みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

ネット選挙運動 政策を見極める手段に/何が変わる 夏の参院選から解禁

2013-04-20 18:06:27 | ほん/新聞/ニュース
きょねん植えたアスパラガスが土から顔を出して伸びてきました。
いつもなら、連休ごろからしかとれないのですが、
今年はやはり早いです。
   

さっそく収穫して、ブロッコリーといっしょにさっとゆでて、食べました。
一年ぶりのアスパラガス、初物です。
   


インターネットを利用した選挙運動を解禁する改正公職選挙法が19日に成立し、
いよいよ夏の参議院選から適用されることになりました。

朝刊の社説と特集で取り上げている中日新聞が詳しいです。

特集のQアンドAは、ジェンダー平等政策キャンペーンで取材を受けた
政治部の宇田薫さんの署名記事です。

高橋茂さんもネット選挙解禁をうけて「ザ選挙」に
「インターネット選挙運動解禁を受けて」という記事をアップされています。
選挙にかかわる人には参考になると思うので紹介させていただきます。

   【社説】ネット選挙運動 政策を見極める手段に  
2013年4月20日 中日新聞

 インターネットを利用した選挙運動が、今夏の参院選から解禁される。どの政党・候補者の政策が私たち国民にとって望ましく、実現可能なのか。見極める手段の一つとして有効に活用したい。
 選挙運動を細かに規制して「べからず集」と揶揄(やゆ)される公職選挙法に風穴が開いた。遅きに失したが、インターネットがようやく選挙運動に使えるようになる。
 現行法は選挙期間中に配布できるビラやはがきなど「文書図画」の種類と量を制限している。パソコン上の文字や写真もそれに該当するとして、選挙期間中は更新できなかった。
 きのう成立した改正公選法は、ホームページやブログ、短文投稿サイト「ツイッター」、交流サイト「フェイスブック」などの選挙運動への利用を全面解禁した。
 これにより政党・候補者は選挙の公示、告示後もネットを通じて投票依頼や政見を瞬時に、幅広く訴えることができる。有権者側は政党・候補者に関する情報を随時入手できるようになるし、ネット上での対話も可能となる。
 代表制民主主義は、われわれ有権者が熟慮した一票を投じることで成り立つ。その選択の材料を得る機会が、ネット選挙運動の解禁で増えるのなら望ましい。
 昨年十二月の衆院選の投票率は戦後最低だった。特に若年層の低投票率は深刻だ。ネット利用は、どちらかといえば高齢者よりも若年層の方が多いだろう。ネット選挙運動の解禁が、若年層の政治への関心を高め、政策論争や投票を促す機会となるなら大歓迎だ。
 それが、教育、子育て支援、子どもの福祉など、特に若年層に切実な政策の充実につながれば、少子高齢化の深刻化に対する処方箋の一つになるかもしれない。
 ただ、ネットは便利な一方、間違った情報でも一度発信されると拡散して消し去ることが難しいという欠点もある。
 候補者を装う「成り済まし」や悪意の書き込みは論外だが、政党・候補者は建設的な政策論争に努め、他党・陣営との非難合戦に陥らないよう留意すべきだ。
 ネットでの選挙運動に限らず、誤った情報に基づいて政党・候補者を選び、政策の失敗を招けば、不利益をこうむるのは、われわれ国民自身である。
 やはり重要なのは、有権者一人一人が情報の真贋(しんがん)を見極め、中傷に惑わされない力を養うことだろう。たとえ困難でも、そうした地道な作業が民主主義を強くする。


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 ネット選挙運動法成立 何が変わる 夏の参院選から解禁 
2013年4月20日 東京新聞(中日新聞)

 インターネットを使った選挙運動を夏の参院選から可能にする改正公選法が十九日、参院本会議で全会一致で成立した。具体的に何ができて、何ができないのか。与野党が作成を進めているガイドライン(指針)の内容を紹介する。 (宇田薫)

 Q 参院選から何が変わるのか。
 A 選挙期間中でもホームページや短文投稿サイト「ツイッター」、交流サイト「フェイスブック」などを通じた投票呼び掛けができる。有権者が特定の候補に投票しないように呼び掛ける「落選運動」もできる。

 Q 政党や候補が公約や演説会の案内をウェブサイトに転載することもできるのか。
 A 可能だ。ただ、印刷して配ったり、ファクスで送ることはできない。紙に写した場合、公選法の規制対象の「文書図画」とみなされるためだ。同じように、候補が当選のお礼をツイッターでつぶやくのはOKだが、はがきにその文面を印刷して大量に郵送するのは違法だ。

 Q 政党や候補者はメールで有権者に投票呼び掛けをできるというが、候補本人が文面を考えて送信しないといけないのか。
 A 候補が掲載する文面を考え、指示を出して秘書や親族がメールを送るのは違反ではない。秘書らが勝手に内容を考えて送るのは違反だ。

 Q 候補者から受け取ったメールを有権者が転送できるのか。
 A できない。

 Q ネット専門業者の助けを借りる候補が多いだろうね。
 A 候補から委託を受けた業者がウェブサイトなどの内容を候補の代わりに「主体的に企画または更新」し報酬を受け取った場合、買収行為とみなされるので注意が必要だ。ネット上の書き込みの監視を業務委託することは選挙運動には当たらないとされ、報酬を払うことは可能だ。

 Q ネットは未成年もよく使うよ。
A 未成年者や選挙犯罪で公民権が停止されている人は、現行の公選法で選挙運動が禁止されているため、ネット選挙解禁後もできない。

 Q 参院選で気をつけることは。
 A 公選法は、参院選の比例代表候補が各選挙区の候補への投票を呼び掛けることを禁じている。ウェブサイトやメールでも比例候補が所属政党の選挙区候補に投票を呼び掛けることはできない。


 インターネット選挙運動解禁を受けて 

本日19日、参議院本会議にて「インターネットを使った選挙運動を解禁する公職選挙法改正案」が全会一致で可決され、成立となりました。これよにり7月の参院選から選挙期間中のインターネット利用が認められるようになります。

『ザ・選挙』は2006年に誕生し、間に1年間ブランクがありましたが、2011年3月に名前を『ザ選挙』として再スタート。約2年間地道なデータベース作成作業を続けて来ました。

『ザ選挙』が目指してきたものは、「有権者が十分な選挙情報を得ることにより、より良い政治家を選択できるようにする」ということでした。現在、私たちはほとんど情報がないまま選挙の権利だけが与えられています。ポスター、チラシ、街頭演説、選挙カーなど、どれを取ってみても候補者の一片しか伝わりません。

インターネット選挙が解禁されたからといって、急に選ばれる方の顔ぶれが変わるわけではありません。情報も十分とは言えない。しかし、今までに比べてはるかに多くの候補者情報を手に入れるチャンスを得た、ということは言えます。多くの人たちがインターネットで情報を得ている時代に、今まで選挙期間中だけその利用が認められていなかったというのがいびつだったのです。

『ザ選挙』は今回のネット選挙運動解禁について、次の3つのことに期待しています。………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・
2013年4月19日
『ザ選挙』高橋茂
スタッフ一同


NHK【クローズアップ現代】ネット選挙解禁へ  政治はどう変わる/冒頭に高橋茂さん登場(2013-04-17)

 ネット選挙運動の準備本格化へ
2013年4月20日 NHK

インターネットによる選挙運動を解禁する改正公職選挙法が19日成立し、各党は、初めて適用される夏の参議院選挙に向けて、立候補予定者を対象にした研修会を開くなど、準備を本格化する方針です。
インターネットを利用した選挙運動を夏の参議院選挙から解禁する改正公職選挙法は、19日の参議院本会議で採決が行われ、全会一致で可決・成立しました。
改正法は、ホームページのほか、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスによる選挙運動を全面的に解禁する一方、電子メールの利用は政党や候補者だけに認めることを柱としています。
各党とも、今回の法改正を見越してIT業界から講師を招いてインターネットを活用した選挙戦術について話を聞いたり、立候補予定者を対象にした研修会を開いたりするなど、取り組みを進めています。
また、ふだんの政治活動でもインターネットによる情報発信を強化し、動画サイトに専門チャンネルを開設して定期的に国会議員を出演させる政党もあります。
一方、ひぼう中傷対策として、インターネット上の情報を監視し、必要に応じて反論や削除を要請する専門のチームを立ち上げる政党も出てくるなど、各党はインターネットによる選挙運動が解禁される参議院選挙に向けて準備を本格化する方針です。 


 橋下氏「政党は業者の餌食に」…ネット選挙解禁(2013年4月20日 読売新聞)


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4月19日(金)のつぶやき

2013-04-20 01:08:36 | 花/美しいもの

ネット選挙解禁を受けて、コメントを掲載しました。「インターネット選挙運動解禁を受けて」 ow.ly/kdjuB

寺町みどりさんがリツイート | 2 RT

子宮頸がんワクチン 定期接種化 リスクてんびんに/終末期への意識調査 みとり経験 「死」身近に blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


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子宮頸がんワクチン 定期接種化 リスクてんびんに/終末期への意識調査 みとり経験 「死」身近に

2013-04-19 22:25:01 | ほん/新聞/ニュース
三重県の「なばなの里」に行ってきました。
桜は終わっていましたが、遅咲きの菊桃が鮮やかに咲いていました。





菊桃とおなじような細い花がびっしり咲く
アカバナトキワマンサクも満開です。






お目当ては、花ひろばの「チューリップまつり」です。





もう咲き終わりかと思いましたが、遅咲きのチューリップが見事でした。


花ひろばのチューリップは、また画像を整理してから紹介します。

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家に帰ってきたら、新聞がたまっていました。
順番にひらいて読んでいったら、昨日の中日新聞生活面に
興味のある記事が二つ並んでいるのを見つけました。


  子宮頸がんワクチン 定期接種化 リスクてんびんに  
2013年4月18日 中日新聞

 予防接種法の一部改正で1日、インフルエンザ菌b型(ヒブ)、小児用肺炎球菌、子宮頸(けい)がんの3ワクチンが、原則無料で受けられる定期接種に追加された。子宮頸がんワクチンは副反応を理由に中止を訴える団体がある一方、医師らは、接種の有効性を説いている。 (佐橋大、山本真嗣)
 三ワクチンは三月まで、自己負担が原則の任意接種だったが、国の補助事業により、九割の自治体で国と市町村が費用の全額を助成してきた。多くの接種対象者にとり、負担や手続きは変わらない。
 よく誤解されるが、定期接種で、個人に接種の義務は生じない。市町村に予防接種を実施し、勧奨する義務が、個人には接種を受ける「努力義務」が生じる。
      ◇
 一部で議論になっているのが、子宮頸がんワクチンだ。
 厚生労働省によると、年間二千五百人以上が子宮頸がんで死亡している。日本小児科学会、日本産科婦人科学会などは三日、ワクチンの適正接種で、がん予防が推進されることを望むとの声明を発表している。ただ、ワクチンで免疫ができれば、がんを百パーセント防げるわけではない。
 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち約十五種類が、子宮の入り口に感染し、引き起こすがん。主に性交渉で感染する。多くは一時的な感染でHPVは自然に排除されるが、一部は感染の状態が長く続き、数年~十数年でがんになる場合がある。
 女性のがんに詳しい三重大医学部の田畑務准教授は「亡くなる人は五十代より上の世代が多いが、患者は二十~三十代で増えている。ごく初期では患部を円すい切除して治せるが、切除後は、早産になりやすいとのデータもある」と指摘する。
 子宮頸がんの原因の約七割を占め、若年発症者ではさらに割合が高い16型と18型のHPVに対し、ワクチンは免疫を高め、感染を防ぐ。「子宮頸がんになる確率はワクチンで減らせる」(田畑准教授)が、すべての型の感染を防げないので、検診も受けなければならない。
 一方、三月に結成された被害者の連絡会は「けいれんや歩行障害などの重い副反応が相次いでいる」と主張し、接種の中止を国に求めている。同会は、接種後、四肢に力が入らなくなるギラン・バレー症候群や、全身に痛みを伴う複合性局所疼痛(とうつう)症候群(CRPS)になった人もいると訴える。
 厚労省によると、昨年末までに、約八百二十九万回分のワクチンが出荷され、医療機関からの副反応の報告は千百六十六件、うち重篤は百一件。CRPSの報告は三件。CRPSは採血や外傷でも起きる。
 厚労省は、同ワクチンについて、接種との因果関係にかかわらず、接種後の一定の異変を副反応として報告するよう求めている。
 失神の副反応が多いことは以前から知られている。自治医科大さいたま医療センター(さいたま市)の今野良教授は三月十八日に参議院議員会館での会見で「接種対象の思春期の女子は注射で非常に緊張し、それで失神することもある。ワクチンの成分は無関係」と説明。ワクチンは百カ国以上で使われ、副反応で中止になった国はないという。
 予防接種に詳しい国立病院機構三重病院(津市)の庵原俊昭院長は「どんなワクチンでも接種に伴うリスクはゼロではない。一方、ワクチンで予防できるタイプの子宮頸がんは、若い世代の発症が多く、若くして子宮摘出になることもある。接種に伴うリスクと、接種しないリスクをてんびんに掛けて、接種を判断してもらいたい」と呼び掛ける。


 終末期への意識調査 みとり経験 「死」身近に 
2013年4月18日 中日新聞

 終末期医療に対する意識は、家族をみとった経験の差が大きく影響する-。こんな傾向が、NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」(樋口恵子代表)の調査で明らかになった。 (佐橋大)

 調査は、終末期医療を市民がどう考えているかを知るため、昨年十二月から今年二月にかけ、インターネットや郵送で実施。十代から九十代の四千七百四十四人(女性三千四百八十五人、男性千二百五十九人)から回答を得た。
 意思表示ができない状態になった上、治る見込みがなく、食べられなくなった場合、腹に穴をあけて胃に直接栄養を入れる「胃ろう」を望むか、との問いに「してほしくない」と答えたのは、みとり経験のない人では80・3%、ある人では88・2%。「してほしい」「分からない」の回答も、みとり経験のある人では、その数値差の分だけ減っていた。
 「最期の医療」に望むことを家族と話し合ったことがあるかとの問いに、「話し合い、望む医療を伝えてある」を選んだ人は、みとり経験がない人で23・1%。ある人で35・8%に上昇していた。その意思を書面にしている人は、みとり経験のない人で3・1%。経験のある人では7・0%に増えていた。
 経験による意識の差について、樋口代表は「戦中、戦後の歴史が関係している」と分析する。「第二次大戦中、理不尽な死が充満していた反動で、戦後、死は『見たくないもの』として遠ざけられてきた。死を語らないことがお年寄りへの礼儀とされ、死について考えないようになった。ところが、みとりを実際にすることで、死が具体的なものとして迫ってくる。数字はその結果」ととらえる。
 今後、少子高齢化で死者数は増加する見通しだ。おのずと、みとりの経験が増え、終末期医療へ社会の意識も変わると予想する。
 樋口さんには、回答者の自由記述で、特に印象に残った文章がある。
 「母は、元気なころ余計なことをしないでと言っていた。医者から『胃ろうはどうしますか』と聞かれたが、私は断った。安らかに逝ったが、本当にこれで良かったのでしょうか?」
 樋口さんは「本人の意思が明確でないと、後に残された人が思い悩む」と指摘。みとりを経て死について考えたら、その考えを、できれば書面で周りに伝えることを勧める。
 「死をお任せにせず、考えよう、伝えよう、書き残そう」と呼び掛けている。
 <高齢社会をよくする女性の会> 高齢社会に関わる調査や政策提言をするほか、各地で講演会などを開いている。地方自治体職員や主婦、研究職などの個人会員約900人、約80の団体会員などで構成。男性会員もいる。事務局は東京。


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4月18日(木)のつぶやき

2013-04-19 01:08:49 | 花/美しいもの

教育委員会改革 政治からの中立保て/教委改革提言 その危うさも直視して blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


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教育委員会改革 政治からの中立保て/教委改革提言 その危うさも直視して

2013-04-18 17:20:27 | ほん/新聞/ニュース
市民派議員塾2013のうち合わせでそとにでています。
いつも本番の一か月ほどまえに、講師二人で日程や内容の分担、課題などを相談します。

ここは通信環境がよくないので、下書きに入れておいた
教育再生実行会議が提言した教育委員会の改革についての
社説と記事を紹介します。

自民党の阿部政権になってからやりたい放題という感がしますが、
支持率は高止まりしています。
この国はどこへゆこうとしているのでしょう。

  社説:教委改革提言 その危うさも直視して  
毎日新聞 2013年04月16日 

 政府の教育再生実行会議が教育委員会の改革について安倍晋三首相に提言した。
 教育長を首長の任免として権限を集中させ、教育委員会には教育長へのチェック機能を持たせるなど、その役割を大きく変える。
 組織の性格に深く影響するという意味では、戦後スタートした教育委員会制度で委員の公選制廃止以来の改革案ともいえるだろう。
 もっとも、この具体的な制度設計などは、今後文部科学相の諮問で中央教育審議会で審議され、その答申を経て来年の国会で法整備する段取りだ。それまで多角的に、教育現場や子供たちに視点を据えた論議を展開してほしい。
 焦点は教育長の新たな位置づけだ。現行では、教育委員(原則5人)を首長が議会の同意を得て任命、そのうちから教育委員長が互選で選ばれ、教育長が任命される。
 教育長をのぞき委員は非常勤で、常勤の教育長が事務局を仕切っている。合議体の教育委員会が教育行政の主体の形だが、実体的な運営者は教育長という関係である。
 提言はこのような権限と責任が分かれたような事態を正し、迅速な対処ができるようにするという。
 このところ高まった教委改革論議の背景にはここ数年、自殺者も相次いだいじめ問題がある。
 その時、教委の対応がしばしば後手に回り、事態の掌握力や学校現場への指導力が不足、欠落したことに批判が強まった。
 だが、首長と教育長のラインを教育行政の要とし、教育長をその責任者とする形だけで問題が即解決するわけではない。提言は、教育長の資質・能力の重要性を強調し、現職の教育長や候補者の研修・育成に国が一定の責任を持つという。
 こうしたリーダーシップへの期待には半面、ワンマンを生むのではないかという懸念の声もあり、独断専行の恐れがないよう配慮が必要だ。
 公教育で政治的中立性維持は最も細心の注意を払うべき点だ。
 また首長の教育政策や考え方を反映させるとしても、選挙の度に指針が振れるような不安定な事態は望ましくない。
 そうしたことにどう対処していくのか。具体的な制度設計や細部の仕組みは、中教審に預けた格好になっている。
 中教審は、これらの改革案がはらむ危うさが懸念される点についても直視し、功罪も整理点検すべきだろう。そのうえに細部の議論を立てたい。そして、抜本的改革というなら、もっと広く国民を巻き込んだ議論が必要ではないか。
 教育制度改革は百年の大計という。そういう構えで臨みたい。


 【社説】教育委員会改革 政治からの中立保て 
中日新聞 2013年04月16日

 政府の教育再生実行会議が出した教育委員会改革の提言は、自治体の首長に公教育を事実上委ねてしまうものだ。政治的思惑に翻弄(ほんろう)されないか憂慮される。中立性をどう守るのか議論を尽くさねば。
 提言の仕組みでは、これまで教育行政の実務を取り仕切ってきた教育長に権限と責任を集中させる。そして首長は議会の同意を得て、その教育長を任免できる。
 子どもへの愛国心教育を徹底したいと考える首長は、その意向に沿う教育長を送り込めるし、逆に意に背くようなら退場させられる。この仕組みが実現すれば、例えばそんなかじ取りも、首長には可能になるだろう。
 教育予算に加えて教育長人事を握り、教育行政に関わる度合いが強まるのだ。首長は地域の民意の体現者なのだから一見、民主的な仕組みに映るかもしれない。
 だが、懸念が拭えない。首長が個人的に信奉する価値観や思想信条が持ち込まれないだろうか。選挙で首長が交代する度に教育の理念や方針が変わり、学校現場が混乱しないだろうか。
 公教育がそんなふうに政治に左右されないようにと、戦後一貫して教育行政を担ってきたのが教育委員会だ。戦前の軍国主義教育への反省を原点として政治から距離を置き、落ち着いた教育環境を提供する。そんな考え方だろう。
 ところが、機能不全が問題視されて久しい。最近の大津市のいじめ自殺事件や大阪市の体罰自殺事件でも対応が後手に回った。不都合な情報を隠す体質もあらわになった。厳しく非難され、教委廃止論さえ勢いづいた。
 原則五人の教育委員は教育長を除き、非常勤だ。実務を統括する教育長と教委代表の委員長が併存し、責任の所在がはっきりしない。合議制だから意思決定が遅く、教育長率いる事務方の議案を追認するばかりだという。
 長年の批判を背景に、政治的独立性の高い教委から権限を奪い去ることが提言の主眼だ。教育長に教育の方向性を示したり、仕事ぶりを点検したりすることに主な役割を縮小するという。
 教委が形骸化したのは地域の住民にも責任がある。どんな教科書を使うのか。どんな子どもを評価するのか。地元の学校教育にどれほど関心を抱いてきただろう。
 首長と教育長とですべてが決められる公教育では危うい。教育委員の公選制も考えられる。中央教育審議会での制度設計に際しては暴走の歯止め機能が最重要だ。


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 教育再生実行会議:教育長の権限強化 教委形骸化、懸念も 全国教育長に調査
毎日新聞 2013年04月16日 

 政府の「教育再生実行会議」(座長・鎌田薫早稲田大総長)は、15日にまとめた教育委員会改革の提言で、首長に教育長の任免権を持たせ、教育長の権限を強化して地方の「教育行政の責任者」とするよう求めた。
 提言では、地方の教育に関する責任の所在を明確にした。首長による教育長の任免権の行使については、議会の同意を条件としたほか、教育委員会に教育長のチェック機関としての役割を持たせるなど、教育の「政治的中立性」に配慮したが、具体的な制度設計には至らず、文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」での議論に持ち越された。【福田隆、水戸健一】

 ◇「運用改善」要望の声も
 政府の教育再生実行会議が提言した教育委員会改革について、毎日新聞が全国の都道府県教育長に賛否を聞いたところ「教育長の権限強化」には肯定的な見方がある一方、他の教育委員が形骸化する懸念の声も上がった。制度改革よりも現行制度の運用改善を求める意見も複数みられた。
 毎日新聞が47都道府県の教育長に対し提言の柱である(1)教育長を教育行政の責任者にする(2)首長が教育長の任免権を持つ−−の2点の賛否を聞き、全都道府県から回答を得た。
 (1)(2)とも大半が「国の議論を見守る」などと賛否を保留したが、(1)については大阪府など6府県の教育長が「賛成」と回答。大阪府の中原徹教育長は現行制度で教育長以外の教育委員が非常勤である点に触れ「教育行政を把握して、しっかりした決断ができるわけがない」と指摘した。
 教委の形骸化は大きな課題だが、教育長の権限強化で他の教育委員の役割がさらに薄まる可能性もある。秋田県の米田進教育長は「賛成」ながらも「教育委員の意見等を十分に聞くシステムは不可欠」と注文をつけた。(1)の「反対」は岐阜県の松川礼子教育長と熊本県の田崎龍一教育長だけで、松川教育長は「教育の政治的中立性と教育行政の安定を確保する狙いを持つ合議制の現行制度を維持すべきだ」とした。
 (2)については、兵庫など5府県の教育長が「賛成」。兵庫県の高井芳朗教育長は「民意を代表する首長が任免権を持ち、教育行政に連帯して責任を果たす体制を強化することは適切」と回答。高知県の中沢卓史教育長は条件付き賛成。「罷免権は『伝家の宝刀』ともいえ、それを示唆するだけで教育長が自ら進退を決めることになるのではないか」と政治介入に懸念を示した。
 自由記述では「提言の方向性はいいと思うが、現行制度の運用次第で実現できるものもある」(静岡県の安倍徹教育長)▽「現行制度の検証を十分行ってほしい」(福岡県の杉光誠教育長)など現行制度の検証を求める声も目立った。【まとめ・三木陽介】

==============
 ◇教育委員会改革の提言骨子
・地方教育行政の権限と責任を明確化
・教育長は首長が任免する
・教育長を教育行政の責任者とする
・教育委員会は教育長の業務遂行をチェック
・教育長が教育の基本方針、教育内容を決定する際、教育委員会が審議して政治的中立性を確保
・指導主事などの専門職の配置を充実させて教育行政を強化
・学校だけで対応が困難な問題について、弁護士などの外部専門家による支援体制を整備
・いじめなどで子どもが教育を受ける権利を侵害された場合、最終的に国が是正・改善の指示

==============
 ◇教委改革への教育長の賛否・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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4月17日(水)のつぶやき

2013-04-18 01:09:45 | 花/美しいもの

「パンケーキ狂」という名の研究魂 『パンケーキ・ノート』 トミヤマユキコ | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=5603

1 件 リツイートされました

見ました。画像を撮りましたのでブログで紹介する予定です。@VJtaka 頭、ちょこっと出させていただきました。「ネットコンサルティング会社社長」という怪しい肩書きでw


冒頭、ちょこっと出させていただきました。「ネットコンサルティング会社社長」という怪しい肩書きでw @matsudakouta @tsuda 今 RT @nhk_kurogen: クロ現「ネット選挙解禁へ 政治はどう変わる」→ nhk.or.jp/gendai-blog/10…

寺町みどりさんがリツイート | 1 RT

ようやく『文学界』の連載、「女たちのサバイバル作戦:ネオリベ時代を生き抜くために」が終了。書き始めたら長くなって計13回に。そのうち本になる。まったく女の状況はサステイナブルよりサバイバル。ちっともよくなっているとは思えない。

寺町みどりさんがリツイート | 18 RT

昨日の最高裁の水俣病認定訴訟の判決は、期待されたものとはいえ、ある種、当然の判決。・・・ともかく、その判決の概要や全文にリンクし、要点をブログに転記しておく⇒◆水俣病、初の最高裁認定 患者救済拡大に道/「認定に行政の裁量はない」 ⇒blog.goo.ne.jp/teramachi-t/e/…

寺町みどりさんがリツイート | 1 RT

きのう(16日)放送のクロ現「ネット選挙解禁へ 政治はどう変わる」。番組の内容を読むことができる「放送まるごとチェック」をアップしました。番組の一部を動画でご覧いただくこともできます。nhk.jp/S0qkSG#nhk_kur…

寺町みどりさんがリツイート | 21 RT

NHK【クローズアップ現代】ネット選挙解禁へ  政治はどう変わる/冒頭に高橋茂さん登場 goo.gl/CwA6c

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NHK【クローズアップ現代】ネット選挙解禁へ  政治はどう変わる/冒頭に高橋茂さん登場

2013-04-17 18:31:21 | ほん/新聞/ニュース
昨日のNHK【クローズアップ現代】は「ネット選挙解禁へ  政治はどう変わる」。
ネット選挙解禁あわせたタイムリーな番組です。

10月26日午後の第3回「市民派議員塾2013 公開講座」で講師として招いている高橋茂さんが出られるので、
見逃さないように、デジカメをかまえてテレビの前に陣取りました。


冒頭で高橋茂さんが登場。
ネットコンサルティング会社社員
 
「(政治家は)何をやったらいいのかとすごく慌てている。

どんな効果があるのか、どういう使い方をすれば効果的なのか。」


   

   

   

    

   

   

   

ここまでが前半の導入。

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この番組は、全文がwebにアップされていて、動画も見られるので、
詳細はこちらでごらんください。

  【クローズアップ現代】
ネット選挙解禁へ  政治はどう変わる
 
 
NHK 2013年4月16日(火)放送

先週、衆議院を通過した公職選挙法の改正案。

「全会一致異議なしと認めます。」

夏の参議院選挙からネット選挙が解禁される見通しです。
ツイッターやフェイスブック、ブログなどによって選挙はどう変わるのか。
関係者は準備に追われています。

自民党 参議院議員
「ネットそんなできないから。
3か月しかないんだもんね。」

ネットコンサルティング会社社員
「(政治家は)何をやったらいいのかとすごく慌てている。
どんな効果があるのか、どういう使い方をすれば効果的なのか。」


去年(2012年)、ネット利用が全面的に解禁された韓国の大統領選挙では、投票率が13%近く上昇。
若い世代の政治参加が進みました。

イ・ヒョニョンさん
「フェイスブックでみんなが政治の話をするようになりました。
関心をもつしかないという感じでした。」

その一方、ネット上でのひぼう中傷が増加。
7,000件を超える書き込みが削除を求められました。
今回の解禁で選挙への関心はどこまで高まり、政治家と有権者の関係にどのような影響が出てくるのか。
ネット選挙の新たな可能性を探ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ネット選挙運動を解禁する公選法改正案は、あす19日の参議院本会議で可決・成立するようです。

  ネット選挙法案 19日にも成立
2013.4.17 NHK 

インターネットを利用した選挙運動を夏の参議院選挙から解禁する法案について、参議院の特別委員会は、17日、理事懇談会を開き、18日の委員会で趣旨説明と質疑を行ったうえで採決することで与野党が合意し、法案は19日にも参議院本会議で可決・成立する見通しになりました。

この公職選挙法の改正案は、夏の参議院選挙から、電子メールによる選挙運動を政党や候補者だけに認める一方、ホームページのほかツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスなどによる選挙運動を全面的に解禁するなどとしています。
改正案は、先週12日の衆議院本会議で全会一致で可決されて参議院に送られ、参議院の特別委員会は、17日、理事懇談会を開き、改正案の取り扱いを協議しました。
その結果、18日に委員会を開き、趣旨説明と野党側による質疑を行ったうえで採決することで与野党が合意しました。
これによって改正案は、18日の委員会で可決されたあと19日にも参議院本会議で可決・成立する見通しになりました。



  メール転送も不可 ネット選挙、初の実務協議 
2013年4月17日  東京新聞

 与野党は十六日、インターネットを使った選挙運動のガイドライン(指針)に関する初の実務者協議を開き、自民、公明、日本維新の会の三党がつくった素案を基に成文化させることを確認した。一般の有権者が候補者から送られてきたメールの転送を禁止することなど、いくつかの具体策を盛り込む方針でも一致した。
 指針は、ネット選挙を解禁する公職選挙法改正案の今国会成立が確実になったのを受け、各党が策定に動きだした。ネットを使って選挙運動をした場合、混乱が予想されるため、素案はどこからが違法になるのか、といった基準を具体例を挙げながら一問一答形式で説明している。
 有権者らによる電子メールの転送は、素案に「できない」と明記してあり、各党が了承。政党と候補者に送信が限られた電子メールは、第三者の「なりすまし」を防ぐため、各候補者がそれぞれ民間の本人認証サービスを使い、メールアドレスにその証明を表示することにした。
 有権者らは、短文投稿サイト「ツイッター」や交流サイト「フェイスブック」などの「メッセージ機能」を利用することは可能だが、同機能を通じてメッセージを他人の電子メールアドレスに送ることはできないことも確認した。
 与野党は週内に素案を修正した上で、論点としてまとめる方向。決定した指針は総務省のホームページなどに掲載される予定だ。
 



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4月16日(火)のつぶやき

2013-04-17 01:09:36 | 花/美しいもの

うう…朝と昼と一緒にしようと、手作り弁当の店で弁当を買ってきて食べたら、たっぷりブニョブニョの椎茸が入っていた。まだ気持ち悪い…orz今晩のクローズアップ現代ですが、冒頭のVTRでちょろっとインタビュー映像が出るだけだそうです。

寺町みどりさんがリツイート | 1 RT

雪の中の父と娘 53歳の父を見殺しにしている私達? Haruna | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=9776


アウンサンスーチー氏さん:京都の大学で講演「女性の変革を後押ししてほしい」 goo.gl/H8nn4


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アウンサンスーチーさん:京都の大学で講演「女性の変革を後押ししてほしい」

2013-04-16 16:38:33 | ほん/新聞/ニュース

アウンサンスーチーさんが、85〜86年に京都大で客員研究員をしていた京都を訪問、
京都大学と龍谷大で講演。
京都大学の講演の内容は、女性の政治参加の重要性を説き、
「女性が貢献に対して地位や公式な立場を求めるのは女性らしさと矛盾するものではないし、正当な権利だ。ビルマの変革を支援しようと思うなら、女性の変革を後押ししてほしい。女性が卑屈にならず、自分の真の価値を自覚し主張できるよう支えてほしい。」と結んだ。
とても良い講演なので、後半で毎日新聞の講演要旨を紹介します。

  アウンサンスーチー氏:仏教思想に基づいた非暴力、大学講演で訴え 「他者を愛し、慈しむ」 
毎日新聞 2013年04月16日 東京朝刊

 訪日中のミャンマーの最大野党「国民民主連盟(NLD)」のアウンサンスーチー議長(67)は15日午後、龍谷大(京都市)を訪れ、「社会変革のプロセスにおける仏教の役割」と題して講演した。(8面に講演要旨、社会面に関連記事)
 信仰のあつい仏教徒であるスーチー氏は「民主的な社会を作るためには、他者を愛し、慈しむ仏教の教えを前面に出さないといけない」と仏教思想に基づいた非暴力による民主化実現を訴えた。
 スーチー氏は、軍政と民主化勢力などが激しく対立を続けたミャンマーの歴史に触れ、「(1948年の)独立以降、この国では怒りや戦いが続き、今なお暴力に訴えようとする人がいる。仏教の教えを心に置きながら変革を進めないといけない」と主張。「私の言うことを理想主義という人がいるかもしれないが、理想に向かって努力することが必要だ」と述べ、その役割を「価値観をはぐくむ時間がある」若者たちに期待した。
 ミャンマーでは9割近くを占める仏教徒と、少数派のイスラム教徒の対立が表面化。先月には中部メティラで両教徒の暴動が起き、40人以上が死亡、1万人以上が避難民となり、最大都市ヤンゴンでも緊張が高まっている。スーチー氏は国内の宗教対立を念頭に「一人一人の人権を大切にするのが仏教だ」と強調した。
 スーチー氏は、龍谷大に先立ち京都大学で、女性の社会進出について講演。NLDを率いる自身について「私は女性的ではない。タフだ。だからここに立っている」と評した。また、ミャンマーで民主化を進展させるためには、女性が積極的に政治に関与しなければいけないとしたうえで、日本に対し「ビルマ(ミャンマー)の変革を支援しようと思うなら、女性の変革を後押ししてほしい」と訴えた。
 スーチー氏は85〜86年に京都大に客員研究員として在籍。龍谷大には当時、親交の深い教授夫妻がおり、たびたび訪れていた。【岩佐淳士】


 スー・チー氏 京都大学で講演 
2013.4.15 NHKニュース

27年ぶりに日本を訪れているミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏は、15日、かつて研究者として在籍した京都大学で講演し、女性の社会的役割の重要性を訴えました。
アウン・サン・スー・チー氏は、15日午前、かつて研究者として在籍した京都大学を訪れ、松本紘学長から名誉フェローの称号を贈られました。
スーチー氏は、講演の冒頭、「京都大学で、初めての名誉フェローの称号をいただいたことにとても驚いたし、うれしく思う」と述べました。
また、スー・チー氏は講演で、ミャンマーでは女性の社会進出が十分でないと説明したうえで、「女性には社会に大きな変化を起こす能力がある。その力で軍事政権下でつくられた価値観を個人の価値が尊重されるように変えていかなければならない」と訴えました。
講演を聞いた女子学生は「同じ女性としてすごくタフだなと感じました。自分も見習って勉学に励もうと思いました」と話していました。
また、別の男子学生は「話にとても説得力がありました。日本も女性の社会進出がまだまだなので変えないといけないと思いました」と話していました。 


  


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 スーチー氏:京都大での講演要旨 
毎日新聞 2013年04月16日

 訪日中のミャンマーの最大野党「国民民主連盟(NLD)」のアウンサンスーチー議長(67)が京都大で15日に行った講演の要旨は次の通り。
 近年のビルマ社会・政治の変革を見ると、2010年の総選挙で軍事政権から民政に移管したが、女性の参画はどの程度あっただろうか。664人いる国会議員の中で女性は当時25人もいなかった。12年の補選で状況は多少変わった。(議長を務める)「国民民主連盟」(NLD)は45議席中43議席を獲得した。うち13人は女性で、これは大きな変革となった。NLDは女性が社会や政治の改革に参加できるよう努力しているが、男女差は現存している。
 実は日本や韓国の男女差も世界で最大級だ。経済政策によって女性が経済力を持てば男女差は解消可能というのに、なぜ経済が発展した日本や韓国で隔たりがあるのだろうか。
 一つには社会の価値観の問題がある。ビルマでは伝統的に女性がビジネスに関わるが、男女差はあちこちにある。女性議員はほんのわずかしかいない。母は大使だったが、女性大使はこれまで母1人だ。女性大臣も数カ月前に1人就任しただけ。副大臣も12年に4、5人が就任した程度だ。
 教育の面でも、教員の大半は女性だが、教育行政を担うのはほとんど男性だ。教育相も男性だ。
 女性の間にも「目立つのは女性らしくない」という考えがあるが、自分の考えを主張することと攻撃的になることとは違う。NLDは補選で、女性や若者、少数民族の候補を多く擁立したいと考え13人の女性が当選した。まだ足りないが、それ以上の候補を見つけられなかったのだ。女性はまだ政治で責任ある役割を担う自信を持っていない。しかしあえて政治経験がない候補も擁立したところ、資質があることが分かった。弁護士出身者など立法分野で大きな役割を果たしている。
 女性にもっと変革の前線に立ってほしい。ビルマには「息子は主人のように、夫は神のように扱わねばならない」というばからしいことわざがあるが、間違っている。
 女性差別は幼い頃から始まる。女の子の方が出来は良くても、貧しい家庭で男の子だけ通学させ、女の子に家事をさせるのはよくあることだ。女子は男子より高い点を取らないと医学部に入学できないにもかかわらず、実際には女子学生の方が多い。女性も、自分たちが男性と対等のパートナーになれると自覚すべきだ。男性教員や女性大使を増やすなど男女の役割は互換できる。
 現在、我が国で私はよく「母」と呼ばれる。でも私が男性なら「父」と呼ばれただろうか。私の父は「建国の父」と呼ばれたが、ビルマの政治家で「父」と呼ばれる人はいない。政治で母性が求められているのだろうか。私は女性的でない。タフだ。だからここに立っている。でもなぜ女性的な面が強調されるのか。女性には政治的リーダーシップに加え、人を癒やす力もあるからではないか。女性の政治的役割は男性よりも広い。女性の参画を通して社会を育み、人々が幸せを感じる新しい社会・政治環境を作らねばならないのだ。
 ビルマでは半世紀に及ぶ軍事政権支配で独裁的な考え方が形成されたが、民主国家になるにはそうした思考法を変える必要がある。それを早くできるのは女性だ。女性は男性ほど軍事政権の影響を受けていない。政治によって人を管理するのではなく、政策への理解を促すことが大事だ。そのためには教育や日々の生活、女性の生き方から変えねばならない。両親の面倒を見るのも女性だ。母親たちは娘に(教育などの)機会をもっと与えたらよい。
 女性が貢献に対して地位や公式な立場を求めるのは女性らしさと矛盾するものではないし、正当な権利だ。ビルマの変革を支援しようと思うなら、女性の変革を後押ししてほしい。女性が卑屈にならず、自分の真の価値を自覚し主張できるよう支えてほしい。 



 スーチー氏:龍谷大での講演要旨 
毎日新聞 2013年04月16日

 訪日中のミャンマーの最大野党「国民民主連盟(NLD)」のアウンサンスーチー議長(67)が龍谷大(京都)で15日に行った講演の要旨は次の通り。
 私は良い仏教徒でありたいと思っているが、仏教の専門家ではない。今日は仏教の教えに沿って生活をしている一仏教徒として、お話をしたい。できるだけ短く10分間ぐらいで話をしたいと思う。皆さんから質問を受けたり、外で待っている学生たちにごあいさつをしたりする時間を残しておきたいからだ。このことこそが仏教の実践だ。他人を慈しみ、大切にすることが仏教の教えなのだ。
 この教えは、今変わりつつある私たちの国でできる唯一最大のことだと思う。暴力や怒り、復讐(ふくしゅう)、権力を求めることではなく、私たちが望むのは、他人を愛し慈しむ気持ちを国内外の人々に広げることだ。ビルマは長年、真の平和から遠ざかっていた。私たちが独立した1948年以降、怒りや争いが途絶えたことはなく、常にどこかに武器があった。今も武器を持っている人、暴力で解決を望む人がいる。これが私たちの国の状況だった。
 それを変えたいと思うならば、また本当の意味で仏教の平和と愛を国全体に広めたいと思うならば、お互いを大切にすることから始めなければいけない。ビルマには仏教だけでなく、さまざまな宗教の信者がいる。こうした人々に対し平等に敬意を表し、同じように愛し慈しみ合うことが必要だ。相手が仏教徒であろうとなかろうと、どんな宗教であるのかは関係ない。宗教で人々を隔ててしまうことは、真の仏教の道ではない。
 仏教は決して民主化の概念と相反するものではない。仏教は私たち一人一人に価値を置いている。個人の人権に価値を持っているのが仏教だ。真に民主化された社会は、人権を尊重する社会でもある。先ほどこの会場に到着した際、非常に多くの人たち、特に若い男性たちが親しみを持って私を迎えてくれた。
 しかし、人々がいつも慈しんでくれることを当たり前と考えてはいけない。慈しみや優しさは要求したり、お金で買ったり、あるいは強制させたりすることではない。それは自発的に与えられるものでなければならない。与えられたいのならば、与えることが必要だ。新しい民主的な社会を作りたいと思うのであれば、いま申し上げたような仏教の価値観が大切になってくる。
 中には理想主義だと思う方もいるだろう。しかし私たちは常に努力して理想に向かわなければいけない。不可能であるかのようなことに取り組むことが必要だ。人間は最善のことができるのと同時に、最悪のこともできる。選択は我々の側にある。良い方に向かうか悪い方に向かうか。我々自身の利益のためにも、ぜひ良い方向に向かわなければいけない。今日の世界、人類のためにそう思う。
 その時に重要なのは若者たちだ。若者たちには時間がある。必要な価値観を育てる時間があるのだ。社会変革のために仏教が果たす役割は何かと問われたならば、主たる役割は人を説得することではないかと思う。それは思いやりによって実現できる。他の宗教を軽視したり、視野を狭めたりすることは仏教の教えに反することだ。視野を広げ、寛大になって目標を目指すことが重要だ。
 将来について楽観的かと問われれば、私は楽観的だと申し上げたい。なぜなら、一人一人が資質を持ち、社会を変えていく能力を持っているからだ。必要なのは意志と決断だ。仏教の価値を心に留めながら、私の国で政治的、社会的、経済的な変化を進めていきたいと思う。
 


  



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4月15日(月)のつぶやき

2013-04-16 01:08:48 | 花/美しいもの

上野千鶴子×信田さよ子×北原みのりトークイベント 映像公開予告 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/ueno/?p=2555

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