みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

3月18日(木)のつぶやき

2010-03-19 00:50:55 | 花/美しいもの
18:23 from web
今日のブログ●続「東京都青少年健全育成条例改正」問題/藤本由香里さんの「意見書」/「(財)日本図書館協会」の要請 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/ce2f081dfd2ea1827b229a69d113480d
18:29 from web
わたしたちが控訴していた岐阜県裏金訴訟の名古屋高裁判決は「棄却」でした(ザンネン)。少しあと、名古屋高裁で知人が提訴していた衆院選違憲判決があった。判決は、1票の格差「違憲」 で原告側が勝訴。よかった!
21:38 from web
P-WANセレクトニュース : 都青少年健全育成条例:改正案 漫画、ゲームなど性描写の規制強化(毎日新聞 2010年3月18日)他http://p-wan.jp/site/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1507
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続「東京都青少年健全育成条例改正」問題/藤本由香里さんの「意見書」/「(財)日本図書館協会」の要請

2010-03-18 09:39:00 | 「ジェンダー図書排除」事件
一昨日のブログでアップした、東京都の3月議会に上程されている
「東京都青少年健全育成条例」問題についての、続編です。

東京都青少年健全育成条例改正案/18歳未満の性描写を禁止
~「表現の自由の侵害」条例案に反対の声明(2010-03-16)



きょうの午後、条例改正案が付託された総務委員会があるようですが、
現時点では、民主党などの反対で「継続審査」となる見込みとのこと。

性描写規制案 先送りへ 都議会 民主、批判に配慮
2010年3月18日 朝刊

 子どもを性的な対象に描いた漫画やアニメを規制する東京都の青少年健全育成条例改正案は、都議会総務委員会で賛成か反対かの採決が先送りされる公算になった。最大会派の民主党は「審議時間が足りない」として継続審査とする方向で各派と調整、継続審査動議を提案して可決される見通し。
 共産党や生活者ネットワーク・みらいも継続審査に同調する見込み。民主を含むこの三会派で委員の過半数を占める勢力になり、十九日の採決で決まる。
 自民、公明は改正案に賛成する方針を固めている。
 改正案では、十八歳未満として描かれている漫画の登場人物を「非実在青少年」と表現。こうしたキャラクターへの性暴力を誇張して描いた作品を、十八歳未満の子どもに販売しないようにする規制を盛り込んだ。
 民主党幹部は「条例の趣旨は賛成だが、懸念が多く寄せられており、払しょくする必要がある」と説明している。
 条例改正案をめぐっては、最大会派の民主だけでなく、自民、公明や議会局などにも「表現の自由を損なう」などとして反対する手紙や電子メールが全国から殺到。特に議会局には十六日からメールが急増し、一日二千通以上が押し寄せた。二月は約六十件、三月は十五日までに約三百件の意見が届いていたが、大きく報道されてから急増した。ただ、漫画全体が規制されるといった誤解もあるという。
 漫画家のちばてつやさんらが十五日、反対のアピールを表明。日本雑誌協会、日本書籍出版協会など四団体でつくる出版倫理協議会も十七日、「当局の恣意(しい)的な判断によって、検閲や弾圧につながる恐れがある」などとする反対声明を発表した。



都の漫画・アニメ規制案 出版4団体が緊急反対表明
2010年3月17日23時39分 朝日新聞

出版業界の4団体で構成する出版倫理協議会は17日、漫画やアニメなどに登場する18歳未満と判断される架空の人物の性描写を規制対象にする東京都の青少年健全育成条例の改正案に対し、「緊急反対表明」を発表した。協議会は「年齢制限のマークをつけたりシール止めを施し、書店やコンビニでの区分陳列や対面販売など、自主規制に努めてきた」とし、改正案は「業界の自主規制の努力をないがしろにするもの。当局の恣意(しい)的な判断で検閲や弾圧につながる」と批判している。
 出版倫理協議会は、日本雑誌協会、日本書籍出版協会、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会で構成されている。出版社から流通企業、書店まで、業界全体にかかわる団体が名を連ねており、日本雑誌協会は「出版業界全体が反対ということ」と話す。


わたしも、ここ数日、この問題に関するニュース等を追ってきましたので、
もっと詳細な情報を知りたい方は、P-WANセレクトニュース
にアップしてありますのでご覧ください。

 
●『民主都議は反対を』 子ども性描写漫画規制案(2010年3月17日 東京新聞)他
●「非実在青少年問題」イベントレポート! 規制が孕む問題とは?
(2010年3月17日 インフォシーク)他

●漫画の性描写、都規制案 結論先送りの方向
(2010年3月17日 朝日新聞)他

●ネット事業者らが一斉反対--東京都「青少年健全育成条例」改正は何をもたらすか
(2010/03/16 CNET japan)他
 

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この問題については、マスコミのミスリードもあるようですが、
日本マンガ学会理事で、今回、いち早く「考える会」を立ち上げて動かれた、
藤本由香里さんの「意見書」に問題点がきちんと整理されているので、
ご本人の了解を得て、転載させていただきます。

     「東京都青少年健全育成条例」の改正案に対する意見書
                                  2010年3月15日
                       明治大学国際日本学部 准教授
                                  藤本由香里

・・・・(略)・・・・・
 出版文化に長く携わり、同時に、マンガ文化・ジェンダーと表象を専門分野とする研究者としての観点から、今回の改正案について意見を述べさせていただきます。

1、 まず、今回の改正案では、「非実在青少年」という新しい用語を導入し、第7条2項「年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満もの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識することができる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性 に関する健全な判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」としているわけですが、このうち、「~として表現されていると認識される」、および「青少年の性 に関する健全な判断能力の形成を阻害…するおそれがあるもの」という規定のされ方、つまり「~に見える」とか「健全な」という言い方は、いくらでも恣意的に判断されるものであり、いくら自主規制とはいえ、対象となる範囲が広すぎるものと思います。

2、上の条文は、日常的な言語に直せば、「18歳未満に見えるキャラクターの性的な行為を肯定的に描写することは、青少年の性に関する判断能力に悪影響を与えるので自主規制せよ」ということになります。「18歳未満」には当然、高校生も含まれますし、女性は16歳で結婚することもできます。現在、高校生の何割かが実際に性体験を持っていることは、統計などからも明らかであり、年齢ごとの発達段階を考慮せずに、3歳も17歳もいっしょくたにして定義する、こうした規定は、<「子供(18歳未満*)」を守る>役割を果たすというより、<青少年の知る権利を奪い、性を自分の問題として考えるための道を閉ざす>「純潔教育」を推し進めようとする規定だと言わざるを得ません。
*児童ポルノもそうですが、わが国の「児童」の定義は「18歳未満」であることには注意が必要です。

3、 こうした規定により、「18歳未満にみえるキャラクターによる肯定的な性描写」があるという一点において、優れた作品が自主規制の対象となることはあってはならないことだと考えます(事実、「児童ポルノ法」に「画像」も含まれるらしい、という噂が流れたとき、書店による過剰な自主規制が実際に起こっています)。そうした自主規制が、わが国のコンテンツ産業に与える打撃は、想像以上に大きいものです。
 かつて隆盛を誇っていたアメリカン・コミックスが、「コミック・コード」と呼ばれる表現規制が引き金となって凋落に向かっていったのと同じことが、日本にも起こらないとは言えないのです。しかも、マンガ・アニメ・ゲームというポップカルチャーの分野において、「いい作品」と「悪い作品」はパッキリと二つに分けられるものではありません。「東京国際アニメフェア」を主催する東京都が、そうした表現規制を行うにあたっては、慎重の上にも慎重でなければならないのではないでしょうか。

4、もしかすると、上のような条文は「自主規制」であって、都が「不健全図書」に指定するのは「強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したもの」に限っている(新8条二項(8条一項))という説明がなされるかもしれません。
 しかし、改正案だけを見るとそう見えるかもしれませんが、「不健全図書」の規定には、すでにその前項が存在しており、そこには「図書類又は映画等で、その内容が、青少年に対し、著しく性的感情を刺激し…青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」(8条一項)と定められています。つまり、もっと包括的に「不健全図書」指定ができる条文がすでにあり、今までもそれに基づいた摘発が行われています。
 つまり実際には、新8条二項の規定には意味はないのであり、いかにも「非実在青少年」の取締りの範囲を限定しているように見せるための目くらまし、として入れているとすら解釈することができます。
 以上のことからもわかるように、今回の改正案は、「氾濫する過激な性表現」を取り締まろうとするものではなく(それに関してはすでに規定があり、現に取り締まられています)、「18歳未満に見えるキャラクターの肯定的な性表現」を取り締まろうとするものです。そのことはきちんと認識していただきたいと思います。

5、次に、「非実在青少年」規制というのは、児童ポルノ法に、画像を含めようとする流れの中で出てきたものだと考えられます。意思に反した、あるいは判断能力を失った状態で撮影された、現実の被害児童が存在する実写の児童ポルノ映像を根絶するよう務めるのは当然のことですが、そこに、実際の被害児童が存在しない画像まで含めようとするのは、はたして本当に児童を守ることになるのかどうか、真に慎重な議論が必要だと思われます。なぜなら、わが国の実際の性犯罪率は、性描写が広く行われてくるにつれて総体的には減る傾向にあると考えられ、表現に非常に厳しい規制をしいているアメリカの性犯罪率は、わが国の数倍に及ぶからです。

6、最後に、出版社ほか、ほとんどのメディアが東京に集まっている現状では、東京での規制は全国規制とほとんど同じ意味を持ちます。
 にもかかわらず、今回の条例案が出されてから成立までのスケジュールは、異常とも言えるほど短く、当該の改正案が発表されたのは、2月24日、意見表明期間は25日一日のみ、3月3日に代表質問、4日に一般質問、質問は事前提出と、議員にも数日の猶予しか許されない日程で、18日の総務部委員会で事実上賛否が決定し、3月末に投票→成立というスケジュールです。
 しかも、ジャーナリストでさえ、こうした条例改正案が出されていることをほとんど知らず、世間の目から隠され、論議もないままに急いで可決されてしまおうとしています。
 民主主義の大原則に照らして、このような決め方に問題が大きいのは明らかです。

 国の論議の場で問題点が指摘され、成立しないでいる表現規制(児童ポルノ法に画像を含めるかどうかの議論と単純所持の問題)を、東京都が先取りして実質的に決めてしまおうとする、これほど影響が広範囲に及ぶ条例が、このような手続きで決められていいはずがありません。この改正案を、今回、ほとんど議論が封じられた状態で成立させてしまうことは、民主主義の根幹を裏切ることだという認識を、どの会派の方々にも持っていただきたいと思います。都議会議員の方々の良識に期待します。 


日本図書館協会も、いわゆる「児童ポルノ」をめぐるこれまでの議論を説明、
「子どもの性に対する判断能力の形成は、親が一義的に責任をもつもの」と
「子どもの権利条約」の条文をあげて、改正条例案を拙速に可決しないように、
都知事と都議会議長に、「要請」文を提出しています。


「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」について( 要 請 )

                            2010日図協第32号
                            2010年3月17日
東京都知事   殿
東京都議会議長 殿
                            社団法人日本図書館協会理事長  塩 見  昇

     「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」について(要請)


平成22年2月24日に東京都知事が都議会に提出した「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」(以下、「条例案」という。)につきましては、都民の有する表現の自由と知る権利を侵害することが懸念されます。
つきましては、今会期内に採決を急ぐことなく、ひろく都民および言論、出版はじめ関係団体の意見を聴取し、慎重にご審議下さいますよう要請します。

要請の理由

一.条例案は、「児童ポルノの根絶に向けた気運の醸成及び環境の整備」を掲げていますが、既に「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(以下、「児童ポルノ禁止法」という。)に基づく規制が行われており、屋上屋を重ねる過剰な規制となることが危惧されます。

二.いわゆる児童ポルノを規制する保護法益は、「児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害していることの重大性にかんがみ、児童の権利の擁護に資する」(平成11年4月27日、第145回国会法務委員会における同法案発議者、林芳正議員の趣旨説明)です。青少年の健全育成を目的として青少年の知る自由を制約する「東京都青少年の健全な育成に関する条例」は、いわゆる児童ポルノを規制することには馴染まないと懸念されます。

三.児童ポルノ禁止法における「児童ポルノ」の規定が主観的かつ曖昧であることは平成21年6月26日の衆院法務委員会でも指摘されています。私たちは国会における論議、さらには国民的論議を注視する段階にあると考えます。

四.条例案は、曖昧かつ広範な規定として論議されているいわゆる児童ポルノに該当しない「青少年を性的対象として扱う図書類」を「青少年性的視覚描写物」と名付け、その「まん延抑止」を東京都の「責務」とし、図書類の頒布を業とする事業者にそのために「適切な措置をとる」義務を課しています。都民に対しては「青少年が容易にこれらを閲覧又は観覧することのないように努める」としています。
  このことは、青少年と性を扱う図書類一般を、公立図書館を含め社会から排除することになりかねず、深く危惧されます。

五.条例案は、都民に対し「児童ポルノをみだりに所持しない責務」を定めています(第18条の6の4)。これは単純所持を規制するものであり、現行の児童ポルノ禁止法が過剰な規制を抑制するために採用していない規制であって、条例案から削除されるべき規定です。
  条例案には、「非実在青少年」として、コミックなど創作物も不健全図書として規制できるとしています(第7条の2ほか)。これは先に引用した児童ポルノ禁止法の保護法益とは無縁な規制であり、現行の児童ポルノ禁止法が過剰な規制を抑制するために採用していない規制であって、条例案から削除されるべき規定です。

六.条例案は、「青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく阻害するおそれ」(第7条の2ほか)を不健全図書の指定基準に新設しています。
  子どもの性に対する判断能力の形成は、親が一義的に責任をもつものであって、行政や警察ではありません。「子どもの権利条約」第18条の1「締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するために最善の努力を払う。父母又は場合により法定保護者は、児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。」を尊重し、当該基準は削除されるべきです。
以上



公立図書館からのBL図書排除の問題では、わたしたちも、憲法、地方自治法、
「子どもの権利条約」違反の観点から、2008年に
「堺市立図書館における特定図書排除に関する申し入れ書」を提出しています。

藤本由香里さんは、この「ジェンダー図書」排除究明原告団のメンバーでもあります。

「東京都青少年健全育成条例改正」問題は、とりあえず、3月議会では継続審査になりそうですが、推進側も必死です。
わたしも微力ながら、今後も情報発信を続けたいと思っています。


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3月17日(水)のつぶやき

2010-03-18 01:20:48 | 花/美しいもの
14:42 from web
今日のブログ ●【ルポ新「保守」】(上)右翼超える「市民の会」 (中)ネット発 危うい動員 (下)不安の時代に根張る http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/85d35ba2f02c42a93b16500020d786ad
14:57 from web
P-WANセレクトニュース : 「非実在青少年問題」イベントレポート! 規制が孕む問題とは?(2010年3月17日 インフォシーク)他http://bit.ly/dyQN9L
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【ルポ新「保守」】(上)右翼超える「市民の会」 (中)ネット発 危うい動員 (下)不安の時代に根張る

2010-03-17 14:00:42 | ほん/新聞/ニュース
朝から「東京都青少年の健全な育成に関する条例」関連の情報を収集していて、
あっという間にお昼。
讃岐うどんをゆでて「きつねうどん」を作って食べ、ここでちょっとひといき。

   「なばなの里」のしだれ梅。
   


一昨日から三日間連続で、朝日新聞社会面に
【ルポ新「保守」】の特集記事が掲載されました。

名古屋本社発の記事で、昨年来あちこちで目立つ活動をしている
「在日特権を許さない市民の会」を取り上げ、
その背景などを分析していて、読み応えのある力作です。

この連載の締めである、今日の記事の最後、
「在特会は、人種差別的なヘイトクライム(憎悪犯罪)をあおっている」
「人種差別撤廃条約を批准しながら、日本は差別を禁じる国内法の整備を留保してきた。
ドイツ刑法の『民衆扇動罪』のような歯止めが必要だ」という言葉に共感します。

朝日新聞記事
ルポ 新「保守」(下) ●不安の時代に根張る
2010年03月17日 朝日新聞

 「行動する保守」に集うのは、「ネット右翼」という言葉だけではくくれない人たちだ。
 「民主党を粉砕するぞ」
 名古屋で1月、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)が開いたデモでマイクを握った情報処理会社の男性社員(31)は「一二三(ひふみ)」という仮名で参加する。会社では、運動のことを話題にしない。
 政治には無関心だった。理系大学院を終えた後、就職してから「嫌韓流」の本に出会い、はまった。一人暮らしの一二三にとって、運動は、同僚には話せない歴史観や靖国問題などを話題にできる場だ。「国に貢献している」とも感じられる。
 彼らは、従来の「保守」とは趣が異なる。地縁や商売で結ばれた自民党後援会のような共同体組織ではない。都会的なバラバラの個人が集い、仲間を発見する。
 既成政党すべてに不満を抱く無党派も目立つ。「民主はサヨク、日本をダメにしたのは自民」。東京のデモに参加した化学会社の男性社員(36)はこう語る。小泉純一郎首相当時の自民は支持したが、2006年に安倍晋三首相(当時)に代わると、「タカ派と期待したのに、靖国参拝しなかった」と幻滅した。
 在特会が生まれたのは、この時期だ。小泉時代に目覚め、受け皿を失った保守無党派層の先端部分なのか。政権交代が、危機感に拍車をかける。
 政治不信は運動論にも表れる。彼らは日本会議など従来の保守団体を「会議で議論ばかり。我々は行動する」(桜井誠会長)と批判する。一方の日本会議は「私たちは時間をかけても、政治や行政に働きかけ、法や制度の変更を目指す」(江崎道朗専任研究員)という。
 時代の気分にも根を張る。「スパイの子供」。彼らは、朝鮮学校前でこう騒いだ。拉致問題を背景に、朝鮮学校を高校無償化の対象から外すことを検討する政府の発想と重なる。
 経済規模で日本と並んだ中国への警戒感も働く。「このままではのみ込まれ、日本はチベットのようになる」。外国人参政権反対デモに参加した2女の父親という国立大の男性職員(45)は語った。
 社会の流動化や閉塞(へいそく)感、国際環境の変化に対する危機感……。先の見えない日本への不安に、運動が油を注いで、極端な敵意を膨らます。
 東西統一直後のドイツで、若者に「外国人は出て行け」と突き飛ばされた経験のある大阪大大学院の木戸衛一准教授(ドイツ政治)は「在特会は、人種差別的なヘイトクライム(憎悪犯罪)をあおっている」と見る。「人種差別撤廃条約を批准しながら、日本は差別を禁じる国内法の整備を留保してきた。ドイツ刑法の『民衆扇動罪』のような歯止めが必要だ」と指摘する。(この連載は西本秀が担当しました)

【関西学院大の鈴木謙介助教(社会学)の話】
 市民参加の保守運動が登場したのは90年代後半からだ。「新しい歴史教科書」の運動が先駆け、拉致問題で保守世論が盛り上がり、その延長に在特会が生まれた。世の中全体では少数派だが、ネットの発信力で潜在的な支持者を開拓し、街頭行動を呼びかけ存在感を増している。参加者は、行動は過激だが、社会的関心が高いという意味でマジメ。これまで市民運動と言えば「左」で、「右」の受け皿が育っていない。保守的なものを求めると、過激な団体に流れるほかない不幸がある。より極端に走る人々が現れると怖い。



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朝日新聞記事
ルポ 新「保守」(上)●右翼超える「市民の会」
2010.3.15 朝日新聞

警官隊に制止されながら、100人を超す男女が、日の丸を手に叫び声をあげる。
 「日本から出て行け」「ゴキブリ」「キムチ」
 各国の外交施設が集まる東京都港区。2月21日、韓国大使館領事部や在日本大韓民国民団の入るビルの前で、「行動する保守」を名乗る人々が、インターネットで呼びかけた街頭デモがあった。
 この翌日は、日本と韓国が領有権を争う竹島(韓国名・独島)について、世論を喚起しようと島根県が定めた記念日。「軍事力を含めた手段で竹島を奪還せよ」。横断幕に太文字の主張が躍る。
 「攘夷」。参加者が持参した旗や看板にも、いかつい言葉が並ぶ。新聞にそのまま書けない、在日韓国・朝鮮人を犯罪者扱いする表現もある。
 彼らが「反日」と見なすものすべてが非難の対象だ。看板には民主党や中国、北朝鮮を批判する文言も。取材する記者にもヤジが飛ぶ。デモの後、人々は近くのオーストラリア大使館に移動して拳を上げた。「(捕鯨問題で)日本を侮辱する白人と開戦するぞ」
 バス停に立ち、遠巻きにデモ隊を眺めていた一般の女性が記者に聞いてきた。「あの人たちって右翼なの?」
 彼らは「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などここ数年に結成された保守系市民団体の集合体だ。黒塗りの街宣車や特攻服に象徴される、従来の「右翼」と呼ばれる政治団体とは異なる。
 参加者に声をかけた。デモのために日の丸を買った中野区の女子大生(19)、「報道は偏っている」と話す横浜市青葉区の外食チェーンの男性管理職(49)、拉致問題の「救う会」に入っていたという茨城県つくば市の化学会社の男性社員(36)……。口々に「周辺国に、日本人はなめられている」などと答える。「これまでは『愛国運動』と言えば右翼。私たち普通の市民が参加できる運動がやっとできた」とも。
 参加団体の中で最大の在特会は2006年末に結成された。ネット上の登録会員はこの1年でほぼ倍増し8千人になり、3月から全国に23支部を置いた。この日、名古屋や福岡でも、外国人参政権反対などをテーマに街宣を行った。
 特に関西で活動が先鋭化する。「キムチ臭い」。昨年12月、日本の小学校にあたる京都の朝鮮初級学校前に集まり拡声機で騒いだ。学校が隣の公園を運動場代わりに使っていることに対し、朝礼台やスピーカーを公園から撤去する実力行使に出て、互いに刑事告発する事態になっている。
 京都弁護士会は、在特会側の行為を「公園使用の批判を超え、差別を助長する嫌がらせ」と非難する声明を発表。右翼団体「一水会」顧問の鈴木邦男さん(66)は2月発売の著書で、彼らの活動を「右翼以上に過激」「右翼は乗り越えられた」と評した。
 東京都港区のデモが終わった夕方、参加者は、日の丸や段ボール製の看板をカバンにしまい、地下鉄に乗って家路についた。前橋市の男性行政書士(54)は家族に活動を「差別的」と非難されているという。名刺をくれた後、「話を聞いてくれてありがとう」と頭を下げて、立ち去った。
 罵声を浴びた民団では、在日本大韓民国青年会の会合が開かれていた。在日3世の金宗沫前会長(33)は「こっそりとした差別はあっても、憎しみを直接ぶつける市民デモなんて以前はなかった」と戸惑う。「興奮したサッカーのサポーターが騒いでいる感じ。近所に暮らす、普通の人だと思うと怖い」
     ◇
 民族主義的な主張や外国人の排斥を、公然と唱える新たな保守団体が現れ、勢いを増す。どんな人々なのか。(西本秀)

【同志社大の板垣竜太准教授(朝鮮近現代史)の話】
 在特会の主張は『マンガ嫌韓流』や類書がベースだ。誇張や事実のつまみ食いで、朝鮮半島や在日の人々を批判し、植民地支配を正当化する主張は、今やネットに蔓延する。「韓国併合」から100年たっても、日本社会の下地で朝鮮人蔑視が続く。さらに拉致問題で北朝鮮批判があふれ、関係ない在日への攻撃を黙認する雰囲気が広がる。フランスでは移民排斥を唱える極右に、市民団体が「私の友人に手を出すな」と呼びかけて対抗した。在特会だけが問題ではない。日本が、多様性に開かれた社会になれるか問われている。

----------------------------------------------------------------
ルポ 新「保守」(中)●ネット発 危うい動員
2010年03月16日 朝日新聞

 2月下旬のデモの様子を、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)はインターネットの動画サイトで生中継した。全国から同時にアクセスした視聴者は1千人を超す。
 「マスメディアは無視する。我々の武器は動画だ」
 在特会の桜井誠会長(38)はマスコミが報じない自らの主張を広めるため、ネットを自前の「放送局」にした。
 街頭活動に撮影隊が同行して中継するほか、録画を「ニコニコ動画」「You Tube」など動画サイトに投稿し、常時閲覧可能にしている。抗議相手や警官とのもみあいなど偶発的な事件が話題を呼んでアクセスが増えると、次の動員につながる。
 昨年12月に京都の朝鮮学校前で騒いだ動画は、早回しの映像に軽快なBGMが付いた、音楽ビデオのような導入で始まる。この3カ月で計9万回以上閲覧された。
 「嫌韓流」をテーマにした本の執筆者でもある桜井会長は「私の演説は一種のエンターテインメント。テレビの演出と一緒」と語る。約10分の「You Tube」画像の中で、「寄生虫」など外国人をののしる表現を差し挟むのがコツという。
 相手が留守でも、画像を撮るために「抗議」を演じることもある。
 千葉県浦安市の社会保険労務士の男性(32)は「最初は強烈。でも、繰り返し見るとオレもあれくらい怒ってもいいと思った」。いま男性は街宣でマイクを握る。「国賊」「反日マスコミ」。1月に東京・有楽町で声を張り上げた。
 ネット発の危うさと軽さ。在特会は、街頭活動を「祭り」と呼ぶ。ある話題で一斉に盛り上がるネット用語と同じノリだ。名古屋のデモには、ネットで見た岐阜の中学生5人組が、「売国奴」と書いた手製の看板を手に加わった。
 不透明な点もある。
 桜井会長の名はペンネームで、本名や職業は取材に明かさない。事務所や活動費は寄付で賄っているという。
 会員には、参院選に候補を擁立する保守系政治団体など既存団体の関係者も交じる。街頭デモの際は、警察への届け出や街宣車の手配など、手慣れた彼らが指南する。
 警察も活動を注視する。警察内で購読されている雑誌「治安フォーラム」は2月号で、民族主義的主張を打ち出す新たな市民運動を「過激な傾向を示す」と指摘した。
 在特会の主張は、在日韓国・朝鮮人らが日本に滞在し、普通に暮らすこと自体を、ほかの外国人と比べて「特権」と批判するものだ。生活保護の受給や外国人犯罪と、在日との関係を強調し、社会に潜在的にある差別意識や、生活不安をくすぐる。現在、朝鮮学校への助成廃止などを求め、自治体や地方議会への働きかけを狙う。幹部は語る。「過激な映像や批判的報道で、名前が売れた。次は行政との交渉力をつける番だ」

【北海道大大学院の中島岳志准教授(政治思想史)の話】 
 政治はここ10年、既得権たたきに躍起だった。規制緩和や郵政民営化、公務員改革、事業仕分けなど、国民の「自分より得しているヤツがいる」というねたみをあおり、支持を得る。ワイドショーも対立構図に乗った。在特会の「特権」という発想や、ネット動画の中で運動を演じるのも、劇場型政治の戯画だ。経済政策の選択の幅が狭まり、政治の対立軸として、夫婦別姓や死刑、外国人参政権など「価値観」を問う問題が前面に出てきた。「左・右」ではなく、「好き・嫌い」で政治を判断する時代になっている。



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3月16日(火)のつぶやき

2010-03-17 01:32:41 | 花/美しいもの
09:26 from web
P-WANセレクトニュース●アニメ・漫画・ゲームの児童ポルノ規制 都が条例改正案(2010年3月16日 朝日新聞)他
http://p-wan.jp/site/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1484
09:27 from web
P-WANセレクトニュース●『子ども』性描写 都規制案に賛否 漫画家『表現の自由損なう』(2010年3月16日 東京新聞)他
http://p-wan.jp/site/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1485
10:34 from web
今日のブログ●東京都青少年健全育成条例改正案/18歳未満の性描写を禁止~「表現の自由の侵害」条例案に反対の声明 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/f39c5dc5f6372e0be2f7820eae0bb17b
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東京都青少年健全育成条例改正案/18歳未満の性描写を禁止~「表現の自由の侵害」条例案に反対の声明

2010-03-16 09:36:25 | 「ジェンダー図書排除」事件
東京都の3月議会に上程されている青少年健全育成条例改正案について、
「青少年の保護育成」という立場から、漫画やアニメに登場する
18歳未満と思われるキャラクターを「非実在青少年」と定義し、
「性表現を含んでいる」「性的に描かれている」ものはすべて
不健全図書に指定される可能性もあるということなどが、問題になっています。

今日の朝日新聞の一面と、二面の「時々刻々」でもこの問題を取り上げています。

    

この問題は当初、web上で議論が巻き起こり、13日に共同通信が配信し、
今回、反対の声明が出されたことで、問題が整理されて争点化されて、
新聞各紙でも取り上げられるようになりました。


この問題は当初、web上で議論が巻き起こり、13日に共同通信が配信し、
今回、反対の声明が出されたことで、問題が争点化されて表面化したことで、
新聞各紙でも取り上げられるようになりました。

わたしは、堺市図書館のBL本排除事件や福井県の図書排除事件などの
「ジェンダー図書排除究明原告団」の事務局をしていることもあって、
この問題の行方に、強い関心を持って情報収集してきました。

関連情報については随時、「市民と政治をつなぐP-WAN」のセレクトニュースにアップしてあります。
記事の最後にリンクしましたので、もっと詳しく知りたい方はご覧になってください。

朝日新聞記事
アニメ・漫画・ゲームの児童ポルノ規制 都が条例改正案
2010年3月16日0時25分 朝日新聞

 東京都がアニメなどに登場する18歳未満と判断される架空の人物の性描写を規制対象にする、青少年健全育成条例の改正案を都議会に提出している。都は「対象は著しく社会規範に反する表現に限る」としているが、指定の基準にはあいまいな部分があり、出版界などは「表現の自由が侵される」と批判。15日は漫画家らが記者会見して規制への反対を表明した。
 条例の改正案では、アニメのほか漫画やゲームなどで18歳未満の実在しない人物が登場し、強姦(ごうかん)など著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写した作品について、第三者でつくる都の審議会が「不健全図書」に指定。18歳未満には売らないことを販売者に義務づけることなどを定めている。最終的に従わなかった場合は、罰金(30万円以下)が科される。可決されれば10月から施行される。
 刑法(わいせつ物頒布罪)の対象は実写に近い精密な性描写に限られ、児童買春・児童ポルノ禁止法は実在の子どもを扱った作品を対象としており、漫画のキャラクターなどを規制対象に明記した法律や条例は初めてだという。
 これに対し、記者会見した漫画家の里中満智子さんは「ある作品への感想は個々人で異なる。一つの見方だけで規制をかけるのは危険だ」と批判。日本出版労働組合連合会も「創作活動の場で過剰な自粛が行われ、表現活動が萎縮(いしゅく)する」などとして、改正案に反対するよう求める要請文を都議会各会派に提出した。
 一方、都小学校PTA協議会は「目をふさぎたくなるような漫画などが書店に置かれている」として改正案成立を各会派に要望した。


東京新聞記事
『子ども』性描写 都規制案に賛否 漫画家『表現の自由損なう』
東京新聞 2010年3月16日 朝刊

 子どもを性的対象に描いた漫画やアニメを規制する東京都の青少年健全育成条例改正案をめぐって十五日、漫画界やPTAが相次いで賛否の意見を表明、都議会審議が注目を集め始めた。「表現の自由を損なう」とする漫画家たちに対し、PTAは「子どもが健やかに育つために規制は必要」。改正案は、十九日の都議会総務委員会で採決される。
 漫画家有志のちばてつやさんや里中満智子さん、永井豪さん、竹宮恵子さんらが十五日、都庁で記者会見し「表現の自由を著しく損なう」として、改正反対の緊急アピールをした。
 里中さんは「(行政が条例を)いかようにも解釈して封じ込められる。作者の発想力から生まれたキャラクターにまで規制の網を掛けるなんて恐ろしいこと」と批判。
 ちばさんも「表現の規制は文化に元気を失わせる。日本の漫画界は危ない」と訴えた。
 少年愛をテーマにした作品も手掛けた竹宮さんは「私自身、漫画で表現をしたことがある。条例が成立すると、すぐに規制対象になりうると危惧(きぐ)を抱いた」と話した。
 改正案では、描かれた服装や所持品から十八歳未満とみられる実在しない登場人物への性行為を描写した漫画やアニメ、ゲームソフトなどを青少年に販売しないよう業界に自主規制を求める。
 中でも、強姦(ごうかん)など反社会的な行為を描写した作品は、都が「不健全図書」に指定して、十八歳未満への販売や閲覧を禁止する。
 改正案に反対する団体は「条例の文言があいまいすぎて、規制の対象をいくらでも恣意(しい)的に解釈できてしまう。審議時間も短すぎる」と反発している。
 これに対し、都は「そのような図書類の創作や出版自体を禁じるものではなく、成人への流通も対象にならない。自由な創作活動に影響はない」と説明している。
 石原慎太郎知事は取材に「先進国であの手のものが堂々とまかり通っている国は日本以外にないんじゃないか」と述べる一方、「私も表現者の一人だから、それなりの良心と常識で(規制が適切に行われるかどうか)判断しようと思う」と話した。
 改正案は十八日の総務委員会で質疑があり、十九日に同委員会で採決、最終的には三十日の本会議採決で決定する。


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京都新聞記事
漫画性表現規制「議論慎重に」
精華大学部長ら 都の民主会派に意見書

Kyoto Shimbun 2010年03月15日(月)

 漫画やアニメの18歳未満のキャラクターの性的表現を規制対象にする東京都の青少年健全育成条例改正案について、京都精華大マンガ学部の教授たちが15日午前、「表現の自由を侵害する恐れがある」として慎重な議論を求める意見書を都議会民主党会派に提出した。
 京都精華大の竹宮惠子マンガ学部長たち教授5人が同日午前11時半に都議会を訪れ、民主党会派の都議に意見書を配った。また漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんも同行し、ちばさんは「ルールは守らなければならないが、法律で決めるものではない」と訴えた。
 提出後の会見で竹宮学部長は「改正案が成立すると自分の漫画も規制されかねず、危険を感じている」と述べた。
 意見書は都の条例改正案について、18歳未満にみえる登場人物を「非実在青少年」として性的表現を規制する根拠が不明確だ▽出版社は東京に多く影響が全国に及ぶ-などと指摘している。


都の青少年健全育成条例改正、グーグルやMS、楽天なども反対意見
2010/3/15 15:33 INTERNET Watch

 ネットビジネスイノベーション研究コンソーシアムは12日、東京都議会に提出されている青少年健全育成条例の改正案について反対意見を表明した。
 同コンソーシアムは、ディー・エヌ・エー、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、楽天が幹事を務め、ケンコーコムや、慶應義塾大学の國領二郎氏(総合政策学部長)、同じく金正勲氏(政策・メディア研究科特別研究准教授)らもメンバーとして参加している。国の政策決定について課題を検討するなどの活動を行っており、2008年には一般医薬品のネット販売規制についての反対声明を出したことがある。
 今回、コンソーシアムが反対している条例改正案では、「インターネット利用環境の整備等に関する規定を改めるほか、規定を整備する必要がある」(改正案)として、フィルタリングの水準に言及した規定や、青少年が利用するのに適した携帯電話端末を都知事が推奨する制度の導入、保護者が携帯フィルタリングを解除する際に「理由書」の提出を求める規定などを盛り込んだ。

 コンソーシアムでは改正案について、「インターネットを基盤とする社会・文化・産業全般のイノベーション及び将来においてそれを担う青少年の育成に対する重大な阻害要因を含んでいる」と指摘。以下の4項目について、条例に盛り込むべきではないとしている。

東京都知事による、インターネットを利用して「有害な行為」、「被害」の「誘発」等を行った青少年の保護者に対する指導、助言及び調査等

「自己若しくは他人の尊前を傷つけ、違法若しくは有害な行為を行い、又は犯罪若しくは被害を誘発することを容易にする情報」等の曖昧・広範な文言による、フィルタリングサービスの水準の規定

東京都知事が特定の携帯電話を推奨する制度

フィルタリング解除を認めるべき正当事由の限定

 このうち「フィルタリングサービスの水準」は、フィルタリングソフト開発事業者やフィルタリングサービスの提供事業者に対して、努力義務として課すものだが、「それを背景に東京都が指導等を強め、表現内容に介入する危険性がある。すなわち、表現の自由・知る権利等を侵害する可能性がある」と指摘する。
 例えば、学校名や顔写真がWebサイトに掲載されただけで「犯罪」を「誘発」しているとみなされたり、「バカ」「あほ」などの冗談なのかどうか判別が難しい言葉も「尊厳を傷つけ」ていると判断されるケースも生じる可能性があるという。
 さらに、民間で進めている自主的取り組みに対して、「東京都が介入する下地を作り、Webサイト運営等への萎縮効果を与える」、子どもにどのような携帯電話を持たせるべきか、フィルタリングを解除するか否かといった「保護者の監護権に対し東京都が介入するもの」と指摘している。
 楽天では、コンソーシアムの発表とは別に自社でも見解を発表。フィルタリングの水準の規定が事実上、都による「検閲」のおそれがあることや、健全サイトまでもが制約されかねず、正当な表現活動も阻害されてしまうおそれがあることなどの問題点を指摘している。
(永沢 茂)
2010/3/15 15:33 INTERNET Watch


共同通信
ちばてつやさんらが反対アピール 都の児童性描写規制案に

 東京都が漫画やアニメの児童の性行為描写を規制するため、定例議会に提出した青少年健全育成条例の改正案に対し、漫画家のちばてつやさんや里中満智子さん、永井豪さんらが15日、都庁を訪れ反対をアピールした。
 ちばさんらは午後、都庁で記者会見。里中さんは「(規制案は)表現の自由にかかわることで、いかようにも解釈できる。生身の人が傷つくわけではないのに、(漫画の)キャラクターにまで網をかけることに恐ろしくなった」と主張。
 ちばさんは午前、都議会最大会派の民主党の会議であいさつし「規制することで文化の元気がなくなる例を見ている。(規制は)読者の気持ちで決めてもらいたい」と述べた。
 改正案は19日の都議会総務委員会で採決される。
 改正案は、漫画などで服装や学年などから18歳未満と判断される子供を「非実在青少年」と定義。こうした子供への性行為を描写した作品は、青少年に販売しないよう業界に自主規制を求める。
 これらのうち、強姦など著しく反社会的な内容の作品は、青少年への販売・閲覧を禁止する不健全図書に指定すると規定した。
2010/03/15 13:20 【共同通信】
-------------------------------------------------------------
野放しの漫画児童ポルノを規制へ 都条例改正案、反対論も

東京都は12日までに、18歳未満と判断される子供への性行為を描写した漫画やアニメ、ゲームソフトを業界の自主規制の対象にした上で、反社会的な内容の商品は青少年への販売、閲覧を禁止する青少年健全育成条例の改正案を定例議会に提出した。19日の総務委員会で採決される。
 都によると、「野放し状態」となっている漫画やアニメの児童ポルノ的な描写を規制するのが目的で、全国でも初めての試みという。一方、識者からは「表現の自由が侵害されかねない」などの反対意見も出ている。
 改正案では、漫画などで、服装や所持品、学年などから18歳未満と判断される子供を「非実在青少年」と定義。こうした子供への性行為を描写した商品を、青少年に販売しないよう業界に自主規制を求めた。
 そのうち、強姦など著しく悪質な内容の商品は不健全図書に都が指定するとした。
 藤本由香里・明治大准教授は「18歳未満とか、何が健全なのかの判断は、いくらでも恣意的に解釈できる」と危惧している。
2010/03/12 17:57 【共同通信】


●P-WANセレクトニュース :
東京都青少年健全育成条例に反対、民間団体と有識者が意見表明 (2010/3/12 ケータイ Watch)他

●P-WANセレクトニュース :
漫画性表現規制の都条例に声明 京都精華大研究センター[/(京都新聞 2010年03月13日)他

●P-WANセレクトニュース :
都青少年健全育成条例:改正案、都議会で審議 「フィルタリング」に重点/東京(毎日新聞 2010年3月15日)他

●P-WANセレクトニュース :
アニメ・漫画・ゲームの児童ポルノ規制 都が条例改正案(2010年3月16日 朝日新聞)他

●P-WANセレクトニュース :
『子ども』性描写 都規制案に賛否 漫画家『表現の自由損なう』(2010年3月16日 東京新聞)他


堺市立図書館でのBL図書排除事件のときもそうでしたが、
このような「青少年健全育成」と「ジェンダー」がからみあうことについては、
デリケートな問題もあって、人によっては判断が分かれます。
とはいえ、このような規制の動きが、東京から全国の自治体に広がるのではないかと危惧しています。

わたし自身は、いかなる理由があろうとも、図書の排除には反対です。
上位法に抵触する条例は作れませんから、わたしはこの改正条例自体が
「憲法違反」ではないかと思っています。


追伸・続編記事
続「東京都青少年健全育成条例改正」問題/藤本由香里さんの「意見書」
/「(財)日本図書館協会」の要請(2010-03-18)


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3月15日(月)のつぶやき

2010-03-16 01:14:03 | 花/美しいもの
08:09 from web
P-WANニュースup●東京都青少年健全育成条例に反対、民間団体と有識者が意見表明 (2010/3/12 ケータイ Watch)他
http://p-wan.jp/site/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1476
08:11 from web
今朝のNHKニュースで、阿久根市の竹原信一市長の暴走振りをやっていました。この時期、ブログのアクセスは「花粉症」が一番多いのですが、阿久根の記事もアクセスが増えるかもしれませんね・・・。
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紅白のしだれ梅、満開/築100年の古民家、住み心地は・・・

2010-03-15 19:46:48 | 花/美しいもの
白のしだれ梅が満開になりました。

植えてから5年くらいの白梅です。


お隣りに植えてあるのはしだれの紅梅。
仲よく紅白のしだれ梅が並んで咲いています。


しだれ梅は剪定が難しいと思っていたら、
一昨日の夜、NHKの教育でしだれ梅の剪定の仕方をやっていました。

名古屋市農業センターや、「なばなの里」のしだれ梅苑の樹形を参考にして、
今まで自己流で剪定していたのですが、かなり大きくなってきたので
どうしたらよいものか、と思案していました。

しだれ梅の剪定のコツは、上芽の先で切って、
その下芽はかきとるとよいそうです。
あまり背が高くない方がよいので、上を止めて、
ゴージャスなアンブレラ仕立てにしたいと思っています。


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ところで、
しだれ梅の後ろに見えているのは、わが家です。

古くなった倉庫の立替をしているので、登記簿を取ってみたら、
なんとこの家、1909年(明治42年)生まれ。
昨年で、ちょうど築100年でした。

二階はながいこと子ども部屋に使っていたので、ごちゃごちゃでお見せできなかったのですが、
子どもたちも巣立って荷物もなくなり、
今回、お客様が泊まれるように、久しぶりにお掃除しました(笑)。
実はわたくし、二階にはめったにあがったことがなかったのです。

ということで、二階を本邦初公開。
 玄関を入ると階段で二階へ。
振り返って見たところです。  
南に3室。北側は廊下。

25年ほど前に改装して、天井はそのまま床と壁は無垢の杉材で山小屋風です。

子どもたちの荷物がなくなったので、仕切りのふすまを取って、
奥の二室がワンルームになっています。

生活の場である一階のリビングは物があふれてきたのですが、
広くてロッジにいるみたいな非日常の空間。

掃除機をかけて、ふき掃除をしたら、ほどよい疲れ。
日差しがあたたかくて、居心地がいいので、
そのまま、ソファで寝てしまいました。

静かだしまどから見える景色もよいし、
これからは、お昼寝は二階で、ということにしましょう(笑)。

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3月14日(日)のつぶやき

2010-03-15 00:34:41 | 花/美しいもの
13:35 from web
●春の畑~玉葱、にんにく、春キャベツ、宮内菜、一寸ソラマメ、レタスetc http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/57cc7d0c0b9891ca17be69e70c1d84d6
13:36 from web
●暴走する!?竹原信一市長:阿久根市政混乱 これでは自治が泣く http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/615eaaafb79ad73dc049e5cb33aef9b6
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暴走する!?竹原信一市長:阿久根市政混乱 これでは自治が泣く

2010-03-14 11:58:48 | 市民運動/市民自治/政治
1月に東京での「議員年金廃止」の集会で見かけた鹿児島県阿久根市の
竹原信一市長が、3月議会でも暴走を続けているようです。

東京で「なま竹原」と少し話しただけで、直観で「あっ、お友だちになりたくないタイプ」(笑)。
独善的な物言いに辟易したのですが、ここまでくると、まるで「独裁者」。
きっと「裸の王様」には、自分の姿が見えないのでしょう。

きょうの毎日新聞は、社説も社会面のトップも、阿久根市の記事です。
地方自治の基本のきである「議会公開の原則」を無視して、
マスコミを締め出そうとする竹原市長の言動を、
メディアのみなさんもよほど腹にすえかねているのでしょう。

 社説:阿久根市政混乱 これでは自治が泣く
毎日新聞 2010年3月14日 

 限度を超えた混乱である。鹿児島県阿久根市の竹原信一市長の行動に伴う市政の混迷が深まっている。最近は議会への出席拒否などで審議に支障を来すという異常な状況となっている。
 これまでも議会と激しい対立を演じた市長が市民から一定の支持を得てきた背景には、市政刷新への住民の期待があったのだろう。だが、ブログによる障害者への差別的な記述が問題化したり司法手続きも軽視するかのような対応など、このところの一連の言動はあまりに節度を欠いており、首長としての資質を疑わざるを得ない。
 鹿児島北西部にある阿久根の市政はどんどん深みにはまっているようだ。市長は昨年11月「高度医療が障害者を生き残らせている」などの意見をブログで展開、差別的記述に県議会が全会一致で非難決議を採択するなど批判を招いた。一方で市長はメディア批判を強め、市役所内の撮影取材の原則禁止を通告している。
 最近は市議会が混乱の舞台だ。当初予算を審議するはずの本会議への出席を、市長は新聞を中心とする報道機関の議場取材を理由に3回にわたり拒んだ。その後、委員会審議でも市の一部の課長に答弁の拒否や退席を命じ、混乱が続いている。議会軽視というよりは、無視と言われかねない対応である。
 司法も尊重していない。市の掲示物をはがした元係長の懲戒免職をめぐる訴訟では判決確定までの処分の効力停止を命じた鹿児島地裁の決定が確定したにもかかわらず、従っていない。このため、鹿児島地裁は未払い賃金の支払いを言い渡した。
 市長は就任以来ブログで「最もやめてほしい議員」選びの投票を呼びかけたり、市職員全員の給与内訳を公表するなど議会や労組と激しく対立してきた。議会は2度にわたり不信任を決議したが、議会解散や出直し市長選で対抗した。昨年5月の出直し選再選は地域の停滞感を危ぶむ市民の期待もあってのことだろう。
 だからといって、議会や司法をないがしろにした対応は常軌を逸している。首長と議会は二元代表制の下、双方の協調とけん制の下で緊張感を保ちながら自治を形づくる責任を共有している。住民から直接選ばれたからといって、市政の独善的運営は慎まねばならない。
 混乱が加速するばかりでは市政への悪影響のみならず「だから地方には任せられない」といった分権への懐疑論にすら利用されかねない。だからこそ「一自治体の話」と見過ごすわけにはいかない。市民団体からも、事態を憂慮する声がでている。市長は議会への説明と対話に速やかに応じ、混乱を収拾する責任がある。



毎日新聞記事
阿久根市長:暴走する「救世主」 市民の不満後ろ盾に
毎日新聞 2010年3月14日

 東シナ海を望む鹿児島県北西部の阿久根市で、竹原信一市長(51)の「暴走」が止まらない。08年9月の就任以来、ブログで市職員や市議会を非難するユニークな「ブログ市長」として耳目を集めていたが、障害者への差別的な記述が批判された昨年末ごろから言動はヒートアップ。司法判断を無視した上、開会中の3月議会では「議場に報道陣がいる」として、10年度予算案審議をボイコットした。騒動からは、疲弊する地方の実情も見えてくる。
          □
 「早く不信任案を出してくださいよ」
 2月中旬の夜、反市長派のベテラン市議は、かかってきた携帯電話に耳を疑った。相手は竹原市長。笑い含みの挑発的な口調。「出すつもりはありません」。そう言って電話を切った。
 予算案審議のボイコットで、対立が深まる市長と市議会。定数16のうち反市長派は12人、市長派は4人だから、不信任決議案の可決は容易だ。だがある苦い記憶が反市長派に不信任決議案提出をためらわせる。
     □
 竹原市長は阿久根市生まれ。88年に航空自衛隊を退官し帰郷し、05年市議に初当選。1期目途中の08年に市長選に出馬し、議員定数の削減や市の人件費カットなどを訴え、初当選した。
 直後の議会で議員定数を16から6に大幅削減する案を提出し、議会がこれを否決。09年1月、市長がブログで全市議の実名を挙げ「最も辞めてもらいたい議員は?」などとアンケートしたのを機に、議会は2月と4月の2回、市長の不信任決議を可決した。市長は自動失職したが、5月の出直し市長選で反竹原派市議が担ぎ出した候補を破った。
    □
 阿久根は「地方の苦しみ」のどん底にある。地方交付税は減り、基幹産業である漁業も衰退の一途だ。人口約2万4000人の約34%が65歳以上の高齢者で、駅前商店街は文字通りのシャッター通り。「客なんてほとんど来ない。いよいよ固定資産税も払えないかもしれん」。創業約60年の家具店主の表情はさえない。
 そんな市民の間に選挙戦で、平均600万円という「高給取り」の市職員や市議を徹底批判した竹原市長の訴えは一気に浸透した。「市長は『不満の結集軸』になっている」。鹿児島大の平井一臣教授(政治学)はこう分析する。
 確かに、ごみ袋を値下げし、給食費、保育料の減額を10年度予算案に計上した市長への期待は根強い。支持者の女性(62)は「変人かもしらんが、阿久根を変えるにはあの人しかおらん」と熱い。反市長派市議でさえ、自戒を込めて語る。「お年寄りや低所得者には、少しでも家計の負担軽減を実感させてくれる市長は救世主なんでしょう」
     □
 再任後の市長は「信任を得た」とばかりに「敵」への攻勢を強めている。まず7月、自身の命令で役所内に張り出した各課の給与総額の紙をはがした係長を懲戒免職処分に。鹿児島地裁は10月、処分の効力停止を決定したが、市長は従わないばかりか「裁判官も公務員」という独自の論理で司法批判を展開した。
 11月にはブログで「高度医療が障害者を生き残らせている」などと記述。身障者団体などが強く抗議したが、市長は謝罪しない代わりに、記述を報じたマスコミへの対決姿勢を強めた。議会ボイコットもマスコミ取材が口実だ。市長は議会側に、毎日新聞など報道機関5社に対し、議場へのカメラ持ち込みを禁じるよう要求している。
     □
 果てなき暴走に、支持者にも距離を置く人が出始め、リコール(解職請求)を模索する動きもあるが、市長は意に介さない。支持者によると、市長は冒頭のベテラン市議に不信任案提出を求める電話をかけた直後、支持者らの前でこう言い放った。
 「心配ないです。リコールは成立しませんよ」
 騒ぎのさなか、九州のあるスーパーでは、阿久根市から出荷された野菜から「阿久根産」の文字が消えたという。市政混乱による「風評被害」の萌芽(ほうが)か。出荷した農家の50代男性は「阿久根の名で出せないのは寂しい。早く正常な状態に戻してほしい」と肩を落とした。【三木陽介、福岡静哉、馬場茂】



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webでは、地元の西日本新聞の記事を読むと、
この間の経緯がよく分かります。

阿久根市長の答弁拒否命令 “課の選別”真意は? 議会予算委 批判と容認論交錯
西日本新聞 2010年3月12日

 総括質疑を行う予定だった鹿児島県阿久根市議会の本会議への出席を拒否した竹原信一市長は、11日の予算特別委員会に出席した一部の課長に答弁拒否を命じた。報道5社の名を挙げて議場内での撮影禁止を求めた「マスコミの選別」に続く「課の選別」。議会の混乱が続く中、議員たちは市長の真意を測りかねている。
 委員会ではこの日、各課長らを順番に呼び、予算案の説明、質疑への答弁を求めたが、総務課と企画調整課、生きがい対策課の3課長が答弁を拒否した。「市長から一切の説明、答弁をせず、退席するよう命令を受けている。誠に申し訳ございません」と深々と頭を下げて退席する総務課長。議場では「説明責任を果たせ」「職務放棄だ」など怒号も飛び交った。
 3課長だけが答弁拒否したことに、反市長派の古賀操議員は「拒否した課の予算に市長が進めたい政策が含まれ、それをつついてほしくないのだろう」と指摘。市長派の松元薫久議員は「市長を信じている。いいかげんな予算は出していないだろうから」と話した。
 取材に対し「ネタをばらすわけにはいかない」と述べた竹原市長。浜之上大成議長は「市長は立派な人だから、(取材に応じている)一部マスコミを通じて真意を説明するのでは」と皮肉まじりに解説。「マスコミも課も選別する市長の行動を、市民がどうみるだろうか」と首をかしげた。
=2010/03/12付 西日本新聞朝刊=

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処分を恐れ 8人出席へ 阿久根市長の懇談会
西日本新聞 2010年3月13日

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が市職員8人に対し、14日に市民会館で開く市長主催の市民懇談会への出席を職務命令している問題で、8人は命令違反で処分されるのを避けるため、出席する意向を固めた。市職員労組は「市民の前でつるし上げるのが目的」とみており、「人権上問題」と批判している。
 竹原市長は12日、報道各社に文書で「懇談会の円滑な進行を図るため」として、会場内での取材拒否を通告した。
 懇談会は、市長が「市民の声を市政に反映させる場」として不定期に開催。参加者は市長を支持する住民が多い。
 8人は、組合事務所の市庁舎内使用をめぐる裁判で市側に勝訴した市職労の役員4人▽昨年4月に降格人事を受けて公平委員会に異議を申し立てた3人▽反市長派議員の家族1人。
 いずれも「職員研修の一環」として懇談会出席を命じられた。市職労は「法的に出席する必要性はない」と判断しているが、8人は市長が命令違反者は処分すると公言しているため、やむなく出席する意向という。市職労は12日、対抗手段として組合員にも懇談会への参加を呼び掛けた。
=2010/03/13付 西日本新聞朝刊=

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阿久根市長 本会議欠席 「マスコミのせい」「追及逃れる口実」 市議間の対立も深まる
2010年3月11日 西日本新聞

 竹原信一市長が10日、3度目の本会議出席を拒否した鹿児島県阿久根市議会では、市長の対応への賛否で市議同士の対立も深まっている。
 10日の審議終了後、反市長派の古賀操市議は「議会で説明しなければ理解もされない。市長は『改革』と言うが、本当にその気があるのか疑問だ」と批判した。同じく岩崎健二市議は「市長が5日の本会議終了間際に出席したのは、議会に責任を転嫁するパフォーマンスだったと証明された。出席拒否は質疑で追及されるのを避けるためで、マスコミの話にすり替えている」と憤った。
 一方、市長派の牟田学市議は「報道より市民を大事にすべきだ。議会は市長の要求を受け入れればいい」と擁護した。松元薫久市議も「審議できず、不利益を被るのは市民。議長がうまくいくように工夫してほしかった」と話す。
 開会前の全員協議会では、市長派の市議が「出席拒否はマスコミのせい。マスコミに撮影許可を取らせろ。議長の運営が悪い」という趣旨の発言をしたという。
 反市長派の市議の一人は「マスコミ排除が正しいという考えは、ねじ曲がっている。情けない」と語った。
=2010/03/11付 西日本新聞朝刊=


「市民を後ろ盾に独裁」って、自己矛盾ではないでしょうか??

名古屋の河村市長も、「人の振り見て・・・」、気をつけたほうがいいかも。


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