。まさに薄氷の差ではあるが、それでもオバマ氏勝利は確定したと考えていいだろう。この1週間で30人以上の特別代議員がオバマ氏支持に回った。この流れはもはや変えようがない。すでにオバマ氏は、共和党候補のマケイン氏を意識した発言に終始している。
 クリントン氏はまだ負けは決まっていないと言い続けることはできる。6月3日にサウスダコタなど3州で予定されている予備選まで戦うことになるかもしれない。しかし、大勢に影響はない。

――クリントン氏は副大統領を狙うのか。

 オバマ氏が進んで指名するとは考えにくいが、クリントン副大統領が生まれる可能性は2つある。1つは民主党幹部、古株の政治家が、党の統一のためにオバマ氏に要求する場合だ。オバマ氏ならば投票しないというクリントン氏支援者、クリントン氏ならば投票しないというオバマ氏支援者の2つに党が分断されているからだ。
 もう1つは党大会の泥仕合にもつれ込んだ場合だ。代議員は大統領と副大統領の両方に投票できる。クリントン氏陣営が、せめて副大統領はわれわれに投票するよう働きかける可能性がある。そうなれば、オバマ氏にはその意思がないのに、クリントン氏を副大統領候補として、押し付けられるというシナリオが残っている。
 民主党としてみれば、これまでにない2人の有力候補を持つ、有利な選挙戦となるはずだ。だが、カーター氏とエドワード・ケネディ氏が争ったすえに、レーガン共和党政権が誕生したように、仲間割れで自滅する歴史を重ねている。クリントン氏を下ろせないという状況で、内紛が拡大することへの懸念が広がっている。

――オバマ氏の勝因は。

 まずは資金の優位だ。オバマ氏は圧倒的な小口献金を集めている。クリントン氏と比べて200ドル以下、特に25ドルといった少額の献金が多い。インターネットを通じて呼びかけるオバマ氏の戦術が奏功したかたちだ。対するクリントン氏へは高額献金が中心だ。それが敗因の一つである。高額献金には1人当たり2300ドルという上限が設けられている。上限いっぱいの献金を早くから集め、それをアイオワ州の予備選挙につぎ込んでしまった。2月の中旬以降はオバマ氏の戦術を模倣するが、追いつかなかった。

――両氏のあいだに、政策に違いはほとんど見られない。

 そのとおりだ。クリントン氏との違いは、オバマ氏が米国統合のシンボルであるということだ。米国大統領は行政府の長であることに加えて、時に国王が担うような役割を担うことがある。古くはフランクリン・ルーズベルト、そしてケネディ、レーガンの3大統領がそうであり、彼らは民主党、共和党を問わず幅広い支持を集めた。
 オバマ氏は共和党や無党派から票を集めることができる。これまで民主党がなかなか手にすることができなかった候補者であり、オバマ氏の最大の強みだろう。
 現在、米国は民主党を支持する青い州と、共和党を支持する赤い州に二分された状況にある。クリントン氏は、青い州による赤い州への復讐の象徴だった。
 しかし、若い有権者はそうした棲み分けにうんざりしている。なにしろ物心ついたときから、大統領はブッシュ氏かクリントン氏かのどちらかしかいなかった。青でも赤でもない、1つの米国のシンボルとして、オバマ氏に賛同したのだ。
 オバマ氏が繰り返した「チェンジ」という言葉は、米国人を熱狂させた。民族、階級、文化において多様性を抱える米国社会は、いつもバラバラになる恐怖を抱えている。外国人の理解を超えるが、それが1つに取り戻される魅力は米国国民にはこのうえなく、何回も聞きたくなる言葉なのだ。
 クリントン氏にも別のかたちで草の根選挙はできたはずだ。しかし、労働組合を基盤とする伝統的な組織選挙に走った。白人、貧困層、衰退産業を多く抱えるインディアナ、オハイオなどの州でクリントン氏の優勢が極まった。一方のオバマ氏は共和党支持州で強い。

――オバマ氏は共和党のマケイン氏にも勝利できるか。

 勝てるだろう。マケイン氏が有利に立ったという声が米国や諸外国にある。確かに、現在はそのとおりだ。しかし、9月上旬の共和党大会で少し勢いを上げるが、その後は下がるだろう。
 問題は、まずは71歳という高齢、そして支持率が30%を割り込んだ現政権との距離をどう取るか、ということだ。選挙で勝つためには現政権を否定したほうがよいが、現政権を否定する与党側の選挙はありえない。それがマケイン氏のジレンマだ。ブッシュ政権の初期にイラク戦争について批判したがさすがに今それはできない。
 もっとも、選挙の帰趨を決めるのはイラクではない。経済が好調だからといって、与党に支持が集まるとは限らないが、悪化したときは与党支持が減退する。これは裏切られたことのない鉄則である。
 付け加えれば、大統領選と同時に行なわれる議会選挙では、民主党の圧勝が今から確実だ。すでに下院の特別選挙では、共和党が持っていた3議席を連続して民主党が押さえた。議会選挙と大統領選の結果がいつも重なるわけではないが、議会選挙で有利に立った政党は、大統領選での票の積み増しを期待できる。
 この状況下で負けるようなことがあれば、民主党は壊滅的な打撃を受けるだろう。

――オバマ大統領誕生で、外交政策に変化はあるか。

 外交政策の転換は、すでにブッシュ政権で行なわれている。イラク戦争の影響が大きい。イラクに兵士を常駐させている状態にあり、今年いっぱいは14万人以下に削ることは難しい状況にある。イラクに縛られているために、次の戦争を戦えない。したがって、英、仏、独など他国の意向をのみながら、外交重視を訴えざるを得ない。それはイラン政策に端的に表れている。これは兵力の配置に依拠する問題であって、民主党政権になっても変わらない。
 アジア政策については、オバマ氏の陣営ではブルッキングス研究所の人脈が戦略立案に関わっている。その流れでいえば、アジア政策の重点は、よく指摘されるように中国に重点が置かれるだろう。
 もっとも、ブッシュ政権でも中国との関係には大きな関心が払われてきた。日本、中国を中心とした東アジア政策は安定していて、そのために日本と中国は、共和党政権の継続を望む世界でも数少ない国となっている。
 経済成長の著しい中国、そして潜在的脅威としての中国への関心が高まるのも、民主党、共和党の違いを問わず、必然だろう。
 対日政策はまだ空白だ。外交政策の立案が着手されるのは、大統領選挙の直前、秋口となる。現時点では即断できない。

――内政は。オバマ氏もクリントン氏同様、手厚い社会保障政策を約束している。

 クリントン氏が大統領になれば、国民皆保険制度は実施されただろう。クリントン氏の政策優先順位のなかでそれはナンバーワンなのだ。一方のオバマ氏は、政策優先順位をほとんど示さず、あいまいにしてきた。その意味で自由だ。選挙戦の過程では、オハイオ州でNAFTA(北米自由貿易協定)反対を打ち出したように、昔ながらの内向きの政策を打ち出す場面もあったが、これは短期間に払拭されるだろう。

――クリントン氏のほうが、積極財政、つまり保護主義か。

 大きな流れを見れば、ビル・クリントン氏的な新自由主義か、ゲッパート氏的な保護主義かというかつての対立軸は、現在薄まっている。積極財政ならば、逆に言えば失業対策や最低賃金のかさ上げに割く財源はなくなってしまうが、そんな政策の実効性はすでに失われている。西欧も米国も、社民なのか保守なのか政権の違いを問わず、政府の財政は教育と医療に向けられる方向に、向かっている。ブッシュ政権ですら、教育は軽視できなかった。

――新しい対立軸は生れたか。

 経済保守と保護貿易という対抗ではなく、宗教保守とリベラルという政治信条の対立というかたちで対立が生まれた。
 だが、今回の大統領選では両方がスピンアウトしている。宗教保守はハッカビー候補を失った今、共和党支持者は大統領候補を決められない状況にある。宗教保守ではないマケイン氏を見限るか、投票するか。おそらく後者だろう。
 クリントン氏とオバマ氏は、双方ともリベラルという言葉を封印している。置き去りにされているからだ。クリントン氏は民主党のなかではどちらかと言えば保守中道に近い。オバマ氏は過去の投票行為をみれば、むしろリベラルに属する。しかしオバマ氏はそういう時代ではないと標榜して戦ってきた。
 宗教保守とリベラルという米国政治を支配したイデオロギー対立が緩むなかで、今回の大統領選は行なわれているといえるだろう。



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上野千鶴子さんの名古屋での講演会の予定/7月27日「向老学学会」と8月1日「性教協」全国夏期セミナー

2008-06-18 11:16:21 | ジェンダー/上野千鶴子
16日の中日新聞主催(共催・法研)の上野千鶴子さんの講演会は、
申込み殺到で、聴けなかった人が多かったようです。

直前の中日新聞には『おひとりさまの老後』のこんな大きな広告も。
上野さんの講演を聴けたのは、ラッキーでした。



ということで、上野さんの講演を聴きそびれた人に、
7月から8月にかけて、名古屋での上野さんの講演会をお知らせします。

まずは、7月27日(日)の向老学学会第9回学術総会の基調講演。
会場は、名城大学天白キャンパス。
今年のテーマは、ずばり「おひとりさまの老後」で、
上野さんの基調講演は「おひとりさまで生きる」
(7月27日(日)10:30~12:00)。

後半13:30~15:30は、コメンテーター上野さんでシンポジウム、
テーマは「おひとりさまの老後を支えるしくみ」。

お問い合わせは、向老学学会事務局052-876-6962へ。

申し込み方法など、詳しくは、↓チラシを拡大してお読みください。
 


8月1日からは、「“人間と性”教育研究協議会」主催で、
第27回 全国夏期セミナー「あいち・ぎふセミナー」が開催されます。
8月1日(金)13:15~14:45は、上野さんの記念講演
『(女の)性はなぜ叩かれるのか-家父長制と性の自律-』


詳しくは、 “人間と性”教育研究協議会HPご覧ください。
---------------------------------------------------------
第27回 全国夏期セミナー 
あいち・ぎふセミナー/主催:“人間と性”教育研究協議会
■大会テーマ
「子どもの現実を見つめ、いま性教育にできること
――希望をひらくつながりを――」

開催日 2008年8月1日(金)~8月3日(日)
会場 名古屋市公会堂(8月1日・3日)
   愛知淑徳中学・高等学校(8月2日)
第1日目 8月1日(金) 記念講演(13:15~14:45)
テーマ 『(女の)性はなぜ叩かれるのか-家父長制と性の自律-』
 上野千鶴子(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
---------------------------------------------


上野さんといえば、最新号の『週刊文春』(6/19号)に、
「新・家の履歴書」というインタビュー記事が載っています。

保守派の「文春」がどんな風に仕上げているのだろう、
と興味深々で読み始めたのですが、これがけっこうおもしろい。

オフのときの上野さんを人よりは知ってるので、
ここまで話していいのかなぁ、と思うところもあるのですが、
素のままの上野さんの魅力がいっぱいで、とてもよい、のです。

連れ合いは「上野さんあけすけにしゃべってるね(笑)」。

 

買った日が母の病院の日で、一緒にいた姉たちは読んで大笑い。
小心で厳格な父と、同居の祖母と母との嫁姑の確執、
母は「お父さんより一日でも長く生きるのがわたしの夢」
「あんたたちがいるから離婚できない」が口癖で、
夫婦関係のグチを子どもにこぼすのに、娘たちは員数外。
やさしい姉たちは身をすくめ、家族のなかで異端児の
わたしだけが、公然と父に反抗していた。

「うちは医者じゃないし社宅だったけど、家庭環境そっくりだね。
みいちゃんがなんで上野さんが好きなのかわかった!」。
この本を読んで、姉たちは、なぜわたしがこうなったのか、
すこし理解してくれたようです(笑)。

さいしょに、「三世代同居の富山の開業医の家は、
フェミニストが育つにはもってこいでした」とあるように、
「家の履歴」を語っている、というより、そこにすむ上野さん自身と、
その中で繰り広げられる人との関係を語っている・・・、
「フェミニスト・上野千鶴子」がどのように誕生したのか、
関心のある方はお読みください。

ちょっと前に出たのですが、
『婦人公論』6月22日号には、


「オバマとクリントンを語った贅沢なコンビ」、
上野千鶴子さん×姜尚中さんの対談が載っています。

こちらは、「オバマ勝利」で結論が出たので、
書きはじめると長くなりたぶん字数オーバーになるので、
帰ってきてから書きます(書きました↓)。

オバマとクリントンを語った贅沢なコンビ~上野千鶴子×姜尚中
『婦人公論』/米大統領選のゆくえは?


今日は午後から、半年振りの「む・しネット」のスタッフ会。
今年度はじめての会議で、スタート大幅に遅れていますね。


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「不起訴処分は不当である」と岐阜検察審査会が議決/山県市ポスター費詐欺事件

2008-06-17 12:48:02 | 市民運動/市民自治/政治
今朝7時前のNHKニュースで、
「ポスター費水増し 再捜査求める」とのニュースが流れた。

昨日、岐阜岐阜検察審査会が「不起訴不当」の議決をしたことを受けたもの。
朝刊各紙の記事によると、岐阜地検は昨日、
「審査会の議決を踏まえ、慎重に捜査を進めたい」
とのコメントを発表したらしい。

ポスター費水増し 再捜査求める(08.6.17NHK)
  
当時の市議7人 4年前の選挙でポスターの製作費 
水増しした詐欺の疑いで書類送検
岐阜地検 去年12月7人全員を起訴猶予 

岐阜検察審査会 
”公金意識薄く起訴猶予では不十分” 捜査のやり直し求める


と、記事を書いているうちに、岐阜検察審査会から
「議決書の要旨について(通知)」という内容の封書が届いた。

  

 上記被疑者らに対する詐欺被疑事件(岐阜地検平成19年検第100142号,
 同100144号)につき,平成19年12月20目上記検察官がした不起訴処
 分の当否に関し,当検察審査会は,上記申立人らの申立てにより審査を行い,次
 のとおり議決する。

            議 決 の 趣  旨

  本件不起訴処分は不当である。

            議 決 の 理  由
1 被疑事実の要旨
  被疑者横山善道は,平成16年4月18日に敏行された岐阜県山県市議会議員
 選挙の候補者であるが,「山県市議会議員及び山県市長の選挙における自動車の
 使用及びポスターの作成の公営に関する条例」に基づく選挙公営制度により,山
 県市から選挙運動用ポスター費用が支給されることを利用して,選挙運動用ポス
 ター費用名下に金員を詐取することを企て,平成16年4月20日及び21日こ
 ろ,岐阜県山県市洞田523番地所在の被疑者方及び金忍寺庫裏内において,選
 挙運動用ポスター作成請負契約を交わしたヨツハシ株式会社代表取締役四橋英児
 名の請求書に,同社社員武藤垂樹及び同人の妻積山季子をして,選挙運動用ポス
 ターの請求金額84,000円であるにもかかわらず,請求金額欄に「368,
 550円」等と冒書させた上,同月22日,山県市高木1000番地1所在の山
 県市役所総務課において,同課職員に対し,上記不正に水増しした金額を記載し
 た請求書を提出し,同人をして,請求書に記載の請求金額が正規の請求金額であ
 ると誤信させ,よって,同年5月13日,十六銀行西野町支店のヨツハシ株式会
 社名義の当座預金口座に368,550円を振込入金させ,もって人を欺いて財
 物を交付させたものである。
  被碇者宮田軍作は,平成16年4月18日に執行された岐阜県山県市議会議員
 選挙の候補者,同宮甲充秋は,同選挙の際の,上記宮田軍作の後援会会計責任者
 であるが,被疑者両名は共謀の上,「山県市議会議員及び山県市長の選挙におけ
 る自動車の使用及びポスターの作成の公営に関する条例」に基づく選挙公営制度
 により,山県市から選挙運動用ポスター費用が支給されることを利用して,選挙
 運動用ポスター費用名下に金員を詐取することを企て,平成16年4月下旬ころ,
 山県市平井69番地所在の岐阜北保険事務所内において,上記宮田充秋が,選挙
 運動用ポスターの請求金額は106,312.5円であるにもかかわらず,選挙
 運動用金ポスターの使用にかかる請求書の請求金額欄に「368,550円」等
 と冒書して作成し,上記宮田軍作が,同月27日,山県市高木1000番地1所
 在の山県市役所総務課において,同課職員山田和哉に対し,上記不正に水増しし
 た金額を記載した請求書を提出し,同人をして,請求書に記載の請求金額が正規
 の請求金額であると誤信させ,よって,同年5月13日,岐阜銀行長良支店の浅
 野収司名義の普通預金口座に368,550円を振込入金させ,もって人を欺い
 て財物を交付させたものである。

2 検察審査会の判断
  本件不起訴記録並びに審査申立書,審査申立人が提出した審査申立証拠説明書
 等を精査し,慎重に審査した結果,不起訴処分を不当とする理由は,次のとおり
 である。
  本件被疑事実によれば,被疑者らは,山県市に対して被害額を全額弁償済みで
 はあるが,議員という自治体の代表者として,自治体の健全な財政運営に努めな
 ければならない立場にありながら,公金を騙し取るといった犯行を敢行したこと
 は,甚だ公金意識が希薄で,その犯情は,極めて自己中心的で,その動機にも何
 ら酌量の余地のない計画的かつ悪質であると思われる。また,反省の情及び社会
 的制裁についても,取調べに対して率直に事実を認め,公に謝罪しているものの,
 議員を辞職をしていないことを加味すると,不十分ではないかと思われる。また,
 刑事事件においては著しい不均衡は許されないものである。かつ,県民,市民の
 信頼を回復するためにも,検察官の不起訴処分(起訴猶予)の裁定には納得でき
 ないので,再考を求めるため,上記趣旨のとおり議決する。

   平成20年6月13日
          岐阜検察審査会


岐阜地検は、検察審査会の議決を真摯に受けとめて、
ぜひ、不起訴処分を見直し、起訴立件して欲しい。

来年から「裁判員制度」がはじまるけれど、
市民の意見とも言える「検察審査会」の「不起訴不当」の議決が無視されれば、
せっかくの「検察審査会」も「裁判員制度」も、絵に描いた餅になってしまう。


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以下は、関連の朝刊各紙の記事です。

山県市議選をめぐるポスター代水増し 2議員の不起訴不当  
検察審査会議決「社会的制裁が不十分」

(2008.6.17岐阜新聞)
 
 2004(平成16)年の山県市議選をめぐるポスター代水増し請求事件で、同市議選の候補者だった元市議の横山善道県議(54)と宮田軍作市議(66)を起訴猶予とした岐阜地検の処分について、岐阜検察審査会が不起訴不当の議決をしていたことが16日、分かった。議決は13日付。
 同審査会は理由について、「自治体の健全な財政運営に努めなければならない立場にありながら公金をだまし取る犯行は公金意識が希薄」と指摘し、社会的制裁についても「議員を辞職していないことを加味すると不十分ではないかと思われる」とした。
 同地検などによると、横山県議と宮田市議は印刷業者と共謀し、04年4月ごろ、市に対して実際の4倍程度のポスター代を岐阜市の印刷業者に請求させ、現金をだまし取ったとされている。
 県警は昨年7月、横山県議と宮田市議を含む当時の当選市議7人を詐欺容疑で書類送検したが、同地検は同12月、「被害金を返済し、反省している」などとして、選対幹部や印刷業者を含む計12人を起訴猶予とした。当選市議7人のうち、横山県議と宮田市議を除く5人は昨年までに辞職。08年4月の市議選では宮田市議に加え、辞職した市議1人が無投票で再び当選した。
 2人を詐欺容疑で同地検に告発した寺町知正市議ら3人は今年1月、「辞職した5人と辞職していない2人との不均衡は著しい」として同審査会に審査を申し立てていた。
 同地検の石崎功二次席検事は「審査会の議決を踏まえ、慎重に捜査を進めたい」としている。
 同地検は不起訴不当の議決を受け、起訴するかどうかを再検討するが、同審査会の議決に法的拘束力はない。

「議決は妥当」審査申し立ての市議
 岐阜検察審査会が不起訴不当の議決をしたことについて、審査を申し立てた寺町知正山県市議は「審査会の判断は妥当であり当然。岐阜地検の判断は常識的な世論とかい離している」とし、横山善道県議と宮田軍作市議の起訴の必要性を訴えた。
 寺町市議は「二人はポスター代の水増し事実を認めて謝罪もしている。本来ならば議員を辞職していなくてはならない立場」と辞職しなかった点をあらためて指摘。「辞職した元市議らと同じ一律不起訴では不公平だという世論や市民の期待に、地検は応えていない」と批判した。
 今回の議決について横山県議は「コメントする立場にない」とし、宮田市議は「必要があれば粛々と対応する。答えることはない」と話した。



「市議辞職せず不十分」 
ポスター水増し不起訴不当議決 発覚1年再捜査に

(2008.6.17朝日新聞)

 公に謝罪しても、議員辞職していなければ社会的制裁は不十分――。当時の市議ら14人全員を岐阜地検が不起訴処分にした山県市議選のポスター代水増し請求事件で、16日公表された岐阜検察審査会の議決は、県警が立件後も辞職しなかった宮田軍作市議(66)と元市議の横山善道県議(54)の不起訴処分を不当と断じた。問題が明るみに出て1年、岐阜地検は当初の判断を覆され、再捜査を迫られることになった。
 審査会は、両議員について「はなはだ公金意識が希薄で計画的かつ悪質。取り調べに率直に事実を認めたものの、辞職していないのは反省の情や社会的制裁も不十分ではないか」と指摘。「県民、市民の信頼を回復するためにも、裁定には納得できない」と岐阜地検に再考を求めた。
 議決について、宮田市議は「何も聞いていないので答えようがない。審査会の判断がどのような効力を持つかもわからず、進退を考える材料もない」。横山県義は「コメントすることはない。決定があれば従うだけ。県議はそのまま続ける」と話した。
 04年の市議選でポスター代を水増し請求したとして、県警は昨年7月、宮田市議ら当時の市議7人と横山県議、ポスター作製業者ら計14人を詐欺容凝で書類送検。選挙公営
制度に基づく公費負担をめぐる全国初の立件だった。地検が12月、議員にとどまった2人を、辞職した5人と同じ不起訴処分(起訴猶予)にしたため、寺町知正市議らが審査会に申し立てていた。
 寺町市議は「検察審査会が常識的な判断をしたことで、地検だけが市民感覚からかけ離れていることが浮き彫りになった」と指摘。「議員を辞めてすむ問題ではないが辞めない2人はより悪質」と話した。
(岡本洋太郎、上田真由実)
-----------------------------------------------------------------
市議ら不起訴は不当
岐阜検察審査会 山県市ポスター費詐欺

(2008.6.17中日新聞)

 岐阜県山県市の選挙公営ポスター製作費水増し請求にからみ宮田軍作同市議(66)と元同市議の横山善道県議(54)の二人を不起訴(起訴猶予)とした岐阜地検の処分で岐阜検察審査会は、不起訴不当と議決した。
 岐早地検の石崎功二次席検事は「議決を踏まえ、慎重に捜査を進めたい」とした。
 議決は「議員として、健全な財政運営に努めなげればならない立場にありながら、公金をだまし取り、公金意識が希薄」と指摘。その上で社会的制裁について「議員辞職しておらず不十分」とし「市民の信槙を回復するためにも不起訴処分の裁定に納得できない」としている。
 宮田市議は「事実関係を確認してからコメントしたい」と語り、横山県議は「(地検の判断に)従っていきたい」と話した。
 県警は、二〇〇四年の市義還で、市費でポスター製作費を負担する公営制度を悪用して市に水増し請求し、それぞれ三十七万円をだまし取ったとして詐欺容疑で二人を含めた元市議や印刷業者らを書類送検。
 岐阜地検は昨年12月、「被嘗弁償が済み、罪を認めて反省している」などとして計12人を起訴猶予処分とした。
 審査を申し立てた寺町知正同市議は「検察は市民の視点に立ってほしい」と話した。
---------------------------------------------------
山県市議らの処分 不起訴不当を議決
岐阜検察審査会

(2008.6.17読売新聞)

 2004年の山県市議選で当選した市議らがポスター制作費を水増し請求していた事件で、詐欺容疑で書類送検された元市議と県議の計2人を不起訴とした岐阜地検の処分について、岐阜検察審査会は不起訴不当を議決した。
同地検は07年12月、市議や印刷業者ら14人を起訴猶予など不起訴処分とした。これに対し、寺町知正市議らが今年1月、不起訴不当の議決を求め不服を申し立てていた。同審査会は「自治体の代表として公金をだまし取る犯行は悪質。議員を辞職しておらず、反省も不十分だ」としている。
同地検は「今後、慎重に捜査を進めたい」としている。
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ポスター費水増し:岐阜県議ら2人の起訴猶予は不当
(2008.6.17毎日新聞)

 04年4月の岐阜県山県市議選を巡る選挙ポスター製作費水増し請求事件で、岐阜検察審査会は16日までに、詐欺容疑で書類送検された横山善道県議と宮田軍作市議を岐阜地検が起訴猶予(不起訴)処分としたのは不当と議決した。
 この事件では7議員が書類送検、全員が07年12月に起訴猶予処分となった。このうち議員辞職しなかった横山県議と宮田市議について今年1月、山県市議の一人が「辞職しなかった2人も不起訴とするのは妥当ではない」と審査会に申し立てていた。
 岐阜地検の石崎功二次席検事は16日、「議決を踏まえ、慎重に捜査を進めたい」とのコメントを出した。【鈴木敬子】




住民監査請求で市民団体が陳述 日進の選挙公営費 
 中日新聞 08年6月4日

 昨年の日進市議選と市長選の選挙公営費をめぐる住民監査請求で、請求人の市民団体「明るい選挙を願う市民の会」は3日、市監査委員に意見陳述をした。
 同会は、ポスター作成費と選挙カーのレンタル代で水増し請求などがあったとして、約160万円をしに変換するように求めている。
 意見陳述では、同会の後藤尚子前市議が、公費負担の対象外の室内用ポスターを請求していたケースがあると指摘。両選挙前の一昨年12月に選挙公営制度を適切に運用するよう要望していたことに触れ「市選管の候補者への指導も不十分だった」と訴えた。



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スイートマルベリージャムを作りました/上野千鶴子さんの「おひとりさまの老後」講演会を聴きました

2008-06-16 21:23:33 | おいしいもの/食について
昨年買ったスイートマルベリーにたくさん実がつきました。
で、念願のスイートマルベリージャムを作ることにしました。

  

記事をアップしようとして「スイートマルベリー」をwebで調べたら、
なんと、昨年のわたしの記事が出てきました(笑)。

スイートマルベリーは桑の実!?/「ひな野」と「一番亭」 (07.5.20)

・中国原産の桑科の植物
・桑の実より大きくて甘い
・黒くなれば甘く食べごろ
・ジャムに加工できる
・アシトニアシンが多く含まれている
(ブルーベリーの約3.7倍)
・夏の水切れには弱い
・樹形はコンパクトに剪定する
・冬の潅水は減らす
・外でも越冬する


昨年中に、地面に植えようと思ったのですが、
場所が決まらず買った鉢のままで、剪定もせずに放任で越冬。


葉が少ないのに、実がびっしりついています。
鉢をよく見えるところに移動してきて、
黒く食べごろになったものを毎日収穫。
  

取ったものは、順次洗って、ユリノキの蜂蜜を振りかけて冷凍しました。
  

昨年はほんの少しだったので、実に和三盆糖を振りかけて
電子レンジでお手軽ジャムを作リました。

今年は、冷凍してためたスイートマルベリーに、
昨年送ってもらった、ユリノキの一番蜜を追加して火にかけました。



すぐに真っ赤なジュースがじゅわっと出てきてよい香りがし始めたのですが、
もともと糖分が多い蜂蜜にエキスを吸い取られてしまったのか、
はたまた、冷凍したからか、とろ火で煮詰めすぎたのか、
実がしわくちゃで柔らかくなりません。

  

適当なところで火をとめて、ビンにつめて湯煎して脱気。

お鍋に半分くらいから、小瓶3本分になりました。


ジャムというよりは、スイートマルベリーエキスのようになりましたが、
甘酸っぱくて香りがよくて、ヨーグルトに入れると
きれいな赤色に染まって、これはこれでとってもおいしいです。


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一夜明けて、
今日は名古屋で上野千鶴子さんの「おひとりさまの老後」講演会。
できたてのスイートマルベリージャム持参で、聴きに行きました。

まずは、友人たちと鶴舞駅で待ち合わせて腹ごしらえ。
その後、会場に向かいました。

外まで行列ができていたので、1時5分前に開場したのですが、
すぐさま、買ったばかりの本のサインを求めて長だの列。



講演会の撮影・録音は禁止なので、開会前に雰囲気だけパチリ。


「おひとりさまの老後」の講演は、もちろん、とっても面白かったです。
研究テーマもふんだんに盛り込まれ硬軟取り混ぜた話は分かりやすく、
会場からは上野さんの話につられて笑い声も。
 
久しぶりに上野さんのライブが聴けてしあわせでした。

講演会が終わってからも、サインを求める人の列が
いつまでも続いていました。


サービス精神満点の上野さん、本を買われた2百人以上の、最後の一人まで
ていねいに対応してサインしていらっしゃったのはさすが!

おつかれさま&ありがとうございました。


「おひとりさまの老後」関連のオマケです。
「アサッテ君」(6/10毎日新聞)
に「おひとりさまの老後」が載っていました。

辻井喬さんとの対談本も出したし、最近「文春」にモテモテの上野さん、
2週連続で、
『週刊文春』に記事が出ています。
まずは、6月12日号の「『おひとりさまの老後』実践篇」。
最新号(6/19号)のことは、また紹介しますね。


追伸:
岐阜に帰ってきたら、選挙公営ポスター代詐欺容疑で
議員が不起訴になったことに対し異議申し立てていた「検察審査会」が
「不起訴不当」の判断をしたことが判明。
連れ合いがひっきりなしにかかる電話の対応でバタバタ・・・・、
上野さんの今後の講演会情報etcをアップする予定だったのですが、
明日、あらためて書きます。乞うご期待を!



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ボダイジュも水蓮の花も見ごろ/岐阜・三田洞弘法

2008-06-15 20:11:01 | 花/美しいもの
先週、母といっしょに三田洞の神仏温泉に行ったときに、
お隣の三田洞弘法の菩提樹を見たら、まだつぼみだでした。

  

もうそろそろ咲くころだと思っていたら、
12日の岐阜新聞に「ボダイジュ見ごろ」の記事が載ったので、
込み合わないうちに、と朝のうちに見に行くことにしました。

淡い黄色、ボダイジュ見ごろ 三田洞弘法  
岐阜新聞 2008年06月12日
 
 時折、太陽光が差し、梅雨の中休みとなった11日、
岐阜市三田洞の三田洞弘法法華寺では、ボダイジュの花が例年より1週間早く見ごろを迎えた。
 同寺のボダイジュは高さ約10メートル。推定樹齢200年以上という古木で、岐阜市の天然記念物に指定されている。
 この日の岐阜市の最高気温は29・5度(平年26・8度)と7月上旬並み。今週から一気に咲き始め、淡い黄色の花が甘い香りを漂わせ、市民を魅了している。
天気が良ければ1、2日のうちにも満開になるという。
(2008.6.12岐阜新聞)


母の新居は通り道なので、家を出てから電話したら、
「行きたい」とのこと。「5分で着くからね」と母の家に寄って、
いざ三田洞弘法へ・・・・。と思うまもなく到着。
例年より一週間ほど早いらしい。

いつもは、参道の入り口に止めて、アジサイを写しながら歩くんだけど、
母がいっしょなので、開館前の神仏温泉の駐車場の端っこに駐車。
  

車を降りると、ボダイジュのよい香りがただよってきます。

  



推定樹齢200年以上という大木は、今がちょうど満開で、
淡い黄色の花をびっしりつけています。


  

  
ここ数年、毎年ボダイジュの花を見に来ているけれど、
今まで見た中でいちばんきれいです。


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お庭には池があり、ちょうどスイレンの花も咲いててラッキーでした。
母に聞くと「鏡島、三田洞、北方の3弘法さんのなかで、
三田洞のお庭がいちばん美しい」とのこと。

白とピンクのスイレン
    



  



  

明日は名古屋で、上野さんの『おひとりさまの老後』講演会。
とっても楽しみです。

  


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好きな山野草/丁子草・ユキノシタ・白糸草・ツボサンゴetc

2008-06-14 10:55:54 | 花/美しいもの
ベニシダレモミジの下に丁子草(チョウジソウ)が咲きました。

5月の初めころからつぼみが膨らみ始めて、
1ヶ月ほどの間、次々に咲いていました。
  
 チョウジソウ(丁子草・キョウチクトウ科)

環境省の「絶滅危惧II類」に指定されているのですが、
最近では、園芸店でも苗をみかけます。
花は優雅ですすしげで好きなのですが、有毒植物です。

近くに咲くツボサンゴと、ユキモチソウ(のラベルだけどマムシグサ??)。
  

ユキノシタの花も咲いています。
ダイモンジソウに似たかれんな花で、大好きです。
 

  



こちらは、ことし買った白糸草の花。
  
シライトソウ(白糸草 ・ユリ科
10センチくらいのブラシのような白い花が咲きます。
ご覧の通り、花が白い糸のようなので、白糸草。


エビネ(白)は花が咲いているうちは、家の中で鑑賞。
花が終わったので、鉢を外に出してやりました。


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『八ヶ岳南麓 猫の手くらぶ物語』/色川大吉さんの最新刊(山梨日日新聞)

2008-06-13 20:12:01 | ほん/新聞/ニュース

思いがけなく、色川大吉さんから本が届きました。

初版日は6月10日、できたてのホヤホヤです。
うれしくて天にも上るような気持ちでページをめくり始めたら、
おもしくて、やめられない止まらない、一気に読んでしまいました。



新天地での第二の人生。
新しく自由に生きるために、どのような助け合いをしたらよいか、
これは、そういう世代を越えた人たちがつくりあげたネットワークの、
小さな成功の物語です。


「八ヶ岳南麓 猫の手くらぶ物語」
色川大吉著/山梨日日新聞/2008.6.10

療養のために移り住んだ八ヶ岳南麓で、
民衆史・自分史の提唱者が出会った
新しいコミュニティのありかた。
セカンドライフや森での暮らしを豊かにするための
経験・思索が詰まったフルカラーエッセイ集。
定価1,890円(税込)

 
しなやかでリズム感があり、簡潔でうつくしい文章。
八ヶ岳の懐に抱かれて、静かでかけがえのない日々の暮らし、
人と人とのつながり、自然とのかかわりがつづられていて、
心にあたたかい希望の灯がともるような本です。

目次

『猫の手くらぶ』物語
ともに楽しい会を作ろう--助け合いの会発足
第二の人生を求めて
多芸多才な仲間たち
ソーメン流し
急病には無償の友情
何かと集まっては楽しむ
立場の違いを尊重し、風のように生きよう
東アフリカの子どもたちに目を
途方に暮れる料理の奥深さ
持ち寄って一緒に食べる
秩父事件と『草の乱』
厳しい冬を最高の季節に
『犬の手クラブ』も生まれる

「森のくらし」
木漏れ日の庭で
森暮らしの先輩
薪ストーブのある暮らし
地球君、人類を笑う
森は荒れている
ブナの森と『冬の旅』
サーカス好き
八嶽党の足跡にひかれて
山梨と秩父困民党
別荘の人へ--自然との共生というけれど
病気や老化に抗して
あとがき



第一部「猫の手くらぶ」物語は、
色川さんが厳しい自然の中で、すてきな仲間たちと
助け合いながらくらす様子が、目に浮かぶようです。

厳しい冬を最高の季節に
 


第2部「森のくらし」

カラーページも写真も美しくて、
ページを繰りながら、まるで八ヶ岳の森の中で、
読んでいるみたいな不思議な感じがしました。

森暮らしの先輩

『森暮らしの家 全スタイル』 (田渕義雄/小学館 /2002 )
 
薪ストーブのある暮らし
 

凛とした冬景色、薪ストーブの炎の暖かさ、
春の芽ぶきのうつくしさや、森を歩く足音が聞こえてきそうなエッセイに、
なつかしさを覚え、胸が熱くなりました。

   

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色川さんの本は、今までも折に触れて読んでいるのですが、
いらだちの「思想(ナショナリズム)」時代/色川大吉さんの記事で、
『若者が主役だったころ わが60年代』を紹介したように、
わたしは、弱者に向けるまなざしのあたたかい『雲表の国』や、
自由で、率直な思いあふれる、色川さんのほん(ことば)が好きです。

  
『民衆史 その100年』(講談社/1991)
『フーテン老人世界遊び歩記』(岩波書店/1994)

  
『わが聖地放浪 カイラスに死なず』(小学館/1994)
『日の沈む国へ 歴史に学ばない者たちよ』(小学館/2001)
 

この『八ヶ岳南麓 猫の手くらぶ物語』は、大好きな本に仲間入り(笑)。
ぜったいお勧めなので、ぜひお手にとってお読みください。
(ご注文は書店または山梨日日新聞へ)


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