みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

はちみつ入り梅干しづくり/特殊で危険な「もんじゅ」に厳しい視線

2011-06-20 20:49:21 | 梅仕事/手作りしょくひん
オーシャンブルーが咲きました。
咲き始めは青、時間がたつと赤くなってきます。
色がわりのグラデーションがきれいです。

オーシャンブルーを育てているともちゃんに聞くと、
今年はいつもより少し遅いようです。

花しょうぶ、透かしユリ、バラ(カクテル)。
  

一晩はちみつにつけた傷梅を煮て、梅ジャムを作りました。
  
かなり酸っぱいので、さらにオリゴ糖を加えました。

あく抜きのための水に漬けておいた梅は、
ざるにあげて水をきり、梅干しを漬けます。

まど君たちも漬けてみたいということでやってきたので、半分こして、
塩分が10パーセントの梅干しと、
さらに塩を7パーセントに減らしてはちみつを加えたものを作ることにしました。
  
塩とはちみつを一緒に梅によくまぶして、
隙間がないようにビンに並べていきます。




1時間ほどしたら、もう梅酢が上がってきました。

これで昨日収穫した梅は、ぜんぶ、余すところなく使いました。

2009年の梅干しと、昨年(2010年)の梅干し。

梅と塩だけで漬けました。
どちらも、塩分は梅の重量に対して10パーセントです。


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福島第一原発の事故の収拾飲み込みもたってないのに、
もう停止中の原発を動かそうという通産大臣の話にもあきれますが、
もっと心配なのは、危険な作業も予定されている福井にある「もんじゅ」。

これこそ「百害あって一利なし」「無用の長物」。
静かに廃炉になってほしいものです。


「もんじゅ」厳しい視線
「特殊な炉」盲点見極め急務

 「電源をすべて失っても、自然に、空気で、冷やす仕組みになっています」
 福島第一原発の事故を踏まえ、日本原子力研究開発機構敦賀本部に設置された高速増殖炉「もんじゅ」の「シビアアクシデント(過酷事故)対応等検討委員会」(委員長=片岡勲・阪大大学院教授、5人)の初会合。機構側は、原子炉の熱を伝える1次、2次冷却材のナトリウムが自然循環によって「空気冷却器」で冷やされ、原子炉の崩壊熱を除去できると説明した。
 普通の原発にはない、もんじゅ特有の安全設計に、委員から「自然循環だけに頼る考え方を変えた方がいい」「仕組みに問題はないのか」などと厳しい意見が続出した。

 国内で40年以上の運転実績がある原発(軽水炉)で想定外の事故が起きたことで、まだ開発途上にある「もんじゅ」に向けられるまなざしは、一層厳しさを増している。
      ◇
 もんじゅは、プルトニウム燃料を生み出す必要から、冷却材として液体金属のナトリウムを使用。水や空気に触れると燃える性質があるため、これまでは、ナトリウムが流れる配管破断などの安全対策が注視されていた。
 福島第一原発では炉心にいかに水を注入するかが課題となっているが、もんじゅは水を使えない。全電源を失った場合、蒸気発生器につながる2次冷却系の配管の弁が自動で閉じ、ナトリウムが「空気冷却器」に流れるよう、自然循環モードに切り替わる。
 運転時の1次系ナトリウムの熱は約530度。解析では、停止時に2次系ナトリウムに伝わるこの熱が、配管を外気にさらしている空気冷却器内を流れて温度を下げ、1次系ナトリウムが、3日間で250度以下の低温停止状態になるという。ただ、本当に機能するかどうか、実際に運転してみないと分からない。
 同検討委員会では、「冷やしすぎてナトリウムが固まる恐れがあるのでは」「電源喪失を伴う大事故であれば配管からナトリウムが漏れるのではないか」――。想定外の事故に対するもんじゅへの不安は尽きなかった。1、2次冷却系の配管は3ルートあり、いずれも自然循環が機能しない「想定外」の事態になれば、現システムで打つ手はない。
      ◇
 「地震などでは意外に小さな機器の損傷が(炉の死命を制する)要になる」。今月9日に開かれた機構の「もんじゅ安全委員会」(委員長=西原英晃・京大名誉教授、12人)で電力中央研究所の土屋智子・上席研究員の指摘は鋭かった。
 昨年8月、核燃料交換用装置が原子炉容器内に落下して引き抜けなくなったトラブルは、たった1本のネジの緩みが原因だ。1995年のナトリウム漏れ事故も原因は2次冷却系の温度計さや管の設計ミス。いずれも予期せぬ機器が重大な結果を招いた。
 会合で京大原子炉実験所の山名元教授は「特殊な炉を開発していくには本当に盲点がないのかを考えるべきだ。技術者は楽観的な結論を探しがち。その姿勢が問われている」とくぎを刺した。
      ◇
 機構は事故後も今年度内に予定する出力40%試験運転を「計画通りに進めたい」(鈴木篤之理事長)とするが、県や敦賀市は安全確保を慎重に見極める方針で、先行きの不透明感が増している。福島の事故後、緊急時の手順書の見直し作業などを進める弟子丸剛英・もんじゅ技術部長は改めて気を引き締める。「もんじゅで事故が起きれば、将来のエネルギー確保に必要と信じる高速増殖炉の開発は終わってしまう」。(藤戸健志)
(2011年6月19日 読売新聞)  


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2011年の梅仕事/一週間遅れのブランデー梅酒づくり

2011-06-19 21:20:53 | 梅仕事/手作りしょくひん
いつもの年なら田植えの日に梅の収穫をするのだけど、
今年は田植えの6月10日は梅がまだ色づいていなくて延期しました。

三日ほど前から、梅がぼとぼと木から落ち始め、そろそろ収穫の時期。
   
今朝は曇りだったので、雨の合間に
こどもたちに手伝ってもらって、梅の収穫をしました。
  
ともちゃんは腰痛の治りかけなので見学(子守)、
シートを広げたり、梅の実を落としたりもみんなで協力して、
あっという間に、梅の収穫がおわりました。
といっても、梅を木から叩き落し、高いところのは枝ごときりました。
   
割れたりきづついた梅もかなりあったので、
水洗いしながら、青い梅、色づいた梅、傷梅と、選別しました。
   
手が多かったので、一時間ほどで終了。

梅干用の梅
   
梅酒用の梅
   

洗った梅をきれいな水につけて灰汁を抜いているうちに、
みんなで昼ご飯。

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午後からは梅酒作りをすることにしました。

まずは、特別により分けた青梅のヘタを竹串でとって、
ひとつずつ丁寧に拭きながら、ブランデー梅酒を作りました。
   
この二本は、ほくちゃんとまどくんちの分。
   
氷砂糖と梅をビンに入れて、
ブランデーをどぼとぼと注げば出来上がり。
  
梅酒づくり自体はかんたんです。
   
あとは、そのまま半年ほど置いておけば、
おいしいブランデー梅酒ができます。
   
のこったB級の青梅は、定番のホワイトリカー漬け。
2年前の09年のみんなで仕込んだ梅酒は、熟成して美味です。
なかでもブランデー梅酒がいちばんおいしくできています。

 梅酒いろいろ/ブランディ梅酒・ウオッカ梅酒・ウイスキー梅酒など。(2009-06-15)

お酒の種類もいろいろ試して、お砂糖を少なくした年もあるのですが、
ふつうより梅の分量が多くてすっぱさが強いので、
今年は、おととしと同じ一ビンに1キロの氷砂糖で落ち着いています。

梅干用の梅は、灰汁をとるのとねたね離れをよくするために、
へタをとって一晩水に漬けておきます。
  
明日の午前中に、梅干しをつける予定です。

B級青梅よりさらに傷が多い梅は、漬けるビンがなくなったので、
とりあえず、ヘタをとって、冷凍しておくことにしました。
  

踏んづけたりして完全に割れてしまっている梅は、
だれも欲しがらないので、種を外して、梅ジャムをつくることにします。
  
こちらも、ハチミツをかけて、一晩寝かせておきます。

ここ数年は、子どもたちが手伝ってくれますが、
以前は、ひとりで一週間ほどかけて梅酒をつくったり、
梅干しを漬けたり。
ともちゃんは、なぜか梅仕事には手を出しません(笑)。

明日も朝から、梅仕事。
手間がかかるけれど、けっこう好きな手仕事です。

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自治のカタチ 地方議会「原発安易に切り離せない」/フランスに根付くコミューン

2011-06-18 18:19:52 | 地震・原発・災害
きのう6月に咲く白い紫陽花(アナベルと柏葉紫陽花)が好き、と書きましたが、
庭にほとんど雑草のようにはびこっているドクダミの花も好きです。

  

ふつーのドクダミの花も清楚でかわいい、のですが、
  
特にこれ、八重のどくだみ「白雪姫」がステキです。
  

雨のなか、実なりクチナシも咲きました。
クチナシも大好きな花で、いろんな種類が植えてあるので、
これからじゅんばんに咲いていきます。
  
花たちを見てると、梅雨のうっとうしさがやわらぐ気がします。


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話しはかわりますが、
読売新聞の大阪本社版の「企画・連載」には、読ませる記事が多くでよい内容。
最近では、「性暴力を問う」がとってもよくて、おりに触れて読んでいました。


 関西発:性暴力を問う(読売新聞) 


いま連載しているのは、「自治のカタチ 第2部 地方議会」。
今日の記事に、友人の敦賀市議の今大地晴美さんのことが取り上げられていました。


関西発:自治のカタチ 第2部 地方議会(読売新聞)


自治のカタチ 第2部 地方議会〈5〉原発安易に切り離せない
 大震災、新たな課題


 東日本大震災や福島原子力発電所の事故は、各地の議員にも衝撃を与えた。
 「皆さんが『安全』と言えば言うほど不安になる」
 福井県敦賀市。日本で初めて40年運転に入った敦賀原発1号機を含め3基が立地する。7日の市議会で原子炉の安全性を強調する国の担当者に、今大地(こんだいじ)晴美(60)がかみついた。
 4月の市議選で、4期目を目指した今大地は福島原発事故を受けて「脱原発」を訴えた。これまで「市民派」として原発には慎重だったが、公約に掲げたのは初めてだった。
 交付金など原発関連収入が歳入の2割を占め、市民の3割が原発関連の仕事に就くとされる同市で、脱原発を唱えたのは共産市議2人と今大地だけ。街頭では「原発を止めたら生活はどうなるんだ」と詰め寄られた。前回選で握手を求めてきた人も「ごめんなさい」と目を合わさなくなった。
 1334票集めて当選したが、前回より151票減らした。原発を受け入れてきた市の歴史を実感した。今すぐ原発を止めるのが難しいのも分かっている。ただ、「いったん立ち止まり、これからの街について市民と考えたい」と話す。
 原発を積極的に推進してきた市議らも揺れ動く。
 「安全神話は崩れた」
 7日の市議会では、推進派市議からもこれまでにない厳しい言葉が飛んだ。しかし、ほかに大きな産業はない。将来を考えれば原発は簡単に切り離せない。
 ある市議は言う。
 「代替エネルギーが見つからない中で、安易に脱原発とは言えない。ただ、市民に不安が広がっているのは事実。安全対策をいっそう強く求めるしかない」
     ◎
 津波対策も突きつけられる。東南海・南海地震による津波被害が懸念される和歌山県田辺市で5月中旬、市と住民の緊急の意見交換会が開かれた。町内会長らが「逃げたくても高台がない」「避難ビルを造って」と口々に対策強化を訴えた。被災地の惨状を知り、切実さを増していた。
 1946年の昭和南海地震で多数の死者が出た同市だが、今回の震災では避難指示が出たのに避難率は4%に満たなかった。
 市議の小川浩樹(44)は6月初め、同市と地形が似た岩手県陸前高田市に入った。壊滅した街に絶句した。傍聴した意見交換会を思い出し、「避難ルートや場所の整備など取り組むべき課題は多い。私たち議員もこれまで甘かった。住民の危機感の高まりを市に伝え、実現するのが議員の使命だ」と誓った。
 被災地でも議員が奔走する。津波で市街地の65%が浸水した宮城県東松島市。市議の菅原節郎(60)は自宅を流され、妻子を失った。それでも、「つらいのは私だけじゃない」と避難所を巡る。被災者の要望に耳を傾けるのが日課だ。
 「集落単位の高台移転でコミュニティーを守ってほしいと望む声が多い。そんな声を伝え、津波に強い街づくりにどう生かすか。議員の力が問われている」
 震災100日の18日から市が着手する復興計画づくりで、市民の思いをぶつけるつもりだ。
 「3・11」で浮かんだ地域の課題。克服に向け、議員は住民と向き合う。(敬称略、おわり)
 (この連載は十郎浩史、祝迫博、南省至、山本慶史、沢野未来が担当しました)
(2011年6月18日 読売新聞)
 


東日本震災と原発事故がおきて、市民といちばん近いところにあり、
市民のいのちと暮らしを守る「基礎自治体市町村)」の役割とあり方、
存在意義が、いま、あらためて問いなおされています。

放射能汚泥 政府と自治体の協力で対策を(6月16日付・読売社説) 

東日本の広範な地域で浄水場や下水処理場の汚泥から放射性物質が相次ぎ検出され、各自治体が頭を抱えている。
 汚泥は水を浄化した後に残るもので、主に放射性セシウムが検出されている。
 3月に起きた福島第一原子力発電所の水素爆発などで大気中に飛散し、雨に混じって地表に落下した。雨水管などを通じて処理場に集まったらしい。
 政府は当面の方策として、セシウムが検出された汚泥の施設内保管などを指示していた。
 しかし、保管量は増える一方で、東京都内、神奈川、埼玉、茨城県などの処理場では、月内にも、汚泥を詰めた袋で施設が満杯になることが懸念されている。
 政府は、汚泥対策に悩む関係自治体と緊密に連携して、対応を急がねばならない。
 放射性物質を含む汚泥については、これまで、廃棄物として処分するための明確な基準が定められていなかった。
 近く政府は、事故で発生した汚染廃棄物について、放射性物質の量が1キロ・グラム当たり8000ベクレル以下の汚染なら、他の産業廃棄物などと同様に処分できるなどとした新たな基準を示す方針だ。
 これにより、各地にたまった汚泥も、相当量が処理場から持ち出し可能になるとみられている。
 セメント原料や園芸用土などとして汚泥を引き受けていた業者が、受け入れを断るケースも続出していた。こちらも再開につながると期待されている。
 ただ、極めて少量でも、放射性物質が含まれた汚泥の扱いに不安を抱く住民も少なくないだろう。政府や自治体は、安全性の根拠を丁寧に説明し、理解を求めて行く必要がある。
 政府の試算では、管理の厳しい処分場なら、新基準の1キロ・グラム当たり8000ベクレル以下の汚染廃棄物を埋設しても、周囲に放射線による影響が出る恐れはない。
 処分場から外部に漏れた場合の人体への影響も年間10マイクロ・シーベルト以下で、日常生活で浴びる放射線の100分の1以下だという。
 今後も、汚染地域の土壌除去作業などで、様々な汚染廃棄物が発生する。これらについても処分策を早急に決めねばならない。
 福島第一原発の敷地内や周辺では、がれきなど、極めて高濃度の汚染廃棄物も大量に出ている。多種類の放射性物質が含まれ、処分方策を決めるデータもない。
 その研究と対策の検討にも、政府は早急に着手すべきだ。
(2011年6月16日 読売新聞) 


補償金・義援金理由に生活保護停止相次ぐ 被災自治体 
2011年6月16日13時6分 朝日新聞

 福島県南相馬市や仙台市などで、東京電力福島第一原発事故の仮払い補償金や義援金の支給などを理由に、生活保護の打ち切りが相次いでいる。仮払い補償金などを収入とみなしたうえに、仮設住宅の入居によって家賃分が浮くため最低生活費を上回ると判断したためだ。厚生労働省は被災した生活保護受給者の状況や意向を十分配慮するよう自治体に通知しており、実態を調べている。
 原発事故の警戒区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域を抱える福島県南相馬市は、約400の生活保護世帯のうち、仮払い補償金や義援金の受け取りが確認された約150世帯に対し、6月から生活保護を打ち切った。担当者は「緊急時避難準備区域では震災の被害は少なく、日常生活に戻っている。義援金などがなくなったら、すぐに生活保護の手続きができると説明している」と話す。
 同県いわき市は、仮払い補償金の対象になった生活保護世帯20世帯のうち、審査中などを除いた2世帯で今月分の支給から打ち切りを決めた。警戒区域や計画的避難区域になっている同県双葉郡や相馬郡を管轄する県相双保健福祉事務所も、補償金や義援金から生活必需品を購入した額を引いた額を収入とし、この収入と年金などで6カ月間生活できる場合は生活保護を廃止すると受給者に通知している。  


記者の目:フランスに根付くコミューン=宮川裕章
  

 日本の市町村にあたる「コミューン」はフランスで約3万6500を数える。その約7割が人口700人未満。全国1724市町村の8割以上が人口5000人以上の日本と比べ、小さな自治体が行政の末端を支える。フランス中部アリエ県で約1年間、語学研修を受けた私は、周辺のコミューンを訪ね、地方自治のありようを考えた。

 ◇不便でも“手作り自治”に自負
 フランスの地方行政は州、県、コミューンの3層から成る。社会福祉サービスの多くや中学校の管理は県、地域の道路や小学校の管理など身近なサービスはコミューンと権限が配分されているが、実際には戸籍の管理程度しか行えないコミューンも多い。
 最初に訪れたアリエ県のコミューン、ノワイヨン村は国鉄ムーラン駅から約15キロの山あいにある。緑の牧場が連なる美しい風景だが、バスは廃止され、駅からのタクシーは片道38ユーロ(4370円)。村は過疎に直面していた。1950年代末に2000人に達した人口は、現在724人。若者は就職先を求めて都市に移住した。ラファイ村長(64)は「産業がなく人口の回復は難しい。若い夫婦を迎えるには教育施設の充実しかない」と語った。だが予算は乏しい。09年の歳出62万ユーロ(7130万円)は、ほぼ同人口の山梨県丹波山村(09年度一般会計歳出13億2600万円)の18分の1だ。「近年一番の目玉事業」(村長)として3年かけた小学校の改修工事でも総額40万ユーロ(4600万円)。役場の職員は2人で、コミューン議員15人は村長(月額手当1000ユーロ=11万5000円)と助役以外は無報酬。村長は「村の運営は多くのボランティア行為で成り立っている」と、手作りの自治の心意気を語った。
 それでも住民は大きな不満を抱いていない。主婦のスブリエさん(63)は「財政難でバスはない。でも今は誰かがついでに車で買い物をして来てくれる」とコミューンへの愛着を語る。集会場で近隣コミューンとの合併の可能性について約20人の住民に尋ねたが、ほぼ全員が反対だった。
 人口42人の県内最小のコミューン、ボース村を訪ねると、丘の上の小さな役場で、元小学校校長のドゥサル村長(66)と唯一の事務職員デュモンさん(46)が働いていた。役場の開庁時間は週2回の午前だけ。デュモンさんは四つのコミューンの掛け持ちだ。やはり公共交通機関はなく、歳出は4万6000ユーロ(529万円)。それでも村長は「これで十分」と言う。「住民に一番近い行政サービスを提供している。墓標の修繕や路肩に花を植えるのも私の仕事」と自負する。たばこ屋を営むオディルさん(45)は「大施設や公共交通機関がなくても各家庭には車があり、近くの都市に出れば不自由しない。コミューンをなくしてまで発展する必要はない」と語った。
 仏政府は50年代以降、合併するコミューンに補助金を支給するなどの合併推進策を取った。小規模財政による各コミューンの政策能力の不足や近隣コミューンでの施設重複による非効率の解消、コミューン全体での経費削減などを目指した。だが、コミューン数は約3万8500から2000程度の減少にとどまった。「平成の大合併」で市町村数が99年の3232から1724に激減した日本とは対照的だ。背景にあるのは住民のコミューンへの愛着だ。人口220万人のパリ市など大都市を除けば、ほとんどのコミューンは教会区と領域が重なる。教会での結婚式とは別に行う行政上の結婚式も、役場の一室で市町村長が立ち会うのが通常だ。顔の見える行政が伝統的に根付いている。

 ◇農村に残る郷土愛や奉仕
 仏政府は現在、日本の広域連合に類似するコミューン共同体の拡充を進める。複数コミューンでの共同体の編成を義務付け、経済開発などの権限をコミューンから移譲させる。コミューンを残しながら、効率性を追求しようという折衷案だ。だがピュイドドーム県の8コミューンで構成するコトードランダン共同体議長を務めるモン村のシャサン村長(53)は「今後の共同体の機能拡大がコミューンの機能縮小、消滅につながりかねない」と不安を口にした。
 合理化と、そこで失われる金銭に換算できない価値のバランス。農村を歩きながら、そんなことを考えた。フランスでも日本同様、過疎やインフラ不足の問題はある。一方で、個人主義的と形容される国としては意外なほど、住民の無欲、郷土愛、人のつながり、無償の奉仕など、合併が進んだ日本の地方自治では失われつつあるものが残っているように思った。自治のありように対する答えは単純ではないが、今後も自問を続けたいと思う。
毎日新聞 2011年6月16日 


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6月の花。あじさい・花しょうぶまつり@なばなの里/アナベルとカシワバアジサイが好き

2011-06-17 18:24:44 | 花/美しいもの
6月になって曇りや雨の日が多くなってきました。
そんな雨にも似合う花、といえば、あじさい。
晴れた日は、お花も少ししんなりしていますが、
曇りや雨に濡れると、うれしそうにいきいきと咲きます。

好きな花は、白花のアナベルと房のように咲く柏葉あじさい。 
  
お値打ちな苗を見つけると買ってくるのでだいぶ増えて、庭で咲きはじめました。
  
ちょっと前に行った「なばなの里」でも、生産者に500円に負けてもらった
八重の柏葉あじさい(左)を買ってきました。

「なばなの里」ではちょうど「あじさい・花しょうぶ」まつりをしていました。

 なばなの里オフィシャルサイト

  

 なばなの里 あじさいロード 5/21(土)
~めずらしいアジサイが勢ぞろい!展示が大好評です 〔なばなの里〕


様々な種類のあじさいが約300鉢展示されている
あじさいロードは夜もご覧いただけます。

日程:5月21日(土)~7月10日(日)
場所:あじさい・花しょうぶ園の手前付近
時間:9:00~21:00
料金:無料(なばなの里の入村は必要)

※6月1日あじさい・花しょうぶ園OPEN!予定
 (5/31現在)
※夜にご覧いただけるのは、あじさいロードのみです。
 あじさい・花しょうぶ園は夜間は閉園しています。

全長200mの「あじさい・花しょうぶ」への歩経路には
約70種類300鉢の珍しいあじさいが並びます。


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あじさいロードの花たちをお楽しみください。
   

赤い花
  

   

   

青い花
  

   

白い花
  

   

   

  

   

   


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放射能汚染:内部被ばく、母親らが学習会 食品、一から見直しを/内部被ばく 東電、甘い計算法主張

2011-06-16 17:13:02 | 地震・原発・災害
昼過ぎから雨が降りはじめました。
外で花苗を植えたり庭仕事をしていたのですが、
雨に濡れたくないのであわてて家に戻りました。

  

   

  

福島原発事故による放射能の被害はじわじわと広がり、
遠く離れた大阪でも下水汚泥などから放射性物質が検出されています。

汚泥に放射性物質 16都道府県 NHK 2011.6.14)

もはやどこにいても、放射能汚染からは逃れられません。
とはいえ、何を食べてもどんな生活をしていても同じではなく、
取り込む量が少なければ少ないほど、内部被ばくが少ないのが、
閾値のない放射能の特徴です。

張本人の東京電力は、「内部被ばくの線量を甘い方法で計算していた」
そうですから、やはり自分で情報を仕入れて自衛するしかないですね。

京都では「放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会」が自主学習会をしたそうです。

東日本大震災:内部被ばく、母親らが学習会 食品、一から見直しを/京都 

◇ジャーナリスト・平賀さん講演に質問相次ぐ
 福島第1原発事故による放射性物質の食品からの検出が相次ぐ中、子供の内部被ばくを懸念する母親たちの自主学習会が8日、京都市左京区で開かれた。持続可能な食とエネルギーをテーマとするフリージャーナリスト、平賀緑さん=同区=の講演に約35人が参加。示された資料を熱心にメモする姿が目につき、質問も相次ぐなど関心の高さが表れた。当日の講演の様子を紹介する。【太田裕之】

 ◇野菜は、給食は大丈夫?
 市民サークル「放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会」のメンバー、右近由美さん(45)が企画。電子メールで知人らに案内しただけで、会場からあふれる数の母親たちが集まった。
 まず平賀さんは、国が食品について示した暫定規制値(放射性セシウムは1キログラム当たり500ベクレル)が、従来の輸入品規制値(同370ベクレル)や米国の法令基準(同170ベクレル)より緩められていることを説明。「経済面なども考慮して決められたこの値を下回った食品は、放射性物質を含んでいても『安全』として市場に出回っている」と述べた。
 また、生産者も守る立場にある国は消費者に汚染を意識されたくない▽肉も野菜も穀物も、品種改良や添加物による大量生産が広がっている▽そうした「アグリビジネス」ではコストが重視され、低所得者ほど不健康な食品に頼らざるを得ない状況にある--などの傾向にあることを指摘。「そもそもの食品の生産流通システムを知ることが重要で、ラベル表示を見れば、ある程度分かる」と話し、放射性物質以外の有害物質への注意も呼び掛けた。
 さらに、これからの消費者の心掛けとして「国に基準強化は期待しにくいが、検出データを求めることは有効」「どこでどう育ったかの素性が分かる食材を使い、自分で料理するのが基本」とし、その上で「安心できる食べ物のためには原発も核も全廃しないといけない」と結んだ。
     ◇
 質疑応答では、保育園に通う4歳の娘と7カ月の息子がいる京田辺市の上村真代さん(38)が「京都の野菜は大丈夫?」と尋ね、平賀さんは「東北に比べればまだまし。京都での地産地消を広げる意義はある」と回答。放射線量測定器についても質問があり、平賀さんは「市町村にも購入可能。働きかけはできる」と話した。
 小2の息子がいる左京区の女性(39)らは学校給食について「学校に尋ねても国の規制値より低く安全と言われるだけで詳細が分からない」と懸念。平賀さんは「国の規制値では安全と言い切れないと資料を示して指摘して」と語った。
 府が関西広域連合の枠組みで福島県を支援していることから「福島県の農産物を京都で購入する動きはどうか」との質問も。平賀さんは「一番困っているのは生産者。しかし、食べて応援するのは違うと思う。原発を許すことにもつながる」と指摘。「現代の日本で農業を続ける人を私は尊敬している。その人たちの畑や土に放射性物質がまき散らされたのだと、一緒に怒っていくことだと思う」と話した。
 終了後も参加者同士の意見交換が続いた。上村さんは放出された放射性物質の総量を経済産業省原子力安全・保安院が6日に37万テラベクレルから77万テラベクレルに上方修正したことに触れて「実は倍でしたと後から言われる。発表は信頼できない」。3歳の息子がいる左京区の篠原幸子さん(41)も「流通する食品が本当に安全なのかどうか分からないのなら、注意深くした方がいい」と話した。
 平賀さんは「こんなにも大勢のお母さんたちが来られるとは」と関心の高さを実感。「放射線だけに気を取られると他の不健康な食品を選んでしまう恐れがある。この機会に食べ物全体を見直してほしい」とも強調した。
     ◇
 平賀さんが示した資料は「緑の情報サイト~持続可能な食とエネルギー」(http://midori.info/)で見ることができる。
毎日新聞 2011年6月14日 地方版 


「緑の情報サイト~持続可能な食とエネルギー」

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毎日新聞の「クローズアップ2011」は、ふつか続きで、放射能汚染のこと。

クローズアップ2011:内部被ばく 東電、甘い計算法主張 

◇厚労相「内部被ばく100ミリシーベルト限度」
 東京電力福島第1原発で、限度を超えた被ばくをする作業員が相次いでいる。特に放射性物質を体内に取り込む内部被ばくが深刻だ。細川律夫厚生労働相は14日、内部被ばくが100ミリシーベルトを超えた人を作業から外すよう東電に指示したが、被ばく量の算定を巡って東電と厚労省が対立、作業員の安全を優先した対策が遅れた。作業の長期化が避けられない中、被ばくの実態把握さえおぼつかない現状は、東電が工程表で公約した復旧作業にも影響しかねない。

 ◇根拠薄い「政治判断」
 「東電は当初、内部被ばく線量を甘い方法で計算していた」。厚労省の幹部は憤る。
 福島第1原発の作業員から緊急時の上限の250ミリシーベルトを超える被ばくをしたとみられる2人の存在が発覚した5月30日には、内部被ばくの線量は不明だった。線量計算を巡り厚労省は、同原発で最初に水素爆発があった3月12日を起算点にするよう東電に求めた。しかし、東電側は「いつ内部被ばくしたかは不明。3月末まで作業したなら震災当日と月末の中間の3月21日前後を起算点にすべきだ」などと主張した。
 内部被ばくは「ホールボディーカウンター」という機器を使い、ある時点の線量を測った上で過去にさかのぼって総量を積算する。さかのぼる期間が長いほど積算線量は高くなるため、東電側の計算では厚労省より積算線量が低くなる。厚労省労働基準局の職員は「厳しく計算するよう説得したが向こうも譲らず、にらみ合いが続いた」と証言する。
 ただ、東電の測定値は「暫定値」で、最終的な線量は放射線医学総合研究所(放医研)が精密に検査し算出する。放医研は厚労省と同じ起算点を用いて6月10日、2人の内部被ばくを590~540ミリシーベルト、外部被ばくと合わせて678~643ミリシーベルトで確定させた。
 東電も最終的には放医研に合わせて計算し直して13日に同省へ報告、新たに6人の上限超えが判明した。
 一方、細川厚労相が「内部被ばくの限度は100ミリシーベルト」と指示したのは根拠の薄い「政治判断」だった。
 最初の上限超え発覚後、厚労省は同様の作業をしていた約130人の内部被ばく線量を測るよう東電に指示し、6月3日に報告させた。この時点では新たな上限超えはいなかったが、100ミリシーベルト超が3人いた。当時は線量計算を巡り東電と争っていた時期で、厚労省は「100ミリシーベルト超の3人も最終的に上限超えの可能性が高い」と判断、作業から外すよう指示していた。
 その後、東電が計算し直した13日の報告を同省は「実態に近い」と評価。この報告では新たな上限超え6人のほか、200ミリシーベルト超の作業員が6人いたため、この6人も念のため作業から外すよう事務レベルで指示した。
 しかし、細川厚労相は「100ミリシーベルト超」で作業から外した3日の指示にこだわり、事務レベルの指示を変更した。基準が後退したと受け取られるのを恐れたとも見えるが、労基局の高崎真一・計画課長は「東電の対応が遅れがちな点も踏まえた政治判断」と説明した。【井上英介】

 ◇基準高すぎる
 元原発作業員が東電に損害賠償を求めた訴訟で原告代理人を務めた鈴木篤弁護士は「原告は年間70ミリシーベルトの外部被ばくで多発性骨髄腫が労災認定されたが、5ミリシーベルトで白血病が労災認定されたケースもある。今回の内部被ばくには絶句するしかない」と話す。その上で「100ミリシーベルトという基準は高すぎる。そもそも、内部被ばくの基準がなかったのは大問題だ」と指摘している。

 ◇3月の作業員、2割未検査
 被ばく線量が250ミリシーベルトを超えた作業員8人は、事故発生直後に構内で作業していた。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「発生から1週間はマスク着用の徹底や空気中の放射線測定ができていなかった」と説明する。
 最初に250ミリシーベルトを超えたことが判明した2人は、3、4号機の中央制御室の運転員で、3月11日はマスクを着けていなかった。新たに判明した6人について東電は「マスク着用の指示は出した」としているが、現場でどの程度徹底されていたかは不明だ。
 現状把握も追いついていない。放射性物質がピークだった3月に同原発で作業していた3726人のうち、内部被ばく量が判明しているのは約6割の2367人。残る1359人の半分は検査すら受けていない。
 測定器(ホールボディーカウンター)はわずか4台しかない。東電は「よそから運ぶにも専門業者に依頼したり設置場所の補強工事が必要で時間がかかっている」と釈明する。
 現場から約20キロ離れた前線基地の「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)で車両の除染作業に携わる下請け会社の男性(28)は「内部被ばくの基準を設けるのは当然だが、それ以前に検査の環境を整えるべきだ」と訴える。ホールボディーカウンターが足りないためなかなか検査を受けられず、作業員の不満がくすぶっているという。
 東電は5月に見直した工程表に「作業環境の改善」を盛り込んだ。休憩所の増設など一部は着手しているが、「上限超え」が増える中、作業に支障が出る恐れもある。
 松本本部長代理は会見で「作業員が足りなくなる事態にはならない」と強調した。経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は「作業員が足りなくなれば、他の電力会社などの協力で人材を確保しながら、工程に支障がないよう努めたい」と話す。小林圭二・元京都大原子炉実験所講師(原子核工学)は、「東電や政府はメンツをかけて工程表通りに復旧を進めようとしているが、作業員の人命や健康を軽視している」と憤る。【岡田英、久野華代、袴田貴行、河内敏康】

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 ■福島第1原発での限度を超えた被ばくを巡る動き■

4月27日 50代女性社員が法定の限度(女性は3カ月で5ミリシーベルト)を超える17.55ミリシーベルトの被ばくと東電が発表
5月 1日 40代女性社員が7.49ミリシーベルトの被ばくと東電が発表
  30日 30代と40代の男性社員が、緊急時被ばく限度の250ミリシーベルトを超える被ばくの可能性があると東電が発表
6月 7日 厚生労働省が労働安全衛生法に基づき福島第1原発に立ち入り調査
  10日 放射線医学総合研究所の評価で30代社員の被ばく量は678ミリシーベルト、40代社員は643ミリシーベルトと判明。経済産業省原子力安全・保安院が東電を厳重注意。厚労省が是正勧告
  13日 新たに6人が250ミリシーベルトを超えた可能性があると厚労省が発表
  14日 細川律夫厚労相が、内部被ばくが100ミリシーベルトを超えた作業員は作業から外すよう東電に指示
毎日新聞 2011年6月15日 


クローズアップ2011:福島第1、浄化装置稼働へ 出口なき汚染水処理 

◇放射性汚泥、大量に
 東京電力福島第1原発で15日、仏原子力メーカー「アレバ」の汚染水処理システムの試運転が始まった。同原発では、原子炉冷却のため注水を続けているが、格納容器などが破損しているため、冷却水が放射性汚染水となって原子炉建屋外へ流出している。注水量を増やせばその分汚染水が増え、量を絞ると原子炉の温度や圧力が上がって事態が悪化する恐れがある。処理システムは悪循環を食い止める武器となるが、同時に大量の高レベル放射性廃棄物が発生し、収束作業に新たな「不確定要素」が加わることは確実。年明けまでに収束することを目指す東電の工程表にも影響を与えそうだ。【中西拓司、比嘉洋】

15日に試運転が始まった仏原子力メーカー「アレバ」の汚染水処理システム=東京電力提供 「配管から汚染水がしみ出した部分もあったが、処理システムは予定通りに進んでいる」。経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は15日の記者会見で、試運転が順調に進んでいると強調した。しかし、システムの稼働は、高レベルの放射性廃棄物の発生という新たな問題を生み出した。
 東電は、7月中旬までをめどとした工程表の「ステップ1」で「放射線量が着実に減少傾向になっている」こと、その3~6カ月後の「ステップ2」では「放射性物質の放出が管理され、線量が大幅に抑えられる」ことを目指す。
 しかし、汚染水処理に伴い、アレバ社製除染装置では、放射性の汚泥が年末までに約2000立方メートル(ドラム缶換算で1万本相当)発生。濃度は1立方センチ当たり1億ベクレルもの高レベルになるとみられる。他にセシウムを吸着し終えた容器(高さ2・3メートル)も1日2~4本程度発生する見込みだが、その処理は工程表に含まれない。
 経産省資源エネルギー庁幹部は「とんでもない高レベルの廃棄物が大量に発生し、第1原発の事故処理は未知の領域に入る。工程表に影響が出る可能性がある」と指摘する。同庁や原子力安全・保安院は、処理のための法改正や新法の制定も視野に処理策の検討をスタートさせた。
 膨大な高レベル放射性廃棄物の発生は、年明けまでに冷温停止することを目指した収束スケジュールの足かせになる恐れもある。
 5月の工程表改定で、東電は放射性物質を取り除いた処理済み汚染水を炉心の冷却水にリサイクルする「循環注水冷却」の実現を盛り込んだ。
 2号機では水素爆発によって圧力抑制プールが損傷を受けており、保安院のデータ解析では計300平方センチにわたって穴が開いているとみられている。そのため、冷却水を循環させるには損傷部分を補修するか、プール全体をコンクリートなどの巨大な構造物で覆う必要がある。だが、建屋内は高線量のため作業員の立ち入りは難航しており、破損箇所の確認すらできていない。
 状況は1、3号機も同様だ。ともに原子炉建屋自体が水素爆発で大きなダメージを受けており、水漏れなく「循環」させるには大規模な補修が必要になる可能性もある。「循環冷却」の目標がいつ実現できるかのめどは立っておらず、処理済みの汚染水は当面、施設内の仮設タンクに留め置かれる。
 いずれにしても、メルトダウン(炉心溶融)した核燃料を冷却する限り、処理システムを延々と稼働させなければならない。汚染水処理費には放射性廃棄物の管理費などは含まれず、巨額の処理費用が今後、のしかかってくる。
 放射性廃棄物の処理に詳しい東京都市大の本多照幸教授(原子力環境工学)は「世界的にも前例がない処理。最悪の事態を想定しながら、処理策の具体化を急ぐべきだ」と指摘する。

 ◇配管つなぎ目、懸念
 「本格運転に向けて予定通りに進んでいるが、一番の懸念材料は(参加企業各社の)配管のつなぎ目部分」。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は15日の会見でこう述べた。
 汚染水処理システムは(1)油分離装置(東芝)(2)セシウム吸着装置(米キュリオン社)(3)除染装置(アレバ社)(4)淡水化装置(日立など)--の四つで構成される。運転中は周囲が高線量になるため、遠隔操作で稼働する。
 16日以降にシステム全体の試運転が実施されるが、国内外5社が参加する大規模プロジェクトが順調に進むかは不透明だ。
 もし汚染水処理システムが稼働できなければどうなるか。東電は、未使用となっている集中廃棄物処理施設の地下2階部分を活用すれば、少なくとも今月中は海洋流出を避けられるという。来月上旬には高レベル汚染水を貯蔵する仮設タンクを設置するなど対策を立てているが、綱渡りの状況は続く。
 現在1~3号機へは1日約520立方メートルの冷却水が注入されている。この水が原子炉建屋の地下や、隣接するタービン建屋に滞留。大雨が降ればタービン建屋と地下でつながるピット(コンクリート製の穴)から海へ流出する危険性がある。
 システムでは1日約1200立方メートルの汚染水を処理でき、放射性物質を1000分の1~1万分の1程度まで低減できる。費用は年末までで計531億円。汚染水は年末までに25万立方メートル出るとみられ、1リットル当たり210円になる計算だ。
毎日新聞 2011年6月16日 


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イタリア:国民投票で「脱原発」継続を選択/『女ぎらい ニッポンのミソジニー』の読書会

2011-06-15 19:11:44 | 地震・原発・災害
きょうは1時から『女ぎらい ニッポンのミソジニー』の読書会。
午前中は岐阜日赤病院で、1年ぶりの子宮がんの細胞診とエコーをしたので、
待ち時間のあいだに、いそいで「近代のミソジニー」と「母と娘のミソジニー」を読みました。
午前中に順調に終わったので、お昼はさちさんとデニーズ岐阜加納店へ。
   
ランチのあとは、会場のハートフルスクエアGへ直行。
昨年末からはじめた読書会も、残りはあと2章となりました。

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イタリアが国民投票で「脱原発」の継続を決めた。
ヨーロッパ各国や日本への影響も大きいと思うから、
関連の記事をアップしておきたい。

 クローズアップ2011:イタリア、脱原発を継続(その1) 脅威避け故郷守る  

◇「国より自分」の伝統 首相不信も一因
 先進国の中で唯一原子力発電所のないイタリアの国民は12、13両日の国民投票で改めて「原発拒絶」の姿勢を明確にした。背景には、東京電力福島第1原発事故の衝撃に加え、ベルルスコーニ首相らへの政治不信、重要な問題は伝統的に国民が決める--という三つの要素がある。しかし、代替エネルギーや、電力の大半を輸入化石燃料に頼る構造にも改善の道は見えない。ドイツなど脱原発への動きが目立つ欧州だが、原発推進を維持する国も多く、欧州は「フクシマ・ショック」後の原発政策を巡って二分され始めた。【ローマ藤原章生、ロンドン会川晴之】
 イタリア人は87年の国民投票で、原発建設地を自治体ではなく国が優先的に決めることや、自治体への優遇措置を拒否し、90年の原発全廃に結びついた。
 同国では自治体レベルで「緑の党」など環境、生活重視派が強い。今年は国家統一150周年だが、国民は国家より地域、故郷への帰属意識が強く、国よりも自治体を信じる伝統が強い。
 08年に政権の座に就いたベルルスコーニ首相は、「20年の稼働」を目標に原発再開策を進めたが、受け入れる自治体はなかった。それでも国民が原発を巡る2度目の国民投票を求めたのは、「政府は裏で何をするかわからない」という政治不信からだった。
 そこに福島原発事故が起き、「技術を持つ日本で起きた以上、イタリアでの原発管理は無理」という声が一気に拡散。大震災直後に大阪に避難した国営放送RAIの記者らが日々「原発の脅威」をあおり、税関庁が欧州連合(EU)に先駆けて日本からの輸入品検査を急がせたのも原発への不信感を広めた。
 イタリアでは戦後、46年の王制廃止、74年の離婚合法化、81年の中絶容認などを国民投票で決めてきた。「無知な庶民がその場の感覚で二者択一するのは賢明ではない」(フォカルディ・ボローニャ大教授=核融合専攻)との批判もあるが、人生にかかわる重要な問題こそ専門家の説より個人の考え、直観で決めたいという思想は、国よりも自分の身を第一に考える伝統だ。
 イタリアは商店などの営業時間の短さや個人の節電から、1人当たりの電力使用量は日本の約7割。それでも09年政府統計では、電力源の83%を主に原油、ガスなど海外の化石燃料に依存し、電気代は欧州一高い。
 反原発派は風力、太陽光発電をうたうが、双方で全電力量の0・85%で、急速に伸びる見込みもない。農地利用が必要な両発電には、補助金の横領を狙ってマフィアの暗躍が取りざたされもしている。
 政権による原発推進は、膨らむ政府債務の削減が狙いだった。電力消費を大幅に減らさなければ、周辺国からの高い買電が増える。
 代替案や国の計画よりも、まずは個人の感覚に頼ったイタリア人の選択は、原発の是非を決める一つの先例を示したと言える。

 ◇英仏は「推進」、欧州二分
 ドイツ、スイスに続き、イタリア国民が「脱原発」を選択したが、15カ国に148基ある原発が電力の約3割をまかなう欧州全体で同じ機運が高まっているわけではない。
 電力の8割を原発に依存するフランスのサルコジ大統領は「(脱原発は)軽率で理性のない選択だ」と強調。旧型原発の更新期を迎える英国など西欧諸国のほか、チェコやポーランドなどの東欧諸国は、明確に原発推進を打ち出している。
 欧州では、79年の米・スリーマイル島事故、86年の旧ソ連・チェルノブイリ事故を機に、原発見直し論が高まった。80年にスウェーデンが世界で初めて脱原発を決めたのを皮切りに、イタリアが87年、ドイツ、ベルギーが02年に脱原発政策を採択した。
 しかし、代替エネルギー源の確保が難しいことや、地球規模の気候変動問題を背景に原発見直し論が高まり、脱原発路線を撤回する国が相次いだ。スウェーデン議会は10年に原発の寿命延長を小差で可決、福島事故後もラインフェルト首相は「10年の決定に変更は無い」と明言した。

 ◇「脱露」の東欧も
 ロシアにエネルギー供給源を依存する東欧諸国にとっては、ロシアの影響力をそぐことが国家安全保障上の最大の課題。自前のエネルギー源確保のため、原発重視の政策を取る。産炭国のポーランドは2020年までに2基の原発を建設する計画で、ドイツなど近隣諸国に電力を輸出するチェコも原発増設計画を進めている。
 欧州の脱原発は、環境団体の運動だけでなく、「緑の党」の躍進などを背景に2022年までに順次廃炉を決めたドイツのほか、反原発を国是とするオーストリアなど多様な事情がある。原発批判のトーンを強めているオーストリアのファイマン首相は4月末、「チェルノブイリ事故後も160基の原発が新設された」と批判した。
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クローズアップ2011:イタリア、脱原発を継続(その2止) 日本へ波及も

◇運転再開、知事判断に影響か
 イタリアの「原発拒絶」は、欧州での脱原発の流れのきっかけとなった日本にも波及しそうだ。日本の国民投票は、憲法改正の是非を問うための制度。イタリアのように、原発再開をテーマに実施することはできない。さらに、電力業界幹部は「イタリアは原発から撤退していた国。発電電力の約3割を占める日本とは事情が違う」と強調。日本で国民投票をしたとしても、同じ結果にはならないとみる。菅直人首相も停止要請した中部電力の浜岡原発以外の原発について、安全性が確認されれば、運転を認める方針を示している。
 しかし、これまで「原発は安全」と繰り返してきた国や電力会社への立地自治体住民の信頼は、福島第1原発事故で根底から崩れている。知事からは「今は電力供給より安全性が先」(古川康・佐賀県知事)、「国は原発再開に安全上の支障がないという一方、浜岡に停止要請した。(安全面で)何をどう評価したのか分かりにくい」(三村申吾・青森県知事)と不信の声が続出。定期点検などで止まった原発の運転再開の前提となる立地自治体知事の同意が必要だが、欧州での脱原発の広がりが、原発への不安を高め、知事の判断にも影響を与える可能性がある。
 イタリアの国民投票について、環境系シンクタンク「幸せ経済社会研究所」の枝広淳子所長は「ドイツなどに次ぐ脱原発への真剣な動きだ。『真剣に原発について考え、行動してきただろうか』と思い起こさせる効果が日本にも出てくるのではないか」と分析。その上で、「重要な政策自体への賛否を直接、問う政治システムの可能性も示した」として、「日本でも、私たち自身がエネルギーについて意見を持ち、声に出すことで、電力政策を変革できるのでは」と期待する。【立山清也、竹地広憲、江口一】
毎日新聞 2011年6月14日 東京朝刊


イタリア脱原発 欧州からの新たな警鐘 
2011年6月15日 東京新聞

 イタリアの有権者が、国民投票による圧倒的多数で政府の原発再開方針を拒否した。ドイツに続く脱原発の意思表示だ。イタリアは地震多発国でもある。欧州からの新たな警鐘と受け取るべきだ。
 イタリアは、チェルノブイリ原発事故を受けて実施した国民投票で原発撤退を一度決めている。現在、国内に原発はなく、電力の約一割を輸入している状況だ。
 三年前発足したベルルスコーニ政権は、国際的な原発促進の動きに伴い原発再開を表明。二〇三〇年までに総電力の四分の一を賄う方針を掲げていた。
 今回の国民投票はその是非を問うもので、94%の圧倒的多数が再開に反対した。最低投票率50%の成立要件も大幅にクリアした。東日本大震災を受けドイツに続き欧州主要国が下した判断は重い。
 国民投票に対する考え方は各国各様だ。スウェーデンでは、米スリーマイル島原発事故後の国民投票に基づきいったんは一〇年末までの撤退を決めた。しかし、設問設定の曖昧さもあり政策転換の余地を残した。その後の民意の揺り戻しにあい、原発依存度は45%とむしろ増加している。
 ドイツに国民投票の制度がないことはよく知られる。地域性、専門性など多岐にわたる複雑なテーマを一度の投票に委ねる是非を歴史に学んだ知恵だとされる。今回の脱原発決定までには、三十年の民意の集積があった。
 イタリアの今回の決定には地震多発国という事情も作用したのではないか。南欧諸国はアフリカプレートと、ユーラシアプレートの境界線上にある。一昨年のラクイラ地震は記憶に新しい。
 今後問われるのは、欧州全体としての意思だ。欧州は戦後、原子力共同体(ユーラトム)を創設して原子力平和利用へ共通の政策を模索してきた。現在、脱原発を図る各国の動きも、欧州全体として原発を容認する体制下で進められている。今後の原発政策の流れを大きく左右する欧州としての意思の収斂(しゅうれん)を早急に図るべきだろう。
 東日本大震災に際しては、ローマ法王が、福島の少女の質問に真摯(しんし)に答える姿が話題となった。その法王は国民投票に際し、地球環境保護から自然エネルギー支持の立場を表明し、投票参加を呼び掛けた。
 投票結果は、買春罪などで起訴されている現首相に対する審判の意味合いが強かったとはいえ、その深層にはイタリア国民の自然への畏怖があったと思いたい。
 


社説:欧州の脱原発 フクシマの衝撃は重い 

 欧州で「脱原発」の流れが加速している。イタリアは12、13日の国民投票で原発再開に「ノー」を突き付けた。6日にはドイツが既存の原発17基を22年までに全廃することを閣議で決めている。いずれも福島第1原発の事故が背景にある。世界に波紋を広げるフクシマ・ショックの重さを改めてかみ締めたい。
 イタリアの国民投票は57%近い投票率で成立し、原発反対票が約95%を占めた。同国はチェルノブイリ原発事故(86年)後、国民投票で原発全廃を決めたが、他国からの電力輸入などでコストがかさみ、ベルルスコーニ首相は20年をめどに原発を再開したい考えだった。「原発再開法」を推進した同首相には最悪のタイミングで原発事故が起きたわけだ。
 ドイツの場合は、「フクシマが私の考えを変えた。(事故の)映像が脳裏に焼き付いて離れない」というメルケル首相の言葉がすべてを物語っていよう。福島の原発事故が世界の主要国の針路を変えた。ドイツなどで環境重視の緑の党などが発言力を増し、各種選挙で旋風を巻き起こしたことにも注目したい。
 他方、欧州には事故の恐ろしさが誇張されて伝わり、ある種の「過剰反応」を引き起こしたと主張する人もいる。独伊は「脱原発」と言いながら、原発大国フランスなどからの電力輸入をあてにしているではないかとの見方もある。脱原発の評価はそう簡単ではない。
 原発政策は、経済や政治の統合が進む欧州と、海に囲まれた日本とでは事情が違う。欧州は欧州、日本は日本である。その欧州も、仏英などの原発推進派と、独伊やスイス、ベルギーなどの「脱原発」派に分かれているのが実情だ。80年にいち早く脱原発へかじを切ったスウェーデンの議会は昨年、方針を転換する法案を小差で可決している。
 だが、脱原発に踏み切った独伊の決断はあくまで尊重されるべきである。脱原発を進めれば電力コストがかさんで国民負担は増えやすい。閣議にせよ国民投票にせよ、脱原発の決断はそう簡単ではない。両国はフクシマを反面教師とし、多少の負担増は覚悟の上で「安全」を選んだといえよう。
 ドイツは「脱核兵器」にも前向きで、国内に配備されている米軍の戦術核兵器の撤去を求めてきたことも忘れてはなるまい。
 一方、米国や中国、インドは原発推進の姿勢を変えていない。中東ではサウジアラビアが30年までに16基もの原発を建設するとの情報もある。世界の分かれ道に、どう対応すべきか。スリーマイル島(79年)やチェルノブイリに続く原発事故の震源地となった日本としては、将来の原発政策を腰を据えて考えたい。
毎日新聞 2011年6月15日  


社説:原発と民意―決めよう、自分たちで 
2011年6月15日 朝日新聞

 原発再開の是非を問うイタリアの国民投票で、反対派が9割を超えた。
 ドイツの2022年までの段階的閉鎖、スイスの34年までの廃炉に続き、欧州でまた「脱原発」の猛烈な民意が政治を突き動かした。
 福島の重大事故のあと、原発への厳しい世論が広がる。
 では、日本はどうか。
 4月の福井や佐賀、6月の青森など、原発立地県での知事選が相次いだが、原発の存廃そのものを問う展開には見えなかった。「脱原発」票は行き先を探しあぐねているようだった。
 欧州との、この落差はいったいどうしたことか。
 日本でも、菅直人首相が浜岡原発の停止を求めた。ただ、津波対策を終えるまでの時限措置で、原発全体を視野に入れた方針転換ではない。
 国会の動きも理解しがたい。どの政党も太陽光や風力など自然エネルギーの普及に賛成なのに、自然エネルギーによる電気を電力会社が高く買い取る制度を導入する法案は、いまだに審議入りもできていない。
 これが、原発推進を国策としてきた日本政治の現状なのだ。
 振り返れば、官僚ら「原子力村」の仲間で政策をつくり、安全神話と補助金で地元住民の合意を取りつけてきた。民主、自民の2大政党とも推進派で、有権者が原発問題と向きあう機会が少なかったのも事実だ。
 だが、いまや安全神話を信じる人は見あたらない。事故の被害は立地補助金が行き渡る自治体の範囲をはるかに超え、子や孫の世代にまで及びそうな現実も思い知らされている。
 もう黙っていられない。私たちの将来を決める選択なのだから「お上任せ」「政治しだい」でいいはずがない。国民がみずからエネルギーを選び、結果の責任も引き受けていこう。
 こんな民意が一気に集まり、うねり、各地で散発的に始まった「脱原発デモ」を全国一斉実施にまで拡大させている。
 かつてない規模で広がる「脱原発」の民意を、政党はどうくみ取れるのか。始まったばかりの超党派の国会議員による勉強会に注目する。
だが何より大事なのは、やっと声をあげ始めた私たち有権者がもっと議論を重ね、もっと発言していくことだ。
 国民投票は容易ではないが、原発の住民投票なら、新潟県巻町(現新潟市)などですでに経験がある。停止中の原発の再稼働を問う住民投票を周辺市町村も含めてやるのも一案だろう。
 自分で将来を決めるために。  



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燃える雲。ゆうやけこやけで日が暮れて・・・/モロッコインゲン・ジャガイモの初収穫

2011-06-14 21:01:55 | 有機農業/野菜&ハーブ

午後から、つれ合いは県庁へ、わたしは岐阜県図書館に行ってきました。
帰りにマーサで買い物をして外へ出たら、燃えるような夕焼け。

燃える雲。


         
みるみる暗くなる空。

走る車のまどから写した夕焼け(城田寺付近)。


ゆうやけこやけで日が暮れて・・・。

帰ったら、
イタリアの国民投票の結果が出ていました。
投票した人の94パーセントが「反対」で、テレビでは首相が敗北宣言をしていました。
原発再開の是非を問う国民投票は、脱原発のすすむヨーロッパでも初の快挙です。

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午前中、ネットをかぶって日本蜜蜂の巣箱の掃除をしていたら、
ともちゃんにまどくんから、インゲンの収穫時期のお尋ね。

豆、芋などはわたしの担当なので、
アドバイザーとして代わりに畑にハケンされました(笑)。


つるありモロッコインゲンは、木が大きくなって、
下のほうの豆は、もう収穫時期。
  
お隣の、つるなしインゲンも豆のさやが20センチくらいでまん丸。
両方とももう収穫できます。。
  

ジャガイモは初物をためし掘りしたら、けっこう大きくなっているとのこと。
収穫時期は、下葉が黄色く枯れてきたとき。
イモ類は、収穫直前のころ太って味がのってくるるので、もう少しです。
 

すくすく育つエダマメ 自然薯 ミョウガ
    
サツマイモ畑。 
ベニアズマ  安納芋  なると金時  
  
カボチャ畑。


その北で、わたしが苗を植えて育てているペピーノの花は、
前に写したジャガイモの花にそっくり。

ピンポン球くらいのまん丸のかわいい果実は、
色づいてくれば食べられるそうです。

どんなお味か楽しみです。

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6/12,13:拡がるブックトーク「表現とメディア」と「グロバリゼーションとジェンダー」@静岡

2011-06-13 22:22:18 | ジェンダー/上野千鶴子
『新編 日本のフェミニズム』の発刊をきっかけに全国展開する
ブックトークの第一弾は静岡市女性会館でのシンポジウム
「井上輝子と上野千鶴子が語りつくす表現とメディア」。

本番は録音・撮影禁止だったのですが、録画はWANサイトで配信される予定なので、
楽しみにお待ちください。

『新編 日本のフェミニズム』全12巻の交差点へ

シンポジウムは、静岡市女性会館とWANとの共催だったので、
イベント終了後に、WANの説明会を開催しました。
こちらは、副理事長の渋谷さんが説明され、
撮影もOKなので、とりあえずそのようすを紹介します。

   

   

   

  

ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)

夜は新鮮な海の幸で井上さんと上野千鶴子さんと、静岡の皆さんと交流会。
  

おつかれさまでした。

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静岡駅隣のホテルアソシアに一泊して、一夜明けて、ブックトークの第二弾は、
静岡県立大学での「グロバリゼーションとジェンダー」。
    

基調講演は上野千鶴子さんの
「グロバリゼーションのなかの『日本のフェミニズム』」
   

   

つづいて、青山薫さん(神戸大学大学院国際文化学研究科准教授)の
「グロバリゼーションとジェンダー ―非『国民』のすすめ」
青山さんとは、上野さんの講演が排除された国分寺事件のとき、
東京都庁にいっしょに抗議文を提出しにいったときからの仲。
思えば、井上輝子さんと若桑みどりさんとも、このとき初めてお目にかかったのでした。

   

   

   

   

  

  

  

休憩をはさんでの後半は、
パネルディスカッション「『グロバリゼーションとジェンダー』をめぐって」
パネリストは、青山さんと県立大学の犬塚協太さんと静岡大学の舩橋惠子さん。
コーディネーターは、静岡県立大学(男女共同参画推進センター長)の中山慶子さん。
   

  

それぞれの話しはよかったのですが聴くばっかりで、
フロアからの発言の時間がとれなくて、
ちょっぴりもったいなかったです。

お勉強モードの二日間でしたが、有意義な時をすごしました(笑)。

ブックトークはあと10回。
南に北に、これから順次、全国で開催されます。


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【悩みのるつぼ】Q自殺は本当にいけないですか:A(上野千鶴子)正直に弱さを認めましょう

2011-06-12 12:01:43 | ジェンダー/上野千鶴子
去年の秋に花が終わった処分品を買って、鉢に植えた紅白の石竹(セキチク)。

先に赤が咲きはじめ、
   
続いて、白も咲いてはなざかり。
   

別名,、カラナデシコ(唐撫子)。
ナデシコの仲間で庭で簡単に育てられます。
   

   

6月は、いろんな山野草が庭のすみでひっそりと咲きます。
    

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朝日新聞の土曜別刷り「be」の「悩みのるつぼ」。
今週は上野さんのはずだと思って、昨夜、宴も終わって
寝る前に新聞を見たら、そうでした。

「自殺は本当にいけないですか」という重いテーマに、
上野さんはどう応えていらっしゃるでしょう。

     
     2011.6.11 朝日新聞

 自殺は本当にいけないですか
相談者  無職男性 50代


 50代の無職男性です。自死(自殺)について相談します。
 自殺者は13年連続で年3万人超と報道されています。世間一般的には自殺は良くない、弱い人間のすることだという暗いイメージが出来上がっています。どんな理由があろうとも、自殺は絶対にいけないといいます。
 でも私は、自殺を正当化できないか、後ろ暗いイメージを残さないで自死できないかと考えてきました。人に迷惑をかけない方法で自殺するとしても、本当にいけないことでしょうか。・・・・・・
・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・
 ・・・・将来の年金を支給するための財源として、消費税の増税をしようとしている政府にとっても、私が自死すれば負担は軽くなり、究極の社会貢献だと思います。
 世間一般的に言う、将来を悲観しての自死ではなく、明るく前向きな自死だと私自身は思うのですが、いかがでしょうか。

----------------------------------------------------------------
正直に弱さを認めましょう
回答者 社会学者・上野千鶴子

  ひとは社会的な理由からではなく、個人的な理由から自殺します。冒頭「世間一般的には」と書き起こすあなたは、自殺する気がはなからない人とお見受けしました。
 するってぇと、このご質問の意図は?
 解釈その1。回答者に議論をふっかけてどんな答えが返ってくるか相手を試す。残念ですがそんな一般論につきあっているヒマはありません。
 解釈その2。「自殺の正当化」の理由を求めているあなたは、この欄の回答をその「正当化」の根拠にしようとしている。自殺は積極的なアクションであり、遺書は生涯最後の命をかけたメッセージです。そこに「朝日の悩みのるつぼで、こんな回答をもらったから」なんて書かれてはたまりません。その手はくわなの焼きはまぐり。そもそもこの欄の回答には、命をかけるほどのねうちはありません(笑)。
 解釈その3。信念や信条で自殺なさるならとくにおとめしません。ただしあなたのその信条にわたしは同意しませんし、つまらない信条だと思います。
 くりかえしますがひとは社会的な理由から自殺することはありませんし、あなたが言うように「将来を悲観して」自殺を選ぶこともありません。ひとは個人的な理由から現在を悲観して自殺を選ぶので、あなたに現在とくに死ぬ理由がなければ、ホンモノの自殺志願者から自殺を口先でもて遊ぶ者と、怒りを買うでしょう。
 解釈その4。この文章には書かれていない何かもっとべつな理由で、あなたは死にたいと思っており、それを引きとめてほしいと思っている。そもそも本気で死ぬつもりのひとは、お悩み相談なんてしません。「死にたい」メッセージは、その実「死にたくない」メッセージ。自殺者がたび重なる自殺予告をすることは知られていますが、それはそのメッセージを受け止めてほしいというアピールです。
 そう思えば「50代、無職、独身、男性」の背後には、どんなご事情があるのでしょうか。「親しい友人もいない、兄弟親戚もいない」あなたは、この社会では孤独死予備軍のハイリスクグループに属します。つらい、さみしい、助けてほしいのなら、こんな回りくどい言い方をしないで、正直にそう言いましょう。きっと誰かが受け止めてくれます。自分の弱さを認めることがまず先です。これだから男はめんどくさいんですよね。  
題字・イラスト きたむらさとし


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手植えの田植え/震災から3ヶ月。6・11脱原発100万人アクション」

2011-06-11 21:57:41 | 有機農業/野菜&ハーブ
きょうは6月11日。
東日本震災と原発事故から、ちょうど3ヶ月たちました。

朝からしとしと雨がふっていましたが、きょうは手植えの田植えの日。



まず、籾播きして庭で育てていた苗箱をたんぼに運びます。


午前8時、小雨の中、田植え開始。


お昼過ぎ、7割がた済んで、あと一息です。

植えているのは男性たち、それを激励しながらタープのなかでは女子会。

ハツシモの無農薬栽培なので、紙マルチを転がしながら植えます。
こんな感じに。

田植え、ぶじ終了しました。



それぞれお風呂に入って少し休んでから、
三々五々あつまって、夕食は恒例の手巻き寿司。
   

尽きぬ話はまだまだ続いています。

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わたしたちが田植えをしていた頃、全国各地で、いえ世界中で、
反原発のデモやイベントが開かれていました。

そんな人たちに思いをはせながら、無農薬のおいしいお米の苗を植えました。

「明日、世界が滅びるとしても
今日、あなたはリンゴの木を植える」

 
震災3カ月、各地で脱原発デモ 福島・新宿・フランス…  
2011年6月11日 朝日新聞

 東日本大震災から3カ月の11日、「脱原発」を訴えるデモやイベントが全国各地で開かれた。
 東京・新宿では、インターネットでの呼びかけなどで集まった多くの人たちが午後3時すぎから行進。ロックやちんどん屋の生演奏を先頭に、休日の繁華街を約3キロ歩いた。主催者によると約2万人が参加したという。
 都内の会社員、斎藤誠さん(43)は、妻と2人の息子と参加した。こうしたデモ行進は初めて。「子どもの将来が何より気になる。原発は即停止しかないだろう」と話した。
 百貨店で買い物をしていた都内の杉本則子さん(60)は飛び入りで加わった。「原発がないと生活ができないでしょ、と問われても、今までは返す言葉がなかった。その答えを真剣に考える責任があると思う」
 福島県内の各地でもデモや集会があった。郡山市では約200人が「ノーモア・フクシマ」「ふる里をかえせ!」などと手書きしたプラカードを掲げながら歩いた。
 福島第一原発の事故の影響で、郡山市内の放射線量は今でも、東京の20倍以上。同県須賀川市の主婦橋本円香(まどか)さん(36)はマスクに「深呼吸も出来やしねえ」とのメッセージを貼りつけて歩いた。「本当はデモなんかしたくない。でも、地元から、原発反対の声を上げないといけないと思いました」
 この日の行動は、福島第一原発の事故が起きてから東京都内でデモを主催していた環境保護団体「グリーンピース」やリサイクルショップ「素人の乱」の関係者らが話し合い、「6・11脱原発100万人アクション」と題して世界各国にも呼びかけて実施した。
     ◇
 世界有数の原発大国であるフランスでは、パリ中心部の市庁舎前でNGOがデモと集会を行い、放射能汚染の脅威にさらされ、脱原発を訴える日本の人々との連帯を表明する。
 脱原発の方針を打ち出した野党の議員らが次々に演説。主催したNGOメンバーのシャルロット・ミジョンさんは「各国は原発の安全性検査を実施すると言うが、原発を続けるための言い訳に使われかねない」と指摘、日本での活動支援のため、脱原発を求める共同声明を読み上げる。
 豪メルボルンや台北などでも集会などがあった。


 「脱原発」岐阜市でも集会 500人、繁華街パレード
2011年06月11日 岐阜新聞

 東日本大震災と福島第1原発事故から3カ月の11日、国内外で脱原発イベントが一斉に展開され、岐阜市でも市民団体「さよなら原発・ぎふ」主催の「さよなら原発パレード・ぎふ」が展開された。
 同市金町の金公園で午前11時から開かれた集会では、運転が止まった浜岡原発のある静岡県や岐阜県の直近に原発群がある福井県の実行委員会からのメッセージが伝えられた。
 パレードには約500人が参加。トラクターを先頭に原発を批判する音楽を流し、のぼりやプラカードなどで「脱原発」「未来につながる生命を守ろう」などと訴え、チラシなども配りながら繁華街の目抜き通りを行進し沿道にアピールした。


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