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みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

あす投開票!東京都議選 「投票先は民主」が優勢~自民、固まらぬ支持層

2009-07-11 11:42:40 | 市民運動/市民自治/政治
いよいよ、明日12日は東京都議選の投開票日。

そういえば、東京にいたとき何台も選挙カーに出会いました。
とはいえ、選挙カーの連呼は、終盤差ながらの絶叫型ばかり、
政策を訴えているものはなかったなぁ。

きょうは9日間の選挙運動の最終日。
都知事選の行方が、衆議院議員選挙、その後の政権に大きく影響するため、
蒸し暑い東京が、さらにアツクなっていることでしょう。

朝日新聞の一面記事は 「民主が政権構想」。
このタイミングで出してくるということは、もちろん都知事選を意識し、
その先の、政権交代を見越してのことでしょう。

そんななか、明日朝のサンデープロジェクトの特集、
「なぜ静岡空港は・・・~「最後の地方空港」と『知事選」~」の案内が、
友人のジャーナリストから届いたのでお知らせします。

    テレビ朝日|サンデープロジェクト



先週の静岡県知事選では民主の勝ち、
とはいえ、新知事は空港の推進者、バックラッシュ派にも理解がありそうな人
・・・・という、政策的にはねじれ現象。

都議会議員選挙でも民主が勝ちそうな状況のなか、
「民主が勝てば万々歳」にはならない、という思いもあり、
どんな番組なのか、楽しみです。

都議選、12日投票 民主、第1党の勢い
47news 2009.7.10

 政権を争う次期衆院選の前哨戦として各党が全力を挙げる東京都議選(定数127)が12日、投開票される。国政同様、都政でも与党の自民と公明が過半数を維持できるかが最大の焦点。結果は麻生太郎首相の解散戦略だけでなく、進退にまで影響する可能性がある。
 世論調査や取材によると、民主が第1党をうかがう勢いで、自公は過半数維持に懸命な情勢だ。
 3日の告示以降、各党とも連日、幹部を投入するなど国政選挙並みの総力戦を展開し、石原慎太郎知事も自民候補の応援に奔走。最終日の11日も都内を与野党の党首らが駆け回る予定だ。
 立候補した221人のうち、各党の公認候補は、第1党を競う自民と民主が各58。5回連続全員当選を目指す公明が23で、共産40、東京・生活者ネットワーク5、社民2となっている。ほかに諸派13、無所属22。
 現有勢力は自民48、民主34、公明22、共産13、ネット4、諸派1、無所属3(欠員2)。
 争点は景気雇用対策や福祉のほか、知事の主導で設立された新銀行東京の経営再建、築地市場の移転、2016年夏季五輪招致など。
2009/07/10 16:18 【共同通信】



東京では、石原慎太郎がなりふり構わず、自民の応援に走り回っているとか。
演説では、「東京の命預けます」と言っているそうだけど、
東京の未来のためには、自民だけでなく、あなたにも降りていただき、
東京が変わってもらうのが、いちばんよいと思いますよ。


【’09都議選の夏】「東京の命預けます」 あす投開票 知事奔走、36人応援
2009年7月11日(土)8時0分配信 産経新聞

 次期衆院選の前哨戦に位置づけられ、各政党が国政選挙並みの総力戦で臨んでいる東京都議会議員選挙(定数127)は12日、投開票される。
 選挙戦は自民、民主の2大政党が激しく争う構図で展開。民主が自民に代わって、都議会第一党をうかがう情勢だ。自民、公明の「与党」は、過半数を維持できるかどうかが最大の焦点になる。
 この事態に、石原慎太郎都知事が都内全域で逆風にあえぐ「自民候補」の応援に奔走している。連日複数の候補の応援演説に駆けつけ、選挙期間中では、前回都議選の20人を大幅に上回る36人に達する見通し。石原知事を支える自民、公明が過半数を割れば、残り任期2年の都政運営に影響が及ぶのは必至だからだ。

「東京の命預けます」
 10日午前、東京・品川区で自民候補の応援演説をした石原知事は、最後にこう訴えた。「命」のフレーズは五輪招致や新銀行東京の再建問題など「ここが勝負と踏んだときの演説で必ず飛び出す」(側近)もので、「今回の選挙にかける意気込みを象徴している」と関係者は指摘する。
 石原知事は、今年5月から自民候補予定者の決起大会に出席。58人の候補予定者全員に「必勝を祈る」と書いた文書を送付した。3日の告示日以降、応援を開始した5日は5候補、6日は3候補、7日は7候補、8日と9日も計10候補の街頭演説や個人演説会でマイクを握り、支持を訴えた。10日は登庁前に1候補、都庁での記者会見後、再び4候補の応援に繰り出すハードさだった。
 応援演説では「(国政の)あおりを食って都議会は大迷惑だ。ここで都政が変わるわけにはいかない」「感動を子孫に残すつもりで五輪をやろう」などと強い口調で訴えている。
2009年7月11日(土)産経新聞



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以下は、東京都議選の世論調査や状況分析、候補者の顔ぶれなど。
関心のある方はお読みください。

選挙:東京都議選 自民、固まらぬ支持層--毎日新聞世論調査
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>

 12日に行われる東京都議選に向け、毎日新聞が4、5の両日に実施した世論調査では、「追い風の民主、逆風の自民」の構図が鮮明に浮かんだ。政権選択の行方を占う選挙として注目される都議選。投票率が前回を上回る兆しも出ており、自民は終盤に向けて巻き返しに総力を挙げるとみられる。各党とも衆院選を見据えており、選挙戦はいっそう激しさを増しそうだ。【鮎川耕史、林哲平】
 主な政党の支持率は▽民主24%(前回16%)▽自民14%(同19%)▽公明7%(同6%)▽共産4%(同3%)で、民主の支持率が最も高かった。
 民主支持層のうち、民主党の候補に投票すると回答した人は84%に上るが、自民支持層で自民党候補に投票すると回答したのは68%にとどまった。民主が順調に支持層を固めているのに対し、自民は固め切れていない。
 さらに、「支持政党はない」と答えた人の73%は投票先を決めていないが、12%は民主党候補に、4%が自民党候補に投票すると回答。無党派層への浸透度でも差がついた。
 こうした傾向は、次期衆院選比例代表での投票先にも共通している。民主支持層で、民主に投票するとの回答は93%、自民支持層で自民に投票するとの回答は78%だった。
 都議選で民主党候補に投票すると答えた人の占める割合を年代別にみると、▽20代20%▽30代21%▽40代25%▽50代27%▽60代39%▽70代以上21%となり、60代までは年代が上がるにつれて比率が高くなっている。

 ◇石原知事、人気に陰り 支持50%割れ、「新銀行」など響く
 石原慎太郎・都知事の支持率は45%で、初めて50%を切った。2期目の知事選(03年)で308万票を得るなど圧倒的な支持を得た石原知事だが、人気に陰りが出ている。
 99年に初当選した石原知事は、1期目半ばの01年都議選時に79%の支持率だった。03年知事選での調査では、「石原都政を評価するか」との質問に、76%が「評価する」と回答している。2期目半ばでの05年都議選時の支持率は62%。直前に腹心の副知事の不祥事が発覚し、都議会で批判を浴びたが、高支持率は維持した。07年に行われた前回知事選の際の調査でも、石原知事を「評価する」との回答が62%を占めていた。
 最近の石原都政は、経営難に陥った新銀行東京への追加出資や築地市場の移転問題など、先行き不透明な課題を抱えている。一方で世論の関心を引きつける政策も鳴りをひそめているのが現状だ。

==============
 ◇世論調査の質問と回答
(以下略)



ザ・選挙 東京都議会議員選挙(janjan)


 「投票先は民主」が優勢 東京都議選で新聞各紙が情勢調査
「ザ・選挙」編集部2009/07/06

 12日投開票される東京都議選について、読売、朝日、毎日、東京の4紙が6日の朝刊に情勢調査の結果を掲載している。各紙とも投票先として民主が「優勢」とし、自民の「苦戦」を報じている。 127人の新たな議員を待つ東京都議会。後ろに見えるのは都庁。(神山玄太撮影) 12日投開票される東京都議選について、新聞各紙(読売、朝日、毎日、東京)が6日の朝刊に情勢調査の結果を掲載している。各紙とも投票先として民主が「優勢」とし、自民の「苦戦」を報じている。

 各紙の報道ぶりは次の通り。

『読売』 「都議選「民主に」29%、自・公は計22%」
▼民主党候補に投票するとした人は29.4%で、16.9%の自民党を大幅に上回った▼公明党は5.1%で、「石原知事与党」の自民、公明を合わせても22.0%にとどまった▼4割以上がまだ投票先を決めておらず、情勢はなお流動的

『朝日』 「都議選投票先、民主28%自民15%」
▼民主党候補に投票すると答えた人は28%で、4年前の前回選挙調査時の19%から大幅に増えた▼自民党候補に投票する人は15%で前回の17%からやや減らした▼投票先を決めた人では、民主12%、自民9%、公明5%、共産3%▼投票先を決めていない人では、民主16%、自民6%、公明1%、共産1%、社民1%など▼調査時点で投票態度を明らかにしない人は4割

『毎日』 「都議選で民主に投票26% 自民は13%」
▼どの政党の候補に投票するか聞いたところ、民主党が26%(前回15%)と最も多く、自民党の13%(同15%)の2倍に達した▼情勢分析を加味すると、民主は都議会第1党に躍進する勢い▼自民と公明党の6%(同6%)を合わせても民主に届かず、自公の議席が過半数を割る可能性も出てきた▼都議選での自民、民主、公明以外の投票先党派は、共産党4%(前回4%)、東京・生活者ネットワーク1%(同2%)、社民党1%(同0%)、その他の政党1%(同1%)、無所属2%(同3%)▼43%の有権者が投票先をまだ決めておらず、情勢の変動もありうる

『東京』 「民主30.9% 自民19.7% 都議選投票先 本紙第2回世論調査」
▼有権者の投票意向をみると、民主は自民を11.2ポイント引き離している▼告示1カ月前の第1回調査と比べ、支持率は1.6ポイント下がった。自民との差も、1.0ポイント縮められている▼投票先を決めていない人は半数おり、情勢は流動的▼民主は30・9%、自民19.7%、公明7.7%、共産5.7%、生活者ネット1.8%、社民1%、無所属5.8%




【政治】不信任案の影響読めず 暗中模索揺れる自民
東京新聞 2009年7月11日

 自民、公明両党は十日、民主党が来週衆院に提出する内閣不信任決議案が流動化する政局にどのような影響を与えるのか読み切れぬ部分があり、身構えている。
 自民党の大島理森国対委員長は同日、不信任案への対応について「与党として粛々と否決する」と強調した。
 同党内には造反の動きは出ていない。麻生降ろしを画策する中堅・若手にも民主党に同調する空気はなく、大量造反が出る可能性は極めて低い。
 自民党内が警戒するのはむしろ麻生首相の判断だ。党内は現段階での解散に対する反対論が大勢で、総選挙は八月下旬以降になる情勢が強まっているが、早期解散をしたい麻生首相が不信任案に対し、受けて立つとばかりに「伝家の宝刀」を抜く「乱心」を警戒しているのだ。
 不信任案に加え、民主党は首相問責決議案を参院に提出する考え。これによって、国会は会期末まで全面ストップする可能性が高い。国会で首相に対し「ノー」を突きつけた以上、野党が国会審議にあっさりとは復帰できないためだ。
 こうした状況に陥ることも、首相に解散の口実を与えることになりかねず、解散をできるだけ遅らせたい自民党大部分にとっては不安にかられる要素だ。
 一方、国民人気のない麻生首相のまま総選挙を戦いたい民主党側は不信任案提出によって自民党内の麻生降ろしを封じ込めたい狙いがあった。不信任案を否決すれば、麻生首相を信任したことになり、麻生降ろしはできないだろうというヨミだったが、自民党中堅・若手は「麻生首相に辞めてほしいと言っているわけではない。党総裁選をやりましょうと言っているだけだ」と説明。あまり意に介していないようだ。

◆『都議選後』に浮足立つ
 自民党内で、苦戦が予想される東京都議選後の政局流動化に対応した動きが加速している。都議選の勝利に全力を挙げるため、麻生首相の外遊中は政局的動きを控えるべきだとの声もあったが、完全に浮足立っている。
 鳩山邦夫前総務相は十日の会合で「このまま選挙に突入するのは集団自殺以外の何物でもない」と、麻生首相による「やけくそ解散」を強くけん制した。
 首相と距離を置く九つの中堅・若手グループ有志は十日未明、都議選投開票当日の十二日深夜にも会合を開くことを決めた。九グループは「麻生首相では次期衆院選は戦えない」と考えるメンバーが少なくないことから、麻生降ろし再燃の発火点になる可能性がある。
 党内八派は都議選投開票翌日の十三日夜に、今月三度目の事務総長会議を開く。首相の「やけくそ解散」阻止に加え、都議選の結果次第では「ポスト麻生」をめぐる意見が出てくる可能性がある。党内基盤が弱い首相にとって、各派が首相から離れれば、決定的な打撃になる。
 山本拓衆院議員は九日時点で、両院議員総会開催に必要な党所属国会議員の三分の一以上の署名を確保したと発表。両院議員総会が開かれた場合には、総裁選前倒しに向け、総裁公選規程改正を提起する予定だ。
 執行部側は、麻生降ろしにつながる一連の動きに対し「首相が(国内に)いない時にそういうことをいうのはひきょうではないか」(大島理森国対委員長)と神経をとがらせている。
 麻生首相に強い影響力を持つ森喜朗元首相は九日、青木幹雄前参院議員会長と会談し、政権運営について意見交換。ベテラン議員らも情報交換を重ねている。
(東京新聞 2009年7月11日)



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「政治災害からの大転換?」 上野千鶴子/おいしいトーキョー2泊3日。

2009-07-10 15:19:53 | ジェンダー/上野千鶴子
7日は、レインシューズで東京駅に降り立ったのですが、
「東京は雨」どころか、お天気がよくて蒸し暑い。
あたりを見回すと、みなさん夏本番のファツショナブルないでたちで、
おのぼりさんモードのバックパッカーは目立ちました。
けっきょく、雨が続くはずの天気予報は外れて、ずっと晴れ時々小雨。
滞在中、晴れてると思ってたら、雨が落ちてきて、
シャツとジーンズがぬれてしまい・・・ということもありました。

ようやく昨日、帰ってきて、たまったメールのチェックをしようとしたら、
すぐにPCがフリーズ。
このところPCの調子が悪かったので、行く前にモデムを取り替えたのですが、
なぜかインターネットにつながらなくなっていました。
何とか回復したので、ブログを書いています。

今回はノートPCを持っていかなかったのですが、
ちゃんと記事が、予約した日時に自動的に投稿されてて、
gooの「予約投稿」機能がばっちり役立ちました。

7日はファッションデザイナーの花井幸子さんの
出版記念イベントに参加。花井さんはもちろん、
思いっきりおしゃれしている参加者のなか、一人浮いてる感じ(笑)。

軽妙なトークと、自然素材の軽食パーティも準備されてて
  
知り合いにも会えたりして、楽しくておいしいひと時をすごしました。

翌日は、上野さんの研究所にランチを持参。
わいわいガヤガヤと持ち寄りでわけっこして食べました。
ランチの時間に遭遇したことは何度かあるのですが、
いつもこんな、なごやかで楽しい雰囲気です。

あまーい赤肉メロンがデザートに出ました(ラッキー)。

昨日は、ひさしぶりに、会いたかった友人とランチの約束。
汐留メディアタワー下で待ち合わせして、カレッタ汐留の46階の
 「レストランバー、響」に連れていってもらいました。
シースルーの高速エレベーターでスリリングに46階に到着。

窓際の静かな席に通されました。(ツーショットで・笑)
わたしは午前中にケーキを食べて小腹がふくれていたので、
軽めの「包丁切り冷麦と海鮮小丼」(1300円)を注文。
おしゃべりしながらのランチは、とってもおいしかったです。
 
カレッタ汐留の「響」は、東京湾やレインボーブリッジを
目の前に見渡せる抜群のロケーションのレストラン。
すぐ下には、浜離宮、その左手には「築地市場」が見えました。
「築地市場」が港にあるのは当然といえば当然ですが、意外な発見。
海側に来たのは初めてで、東京ってこんなに海が近いんだと感慨深かったです。

カレッタ汐留の「響」、値段も手ごろで、ロケーションもよくて、
オススメのランチスポットです。
きっと夜景を見ながらのディナーは最高でしょうね。

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かえってきたら、ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)に、
お会いしたばかりの上野さんの記事がアップされていたので紹介します。

 政治災害からの大転換? 上野千鶴子
(ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)2009.7.9記事)
 
 大転換である。政府与党が2010年「骨太の方針」をくつがえした。
 2001年、小泉政権がつくった経済財政諮問会議が毎年出してきた骨太の方針のなかには、2006年の「聖域なき改革」、すなわち社会保障費の総額抑制がはいっていた。そのなかに5年間で1兆1千億円、毎年2千2百億円の社会保障費を削減する、という方針があった。「聖域なき」とは、貧しいひとや困っているひとたちも容赦なく予算削減の対象とすることを意味していた。
 こうして医療費が削減され、介護保険が改悪され、生活保護費の母子加算が廃止された。医療崩壊が起き、ついで介護崩壊が起き、それでなくても不況のせいで追い詰められている母子家庭からわずか月2万円程度の加算をもぎとった。もうぎりぎりの限界を超えたというのに、今年も方針通り、2200億円を削減する方針が、あわや、決まるところだった。
 医療崩壊も介護崩壊も人災、いな、政治災害である。ましてや少子化対策を謳っている政府が、必死に子育てをしている母子家庭に対する援助を、ふやすどころか削減するなどとは信じられない。社会保障費総額抑制の前提には、財政バランスの健全化をめざす行政改革路線があった。社会保障費総額抑制を「経済財政諮問会議の呪い」と呼んだのは、医療ジャーナリストの大熊由紀子さんである。その「呪い」は解けたのだろうか。
 小泉改革の方針からの大転換なら、これまでの政策がまちがっていた、と認めてからにしてほしい。これまで「骨太の方針」をつぎつぎに承認してきたのは、小泉郵政選挙で国会の安定多数を得た現在の与党だ。数をたのんで無理を承知の政策を再議決で通してきたその同じ与党が、今度はそれとまったく逆の選択をする。
 それというのも、一昨年の参議院選挙での大敗で、参院の与野党が逆転したことや、麻生内閣の支持率が急落したことなどが、原因だろう。補正予算のばらまきで「財政健全化」などふっとんでしまった。117億円のアニメの殿堂をつくるおカネはあっても、生活保護を受給している母子家庭にわずかな母子加算をつけるおカネはないのか、と言いたくなるのは、民主党の鳩山由起夫さんばかりではないだろう。
 それにつけても定額給付金の原資であった2兆円があったなら...どんなにいろんな政策が可能になったことだろう。定額給付金は景気浮揚策だったはずだが、政策効果があがったかどうか、政府は測定しているのだろうか。
 この無為無策無能の政府が、それどころか愚策にカネを垂れ流している政府が、わたしたちの信任を受けた政府であり、それに国会で承認を与えているのが選挙で選ばれた選良であるとは信じたくない。民主主義では、結局、国民は身の丈に合った政府を持つ、と言われる。オバマが大統領になる前は、もし次の大統領選挙で政治が変わらなかったら、アメリカ人を辞めたい、ともらしたアメリカ人たちがいくにんもいた。もし次の選挙でも、日本の政治が変わらなかったら? わたしは日本人を辞めたくなるだろう。
(信濃毎日新聞2009年6月29日「月曜評論」掲載記事)


ここまできた、女性にとっての大学(落合恵美子)

非正規労働に支えられる大学 --大学における男女共同参画の課題(伊田久美子)
も、同じ京都大学のことを違う切り口から論じていて、おもしろいです。

ぜひリンクから、WANサイトにお立ち寄りください。


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『現職警官「裏金」内部告発』(仙波敏郎・講談社)/「公文書管理法」設立/日本弁護士連合会・会長声明

2009-07-09 06:00:00 | 市民運動/市民自治/政治
数年前、全国市民オンブズマンの全国大会でお会いした、
仙波敏郎さんが、愛媛警察署を定年退職されて、
『現職警官「裏金」内部告発』を刊行された。

『現職警官「裏金」内部告発』(仙波敏郎/講談社/2009/04)  

警察ぐるみの裏金作りを拒否したために壮絶ないじめにあい、
実名で裏金を告発した仙波さんの半生が赤裸々に語られている。
良心的内部告発者の「壮絶な闘い」と、ひとことで言ってしまうには、
あまりに重く、長く、仙波さんがうしなったものはもう取り戻せない。

この本が出たことで、日本の警察の裏金作りが、
すべての組織内犯罪が、あきらかになってほしい。



『現職警官「裏金」内部告発』(仙波敏郎/講談社)
内容紹介
-----------------------------------------------------
「組織的犯罪」に独り立ち向かった男の究極の人間ドラマ!!
警察の闇!腐敗、汚職、隠蔽、これが手口の全貌!!
「あなた」なら、いったいどうしますか?
「裏金づくりは過去のものではなく、記者会見をしたその時点でも行われていた。
人一倍強い正義感を持って警察官になったはずの若者たちが、
今日もどこかで裏金づくりに加担させられ、警察官としての良心を蝕まれている。
その現実を前に、これ以上黙っているわけにはいかなかった。」――<本文より>
目次
----------------------------------------
プロローグ 36年間の孤独な闘い
第1章 たった1人の拒絶
第2章 誰も知らなかった「裏金」の実態
第3章 日本最大の犯罪組織
第4章 父として、夫として
第5章 警察を売った男
第6章 人はどこまで正義を貫けるか
エピローグ 友への誓い



警察の裏金を現職・実名で告発した、元愛媛県警の仙波敏郎さんを支える会の
掲示板ができました。

仙波敏郎さんを支える会
仙波さんを支える会通信

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国も自治体も、お役所の仕事は「公文書主義」。
すべての仕事は公文書に記録されて残る(はずだ)。
この公文書を、情報公開請求で入手し、公文書の内容を精査・分析して
不正や違法を明らかにしてきたのが、オンブズ活動。

わたしも、何かことが起きると、まず情報公開請求し、
この手法を活用してきた。

ところが、現場では、公文書の管理はずさんで、あるはずの公文書が紛失したり、
つくられていなかったり、ということが多い。

現在、ほとんどの自治体では、
曲がりなりにも「公文書公開条例」が制定されているが、
「公文書管理条例」があるところは、ほとんどない。

「情報公開法」「個人情報保護法」に続いて、
国の「公文書管理法」が、6月24日に成立した。

「公文書管理法」は成立したけれど、この法律だけでは、
ずさんな公文書の管理には不十分との指摘・批判も多い。

まずは、厳密な法の運用によって、ずさんな公文書管理の実態をあらため、
さらに、公文書を統一ルールによって、「国民共有の知的資源」である
公文書を適正に管理してほしい。



公文書管理法、実効性は未知数 政令づくりはこれから
47news 2009.6.24

 公文書の適切な管理や保存に向けた政府の統一ルールを定めた公文書管理法が24日成立し、厚生労働省によるC型肝炎患者のリスト放置など行政の信頼を失いかねないような「ずさん管理」の再発防止が期待される。ただ、管理・保存の具体的な基準を盛り込む政令づくりはこれからの課題。どこまで実効性を担保できるかは未知数だ。
 公文書管理法は各省庁ごとに対応がバラバラだった文書管理に関し、文書ファイル管理簿作成や、国立公文書館に移管された公文書の目録づくりを義務付けている。保存可能な公文書の量を飛躍的に増やすため、データの電子化推進も要請。内閣府は「体系化した管理により資料紛失といった初歩的ミスはなくなる」としている。
 また文書廃棄には首相の同意を必要とし、役所側の裁量による処分にも一定の歯止めをかけた格好だ。
 しかし、膨大な文書の存廃を首相が判断するのは実際には不可能。保存の必要がない文書の判断も、公文書管理法は「事案が軽微な場合」としか規定がなく、実際に政策決定過程の検証に役立つかどうかは疑問が残る。
2009/06/24 19:27 【共同通信】



公文書管理法が成立=作成・保存に統一ルール
時事通信社 2009.6.24
 
 省庁ごとに管理方法が異なっている公文書の作成や保存に関して統一ルールを定めた公文書管理法が24日午前の参院本会議で全会一致で可決され、成立した。各公文書には、政令に基づいて保存期間を設定した上で、期間が満了した文書を廃棄する場合は、担当閣僚が首相と事前協議し、同意を得ることを義務付けた。2011年4月から施行される見込み。 
 同法は、薬害肝炎の症例リストの放置や、年金記録漏れなど、省庁によるずさんな文書管理が表面化したことを受けて福田康夫前首相が法制化の意向を表明。政府案が今年3月に提出され、与野党が修正協議を重ねてきた。
 同法は、公文書について「国民共有の知的資源」と明記。歴史的に重要な公文書は国立公文書館に移管し、永久保存すると規定した。与野党の修正協議の過程で、民主党が主張していた「公文書管理庁」設置は見送られたが、公文書の管理を担当する機関の在り方などを検討するため、施行後5年をめどとする見直し規定も盛り込んだ。(時事通信社 2009/06/24-10:32)


 「公文書管理法案」 


【社説】 公文書管理法 存廃の基準があいまいだ
琉球新報 2009年6月27日 

公文書の管理、保存体制強化に向けた公文書管理法が成立した。年金記録紛失に象徴される官公庁のずさんな文書管理は、目に余るものがあっただけに、全会一致の可決は「早急に歯止めを」との国民的要求の反映といえよう。
 公文書は「国民共有の知的資源」である。同法は、そのことを基本とし、役所の説明責任と国民の主体的な利用を明確化した。その意味は大きい。
 今後は省庁に公文書イコール国民の財産という意識を徹底させ、後世に不備なく引き継げる環境の整備に努めてもらいたい。
 官公庁のずさんな文書管理の例は枚挙にいとまがない。厚生労働省では宙に浮いた大量の年金記録のほか、薬害肝炎の被害者リストの放置が問題となった。
 防衛省もしかり。インド洋の給油活動に従事した海上自衛隊補給艦の航海日誌が、保存期限前に破棄されていた。うっかりミスで済まされる話ではない。
 実態を踏まえ、2008年当時に福田康夫首相が有識者会議を設置。そこで出された報告が今回の法案のたたき台となった。
 成立した公文書管理法は、各省庁に文書の保存期間や、その後の取り扱いを「行政文書ファイル管理簿」に記載し、首相に年1回報告するよう義務付けた。
 外部有識者による「公文書管理委員会」を内閣府に設け、適切な文書管理に関する答申も受ける。歴史資料として貴重な公文書は原則、国立公文書館などに移管し、国民が利用しやすいよう請求権を盛り込んだ。
 懸念材料はある。一定の保存期間が経過した公文書廃棄の際には首相の同意が必要とした点は良しとしても、膨大な文書の存廃を首相が適切に判断できるのかどうか。結局は役所の裁量が介在し、首相がよく調べもせず判を押すようなことにならないのか。
 政権に都合の悪い文書は「破棄せよ」ということでも困る。権力側が自在に書いた「歴史」は昔から要注意だ。政策決定過程を透明化し、国民の知る権利にどう応えるか。公文書管理法の成否はそこに尽きよう。
 保存か廃棄かを判断する明確な規定が必要だ。判断基準や権限があいまいだと、恣意(しい)が入り込みかねない。行政の信頼を高めるためにも、国民の知る権利に軸足を置いた具体策づくりが求められている。
(琉球新報 2009年6月27日)



公文書管理法の成立にあたっての会長声明

情報公開と公文書管理は車の両輪である。当連合会は、1999年の情報公開法制定にあたり、公文書管理法の制定が必要であることを指摘してきたが、今般、国会において、公文書等の管理に関する法律が法案修正のうえ成立したこと、とりわけ、法の目的に「公文書等が健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであること」を明記したこと、意思決定過程文書の作成義務が明記されたこと、さらに行政文書ファイル簿の廃棄についての内閣総理大臣の同意等が要件とされたことは評価したい。

しかしながら、この法律だけでは公文書管理は不十分である。

公文書管理担当機関として「公文書管理庁」を設け文書の管理を適正に行わせるとともに、国会や裁判所の公文書、検察庁保管の刑事確定訴訟記録や軍法会議記録についても、行政文書と同様の管理ができるよう、公文書管理法がすみやかに改正されるべきであり、あわせて国会や裁判所の情報公開法も制定されるべきである。文書の移管を受ける国立公文書館は、移管を円滑に受けるために、行政機関本体から距離を置いた組織とするべきである。 

これを機に、地方公共団体においても公文書管理条例を制定し、公文書館における文書管理が促進されることも期待したい。また、政府が中心となり、国会、裁判所と共に、5年後の見直しに向けて、公文書の電子化の在り方も検討するなど公文書管理の抜本的改革を進めることを求めたい。

当連合会は、国民の情報主権の確立を求めて、今後も一層努めていきたい。

2009年(平成21年)6月25日
          日本弁護士連合会
          会長 宮 誠



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歴史と向き合う~部落・在日『差別と日本人』『和解のために』『対話の回路』『<民主>と<愛国>』

2009-07-08 06:00:00 | ほん/新聞/ニュース
辛淑玉さんと野中広務さんの対談、『差別と日本人』が刊行された。
新書版で薄い本だけど、内容は重くて、濃くて、深い。




辛さんが野中さんにインタビューする、という形ではじまり、
対談の合間に、辛さんの適切な解説が入り、差別の実態について、
「・在日」と呼ばれる人たちに対して
日本人がどのようなことをしてきたのか知ることができる。

それぞれが自分のことを語り始める、後半は圧巻である。

辛さんと野中さんの、声高に差別を告発するのではない語り口に、
差別を受けてきたひとの哀しみの深さを、いたみとともに感じる。

差別と日本人 [著者]野中 広務・辛 淑玉 著
■・在日むきだしの問い

角川oneテーマ21/ 760円
[評者]佐川 光晴(作家)

 ダイアローグの名に相応(ふさわ)しい、まさに圧巻の対話である。
 野中は元自由民主党幹事長、辛は著名な人材育成コンサルタントであり、「まえがき」で各々(おのおの)が述べているように、野中は「出身者」、辛は「在日」である。
 ともに社会的に不利な出自を公言しながらも、会話はすぐには噛(か)み合わない。「民」とはいえ日本人男性であり、長く政権与党の中枢にいた野中に対し、辛は在日の女性として歯に衣(きぬ)着せぬ批判を加えていく。さらに対話の区切りごとに辛が書く解説も辛辣(しんらつ)としか言いようがない。
 《野中氏の語る「」には主体的な政策理念や解放理念ではなく、なぜかいつも利権がらみの話がでてくる。に住むわたしの友人の一人はそのことについて、「彼は自民党だったから、良質の運動家は彼には近づかなかったのではないか。だから、具体的な差別の現場で闘っている人との接点が少なかったのではないだろうか」と語った》
 驚くべきは辛の舌鋒(ぜっぽう)の鋭さよりも、野中の懐の深さだろう。これほど根源的な批判を差し挟まれながらの対話を公表するだけの度量のある作家・評論家はまずいない。
 辛も指摘する通り、野中の行動は、沖縄の基地問題をはじめ、「もめごとの処理」の域を出ない場合が多かった。しかしまた、野中ほど人権問題に果敢に取り組んだ権力者もいない。麻生・安倍・小泉等の歴代総理大臣や石原慎太郎と比べたとき、その差は歴然としている。
 なにより出身者だと公言したために野中と家族が被った被害は甚大だった。それは二十歳のとき本名を名乗ることにした辛も同様であって、妻と娘という同伴者は失わなかった野中にむかい、自らの家族や夫との関係を語る辛の言葉はあまりに痛切である。
 差別の歴史も詳述されており、広く永く人々に読み継がれるべき一冊である。
-----------------------------------------------------------------------
のなか・ひろむ 1925年生まれ。83年衆院初当選。官房長官、自民党幹事長などを歴任し2003年に議員引退。現在は社会福祉法人理事長。 しん・すご 1959年生まれ。人材育成コンサルタント。著書に『悪あがきのすすめ』など。
(中日新聞 2009.6.28)



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と在日…噛み合いそうで噛み合わない対話~『差別と日本人』
野中 広務・辛 淑玉著(評者:朝山 実)

(日経BP 2009.6.18 )

「三国人発言」をはじめ、石原慎太郎都知事はどうしてこんなにも差別発言を繰り返すのか……。あきれて憤る辛淑玉氏は、対談の相手である野中広務氏もまた疑いなく、自分に同調するものだと思い込んでいた。しかし、
「昨夜石原と飯を食ったんですよ」
 と、返され、
「え? なんで石原さんと御飯食べられるんですか。なんで!?」
 辛氏が思わず問い質す場面は、ある意味この本のクライマックス部分にあたる。
 野中氏に対して、辛氏は差別の痛みを分かち合うことのできる人間との認識があるからこその、「え?」だ。
 あの石原都知事となごやかに食卓を囲む場面が想像つかず、「どうして?」を連発、激しく詰め寄る辛氏に、野中氏は、
「あんなのボンボンですよ」「あれはまたいい男だから」「彼にも、僕のように忠告をできる人間がおらんといかんでしょ」
 メシを食ったぐらいのことでなんで大騒ぎするのか。不思議だというふうに、野中氏が首を傾げる様子が目に浮かぶ。同時に、周到な根回し、仇敵であろうとも必要とあれば手を結び、川底をさらうかのような情報収集で弱みをつかんでは、政敵を震え上がらせた辣腕政治家の一端が覗き見える場面でもある。
 本書では、総理に推す声が高まりながら、これを辞退し、2003年に政界から引退したものの、いまも存在感を示す野中広務をゲストに、「在日朝鮮人」の辛口コメンテーター・人権問題活動家として知られる辛淑玉がホストとなって問いかける。対談のテーマはずばり、差別。

被差別の話をさせたいのに…
 自民党の総裁選に出馬すれば、過去を洗いざらいネタにされる。野中氏がいちばん気にかけたのは、自分が被差別の出身であること。これまで公式の場で二度、明らかにしてきたものの、一般にはそれほど知られていたわけではなかった。
 しかし、一国の首相を争うともなれば、メディアが放っておくはずがない。自分はよしとしても、家族に被害が及ぶのは避けたかった。明言はされていないが、それが理由だとささやかれてきた。
 だから、この問題に正面から切り込んでいった対談集は、貴重である。ただ、内面を赤裸々に吐露したものを期待すると、前半は失望させられる。
 辛氏は歴史をひもとき、被差別の出身者としての痛みを語らせようとするが、野中氏は自分を政治の世界へ向かわせた一件(大阪鉄道局に勤務していた若かりし頃、弟のように面倒をみた同郷の後輩が、陰で「野中はだ」と吹聴し、野中氏の昇進をねたむ職員たちが騒ぎだした。この直後に大鉄局を退社している)以外、差別を受けたことの怒りは、辛氏のようにストレートに表明しない。
 対談は雑談トークで和やかに盛り上がるものの、テーマとかかわる話になると野中氏の口は重たく、失速しかかる。
 噛み合わなさをフォローするかのように、辛氏はインタビュー本文と別ワクで、読者に差別に関する理解を求めるべく、資料を提示している。
 たとえば、1923年に発生した、死傷者20万2436名、行方不明者4万人を超えるといわれる、関東大震災(※数字は本書より)。「朝鮮人が井戸に毒を入れた」といった流言蜚語を発端に、自警団などによる朝鮮人の虐殺が行われたが、犠牲となったのは朝鮮人だけではなかったことをあげている。
 当時、千葉の福田村(現在の柏市)では、香川県から薬の行商にやってきていた女性や幼児を含む日本人10人が、竹棒やとび口を手にした自警団の人々によって惨殺された。彼らのうち8人が3年から10年の懲役刑に処せられたものの、昭和天皇即位による恩赦で釈放。しかも取調べにあたった検事は、「彼らに悪意はない」と情状酌量を求め、殺害の中心人物の一人は後に村長となった。


以下は、ここ1年のうちに刊行され、紹介したいと思っていて、
下書きに入れてあった本。
一冊ずつが、読み応えがある本で、ひとまとめにする本ではないけれど、
歴史と向き合い、差別を考えるには、よい本だと思う。
関心をもたれたら、読んでほしい。




 
 
  
 

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“アラフォーおひとりさま”の生き方とは? 「男おひとりさま」の活路とは?~社会学者・上野千鶴子

2009-07-07 08:39:31 | ジェンダー/上野千鶴子
今朝も朝から土砂降りの雨。梅雨も本番のようです。

お昼前から、ちょっとお出かけするのですが、
いつものようにキャスターを引いていくと、びしょ濡れになるので、
ジーンズにリュック、にすることにしました。
そうそう、モレラでいまはやりの「長靴」を買いました。これが履きたくて(笑)。



Chesterさんから、うれしいコメントが届きました。

 こんばんは
はじめまして。
いつも楽しみにブログを読んでいるものの一人です。ネットで「上野千鶴子」さんで検索した時にここのブログにたどりついたのがきっかけでした。それからは、ほぼ毎日みています。上野さんの情報だけでなく、たくさんの本の紹介、TV番組、ユーチューブの映像、政治など、いつも沢山の貴重な情報をありがとうございます。先日戸塚で行われた信田さんと上野さんの講演会もここで知って、行ってきました。上野さんの本は沢山読みましたが、生上野さんは初めてで、すごく楽しいかったです。(きわどくて、毒吐きまくり、最初っからすごかったです。)会場はすごく盛り上がっていました。講演の中で上野さんが「私はフェミニストの看板を絶対に降ろさない、だってフェミニズムが私に言葉をくれたんだもん。先人の女たちがその言葉を残してくれたんだもん。だから絶対にフェミニストの看板は降ろさない。」と言い切ったとき、私は感動して涙がこぼれました。私も女性学を知って、言葉を得たと感じた女の一人です。そして会場からは拍手が起こりました。
上野さんはその拍手を聞いて、「ありがとう。」って答えていらっしゃいました。感動して泣いたりとかすると、上野さんはきっと引くんでしょうね(笑)。
これからも、みどりさんのブログを応援します。WANも応援しています。政治的なご意見もたくさん聞きたいです。




こういうコメントをいただくと励みになります。
「ちょっとサボろかな」と思っていたのが「がんばらなくちゃ」と気持ちも変化。
毎日、訪問してくださる人のためにも、毎日やすまず記事をアップしよう
と思っているのですが、今回は、ウイルコムの調子がよくないのと、
雨でぬれるし重いのでノートPCをもって行きません。

で、昨日は、3日分の予約投稿をしました。


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まずは、「上野千鶴子」さんで検索してたどり着いてくださった、Chesterさんに。
上野さんの「男おひとりさまの晩年【1】」を紹介します。

上野さんのところには、さいきん、「男おひとりさま」の取材が増えているようですが、
「男おひとりさまの晩年」は5回連載で、第一回の記事です。
つづきがたのしみです。

緊急提言!「男おひとりさま」の活路とは?
男おひとりさまの晩年【1】

プレジデントフィフティプラス 2009年4.16号別冊
“男おひとりさま”の老後にはあまり光が当てられていない。本当に男は大丈夫なのか。

東京大学大学院教授 上野千鶴子 コメンテーター=吉田太一/キーパーズ社長、山田静江/ファイナンシャル・プランナー(CFP)、飯田道子/CFP、汀 光一/CFP 文=斉藤栄一郎 撮影=宇佐見利明

 昨年のタレント飯島愛さんの孤独死のニュースは、一人暮らしの若い世代にとっても衝撃的だった。老若男女、有名無名を問わず、独り身の一つの終わり方を改めて突きつけられた。

 実際、結婚は単なる選択肢の一つという考え方も増えているし、既婚者であっても死別・離別で再び独身になりうる。こうした世相を背景に、2007年、独身女性の老後をテーマにした『おひとりさまの老後』(上野千鶴子氏著)がベストセラーになり、独身女性の互助組織が各地に生まれるなど、おひとりさまという生き方に備えている女性は多い。
 当然、その陰で“男おひとりさま”も増えており、首都圏では40代前半の男性の非婚率は3割を超えるというデータもある。
 ところが、指南本にせよ互助組織にせよ、“男おひとりさま”の老後にはあまり光が当てられていない。本当に男は大丈夫なのか。そこで今回はプレジデント流の男おひとりさま老後術を探ってみた。

老いるということは自分が弱者になること。
「弱音を吐ける相手」づくりを
 既婚の男性でも、離婚や死別で予期せずして「おひとりさま」になる可能性があります。「再婚すれば」などと甘い考えは捨てるべきです。再婚市場はどんどん狭くなっていますから。
 おひとりさまに欠かせないのは、カネよりもヒト。カネで人間関係は買えません。家族持ちでも孤独な人はいます。逆に一人暮らしでも友達が多い人は孤独ではありません。金持ちや家族持ちより“人持ち”が大事です。
 では、肝心な「ヒト」はどこにいるのか。昔の仕事仲間と一緒にいても、ノスタルジーにふけるだけで、自分が惨めになる。肩書に反応して集まってきた人たちは、肩書がなくなれば去っていきます。仕事仲間は仕事とともに去りぬ、と割り切りたい。男性は、お互いを値踏みし合う序列意識が特に強く、老後のサークルや町内会でも会長だの幹事だの役職にこだわります。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2に続く)・・・・・・・・・・・・・・・・・
(プレジデントロイター 暮らしの裏ワザ事典 2009年 7月 06日)


「男おひとりさま」だけでなく、「アラフォーおひとりさま」の生き方の指南役も。
辻元清美さんと、アラフォー世代の人向けの本も書いていらっしゃるとのこと。

 “アラフォーおひとりさま”の生き方とは? 社会学者・上野千鶴子さんに聞く 自分のお金・住まい・時間を確保
西日本新聞 2009年05月17日 11:22

 社会学者、上野千鶴子さん(東大大学院人文社会系研究科教授)のベストセラー「おひとりさまの老後」で、高齢者のシングルライフに対する関心が高まっている。既婚・未婚にかかわらず、多くの高齢者が直面する1人暮らし。著作でその心構えや暮らしの知恵を明るく説いた上野さんだが、「これは(団塊世代で独身の)私のような女のために書いた」本で「アラフォー(40歳前後)世代は、シナリオが違う」と語る。では、最近増えている未婚女性、“アラフォーおひとりさま”の生き方とは?
 (聞き手・大矢和世)

 〈結婚の値打ち〉
今春、北九州市で講演を行った上野千鶴子さん。歯切れの良い口調で、アラフォー版「おひとりさま」のライフスタイルを語った 団塊世代は存外、老後が安心。持ち家率が高く、定年まで何とか会社が持ちこたえたから、厚生年金もそれなりに入る。既婚率も高く、夫をみとれば妻にも遺族年金が入る。子どもを2、3人生んでいれば、老後を頼ることもできるかもしれない。
 近代の女性にとって、結婚は「しなければ生きていけない」、いわば生活保障財だった。でも、終身雇用は崩れ、生活保障財としての結婚の値打ちは下がった。結婚は「あればいいね」というくらいのゆとり消費財になり、ライフプランの選択肢の1つになった。
 アラフォー女性の特徴は、既婚有職者と非婚有職者が増えたこと。非婚シングルは親と暮らす人が多く、さほど高収入でなくても自分の自由になるお金がある。パートで割の悪い仕事をして、家では家事に追われる母親をじーっと見て育ち、「こんな結婚ならしない方がまし」と思う娘がいても無理はない。

 〈アラフォー世代の親子関係〉
ベストセラー「おひとりさまの老後」(左)と、上野さんが編集長を務めた「おひとりさまマガジン」 昔、女性が結婚したら「他家の人」で、介護も夫の親が最優先で、実家は後回しだった。でも今は「介護されるなら嫁より娘」。結婚しようがしまいが、実親の介護という問題が、娘について回るようになった。

 急速に高学歴化したのもアラフォー女性の特徴。団塊世代の女性は「期待されないつらさ」だったけど、今の女性には「期待される重圧」がある。息子並みに成功しなくては一人前でない。かつ女としての幸せも達成したい。ゴールが1つじゃなくなったんです。
 一方で娘の方にも打算がある。「帰ってくれば飯に風呂」、こんな楽な生活は手放したくない。結婚願望は低くないけれど、妥協して生活水準は下げたくない。「いつか誰かが」と思い続け、確信犯ではなく、なし崩し的にシングルになる。

 〈おひとりさま向けの社会保障〉
 アラフォー世代は親世代の影響を直に受けているから、どこかで「結婚すれば人生が根こそぎ変わる」と思っている。だから結婚出産の可能性が消えるまで、ライフプランを立てられないでいる。でもおひとりさまは夫や子どものインフラに頼れないのだから、自分のお金・住まい・時間を確保することが暮らしていく条件になる。
 たとえ親の遺産があっても、資産劣化の可能性がある。やはり自分の収入、そしてそこから出る自分の年金は絶対手放してはいけない。
 また、高齢者になれば住宅弱者にもなる。誰にも遠慮せず、誰からも追い出されない自分1人の空間を確保すること。
 そして時間は1人ではつぶせないし、ひとりでにはつぶれない。1人でいたくないとき、調達できる友人を何人か確保しておく。電話でもメールでもいい、話し相手さえ十分いれば、孤独にはならない。
 おひとりさまが1人で死にゆくためには、一生自分の金で生きていくことができるような年金制度、そして家族の介護に頼らないですむ「おひとりさま仕様」の介護保険制度が必要。
 世論調査をやると「福祉のために今以上の負担に応じるつもりはあるか」と問われて「はい」と答える人の方が多い。でも負担増する上では、社会保障の抜本的な構造改革が必要。アラフォー世代は上の世代を見て「年金食い逃げしやがって」などと言ってる場合じゃない。老後の安心がかかってるんだから、自分自身が要介護高齢者になる前に、政治にしらけず、社会にしっかり目を開けなきゃいけません。
=2009/05/17付 西日本新聞朝刊=


今日明日は、イベントやジェンダーコロキアムに参加することもあるのですが、
WANのことなど、上野さんと折り入っての相談があり上京します。


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山県ポスター費問題:検察審査会に再度申し立て/生活保護打ち切り男性衰弱死

2009-07-06 16:50:16 | 市民運動/市民自治/政治
6月に咲いていたスモークツリー。
(ウルシ科・和名ハグマノキ・別名カスミノキ、ケムリノキ)

わが家の木は、高さは3mほどの矮性種。
たくさん枝分かれして伸びていたので、春先に高枝ハサミできったら、
まとまった樹型になりました。


花自体は目立ちませんが、
花の散った後に、花柄にふわふわした毛のようなものが伸びてきます。
それがちょうど煙のように見えるので、
「スモークツリー(ケムリの木)」と呼ばれています。
  

  


長い間、じゅんばんに咲いてきて、ほわほわとケムリのようにきれいだったのですが、
イマは、ケムリのように消えてしまいました(笑)。

足元には、草が生える前に植えた真っ赤なお花。↓矮性ダリアたち。
  


エゴノキ(ロクロギ・チシャノキ)とハクウンボク(白雲木)もきれいでしたよ。
  

  


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7月1日に、山県市議選のポスター代水増し請求問題でふたりの議員(当時)について、
検察審査会の不起訴不当の決定を受けながら検察が不起訴処分にした事件について、
検察審査会に二度目の申し立てをしました。

裁判員制度も始まったが、検察審査会も市民から選ばれた人たち。
検察は、市民の決定に真摯に対応してほしいものです。

以下は、関連の新聞記事です。
検察審査会に再度 申し立て 山県市議選 ポスター問題 2009年7月2日 中日新聞
 2004(平成16)年の山県市議選をめぐるポスター代水増し請求事件に絡み、岐阜地検が当時の同市議選候補者2人を詐欺罪で不起訴処分(起訴猶予)としたのを不服として、同市民らが1日、岐阜検察審査会に2度目の審査を申し立てた。
 申し立てたのは、寺町知正同市議ら3人。
 同事件に関しては、岐阜地検が07年12月に起訴猶予としたが、同審査会が不起訴不当と議決したため再捜査。
 しかし、岐阜地検はことし3月、再び起訴猶予としていた。
 審査申立書では、岐阜地検が2度目の起訴猶予とした理由の一つを「この種の公金詐欺で被筈弁償したのに起訴された事例がない」としたことについて、「政治家の刑事犯は特に厳罰に処されるべきで、他に例がないとの理由づけは許されない」などと指摘し、起訴相当か不起訴不当の議決を求めている。

ポスター費水増し 検察審は再審査を 山県市議ら申し立て  2009年7月2日 岐阜新聞
 二〇〇四年の岐卓県山県市議選にからむポスター製作費の水増し請求事件で、岐阜地検が二度起訴猶予とした宮田軍作市議と当時市議だった横山善道県議について、同市の寺町知正市議らが一日、処分は不当として岐阜検察審査会に再度の審査を申し立てた。
 寺町市議は、審査会の不起訴不当の議決を受けながら再び起訴猶予とした地検の処分を「多くの県民に強い不安感と失望感をもたらした」と批判。起訴相当か不起訴不当の議決を求めている。
 岐阜県警は〇七年、宮田市議と横山県議を含む七市議と印刷業者らを詐欺容経で書類送検したが、同年十二月に岐阜地検は全員を起訴猶予とした。
 うち辞職しなかった宮田市議と横山県議に検察審査会は昨年六月「公金意識が薄い」と不起訴不当を議決。岐阜地検は今年三月「進退は民意にゆだねるべきだ」として再び起訴猶予としていた。

山県市議選ポスター費問題:検察審査会に再度申し立て /岐阜
2009.7.2 毎日新聞

 04年4月の山県市議選を巡る選挙ポスター製作費水増し請求事件で、寺町知正市議らは1日、詐欺容疑で書類送検されて2度にわたって起訴猶予となった2議員について、「起訴相当」か「不起訴不当」の議決を求め、岐阜検察審査会に再度審査を申し立てた。
 寺町市議は「政治家の不正を放置するもので許しがたい」と主張。この事件では、7議員が書類送検され、全員が07年12月に起訴猶予処分となった。このうち県議と市議の計2人について、同審査会は08年6月、不起訴不当と議決したが、岐阜地検は今年3月、再度起訴猶予処分とした。【鈴木敬子



 Webページ のデータの所在 
選挙公営問題のまとめのページ  いろいろなデータあり

 ● 2009/7/2 上記中日新聞と審査会への再度申し立ての新聞の印刷用PDF版
 ● 2009/4/2 検察が再度不起訴にしたことの新聞記事の印刷用PDF版
 ● 検察審査会への再度の申し立て書 印刷用PDF版
 ● 検察審査会への再度の申し立て書 データ・ワード版



お隣の三重県桑名市では、友人の市民派議員、小川まみさんの一般質問で、
生活保護打ち切りの53歳の男性が衰弱死していたことがわかった。

桑名市長は、「再発防止を指示した」と前向きな答弁をしたようだが、
死んてしまった人は生き返らない。
どのような事情があろうと、憲法では、すべの人に
健康で文化的な生活を営む権利が保証されている。

不況の中で貧困が広がり、そこが抜けている社会だからこそ、
セーフティネットとして、行政が果たすべき役割は大きい。

生活保護打ち切りの53歳衰弱死、再受給問い合わせ後
2009.6.18 読売新聞

 三重県桑名市で、生活保護を打ち切られた一人暮らしの男性(53)が今年4月に栄養失調で衰弱死していたことが17日、わかった。
 この日の同市議会一般質問で取り上げられ、市側は「今回のケースを重く受け止め、このようなことが二度と起きないよう、最善の注意を払っていきたい」と答弁した。
 同市によると、男性は昨年6月に清掃のアルバイトの仕事がなくなったといい、同8月から生活保護費を受け取った。しかし、男性が同12月に支給窓口を訪れなかったことから、担当職員が今年1月、自宅を訪問。この際、男性は「日雇い労働者の仕事が見つかったので、今後はそれで生計を立てていく」と話したため、市は以降の支給を打ち切った。
 同2月には、男性から「仕事が駄目になりそうだが、再受給は可能だろうか」と問い合わせの電話があり、市の担当者が「本当に駄目になったら相談に来てほしい」と伝えたが、その後、連絡がなく、4月26日に自宅で死亡しているのが見つかった。死亡は発見時の1、2日前とみられるという。
 水谷元(げん)市長は「不況で厳しい状況が続いており、再発防止を指示した」と話している。
(2009年6月18日09時25分 読売新聞)



生活保護打ち切り男性衰弱死 再発防止へ桑名市が対策
(まみのちょっと一言 2009.6.22)

桑名市で生活保護を打ち切られた一人暮らしの男性(53)が栄養失調で衰弱死した問題について、18日開かれた同市議会一般質問で再度取り上げられ、小川まみ市議(無所属)が、「保護の必要性を考慮せず、本人の申告だけで判断したのは不適切な対応だったのではないか」とただした。
内田省己・市保健福祉部長は「本人の意志を尊重して再保護の相談を促していた」と答弁したうえで、再発防止に向けて「民生委員と連携し、水道や電気などの使用状況から、情報をキャッチするなど、保護行政に漏れがないようにしていきたい」と述べた。
さらに、職員研修で保護の開始や廃止について十分配慮できるような取組を始めたことを明らかにし、近隣の市町とも情報交換し、判断が難しいケースに対応する考えを示した。  
(2009年6月19日 読売新聞)



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速報!川勝平太氏が当選~静岡県知事選(7/5)/東京都議選(7/12)の行方は・・・

2009-07-06 01:41:48 | 市民運動/市民自治/政治
7月5日に投開票された静岡県知事選挙で、
民主、社民、国民新党推薦の川勝平太氏が当選した。

自民、公明推薦の坂本由紀子氏と、最後まで接戦だったけれど、約2万票差。

途中に開票速報がでたけれど、なかなか当確が出ないので、いったん寝て、
また起きてきてブログの速報を書いている。

川勝平太氏も坂本由紀子氏も、ちょくせつは知らない人だけど、
自民に負けてほしいと思っていたので、まずはめでたい。


【政治】 静岡県知事に民主推薦の川勝氏  
中日新聞 2009年7月6日 00時31分

 前知事の辞職に伴う静岡県知事選は5日投開票され、無所属新人で前静岡文化芸術大学長の川勝平太氏(60)=民主、社民、国民新推薦=が、無所属で前自民党参院議員の坂本由紀子(60)=自民、公明推薦=、無所属で元民主党参院議員の海野徹(60)、共産党公認で党県委員会常任委員の平野定義(59)の新人3氏を破り初当選した。
 民主党は名古屋、さいたま、千葉の政令市長選に続き、主要地方選4連勝し、東京都議選(12日投開票)や政権交代への大きな弾みとなった。麻生内閣は「衆院選の前哨戦」と位置付けられた選挙に敗れ、さらに苦しい政権運営を迫られることになりそうだ。
 同県での新知事誕生は4期16年ぶりで、国会議員や官僚出身でない民間人の当選は戦後初。投票率は61・05%で、前回の44・49%を16・56ポイント上回った。
 川勝氏は、出馬表明が告示の約2週間前と出遅れたが、民主党を前面に出す戦略が功を奏し、都市部を中心に支持を急速に拡大。鳩山由紀夫代表や岡田克也幹事長らが県内入りし、無党派層を取り込んだ。
 坂本氏は、自民党への逆風から政党色を出さず、副知事の経験や初の女性知事の意義を訴えた。麻生太郎首相は来県せず、女性閣僚や石川嘉延前知事が前面に立ったが、一歩及ばなかった。

 ◇静岡県知事選 開票99%
当 723,912 川勝平太 無新<1> =民社国
  706,743 坂本由紀子 無新  =自公
  331,905 海野徹 無新 
   64,969 平野定義 共新 
(中日新聞 2009.7.6)




川勝氏が当選 坂本氏との接戦制す 知事選
静岡新聞 07/06 00:17

 石川嘉延前知事の辞職に伴い4新人が争った知事選は5日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属の前静岡文化芸術大学長川勝平太氏(60)=民主社民国民新推薦=が終盤まで競り合った無所属の前参院議員坂本由紀子氏(60)=自民、公明推薦=を退け、初当選を果たした。無所属の元参院議員海野徹氏(60)、共産党公認の平野定義氏(59)は及ばなかった。16年ぶりに新知事を選ぶ選挙で有権者の関心は高く、投票率は61.05%と前回選を16.56ポイント上回った。
 次期衆院選の前哨戦として与野党が真っ向から対決。民主党は名古屋、さいたま、千葉の政令市長選に続く大型地方選挙4連勝となり、躍進の流れに弾みを付けた。麻生太郎政権にとって大きな打撃で、首相の退陣論が高まるのは必至。都議選直後の衆院解散を模索する首相は苦しい立場に追い込まれた。
 川勝氏は初の選挙だっが、民主は党本部と県連、民主系県議会会派、連合静岡などで組織する選対がフル稼働し、民主支持層を固めた。鳩山由紀夫代表、岡田克也幹事長ら「党の顔」が次々と静岡入りして街頭に立ち、浮動票を獲得。国政での「政権交代」のイメージと連動させる戦術で支持を集め、自民の強固な組織力で先行した坂本氏を追い抜いた。投票所の出口調査では30~60代まで幅広く支持を集めた。
 坂本氏は「女性の視点で県政を変えよう」とアピールし、投票所の出口調査では女性票の4割超を獲得したが、副知事を経験した行政手腕は集票につながらなかった。自民は衆院選をにらみ、党本部が衆院の選挙区ごと1000人規模の集会を国会議員に指示。古賀誠党選対委員長が頻繁に静岡入り。終盤では舛添要一厚生労働相ら「党の顔」が街頭に立つなど総力戦を展開したが、及ばなかった。
 海野氏は「純粋無所属」掲げ、草の根の支持拡大を狙ったものの、与野党対決のあおりを受け埋没した。平野氏は明確な争点を提示できず、支持が広がらなかった。


【静岡県知事選】川勝氏が当確 大型地方選で民主4連勝 
自民党内に「麻生退陣論」広がる (2009.7.5 産経新聞)



大型地方選挙は、これで自民が4連敗。
東京都議選も衆議院議員選挙も、このままいくとよいのだけれど・・・。
とはいえ、当選はゴールではなくスタート。
当選した川勝氏は静岡県民のために働いてほしい。


【7.5 静岡県知事選】一票に託す思い 新知事に求めるもの
中日新聞 2009年7月5日

 17日間の選挙戦を4日に終えた静岡県知事選。5日の投開票に向け、主役の座は候補者から有権者へとバトンタッチされた。16年ぶりの登場となる新知事に何を求めるのか。一次産業、商業、医療福祉、県政運営、そしてすべての人に共通する暮らしの観点から「一票に託す思い」を聞いた。

■一次産業
 「おいしい静岡のお茶を全国に売り込んでほしい」。県特産の茶産業を支える農家から、強く求める声が上がった。島田市金谷の三代続く茶農家進士晴弘さん(49)。「いい茶を作っても、流通に乗って売れないとどうしようもない。収入は極端に減り、後継者も不足」と嘆き「宮崎、千葉、大阪と、今や知事の強力なトップセールスで差がつく時代だ」と訴える。
 漁業者からは後継者難をより強く訴える声が出た。焼津市田尻北の若手漁師の長谷川一孝さん(34)は「今の漁業には若い人がいない。子どもたちに漁業に関心を向けてもらえるような仕組みをつくって」と話す。日本一深い駿河湾の豊かな漁場に恵まれた静岡だが、燃料費の高騰など漁業を取り巻く状況は厳しい。

■商 業
 「子どもには自信を持って『跡を継ぐよ』と言ってほしい。そんな商環境を整えてくれる人に一票を託したい」。富士宮市の宮町商店街で文具店を営む吉沢利一さん(72)の願いだ。
 同商店街ではここ10年ほどで3割以上が店をたたんだといい「郊外に大規模店が進出した影響。規制緩和は大事だが、地域のつながりの核でもある商店街に未来がなくなるのはおかしい」と語気を強める。
 浜松市中区の釣具チェーン会社社長の石黒衆さん(59)は「文化的な発想で静岡県の未来を語ってほしい」と注文した。候補たちと同じ団塊世代。「この世代にはこんなことができるんだと示してほしい」とも。

■医療福祉
 県西部の病院に助産師として勤める浜松市東区の倉見祐佳里さん(36)の理想の知事像は「10年後もその先も老若男女、既婚、独身を問わず、平等に社会的恩恵を受けられる枠組みをつくることができる人」。これまで知事を「遠い存在」と感じていた。「西部には中、東部のような県立病院がなく、県の母子保健事業の展望を感じにくかった」と苦言を呈す。
 浜松市内で視覚障害者作業所を運営するNPO法人「六星」理事長の斯波千秋さん(59)は「机上のデータに頼らず各施設を訪ね、現場の状況を肌で知ってほしい」と願った。「福祉や医療の水準はまだ低く、支える職員やケアマネジャーらの所得も一般企業と比較にならないほど低い。現場の汗が報われる施策に取り組んでほしい」

■県政運営
 新知事を支えていく県庁の事務方も、期待を込めて登場を待っている。浜松市中区の県職員溝口久さん(51)もその1人。「公務員は市民の要望のはざまに立つ宿命にある。そのはざまで咲く花になるよう、やる気を高めてくれることを期待したい」と話した。

■暮 ら し
 「子どもが安全に暮らせるよう、心配りしてくれる人を選びたい」。二児の育児に追われる静岡市清水区の主婦西ケ谷美代さん(34)はきっぱり言う。「大規模な公園やハコモノ施設は多いけれど小さな公園が地域に少ないし、通学路は車の通行が多いのに信号や横断歩道の整備が不十分」と不満を漏らした。
 「過疎高齢化が進む山側にもっと目を向けてほしい」と話したのは、浜松市天竜区佐久間町の山間部で暮らす地域おこしグループのリーダー鎌倉亀代さん(58)だ。選挙戦では中山間地を重視して訴えに回る候補が目立ったが「公約の実現に全力で努めてほしい」と念押しする。
 そして、あらゆる有権者の思いを代弁するように、こう締めくくった。「地域の人たちは、愛着のある土地で安心して暮らせることを願っています」
中日新聞 2009年7月5日



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webで静岡県知事選の開票結果を検索していたら、
7月12日に投開票の東京都議選で、朝日新聞世論調査が出た。

都議選でも、やはり自民党より民主党が優位のようだ。
個人的には、二大政党よりは、生活者ネットや市民派議員に当選してほしいが、
自民党が負けるのはうれしい。
石原都知事がなりふり構わず自民候補者の応援に行っているそうだが、
ねがわくば、石原都政もいっしょにこけてほしい。



都議選投票先、民主28%自民15% 朝日新聞世論調査
朝日新聞 2009年7月6日

 12日投開票の東京都議選について、都内の有権者を対象に朝日新聞社が4、5の両日実施した世論調査(電話)によると、民主党候補に投票すると答えた人は28%で、4年前の前回選挙調査時の19%から大幅に増えた。自民党候補に投票する人は15%で前回の17%からやや減らした。
 投票先を決めた人に「どの政党の候補者か」を聞き、決めていない人には「もし今日、投票するなら」と、2段階で聞いた。決めた人では、民主12%、自民9%、公明5%、共産3%など。決めていない人では、民主16%、自民6%、公明1%、共産1%、社民1%などだった。
 調査時点で投票態度を明らかにしない人は4割いる。同じ政党の候補者が複数立候補している選挙区もあり、投票先の比率が議席にそのまま反映されるわけではない。4年前の同様の調査で19%だった民主は35議席を、自民は17%で48議席を獲得した。
 都議選に「大いに関心がある」人は37%。前回の19%、前々回の29%に比べ、関心は高いといえそうだ。
 都議選で投票する人を決めるとき、衆院選の投票先をどの程度考慮するかを聞くと、「大いに考慮する」24%、「ある程度する」44%、「あまりしない」22%、「まったくしない」9%だった。
 「大いに考慮する」人の投票先をみると、自民16%対民主44%。「ある程度する」人でも自民16%対民主29%。衆院選を考慮するほど民主の優位が強まっている。



【2009都議選】私たちはこう考える 都議選政党アンケート<1> 
東京新聞 2009年7月5日

 十二日に投開票される都議選で、東京新聞は候補者を擁立している主要六政党に対し、都政の主な争点や課題について、党としての考え方をアンケート形式で聞きました。各党の回答を五回に分けて紹介します。

<質問> 石原慎太郎都政の10年間をどう評価しますか。
自 民 
 大いに評価する。就任以来、二次にわたる財政再建を進め確固たる財政基盤をつくった。ディーゼル車規制や不正軽油撲滅作戦、CBOベンチャー育成などわが国を牽引(けんいん)する先駆的な施策を打ち出してきた。東京のあるべき姿を示す「十年後の東京」を策定し事業推進している。

民 主
 功罪で言えば、罪多き都政でした。政策面では、新銀行東京の実質的破綻(はたん)に象徴的に示されるように、石原知事の思いつきに振り回され、組織面では、知事のお好み、身内、お友達重視の人事で職員の士気が低下し、幾多の有能な人材が都庁を去ってしまいました。

公 明
 評価する。財政再建を成し遂げ、認証保育所、東京ER、ディーゼル規制、温暖化対策の強化などを進めた。最近では、中学生までの医療費の助成、東京盲ろう者支援センター設置など公明党の主張を実現した。さらに公会計制度改革、羽田空港国際化など実績を上げた。

共 産
 落第点。老人医療費助成など次々切り捨て、老人福祉費の割合は全国二位から最下位に。一方で、新銀行の無駄遣いや汚染した豊洲への市場移転を推進、五輪を口実に巨大開発に九兆円もつぎ込もうとしています。これらに賛成した自民、公明、民主の責任も重大です。

ネット
 自然エネルギー政策が、国をリードするかたちで進んだ一方で、環境保全に逆行する外環道推進など、政策はちぐはぐです。外形標準課税、新銀行東京と、トップダウンの施策を強引に展開し、どれもうまくいっていません。新銀行に至っては、無駄遣いも甚だしい。

社 民
 障がい者や女性への差別発言のように人権感覚がない知事で、医療や福祉が後退しました。世界都市を掲げていますが、東京が人が暮らす「生活のまち」であることを軽視し、都民の暮らしにかかわる施策も後退しました。 



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がんを見つめる~戸塚洋二 最期の挑戦/『死の海を泳いで スーザン・ソンタグ最期の日々』

2009-07-05 17:19:53 | ほん/新聞/ニュース
昨日の続きで、伊吹山のお花を紹介しようと思ったんだけど、
パソコンの調子が悪くて、ネットワークがつながらないので、
画像の倉庫に入れない。

ともちゃんが見てくれたんだけど原因がわからなくて、
詳しい友人がやってきて、直してくれているところ。
で、この記事はレッツノートで書いている。
こうなると、PCのことがからしきダメなわたしはお手上げ。

前に送ってあったほんの紹介をすることにしましょう。

さいしょに、
今夜、BS1のハイビジョン特集で、
先日本を紹介した戸塚洋二さんのことが放映されるとのこと。
名古屋放送局制作の番組。
見逃した人には、来週の日曜日にも再放送される。

 ハイビジョン特集 「物理学者 がんを見つめる ~戸塚洋二 最期の挑戦~」

7/5(日) 後10:00~11:29 (全国放送)
7/12(日) 後4:30~5:59(再) (全国放送)

去年がんで亡くなった物理学者・戸塚洋二さん(享年66)。小柴昌俊博士のもとで、太陽や超新星から飛来する謎の粒子・ニュートリノを研究、めざましい実験結果で宇宙物理の常識を次々と覆してきた世界的な実験物理学者で、小柴博士に次ぐノーベル賞候補と目されていた。実験を通して生涯、宇宙の生と死に向き合った戸塚さんは、晩年、自分のがんを科学論文さながらに分析したブログ(インターネット上の日記)をつづっていた。ブログからは、戸塚さんが闘病に際しても常に新しい治療法や独自の解析に挑み続けた様子、そして客観的な科学の目を持って必死に「死の恐怖」と向き合ってきた様子が伝わってくる。「生きること、科学者であること」を最後の最後まであきらめなかった戸塚洋二さんの力強いメッセージを伝える。
【語り】広瀬 修子
【朗読】石橋 蓮司



2009-06-24 『がんと闘った科学者の記録』戸塚洋二・著、立花隆・編


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村上春樹が受賞したエルサレム賞を2001年にスーザン・ソンタグが受賞した。
このスピーチが収録されている「この時代に想う テロへの眼差し』で、
わたしはスーザン・ソンタグのことを知ったのだけど、
かのじょは2004年に、がんで亡くなってしまった。

今年になって、病気と闘って逝った、スーザン・ソンタグのことを、
息子のデイヴィッド・リーフが書いた本『死の海を泳いで』が出版された。

毎日新聞と中日新聞につづけて書評が出たので、
読んでみたいと思い、高島屋の自由書房で買ってきた。

 

人生で3度目の癌との闘いにより2004年暮れに亡くなるまで,ソンタグは死の荒海を泳ぎ続けた.その一人息子が,病いの告知から死に至る母親の壮絶な9カ月間を書きとめたのが本書である.余命いくばくもない病魔に犯された肉親にどう向き合うか,家族は何ができるかを問う渾身のノンフィクション.(解説=富山太佳夫)


読みはじめたら止まらなくなって一気に読んだのだけど、
迫りくる死を目前にしての、壮絶な生きざまが、胸に迫る。

もしわたしだったら…という問いを、幾度となく繰り返した。
読み終わってぼうぜん。重い荷物をどんと渡されたような感じ。
ちょっと言葉が出てこない。


■書 評 「死の海を泳いで スーザン・ソンタグ最期の日々」 [評者]大石 芳野(写真家)
[著者]デイヴィッド・リーフ著 上岡伸雄訳
岩波書店/ 1890円
中日新聞 2009.5.17

■生に執着する姿を赤裸々に
 批評家で作家のスーザン・ソンタグは、世界に影響を与えてきた一人である。とりわけ、母国アメリカのアフガニスタンへの攻撃やイラクでの戦闘に関しては大きな論議を巻き起こした注目すべき存在であった。この書は彼女が癌(がん)に冒されて亡くなるまでの九カ月間を、一人息子の著者が寄り添い見守り続けたルポルタージュである。

 ソンタグの著作の迫力を思い出せば決して意外ではないのだが、それでも生に対する執念に圧倒される。同時に死にざまの凄(すご)さでもある。著者は言う。「母が生きたように死んだということだ。つまり、死を受け入れようとしなかったということ。あれほどの痛みに苦しむようになってからも」
 患者や家族は不安のどん底にあって藁(わら)をも掴(つか)みたい心境のなかにある。医師のちょっとした言葉にも深く傷つく。この親子もそれを存分に味わう羽目になった。主治医はいきなり「骨髄異形成症候群」という病名を告げ、「この病気は、特に致命的な血液の癌」だと言った。呆然(ぼうぜん)としている二人に対して医師は彼らがまるで「村の名だたる愚か者の一族であるかのよう」な態度で臨んだという。
 そして彼女は生への欲求を強めると同時に、死への恐怖を激しく示した。「今にきっと不老不死の薬が」「長生きしたいのは世界がどれだけバカらしくなるか見たいから」などと言う母の目標は「生き続けること」だった。地獄のような苦痛のなかでひたすら生き抜きたいと願ったのだった。
 愛(いと)おしい肉親の死を目前にして、大きな悲しみと戸惑い、さらにのしかかるディレンマは誰にとっても決して他人ごとではない。
 人間とは何か、生きるとは、死ぬとは……この傑出した思想家にして、死の淵(ふち)にあって喘(あえ)ぎ苦しんだ姿が赤裸々に、しかし品格を持って綴(つづ)られている。人の生への執着とはこれほどまでのものかと深く考えさせられる。
--------------------------------------------------------------------------David Rieff  1952年生まれ。編集者を経てノンフィクション作家・政治アナリスト。
中日新聞 2009.5.17



 今週の本棚:堀江敏幸・評 『死の海を泳いで…』=デイヴィッド・リーフ
毎日新聞 2009年5月10日

 ◇母の強さと弱さ、その苦痛へのまなざし
 スーザン・ソンタグが骨髄異形成症候群(MDS)と診断されたのは、二〇〇四年三月のことだった。一九七五年に乳癌(にゅうがん)を、一九九八年には子宮肉腫(にくしゅ)を宣告されながら生還した経験のあるソンタグは、ほとんど治癒不可能と知らされたにもかかわらず、今回も生き延びることを信じて最期まで戦いつづけた。亡くなったのはその年の十二月末、享年七十一。本書は、九ケ月間におよぶ戦いを間近で見つめ、励まし、生きようとする彼女を支えてきた者の、鎮魂に満ちた回想録である、とひとまずは言えるだろう。
 著者のデイヴィッド・リーフは、犀利(さいり)な批評的散文と、無骨だが魅力的な小説の書き手として知られるソンタグの実子である。母親はわずか十七歳で結婚し、二十四歳で離婚した。彼女は一九三三年、息子は一九五二年に生まれているから、ふたりは二十歳も離れていないことになる。息子はのちに編集者となって母親の本を手がけ、やがて自身も書くことを選んで、政治アナリストとしても知られるようになった。ぎくしゃくした時期もあったとみずからも記しているが、それを乗り越えて、彼は渾身(こんしん)の力で最晩年の母親を支えた。
 なにしろただの母親ではない。十六歳のときの日記に、「私には自分がもはや生きていない日が来るなど想像もつかない」と、生きることへの強い執着を書きつけていたひとである。何があっても死を拒み、生き残ること。そのために彼女は、ありとあらゆる情報を集め、最新の治療法に身を委ねようとした。息子もまたそれにあわせ、「母を死の可能性と向き合わせまいとした」。しかし、予想された結末が訪れ、すべてが終わったあとになって、彼は、自分の選択が正しかったかどうか問いつづけることになった。
 ソンタグの実父は、彼女が四歳の時に中国で亡くなっている。再婚を選んだ母親の冷淡さとも、継父の明るさとも、彼女はうまく波長を合わせることができなかったという。アリゾナの町で、喘息(ぜんそく)に苦しみながら暮らしていた少女は、こうした負の環境を抜け出し、思わしくない確率をすべて打ち破って、「自分だけは例外になる」と念じ、またその可能性を信じるようになる。ニューヨークに出て、作家になること。そして、小説を書くことを彼女は夢見、実現していく。
 息子は、そんな途方もない意志の人が三度の病といかに戦ったかを、医師たちの言動をまじえて精緻(せいち)に記す。そのつど「根治的」な方法を選択していった母親の、どんなに叩(たた)いても割れない鉱物のような硬さに感嘆し、同時に、特定の方向から力を加えればたちまち壊れる弱さをも理解していく。
 その過程は、いわば母の再発見でもあった。見ないふりをしてきた、弱い部分をも認めること。自分の、ではなく、定冠詞のつく使命としての「仕事」をこなすために、愛や快楽を犠牲にしてきた母親との共闘を終えての息子の心は、どうにも収まらない。「母には、自分自身の死に方で死ぬ権利があった」。しかし自分は「いつでも嘘(うそ)をついていたように感じていた」と。
 ここに読まれるのは、母恋いに満ちた息子や妻思いの夫による、涙を誘う看病日誌の類(たぐい)ではない。ほとんど独白といってもいい自省の試みのなかには、母に対する激しい愛と、それに匹敵する絶望が、いらだちがまぶされている。ソンタグの著書のタイトルを借りれば、それはまさに「他者の苦痛へのまなざし」そのものであり、著者自身の苦痛へのまなざしでもあるのだ。(上岡伸雄・訳)
毎日新聞 2009年5月10日 東京朝刊



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伊吹山に行ってきました-1/ニッコウキスゲ・グンナイフウロ・クサタチバナ・カノコソウ・ミヤマコアザミ

2009-07-04 15:46:50 | 花/美しいもの
先週、思いたって、伊吹山に行ってきました。
6月末に行くのは初めてで、どんなお花にであえるのか、たのしみ。

翌日、ちょうど岐阜新聞の記事で紹介されていました。

伊吹山に夏到来 ニッコウキスゲ見ごろ迎える
岐阜新聞 2009年06月28日 

 岐阜、滋賀県境の伊吹山(1377メートル)山頂付近で、鮮やかな黄色の花のニッコウキスゲが見ごろを迎え、観光客の目を楽しませている。
 伊吹山ドライブウェイ(全長17キロ)の終点、山頂駐車場(1260メートル)から山頂にかけ、高山植物や固有種が数多く自生するお花畑が広がっている。管理運営する日本自動車伊吹山ドライブウェイ事業部によると、ニッコウキスゲの開花をきっかけに、カラフルな夏の花が次々と咲き始めるという。
 ニッコウキスゲは十数株ずつ群生。梅雨晴れの27日は多くの観光客が訪れ、白色の花をつけるイブキトラノオや紫色のミヤマコアザミも咲く中、じっくり観察したり写真を撮っていた。



ということで、まずは、伊吹山頂の「お花畑」で、夏の到来を告げる
●ニッコウキスゲ(ユリ科・日光黄菅)
西遊歩道には咲いていなくて、山頂からちらほら、
ちょっと険しい東遊歩道を下ると群生があります。

この週末くらいは、満開だと思います。


  





伊吹山頂に夏の花 ニッコウキスゲ見ごろ
近江毎夕新聞 2009年07月03日

 伊吹山ドライブウェイを経営する日本自動車道(株)伊吹山ドライブウェイ事業部関ヶ原支店によると、例年並の先月中旬ごろから開花し始めた。七月中旬ごろまで、下り専用の東遊歩道の各所、山頂の南側ベンチ付近でオレンジ色の花が楽しめるという。同花は湿度の高い高原などに群生する多年草。「ゼンテイカ(禅庭花)」が正式な呼び名だが、日光の霜降高原、尾瀬ヶ原の群生が有名なことから、登山者のあいだで、ニッコウキスゲの名が普及した。
 同花の開花を合図に、夏の高山植物群が次々と開花し、七月下旬から八月上旬にかけて「百花繚乱」の見ごろとなる。


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日差しが強いころですが、曇りだし、ちょうどよい気温です。
西遊歩道を登り始めると、

すぐに目に付く白い花は、クサタチバナ。

可憐な小花が集まって咲く、清楚な花です。
  

とても心ひかれた花が、この手前に咲くグンナイフウロ。

昨年、北海道でも見つけたのですが、なかなか名前がわからなくて気になっていました。

●グンナイフウロ
  



山頂付近には、カノコソウやミヤマコアザミが咲いていて、
蝶が蜜を吸っていました。近づいても逃げません。

●カノコソウ(和名:鹿子草/オミナエシ科)
 



●ミヤマコアザミ
  



  

東遊歩道を降りてくる途中には、ニッコウキスゲやイブキトラノオも増えてきます。


●イブキトラノオ


  

最後のくだりはうっそうとした潅木の中。
いつも熊が出てこないか心配しながら下りてきます(笑)。


このあたり、夏にはアサギマダラがよく観察できる場所で、
ヨツバヒヨドリはまだ咲いていないのですが、
もうアサギマダラがひらひらと飛びかっていました。
  

これから、伊吹山のお花畑は、夏本番を迎えます。


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上野千鶴子さん講演動画~WAN京都集会/『セクシィギャルの大研究』『家父長制と資本制』岩波現代文庫

2009-07-03 17:25:12 | ジェンダー/上野千鶴子

ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)サイトが、
5月31日の発足集会の上野千鶴子さん特別講演の動画をアップしました。

とてもいい講演だったので、たくさんの人に聴いてほしい。
とはいえ、まだたった40ヒット。もったいないです。
この講演、名古屋集会でもあるのですが、プレのつもりで聴いてください。

WAN京都集会・上野千鶴子さん講演動画をアップ
上野千鶴子さん講演「女から女たちへ---ウェブ時代の新しいシスターフッドを求めて」
動画公開中! バックラッシュと女性運動の危機を超え、
女たちの新たなつながりをめざすウィメンズアクションネットワーク。
WAN設立集会での、パンチの利いた講演動画をお楽しみください。


WAN設立集会:上野千鶴子氏基調講演 1/2

WAN設立集会:上野千鶴子氏基調講演 2/2


この記事の中に、おなじみのユーチューブの動画、出てないんですよね。
リンクをクリックすると出てくるのですが、
なんで一手間かかるのか、と思ったら、専門家によると、
「画面の右側の「埋め込み」が動画を投稿した人によって
「リクエストによる埋め込み無効」となっている。
ここを「有効」にすると、コードが表示される」とのこと。
なるほど!勉強になりました。
(追伸:埋め込みになっていました)

ついでに、上野さんと松井冬子さんの対談も出ていたので、リンクします。
「埋め込み」を貼り付けたのですが、動画がうまく出てくるでしょうか。


松井冬子×上野千鶴子 1/2

 松井冬子×上野千鶴子 2/2

上野さんと松井冬子さんの対談は、昨年、NHKのETV特集で放映されたもので、
上野ファンが見に来るのか、松井ファンが見に来るのかわかりませんが、
いまだにこの記事へのアクセスが多いです。
松井冬子と上野千鶴子の対談に想う/
ETV特集「痛みが美に変わる時~画家・松井冬子の世界」 (2008-04-22)


ということで、今日の記事は、後半も、上野さん情報でキメル、ことにしました。

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「岩波現代文庫」から「上野千鶴子の仕事」シリーズのという新刊書が2冊出ています。
最初に出たのが「『女縁』を生きた女たち」で、今回は第二弾です。

  
『セクシィ・ギャルの大研究―女の読み方・読まれ方・読ませ方 』

   
『家父長制と資本制―マルクス主義フェミニズムの地平』
 
それぞれ右側は、最初に出た単行本で、わたしは二冊とも持っているのですが、
今回、読み直しても、新たな発見があっておもしろかったです。
特に、何がいいかというと、最後にでてくる「自著解題」。

文庫本になって、内容はともかく「値段」は手に取りやすくなったので(笑)、
硬軟取り混ぜて、ぜったいにおススメです。

『家父長制と資本制』は、父の死の床に寄り添っているときに読んだ本で、
この本のおかげで、わたしは父と和解することができた、というわたしにとって、
忘れられない本で、わたしは一方的に上野さんに感謝しています。
この本の5年前に出た、『資本制と家事労働』は
目からウロコ、でわたしたちは、岐阜で読書会をしました。

考えてみると、わたしの人生の節目には、かならず上野さんの本が登場して、
わたしはいつも上野さんのことばに救われてるなぁ、とあらためて思います。

さいきんは、本だけでなく「ナマ上野サン」とお付き合いしていますが、
『戦後日本スタディーズ2』は、5月に東京に行った時、上野さんからいただいた本。

『戦後日本スタディーズ2 60-70年代』
(岩崎稔, 上野千鶴子, 北田暁大, 小森陽一, 成田龍一編集/紀伊國屋書店(2009/5/19)
 


7月8日には、『戦後日本スタディーズ2巻 60-70年代』の書評セッションがある、
ということなので、東京まで聴きに行く予定をしています。


第6回ジェンダー・コロキアム
『戦後日本スタディーズ2巻 60-70年代』が刊行されました。どれも粒ぞろいの原稿です。全部を扱うことができませんので、そのなかでも上野ゼミ関係者の3つの論文を選び、コメントをしていただくことになりました。執筆者vsコメンテーターの組み合わせも豪華です。どうぞお越しください。

2009年 7月 8日 (水曜日) 18時40分~20時30分
東京大学本郷キャンパス法文1号館315室

書評セッション:
岩崎稔・上野千鶴子・北田暁大・小森陽一・成田龍一編2009
『戦後日本スタディーズ2巻 60-70年代』紀伊国屋書店
福岡愛子「日本にとっての「文革」体験」 コメンテーター:岩崎稔
松井隆志「60年安保闘争とは何だったのか」コメンテーター:中村淳子
北田暁大「問題としての女性革命兵士」 コメンテーター:松井隆志

執筆者・コメンテーター紹介
福岡愛子(社会学、東京大学大学院博士課程)
岩崎稔(哲学・社会思想史、東京外国語大学教授)
松井隆志(社会学、東京大学大学院博士課程)
中村淳子(現代文芸論、東京大学)
北田暁大(社会学、東京大学情報学環准教授)


上野さんにお会いできるのが、たのしみです。


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