みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

8月20日(月)のつぶやき

2012-08-21 01:19:15 | 花/美しいもの
10:12 from web
今朝はカラッと晴れていました。朝晩も山から降りてくる冷気で涼しくなって、眠りにつきやすくなりました。

15:18 from web
岐阜地裁に書類をだしがてらお昼は丸デブ、そのあと岐阜高島屋で夕食のお買いもの。帰りにベビーガーデンカフェによって美味しい紅茶を飲んできました。涼しいところをはしごして今日はもう一万歩を超えました。夕方は庭仕事です。

22:02 from gooBlog production
NHK:ルポ 原発作業員~福島原発事故・2年目の夏/二つの被ばく地-チェルノブイリと福島 blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…

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NHK:ルポ 原発作業員~福島原発事故・2年目の夏/二つの被ばく地-チェルノブイリと福島

2012-08-20 21:23:02 | 地震・原発・災害
昨日の夜10時からのNHKのETV特集は「ルポ 原発作業員~福島原発事故・2年目の夏」。
日曜日のこの時間のETV特集は毎回見ごたえがあるので、予約して見ました。

福島原発事故の収束作業にあたっているのは、東電社員ではなく下請け会社で、
じっさいの現場に行くのは、近隣の被災した人たちです。
原発作業員として被ばくを心配しながらの作業を続けていますが、
年間の被ばく線量の限度がいっぱいになったら、原発作業員の仕事もできなくなります。

原発作業員の人たちは、入所する前に「からだに問題が起きても異議は申し立てません」という誓約書を書かされるとか。
「(会社は)収束作業で仕事をもらっているから(東電を)守らなきゃっていうことなのかな」。

解決できない必要な問題が山積するなか、今も一日約3000人の原発作業員が
原発事故の収束作業にあたっています。

見逃した方は、8月26日(日) 午前0時50分から再放送があります。

  ルポ 原発作業員~福島原発事故・2年目の夏~  

2012年8月19日(日) 夜10時
2012年8月26日(日) 午前0時50分 再放送


福島第一原発では、事故から一年たった今も毎日3000人の作業員が事故収束作業にあたっている。その6割が地元福島の人だ。故郷を放射能に汚染されてなお、原発での仕事を生活の糧にせざるを得ない。作業員たちはどのような状況に置かれ、どのような思いを抱えているのか。福島県東部の浜通りにある2つの下請け企業の協力を得て、その日々を見つめた。
大手プラントメーカーの下請けとして事故前から原発の仕事を続けてきた「東北イノベーター」。毎日12人の従業員が第一原発の仕事に向かう。事故前から20年以上、福島第一原発を中心に定期検査やメンテナンスの仕事を続けてきた。事故後、第一原発の現場では、毎時数ミリシーベルトを超える高線量の場所が数多くあり、毎日の被ばく量も「0.3」「1.8」と“ミリシーベルト単位”だ。そうした高い被ばくを伴う現場に夫を送り出す家族は不安な日々を送っている。
原発事故後、現場には大量の作業員が必要となり、これまで原発の仕事とは関わりの無かった人たちも原発での仕事を始めている。川内村の「渡辺重建」では、震災で仕事を失った若者たちに声をかけ、去年7月から第一原発での仕事を始めた。みな事故前は、バスの運転手やアパレル工場、ゴルフ場など、原発とは関係の無い現場で仕事をしてきた人たちだ。一年間で、40ミリシーベルト近くの被ばくをしており、法令の限度内とはいえ、健康への不安を感じている。
こうした下請け作業員の不安に地元福島で40年以上向き合ってきた石丸小四郎さん。被ばくによる労災 支援などを行ってきた石丸さんのもとには、今、作業員たちから現場の実態が寄せられている。その聞き取り調査から、原発での労働実態やその問題点も明らかになってきている。


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河北新報では、8月15日から毎日、
特集:二つの被ばく地-チェルノブイリと福島 の連載をしています。

全8回ですが、現地のことを書いた(1)と(2)を紹介します。
記事を読むと、15年目に行ったチェルノブイリの現地の様子を思い出します。

 (1)レベル7/25年後の福島なのか 生活消えた街、既視感  

<3500人事故処理>
 2012年7月、ウクライナ北部。鉛色の巨大な構造物は薄曇りの空と溶け合って立っていた。チェルノブイリ原発4号機。1986年4月に世界最大級の原子力事故を起こした。
 初めての場所なのに既視感が強い。本やテレビ、新聞で見た世界史の現場だからか。それだけが理由ではない。私が福島から来たせいだ。
 直方体の建屋が幾つも連結した姿、大きな煙突、立ち入り禁止区域と検問、生活が消えた周辺の街。似た風景を昨年3月以降、何度も見た。状況の一つ一つに、8000キロ離れた福島第1原発と被災地が重なる。
 原発構内の人影は案外多い。運転時は7000人が働き、現在も3500人が事故処理に当たる。談笑する半袖の男性や、芝刈り機を動かす女性。表情に26年前の大惨事の影はない。牧歌的な雰囲気さえ漂う。

<1マイクロシーベルト下回る>
 徹底的に除染された構内は、ほとんどが毎時1マイクロシーベルト未満。4号機から約300メートルの展示施設周辺も5マイクロシーベルト前後だった。「俺の家の方が高い」。同行した双葉郡選出の福島県議がつぶやいた。
 これまでのチェルノブイリ視察記は周辺の線量の高さを「東京の○○倍」などと強調してきた。実際に訪れると、思いの外低く、拍子抜けする。
 立ち入り禁止区域に6時間半滞在して累積線量はわずか5マイクロシーベルト。今年2月に第1原発を取材した時は最高で毎時1500マイクロシーベルトだった。福島市でも1マイクロシーベルトは珍しくない。ただ、狂っているのは私の感覚だろう。福島の異常さをあらためて思う。
 チェルノブイリはあなどれない。4号機の中には、溶けてただれた大量の核燃料が当時の作業員の亡きがらと共に手のつけられない状態で残る。「石棺」と呼ばれる厚さ18メートルのコンクリートが強烈な放射線を「死の世界」に辛うじて封じ込める。
 展示施設の女性ガイド、ユーリア・マルーシチさんの話が重い。「26年たっても線量が高く、人の入れない場所がたくさんある」「夢物語の希望を語っても仕方がない。廃炉は百年、二百年のスパンで考えている。技術が開発されなければ半減期を待つしかない」
 日本政府は第1原発の廃炉を30~40年後に完了する工程表を示す。しかし、ユーリアさんは言う。「フクシマの方が大変な事故かもしれない。ここは1基だが、フクシマは4基の原子炉が重大な問題を抱えている」

<33万人が移住>
 国際原子力機関によると、チェルノブイリ事故では、28人が急性の放射線障害で死亡。事故後2年間で35万人が高線量の中、処理作業を行った。
 管理が必要な汚染区域はウクライナ、ベラルーシ、ロシア3国の計14万5000平方キロにまたがり、約500万人が暮らす。高汚染区域の33万6000人は移住させられた。今も30キロ圏内は原則的に立ち入り禁止だ。
 放射性物質の放出量は推定で6分の1とはいえ、第1原発事故も同じレベル7。チェルノブイリから何を学べるのだろう。この地は福島の25年後の姿なのか。
 共に視察した福島大の清水修二教授は強調した。「私たちはチェルノブイリの試行錯誤を生かせる。知識や技術も発展している。同じ年数をかける必要はない」
   ◇
 原発事故対策を探る福島県議会の海外行政調査に同行した。チェルノブイリ事故から四半世紀が過ぎ、ウクライナ、ベラルーシの被ばく地はどうなったのか。世界で初めて高レベル放射性廃棄物処分場を建設するフィンランドと合わせて、3国の現状から福島事故の問題を考える。(福島総局・中島剛)=8回続き
2012年08月15日水曜日 河北新報


 (2)葬られた街/帰還権なき強制移住/消せぬ懐郷の思い 

<162地区の墓標>
 検問を抜けると、風景が変わった。畑がなくなり、森が深くなる。人影も消えた。
 ウクライナの首都キエフから北に車で2時間。チェルノブイリ原発の30キロ圏は事故26年後の今も、ベラルーシ側の一部を除き、一般の立ち入りが禁じられている。
 事故当時、30キロ圏に住んでいた11万6000人は強制移住させられた。時折、廃屋が見える。汚染のひどい家は壊されて埋められた。その跡がこんもりと、墓場の土まんじゅうのように連なる。
 原発まで十数キロ。事故処理の基地になっているチェルノブイリ市には、「希望の小道」というモニュメントがあった。
 強制移住で消えた162の居住区の標識が200メートルにわたり立ち並ぶ。花も供えられている。まるで墓標だ。長泥(福島県飯舘村)、赤宇木(浪江町)、夫沢(大熊町)。福島第1原発事故で放出された放射性物質が降り、住民が避難を強いられた地域の名が浮かぶ。
 高層のアパート群が森に沈み掛けていた。原発から3キロの街プリピャチ。「古代遺跡だな」。視察団から嘆息が漏れた。

<面的除染せず>
 5万人が暮らした原発職員のベッドタウン。平均年齢は26歳で毎年、赤ちゃんが1000人生まれた。若い、活気のある街だった。
 キエフ・チェルノブイリ博物館での説明を思い出す。「原発はウクライナの誇りだった。プリピャチの人は将来に自信を持って暮らしていた」
 その街が無人となり、26年が過ぎた。メーンのレーニン大通りは草木が茂り、獣道寸前だ。壁がはがれた劇場。無言の遊園地。赤さびたイルミネーションの中、鎌とハンマーをかたどる旧ソ連の国章だけがアルミ製なのか、銀に輝いていた。
 旧ソ連は89年まで大規模な除染を行ったが、膨大な経費の割に効果が薄く、大量の廃棄物が発生する問題もあって中止した。被災地が広がるウクライナ、ベラルーシ、ロシアの3国は現在、面的な除染はしていない。高い汚染地は除染ではなく、移住が原則だ。
 「元の居住区に住民が戻った例はない。26年で家もインフラも壊れた。帰還させる案は全くない」。ベラルーシ非常事態省の担当局長は断言した。ウクライナ政府も30キロ圏への帰還は数百年間は許可しない考えで、「半分は永遠に立ち入りが制限される」とする。

<住民が選択を>
 ロシアの被災地支援策に詳しい現代経営技術研究所(東京)の尾松亮主任研究員はこう提言する。「被災者の権利は幅広くした方がいい。移住権と帰還権をセットで設定するべきだ」
 日本の避難基準は年間20ミリシーベルト。それを下回る地域にも一定の基準を設け、移住か居住かを住民が選べるようにする。
 その上で、一方通行の「出ていく権利」だけでなく、線量や土壌汚染が低減した将来、古里の復興に尽くせるよう、復帰を支援する仕組みも用意しておく。帰還権は旧ソ連3国にはない概念だ。
 土地が国有だった旧社会主義国では、郷土への愛着が日本と比べて薄いとみる向きもある。でも、それは違った。
 「家に帰れない絶望。それが一番つらい」。プリピャチからの避難者は昨年11月、福島県の民間調査団に答えた。年に一度、古里への墓参が許される正教の春の招霊祭。立ち入り禁止区域は大勢でにぎわう。懐郷の思いは葬れない。
2012年08月16日木曜日 河北新報


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8月19日(日)のつぶやき

2012-08-20 01:19:12 | 花/美しいもの
09:42 from Tweet Button  [ 1 RT ]
B-wan 特集 竹村和子さんへの想い☆内堀奈保子 恩師に敬意を表して | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=4438

12:33 from Tweet Button
☆WAN Night!「拡がるブックトーク交流会」8/25@夏のヌエック・フォーラム | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/booktalk/?p=746

21:43 from gooBlog production
【悩みのるつぼ】(上野千鶴子)セクハラが増長していきますよ/『フェミニズムの政治学』岡野八代 goo.gl/hofO8

21:53 from Tweet Button
私もおすすめのよい本です。☆国家というシステムの中からこぼれ落ちた存在に思いを寄せる 『無国籍』 陳天璽 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=3035

21:54 RT from web  [ 2 RT ]
国家というシステムの中からこぼれ落ちた存在に思いを寄せる 『無国籍』 陳天璽 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=3035 この本も深く響いた。台湾の中国との距離の取り方を、楽観的に「親日」ととらえることの鈍感さをおもう。
ちびがえるさんのツイート

22:34 from web
ETV特集「ルポ原発作業員」、いまやっています。福島第一原発事故処理の作業にあたっているのは、被災した近隣の人たち。被ばくと放射線による健康被害が軽んじられている。被ばくと白血病発病との関係にも警鐘を鳴らす・・・。

22:41 from web  [ 1 RT ]
原発作業員は入所するときに、体に何かあっても異議申し立てをしないと誓約書を書かされたそうだ。とはいえ、誓約書があっても労災は申請できる。「(会社は)収束作業で仕事をもらっているから(東電を)守らなきゃっていうことなのかな」と作業員。

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【悩みのるつぼ】(上野千鶴子)セクハラが増長していきますよ/『フェミニズムの政治学』岡野八代

2012-08-19 21:42:19 | ジェンダー/上野千鶴子
昨日の朝日新聞beの【悩みのるつぼ】の回答者は上野千鶴子さん。
相談は「迫る上司に、不快感じない私」。上野さんの回答は「セクハラが増長していきますよ」。
上野さんの回答を読むとスカッとします。


【悩みのるつぼ】2012.8.11 朝日新聞be
 迫る上司に、不快感じない私
相談者 女性 20代
 
 20代の女性会社員、未婚・彼氏いない歴2年です。
 以前仕事で一緒になった上司と、2人で夕飯を食べて以来、親しくなりました。30代で既婚、愛妻家で子供の面倒も良くみる「良い旦那・父親」の一方、仕事もできる人です。
 以前から上司は「○○さん(私)みたいな可愛い部下を持つことができて幸せだ」と冗談めかしていたのですが、最近では職場で2人きりの時に「困らせるだけだけど○○さんが好きだよ」などどと言います。酔うと女性へのボディータッチが増える人だったのですが、職場で2人きりの時に後ろから抱きつかれる有り様です。
 ここまではよくある「都合のいい女」の話だと思うのですが、私が悩むのは、告白されたり触られたりしてもまるで何も感じず、ひとごとのように事態を傍観する自分自身です。
 頼まれたら嫌と言えない性格なのと仕事で頼れる上司を失うことを恐れて、明確に拒絶することができません。セクハラに嫌悪感を抱いていれば、断る強い意志を持つことができると思うのですが……。より深刻な事態になれば、断るつもりでいますが、現状に対する自分の能天気さが心配です。無意識のうちに上司に尊敬以上の気持ちを抱いていて、アピールを喜んでいるのでしょうか。悩みが何か分かりにくい相談ですが、一番の問題点は何だと思われますか。
--------------------------------------------

回答者:社会学者・上野千鶴子
セクハラが増長していきますよ

 
 あなたが経験していることはセクハラです。なぜってあなたは相手からの好意の告白やボディタッチを少しも喜んでいないからです。セクシュアル・ハラスメントの定義は、「本人がのぞまない性的アプローチ」。同じ愛の告白でも、好きな人ならうれしく、そうでない人からなら迷惑なだけ。「何も感じない」のはうれしくない証拠。「無意識」なんぞ、信じないことです。
 反対にあなたはご自分の状況をクールにとらえておられます。「イヤと言えない性格」「頼れる上司を失う恐れ」からノーが言えないと。これこそセクハラの典型的状況です。セクハラ加害者は、自分の職業上の地位を濫用(らん・よう)して、「ノーが言えない」相手を選んでアプローチすることをご存じですか? 横山ノック元大阪府知事のセクハラ事件のとき、曽野綾子さんが新聞のコラムで、その場で騒ぎ立てなかったのに、「後から裁判を起こしたりするのは女性の甘え」と書いておられましたが、セクハラに無知な証拠。セクハラとは、「ノー」を言わない、言えない相手と状況下で発生することは、よーくわかっています。
 あなたの「一番の問題」は、イヤなことをイヤと感じられない、反対にうれしいこともうれしいと感じられない、感覚遮断ですね。自分の身の上に起きていることを、他人ごとのように傍観する。しかも好き嫌いの告白やボディタッチのような踏みこんだ経験まで、うれしいのかうれしくないのか、わからない……これは「能天気さ」なんかではありません。冷静さとも違います。
 たぶんこれまで他の環境においても、あなたは自分の身の上に起きることを他人ごとのようにやりすごす術を身につけてきたのじゃないでしょうか。おそらく何か耐えがたい状況があってそれを生きのびるための知恵だったのかもしれません。哀(かな)しいことに人は抑圧されればされるほどその抑圧に耐えるようになるという、逆境にすら適応する生きものです。それに男というものが状況を自分に都合よく解釈する特技を持っていることは覚えておいてください。このままだとあなたは、ますますエスカレートする上司のアプローチに、何も感じないまま、どんどん応じていくことになりますよ。
 あなたに一番必要なことは、喜怒哀楽の生き生きした感情を取り戻すこと。それにはどうしたらいいんでしょうねえ。根は深そうです。
(題字・イラスト きたむらさとし)


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岡野八代さんの新刊、『フェミニズムの政治学―― ケアの倫理をグローバル社会へ』を読みました。
大著です。
とても分厚い本なのでさすが読むのに時間がかかりましたが、
おもしろかったです。
「ケアにおいて他者との非暴力的な関係を実践してきた女の経験こそが、
新たな政治の領野を切り拓く」に共感します。

岡野さんの書かれている「非暴力の政治」は、
わたしが考えてきた「弱者の政治~政治はいままで強者のものだった。
わたしが実現したいのは弱者の政治だ」に共通するものです。
「暴力の連鎖を断ち切る」、というけれど、
弱者(女性たち)は、他者との関係で(自己のとの関係においても)、
ケアをじっせんすることで、非暴力の経験をつないできた。

地方政治にかかわる人、関心のある方は、ぜひ読んでみてください。


 『フェミニズムの政治学―― ケアの倫理をグローバル社会へ』
(岡野八代/みすず書房/2012年)

内容紹介
近代国家は「自律した個」を理想像とし、子育てや介護などケアする者を政治的に二流の存在とみなしてきた。
男を公的領域、女を私的領域に振り分けるその力学を、フェミニズムは公私二元論として鋭く批判してきた。
そして、公的領域で“男並み”になることがゴールではないことも指摘した。
フェミニズムはその先どこへいくのか。
本書は母・家族・ケアという概念と格闘してきたフェミニズム理論の立場から、
プラトンからロールズまで政治思想を貫く公私二元論を徹底的に検討する。
そこで明らかになるのは、自律的主体が隠蔽するもの、すなわち、ひとは傷つき依存して生きるという事実だ。
依存する存在は自律的主体の下位概念ではない。
それこそが「人間の条件」であり、政治学の基礎単位なのだ。

「ヴァルネラブルな存在が世界の代表である」(H・アーレント)。
国家暴力に傷つけられながら抵抗し、
ケアにおいて他者との非暴力的な関係を実践してきた女の経験こそが、
新たな政治の領野を切り拓く。女であることの絶えざる葛藤を理論に鍛え上げ、
非暴力の社会を構想する、フェミニズム理論の到達点。


上野千鶴子さんが書評を書かれていて、「ちづこのブログ」にアップされているので紹介します。

  書評『フェミニズムの政治学』 ちづこのブログNo.32   

岡野八代2012『フェミニズムの政治学』(みすず書房)の書評が、ようやく文章になりました。「熊日」書評欄に掲載されましたので、ご紹介します。
「非暴力を学ぶ実践」(ちづこのブログNo.25)で、書評シンポでのハンドアウトをご紹介したもの。メモがどんなふうに文章になったか、そのプロセスもごらんください。
編集者がつけたタイトル、「未開地」とは「政治学・政治思想」のことです(笑)。書評誌のpdfをアップしたかったのですが失敗(泣)。
9月には東大で岡野さんを招いて書評シンポが計画されているとか。こちらも期待してくださいね。

*********************
未開地にジェンダー概念持ち込む
書評 岡野八代2012『フェミニズムの政治学』(みすず書房)

 久しぶりに密度の濃い読書経験をして、知的興奮を味わった。女性学とは「女の経験」の言語化・理論化の実践だが、その直観を分節するという緻密な作業に耐えて、考え抜かれた書物である。フェミニズムには「個人的なことは政治的である」という命題があった。近代リベラリズムの個人観は、「個人的なことは個人的である」と宣言する。政治は公的なことだから、個人的なことを持ち込むな、と。本書はその前提に果敢に挑戦する。個人的なことはなぜ、いかに、政治的なのか?その理路を解き明かす「政治学」なのである。そして同時に、リベラリズムに対する根深い疑い、なぜリベラリズムとフェミニズムは共闘できないか?リベラリズムとフェミニズムとはどこで分岐するか?という問いにも、答えようとする。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2012年08月11日  WAN上野千鶴子web研究室


他に読んだ本。

先日観た映画 『ヘルタースケルター』が、『ユリイカ』で特集されていました。


『ユリイカ 2012年7月号』
蜷川実花 映画 『ヘルタースケルター』 の世界


『ケアの絆―自立神話を超えて』   『奪われた人生―18年の記録』
      

   『続・悩む力』
   
 【著者は語る】東大大学院教授、政治学者・姜尚中氏 「続・悩む力」  

 ■切実な響き伴って 「時代の呼び声」と共振
 前作の刊行から4年もたつわけですよね。担当編集者に確認したところ、累計部数は、94万部にまで達したといいます。
 自分でも戸惑うほどのベストセラーとなった前作が出された2008年は、果たしてどんな年だったでしょうか。まず思い浮かぶのは、リーマン・ショックと、オバマ政権の誕生です。福田康夫から麻生太郎への首相交代劇もありました。『悩む力』発売直後に、秋葉原通り魔事件が起こったことも衝撃でしたね。今にして思えば、「悩む」というキーワードと時代が、予期せぬ結晶作用をもたらしたのかもしれません。
 正直、続編を書くつもりは、ありませんでした。読者の方々の手紙を読むうちに、生半な気持ちでは2作目に手を出してはいけない気持ちになってきたのです。にもかかわらず、今回、『続・悩む力』にとりかかろうと思ったのは、3・11と欧州危機という、4年前に比しても、巨大な出来事があったからです。「悩む」というキーワードは、ますます切実な響きを伴って、「時代の呼び声」と共振しているように感じられました。
 前作のラストでハーレーに乗って、世界を旅したいという夢を述べましたが、それは、まだ実現していません。今回、私はあえて、空元気をやめました。続編全体を覆っているのはどこか沈鬱なトーンです。にもかかわらず、『続・悩む力』は、発売後2週間で、4刷累計14万部を超えたそうです。
 これら2つのテキストの一貫性を支えてくれているのは、相も変らず、夏目漱石です。彼は、一世紀の時を超えて、いまなおアクチュアルな驚きを読み手に与えてくれます。来る2016年は、漱石没後100年という節目の年です。漱石との内的対話を継続していれば、もしかしたら4年後にもう一作だけ、続編ができ上がっているかもしれません。これをもって三部作の完結となる予感がしています。(777円 集英社)
                   ◇
【プロフィル】姜尚中
 カン・サンジュン 1950年生まれ。政治学者。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。東京大学大学院情報学環教授。著書に『マックス・ウェーバーと近代』『日朝関係の克服』『姜尚中の政治学入門』『ニッポン・サバイバル』など。自伝的作品に『在日』『母-オモニ』。


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8月18日(土)のつぶやき

2012-08-19 01:19:23 | 花/美しいもの
06:27 RT from web  [ 3 RT ]
上野ゼミ1周年 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/ueno/?p=1831 上野ゼミはやくも1周年。これまでのレジュメや映像などをまとめました。
ウィメンズ アクション ネットワークさんのツイート

16:54 from gooBlog production
国宝・松本城/夕陽に映える烏城(からすじょう)の美しさに感嘆! goo.gl/oxtU0

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国宝・松本城/夕陽に映える烏城(からすじょう)の美しさに感嘆!

2012-08-18 16:51:55 | 花/美しいもの
このところ毎日夕方になるとはげしい雷雨。
それも決まって、デジカメの画像の整理をしようと思うときに、
ピカッゴロゴロと雷がやってきます。
今日こそは、先日行った松本城の記事をアップをするぞ、と
まだ雷鳴が聞こえているのですが、PCの電源を復活させました。

松本に泊まったので、せっかくなら松本城まで行ってみようか、と歩くこと15分ほど。
途中に「なわて通り」とか、おしゃれなお店がありましたが、
夕方なので、半分ほどしか空いていませんでした。
到着したのは4時半すぎ。
閉館に間に合わないと思っていたのですが、
夏場は1時間延長で午後6時までとのこと。
入場料も安くなっていたので城内に入ってみることにしました。

 はいってびっくり。とてもうつくしいお城です。
さすが国宝になっているだけのことはあります。



お城の前まで行ったら、
「まだ中を見て回る時間はありますよ、ここまで来たのだから観ていって」
と守衛さん?にすすめられて、天守閣まで登ることにしました。 

靴を脱いでお城に入ります。

む、む、予想どおり、急な階段・・・こわそー。
今更戻るわけにもいかないし、先に進みます(笑)。

   
天守閣は6階。
5階から上る階段は、ほとんど急なはしごのようです。

天守閣の天井です。 
太い柱が組んであって吹き抜けになっています。

天守閣は今から約400年前の戦国時代末期に建てられたもので、
その後焼失や再建されずに残っています。
そのため、日本最古の城として、国宝に指定されています。

漆塗りの壁の黒い城で、岡山城と共に、「烏城(からすじょう)」という愛称で呼ばれます。


ぶじ降りてきました。



本丸庭園(東側)から見た松本城。

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門を出たところで帰ろうかと思ったのですが、
お堀にうかぶ城がきれいなので、一回りしてみることにしました。

南から見たところ。

南西からみた松本城。
写真ではわかりにくいのですが、西から夕日が当たっています。



西からみたところ。





北西からみた松本城。


夕日に映えて、絵はがきになるようなうつくしさでした。

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8月17日(金)のつぶやき

2012-08-18 01:19:31 | 花/美しいもの
09:59 from Tweet Button
☆無理の理由に気づく 『無理』奥田英朗 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=4453

21:52 from gooBlog production
鳥羽川の朝やけ~ウォーキングの道すがら・・・ goo.gl/cenmc

22:08 RT from web  [ 1 RT ]
第8回上野ゼミ レスカ・コメント | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/ueno/?p=1937
ウィメンズ アクション ネットワークさんのツイート

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鳥羽川の朝やけ~ウォーキングの道すがら・・・

2012-08-17 21:36:10 | 花/美しいもの
ウォーキングにでかけようと家を出たら、
空がしらんで来て淡いピンクに染まっています。
ともちゃんが急いでデジカメを取りにいってくれました。

   

スタート地点の鳥羽川のさくら橋から東を見ると、
   
真っ赤な朝焼けです。
   
西の空にうかぶ雲にも朝陽が当たっています。
   

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ここ数日の雨で、からからだった川の水かさが戻って、
カモたちが群れで泳いでいます。
   

お盆がすぎてお供えが堤防にもちよられています。
こうやってお盆を送るのだそうです。
   

    

大麦を収穫した休耕田には、大豆が育っています。
   

まだ羽が白いアオサギのこどもたち。
数日前には、5羽がいっしょにいました。
   

 ⇒ 
行きにはまだ暗かったのですが、帰りには朝日が当たっています。
   
  
   

   
ただいまー。
戻ってきた畑や木々に、朝日があたりはじめています。
   

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8月16日(木)のつぶやき

2012-08-17 01:20:01 | 花/美しいもの
06:51 RT from web  [ 9 RT ]
原宿カウンセリングセンター所長信田さよ子さんのakizero.jpウェブ連載「コミュニケーション断絶のすすめ」更新。読みだしたら止まらなくなる信田論、いよいよ「上から目線」韓流問題。 →第9回 日本女性が韓流にハマる理由  akizero.jp/archives/3873
松戸さち子さんのツイート

07:01 from Tweet Button  [ 1 RT ]
☆ジェンダー・フリーは止まらない! ―フェミバッシングを超えて | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/ueno/?p=1905

07:03 from Tweet Button  [ 1 RT ]
☆超高齢社会の「光」をどこに見出すか? 高橋裕子 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=7771

09:37 from Tweet Button  [ 1 RT ]
☆『英雄の証明』古代ローマの戦闘劇が、現実と重なる寓話のすごさ 上野千鶴子 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=7848

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境界を生きる:LGBT先進国・カナダ/上 「偏見なくす」多くの試み/下 子どもの診療にも実績 goo.gl/EC3s5

by midorinet002 on Twitter
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境界を生きる:LGBT先進国・カナダ/上 「偏見なくす」多くの試み/下 子どもの診療にも実績

2012-08-16 21:50:07 | ほん/新聞/ニュース
昨日からまた毎日新聞で「境界を生きる」の連載がはじまりました。

今回記事を書いていらっしゃるのは丹野恒一さん。

  性的マイノリティー:性の多様性訴え600人がパレード  
毎日新聞 2012年08月11日 

 同性愛や性同一性障害などの性的マイノリティーが性の多様性を訴えるイベント「セイブ・ザ・プライド!」(実行委主催、東京都、米国大使館後援)が11日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。野外音楽堂でエイズ防止の啓発やダンスショーが行われた後、約600人が渋谷や原宿の街を約2キロにわたってパレードした。
 参加者は、多様性を象徴するレインボーカラーの旗を身にまとったり「同性愛は趣味や病気ではありません」と書いたプラカードを掲げて行進。東京都内に住む、ともに26歳の男性カップルは「同性愛者はごく普通にみんなの近くで暮らしていると知ってほしい」と、ワイシャツにネクタイ姿で手をつないでアピールしていた。【丹野恒一】


11日に東京での性的マイノリティーのイベントを紹介して、そのご、
カナダに行かれたみたいです。

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今回の記事はカナダ発「境界を生きる:LGBT先進国・カナダ」。
上「偏見なくす」多くの試み、と下 子どもの診療にも実績。

 境界を生きる:LGBT先進国・カナダ/上 「偏見なくす」多くの試み 
毎日新聞 2012年08月15日

 同性愛や性同一性障害などの性的マイノリティー(LGBT)を取り巻く環境は、時代や国によって大きく異なる。多文化・多民族国家のカナダは05年、同性間の結婚が合法化された「先進国」の一つだ。特に性的マイノリティーに友好的とされるトロントで、若者や子どもたちに対する支援の現状を取材した。【丹野恒一】

 ◇当事者だけの高校も 同世代に体験語り
 五大湖のオンタリオ湖岸にあるカナダの最大都市、トロント。性的マイノリティーの多様性と共感をアピールするイベント「プライド・トロント」最終日の7月1日、メーンストリートでは10日間のイベントを締めくくる恒例のパレードが行われていた。
 参加者は3万人に上り、沿道は国内外から集まった120万人の観衆で埋め尽くされた。思い思いの格好で歩く当事者たちに加え、警察や銀行など「お堅い」イメージの組織も「あなたたちの生き方を支持する」などと書かれたプラカードを掲げて歩く。ひときわ目を引いたのが、トロント地区教育委員会。巨大なトレーラーの荷台に教員や生徒らがぎっしりと乗り込み、沿道から歓声を浴びていた。
 トロントには、LGBTの生徒だけを受け入れる国内唯一の公立高校がある。85年の開校で、定員は40人。授業には教会の地下を使う。州外の出身者も受け入れており、寄宿費や通学費などの不足分は教会が支援する。
「親に見放され、地元の学校でもいじめ抜かれた子どもたちが集まってくる」と、数学担当のグランディさん(41)。精神的なダメージを受け、入学してもすぐに勉強を始められない子もいる。「心を開くまでに何カ月もかかることがある。3人の専任教員が、カウンセラーやソーシャルワーカーの役も担う」
 同校に配置される教員はLGBTの当事者。グランディさんもゲイだ。「私にもつらい道を歩んだ過去がある。同じ経験を持ち、一体感を持てる『モデル』の存在が大切だ」
 この1年で3人の生徒が「地下鉄に飛び込みたい」などと自殺をほのめかした。16歳以下のこうした言動には警察への通報義務がある。同校は警察と協力して、自殺回避のためのプログラムを受講させた。
 「希望なんて何もなかった子どもたちが、自分を見つめ直し、生きるための夢を探すことに力を貸したい」
      □
 LGBTへの偏見や嫌悪感を「ホモフォビア」「トランスフォビア」と呼ぶ。トロントでは、LGBTの若者が同世代の生徒や教員に授業で差別体験などを語り、偏見を消してもらう取り組みが、93年から続いている。
 NPOが毎年秋、16〜23歳の当事者を中心に約20人のボランティアを募る。彼らは40時間かけてプロの語り部のトレーニングを受けた後、学校などに出向いて授業する。年間の授業数は160回以上という。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 境界を生きる:LGBT先進国・カナダ/下 子どもの診療にも実績 
毎日新聞 2012年08月16日

 小さな子どもの性同一性障害が日本でも親や学校関係者の関心を集めつつあるが、性的マイノリティー(LGBT)に友好的で、さまざまな支援もあるカナダには、76年から40年近くにわたって子どもの性同一性障害の治療と研究に取り組んできた医療施設「トロント大学付属中毒および精神保健センター」(CAMH=キャムエイチ)がある。これまでに800人以上の診療実績があるこの施設を訪ねた。【丹野恒一】

 ◇トロント大で心理療法 性別の違和感軽減
 「子どもの性同一性障害」と一言で言っても、小児期(12歳以下)のものは青年期(13〜18歳)以降とはやや異なる特徴がある。CAMH教授で、子どもの性同一性障害の世界的権威でもある心理学者のケネス・J・ズッカー博士(61)がこう解説してくれた。
 「青年期以降は、性別への違和感が既に固定されてしまっている。だが、12歳以下でCAMHに来た子どもを追跡調査したところ、大人になっても『性別を変えて生きていきたい』と望んでいたのは、男女とも約12%にとどまった」
 そこでCAMHでは「発達段階によって対応を変えている」(ズッカー博士)。小児期の場合、親が望めば心理療法を実施する。家族へのカウンセリングにも力を入れ、性別への違和感の軽減を目指す。
 7月までCAMHに留学していた臨床心理士で日本学術振興会特別研究員の佐々木掌子(しょうこ)さん(34)は「生まれつきの要因に加え、生活環境などが性別への違和感を後押ししている可能性がある。心理療法でその部分を和らげよう、というのがCAMHの考え方」と説明する。
      □
 CAMHで行われる心理療法とは、どんなものなのか。
 まず行うのは、各種の心理検査や家族全員への入念なインタビューだ。患者のきょうだいは、幼児でも同席させる。患者との関係性を見る上で重要だからだ。離婚して別居している父親も例外ではない。
 「インタビューの結果、性別による役割についての親の考え方が子どもに影響している可能性が疑われることがある」(佐々木さん)。その場合は親へのカウンセリングを始める。また、異性とだけ遊ぶ子どもの親に「同性でも共通点がある子を探して、一緒に遊ばせてみて」などと助言することもある。
 もう一つ、CAMHが力を入れているのが、小児期の患者への「プレーセラピー」だ。自分自身について言葉で表現する能力が不十分なため、おもちゃや落書き帳、遊具などをそろえたプレールームで遊ばせ、それを観察して性同一性障害の原因を探る。
 「何年か前、こんな男の子がいたよ」とズッカー博士が話し始めた−−。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 境界を生きる(毎日新聞)

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